~ Border Break another ~ その瞳は、何を見る? 作:白銀之鴉
鴉は、扉を通ると隠れる様子も忍ぶ様子も無く堂々と、通路を歩いている。
まるで、家の中を歩く様に
だが、一つ違うのは、その手には先程エイジェンの戦闘員から拝借した、銃を構えている
(随分と綺麗な通路だな)
すると、前方から戦闘員らしい二人組が、鴉に向かって歩いてくる。向こうは、鴉の事に全く気付いていない様子だ。
近づくに連れ、二人の話声が聞こえる
「おい、聞いたか?」
「あぁ、あのガキを始末するんだろ?エグいよな……」
「まぁ、仕方ないさ。」
「でも、あいつ13歳だろ?殺すなら、あいつ欲しいわー」
「何だ、お前ロリコンなのか?」
「はぁ?何言ってんだよ、あいつ胸中々大きいじゃん?それにあれ位が一番美味しいじゃんかよ!」
鴉は、二人の話を聞きながら、心の中で呆れる
(こんな、話。あいつらが聞いたら、ぶちギレて暴れそうだな……)
そんな事を思っていると、鴉と二人はすれ違うと戦闘員の一人が立ち止まる
「おい、お前……」
(バレたか?)
鴉もその声に、立ち止まり戦闘員に向き直る
「は、はい……ゴホッゴホッ」
鴉は、瞬時に体調を悪そうにしながらも、真っ直ぐ戦闘員に向き直る
「見たこと無いと思ったら、お前もしかして、俺とシフトが違う奴か。体調悪いなら、変わって貰えば良かったのにな。大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……すみません…そろそろ薬を飲まないと……」
「お、おぅ……お大事にな…」
戦闘員は、再び談笑を始めると、鴉も前を向き、歩き始める
(チョロいな、ここはどうやら、警備が甘いみたいだな。そろそろ廃棄されるからか?)
鴉は、思考を巡らせながら、歩みを続け、端末を見ると納得したような顔をすると、周りを警戒しながら、歩みを続ける
しばらく、歩くと通路の壁に地図が表示されている
「中枢部は…ここか」
マップを、端末に移すと鴉はそれを頼りに進んでいくが、前方から小型の丸いドローンがこちらに向かってくる
(ま、まずい!)
鴉は、少し慌てるが、真っ直ぐ歩いて行くと、ドローンが鴉の目の前に止まる
「くっ!」
『ピピ、認証が必要です、IDカードとナンバーを提示してください』
ドローンは、提示する様に鴉をみる。鴉は、戦闘員から奪ったIDカードとナンバーカードを提示する
鴉の持っている、カードをドローンがスキャニングすると、再びピピと音を出す
『承認中です、その場でお待ちください…』
鴉は、緊張のあまりごくりと喉をならす
すると、ドローンのスキャニングが終わったらしく、再びピピと音を出す
『認証が終わりました、ナンバー115248番のイーグル様ですね。お仕事中に失礼致しました』
ドローンは、それを言うと鴉の横を通り過ぎる
鴉は、しばらくすると「はぁ」と安心すると先程奪ったカードをマジマジと確認する
「成る程な、ここではこれが全てなのか……」