~ Border Break another ~ その瞳は、何を見る?   作:白銀之鴉

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取引一話

鴉は、今、マグメル本社の廊下を歩いていた

歩きながら、今回の作戦を思い返していた。

 

(ACE計画……二人の歳の離れた子供……廃棄寸前だった施設……それに………)

 

ふと、ポケットから取り出した、USBメモリを見ながら、立ち止まる

 

(まぁ、時期に分かるか)

 

USBメモリを、再びしまうと、鴉は毛延びをしながら、歩いていくと、廊下は、ある部屋の前に着き、そのまま進むと、鉄とオイルの匂いに包まれる

 

その部屋は、マグメルが指揮する作戦等で傷付いたブラストランナーの修理を行っている部屋で、部屋は相当デカイ

 

「随分と、損傷が酷いのが多いな 」

 

部屋には、片腕が無いブラストや、肩脚が無かったり、傷だらけの物が多く存在していた。

「あ、あいつらの」

 

その一角に、ライジング達が乗っていたブラストがあり、整備士が直していた。

だが、一つ、黒いブラストを修理していた、整備士と小さな女の子がもめているのが見えた

 

「で、ですが!こちらのパーツは……」

 

「良いから直せってんだ!!

昨日壊れちゃったんだからさぁ!!」

鴉は、その光景を見ると、女の子の方を向き、そこそこ大きい声で、その子を呼ぶ

 

「おーい、クロー。何してんだー?」

 

 

鴉の声に反応した、女の子は、鴉に向き直ると、「おー、鴉!直しとけよ!!」と整備士に言うと、鴉に向けて、全力で走ってくる

 

鴉は、のんびり待っているが、クロは鴉に近付いているのに、速度を落とさない

 

「かーらーすー!!」

 

「お、おい!?」

 

「とぅ!!」

 

クロは、勢いよく、鴉につっこむと、鴉はその速度を利用して、クロを抱きしめ、くるっと一回転する

 

「おい!クロ!いきなりつっこんでくるなよ!!」

 

「あはは、悪い悪い!ついな!」

 

鴉は、ため息をつくと、クロを下ろし、横に立たせると笑顔になる

 

クロの見た目は、十四歳位の女の子であり、髪は茶髪で、眼は一重、身体は少し黒く日焼けしており、胸は、控えめであり、笑顔になると、八重歯が見える。

身長は、鴉より低く、鴉の胸元位しかない。

 

「いやー、今回の作戦はすまなかったな!

だが、私は悪くねぇ!」

 

「あぁ、蒼月から聞いたよ。

ま、こうして生きてるから、別に良いよ」

 

二人は、歩きだすと、部屋を後にする

クロは、ポケットから棒の付いた丸い飴を取り出し、くわえる

 

「んー、今回はあんまり暴れられなかったなー。

まぁ、奇襲作戦じゃ、しょうがねぇか……」

 

クロは、「んー」と唸りながらも、頭に手を置きながらのんびりと歩く

 

「そんな事言っても、お前、強化機兵十機は壊したんだろ?相変わらずだな 」

 

「十じゃ、物足りないんだよなぁ……」

 

鴉は、「そうか」と軽く言うと、のんびりとある部屋に向かう

 

「つか、今から交渉つか、報酬の話聞きに行くんだろ?」

 

「あぁ、そうだぞ?」

 

「また、"取引"すんのか?」

 

「そこは、分からん。

まぁ、材料はあるがな」

鴉は、ポケットからUSBメモリを取りだし、クロに見せる

 

「へー、また、あれが見れるのは楽しみだな!」

 

クロは、軽くアハハと笑うと、飴を噛み砕く

少しすると、とある部屋に着く。

部屋の扉が開くと、その部屋には、二人の男がそれぞれ、寛いでいた。

 

二人の男は、鴉とクロが来るのを見ると、白髪の髪の男が、鴉に近付く

 

「おー!鴉か!お疲れさm」

 

白髪の男が、鴉に言い終わる前に、鴉の目の前から消え、辺りのソファや置物が吹き飛び、白髪の男は壁にぶち当たる

 

「死ね、ゴミが。

私の半径1メートルにはいんじゃねぇ!!」

 

鴉は、「あはは」と力無く笑い、つつ、頬を掻く

すると、もう一人黒い髪の男が、眼鏡を正し、本をしおりに挟み、耳からイヤホンを外し、鴉に近付く

 

「あ、ししょー、クロさん~。任務お疲れ様でした~」

 


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