~ Border Break another ~ その瞳は、何を見る? 作:白銀之鴉
ゼクスは、エレベーターを使い、施設の地下に着くと、物陰に隠れながらも、鴉が入ったであろう、入り口に入ろうとするが、カードを持ってないため、入れない
「ど、どうしよう……」
ゼクスが、悩みながら、部屋を見渡すと、カードを使わない入り口を見付け、隠れながら、入っていく
(ここは?格納庫の通路か?)
ゼクスが、通っているのは、他の通路と違って、少しうす暗く、人の気配も全くしない
通路も、少し埃を被っているし、カメラも一台もない。
しばらく、一本道が続いており、歩いていると、明るい通路にあたる
ゼクスは、警戒しながらも、明るい通路に出ると、辺りを確認する
(恐らく、ここが、エイジェンの施設か……)
辺りに、誰も居ないことを確認すると、ゼクスは、手当たり次第の部屋に入る
(ここは、ロッカールーム。ここは、トイレか。ここは、何の部屋だ?)
ゼクスは、三つ目の部屋に入ると、他の部屋と違って雰囲気が違うことに気付き、探索を開始する
(何か、フェートの部屋みたいだな…でも何か、違うな……)
「キャアアアア!!!」
すると、外から女の子と叫び声が聞こえる
「外から!?」
ゼクスは、部屋から飛び出ると、声のする部屋へと走り出す
走っている途中も、女の子の、叫び声は聞こえ、徐々にその声が断末魔に変わっていくのを感じ、ゼクスは更に急ぐ
(頼む!!間に合ってくれ!!)
ゼクスは、曲がり角を曲がろうとすると、近くの部屋が開く音が聞こえ、たち止まり、隠れる
廊下を覗くと、二人の研究員が、ある部屋から出てくる
「ちょっと、調整が厳し過ぎたか?」
「いやいや、あれ位が良いんだろ。てか、あいつの叫び声良いよなぁ……そそるぜ」
「それな!俺もそう思うわ~」
二人の研究員は、談笑しながら、廊下を歩いていくのを見て、ゼクスは唇を噛みしめ、我慢する
(我慢しろ……ゼクス……)
二人が、見えなくなると、ゼクスは大急ぎで、二人が入った部屋に入る
部屋に入ると、一人の若い女の子が、実験台の上に拘束され、実験器具に繋がれて居た
「おい!君!大丈夫かい!?」
ゼクスは、心配しながら、声をかけるが、全く返答が無い
急いで、全ての実験器具を取り、女の子を起こし、首元に手を当て、生死を確認する
(トクン…トクン…)
静かだが、女の子は、脈をうっており、生きてることを確認すると、ゼクスはホッとする
(良かった……間に合ったか!)
ゼクスは、女の子の頬を軽く叩き、目を覚まさせる
「おい、起きてくれ!」
女の子は、「ん、んん?」と嫌がりながらも、目を覚ます。
目を覚ました瞬間に、ゼクスの顔を見た瞬間に叫びそうになるが、ゼクスが瞬時に女の子の口を塞ぐ
「ん!んんん!!!」
「静かにしてくれ!俺は、君の味方だ!」
女の子は、その言葉に、ハッとすると、ゼクスの顔と髪をまじまじと見て、納得する
ゼクスは、静かに口から手を退かすと、女の子に自分の上着を着せて、実験台から降ろし、説明する
「今から、君をこの施設から連れ出す。良いかい?」
女の子は、静かに頷くと、ゼクスは「良し」と言い笑顔になる
ゼクスが、手を繋ごうとするが、女の子は、手を払う
「触らないで」
女の子は、目付きを変え、ゼクスを睨み付ける。だが、ゼクスはその目に覚えがあった、前に鴉に初めて話しかけた時の目付きと似ており、ゼクスは納得する
「分かった、でも離れないでね?」
ゼクスの言葉に、女の子は静かに頷き、部屋を出ようとすると、廊下の研究員とばったりと会ってしまう
(しまっ!)
「な、何だ貴様!!」
研究員は、すぐに何かを押そうとするが、ゼクスは、それを蹴り飛ばし、研究員を押さえ込み、押し倒し、スタンガンで気絶させる。
「ぐぁ!!」
ゼクスは、そのまま研究員を縛り上げようとするが、廊下の奥から、また、別の研究員が現れる
「貴様!!そこで何をしてる!!」
「クソ!!」
研究員に向けて、ゼクスは銃を構えて撃つが、弾は外れ、研究員は逃げ出す
「不味い!君、急いで!」
「え!ちょ、ちょっと!!」
ゼクスは、急いで女の子を連れて逃げ出すが、施設内のスピーカーから「ビー!!ビー!!ビー!!ビー!!」と、警告音が響き渡る
「侵入者を確認!!特徴は、金髪の男!!実験体の小女を連れている!!二人を捕獲しろ!!」
「くっ!予想以上に、伝達が早い!」
「ちょ、ちょっと、どうするのよ!!」
「とりあえず、こっちへ!」
女の子は、慌てているが、ゼクスも少し慌てながら、逃げようとするが
「居たぞ!!撃て!!」
「くっ!」
目の前の廊下から、戦闘員が現れ、銃撃戦になる。
ゼクスは、女の子を庇いながらも、通路の遮蔽物を利用し、銃弾を避ける
「こっちへ!」
「逃がすな!!」
ゼクスと女の子は、別の通路に、逃げ込むが、戦闘員はしつこく、後ろから容赦なく撃ってくる
「ドローン部隊!!奴等を捕縛しろ!!」
戦闘員が、命じると、ゼクスの目の前に小型のドローンが3機、通路の奥から出現し、ゼクス達へ銃を構えながら、向かってくる
「くそ!」
ゼクスは、銃を構えて、ドローンを撃ち二機を行動不能にするが、一機は、銃撃を掻い潜り、ゼクス達へ接近する。
「この部屋に入って!」
「はい!」
ゼクスは、女の子をある部屋に入れると、ガス弾をドローン目掛けて撃つが、ドローンは撃ち落とそうと、弾丸を当てるとガス弾は、爆発し廊下一体に大量のガスで充たされる
「ガス弾か!ガスマスクを付けろ!」
戦闘員達は、同時にガスマスクを付け、ドローンが銃を向けている部屋に入る
戦闘員達は、一斉に入ると、警戒しながらも、部屋を探索する
部屋は、どうやら脱衣場だったらしく、どこかに隠れる様な所はない。だが、念のために、辺りを念入りに捜索する。すると、一人の戦闘員が天井を指さす
「奴等は、通風口だ!!」
戦闘員達が、一斉に通風口に目をやると、通風口が空いてあり、近くには登った後の様に物が置いてある
「よし、BとAは通風口の中を調べろ!他の奴は、通風口の出口を全て塞ぐぞ!」
「「「了解!」」」
一人の指示に、全員が頷き、それぞれバラバラに動く。 そして、脱衣場が静かになると、二つのあるロッカーが、ひとりでに開く。
「行った様だな。大丈夫かい?」
「え、えぇ」
実はゼクスは、脱衣場のロッカーに隠れる前に、一度通風口に登ろうとしたが、鴉のアドバイスを思いだし、近くのロッカーに隠れたのだ
「流石は、鴉さんだ。簡単に敵がひっかかったよ」
身を整え、再び銃を構えつつ、ゼクスは、女の子を連れて部屋を後にする。
先程の事が、あり、やはり施設内は厳重警備体勢になっており、上手く動けない
(どうするか……)
すると、ゼクスはさっき通った暗い通路を思い出す
(そうだ!あそこなら、カメラも人も居ないはず!)
「きみ、付いてきて!」
ゼクスは、そう思うと、女の子を引き連れて、最初に通った道に向かっていく