ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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投稿します!

今まで、一人称視点でやってきたこの作品ですが、この話から三人称視点に変更します。後、~sideというのも、やめます。

別作品との兼ね合いで、書き分けるのが難しく、統一した方が書きやすいので、試験的にやってみます。不評でしたら考えます。

それではどうぞ!




第九章 ~修学旅行はパンデモニウム~
Life.101~2匹の散歩、サイラオーグとの手合わせ~


 

 

 

時刻は早朝…。

 

「……よし」

 

着替えを終えた昴は玄関へと向かっていく。

 

「おはようございます。どちらへ行かれるのですか?」

 

そんな昴に、つい数日前にグレモリー眷属入りしたロスヴァイセが話しかける。

 

「ああ。今からトレーニングがてら、スコルとハティを散歩にね」

 

「そうですか。では、私も同行致します。少し待っていてもらいませんか?」

 

そう告げて、ロスヴァイセは自室へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「おまたせしました。それでは行きましょうか」

 

ジャージ姿に着替えてきたロスヴァイセはと共に外へと向かった。

 

「よしよし、それじゃ、散歩に行くぞ」

 

「「わう!」」

 

庭の一角で寝そべっていた2匹に昴が声を掛けると、2匹が尻尾を振りながら昴に駆け寄ってきた。

 

スコルとハティは、先日、三大勢力と北欧神話の和議の会談を阻止する為にやってきたロキ。そのロキが連れていたフェンリルの子である。危険視されていた為、一度は処分が検討されていたが、昴の尽力により、現在はリアスとグレモリー眷属が住まう家の庭で飼われている。

 

昴が2匹の頭を撫でながら首輪にリードを繋げていく。基本的に庭に放し飼いをしているのだが、外に散歩に連れ出す時だけリードを繋げている。

 

「ふふっ、こうして見ると、本当に犬と変わりませんね」

 

そう言って、ロスヴァイセがスコルの頭に手を伸ばす。

 

「がうっ!」

 

「ひっ!」

 

伸ばした手にスコルが噛み付こうとすると、ロスヴァイセは慌てて手を引っ込める。

 

「こら、むやみに噛み付くなって言ってるだろ」

 

そんなスコルに目線を合わせるようにかがみながらスコルを窘める。

 

このスコルとハティ。昴とアーシアにはすぐに懐いた。リアスと他のグレモリー眷属にも、少しずつではあるが懐きつつあるのだが、ロスヴァイセにだけは未だに一向に懐く気配がないのだ。

 

恐らく、ロキと同じく北欧神話の存在の為、懐かないのだろうと昴は考えた。

 

「無理して散歩に付いてこなくてもいいんだぜ?」

 

「い、いえ、これも監視役の務めですので…」

 

頬を引き攣らせながらロスヴァイセが言う。

 

「真面目な事で…、それじゃ、行くか」

 

昴がそう促すと、2匹が駆け出す。昴はリードを持ちながらその後を追う。ロスヴァイセもその後を追っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

散歩を始める事約1時間。自宅から少し離れた大きな公園に辿り着いた。

 

「よし、それじゃ、ほれ、遊んで来い!」

 

そう言って、昴は2匹の首からリードを外した。

 

「「わおっ♪」」

 

リードを外すと、2匹は嬉しそうに公園を駆けだしていった。

 

「ハァ…ハァ…!」

 

隣で、ようやく追いついたロスヴァイセがその場で膝に手を付きながら呼吸を荒げていた。

 

「お疲れさん。ほれ」

 

昴が持ってきた水筒をロスヴァイセに渡した。

 

「あ、ありがとうございます。…ゴクッ…ゴクッ…はぁ…!」

 

水筒を受け取ったロスヴァイセは水筒に入った水を一気に煽る。

 

「…ふぅ。それにしても、いつもあんなペースで走っているのですか?」

 

「ああ。いつもはもっと走ってるぞ。ま、今はスコルとハティを連れてるから距離は短いけど、ペースはいつもより速いかな」

 

「そ、そうですか…」

 

淡々と告げる昴を見て、ロスヴァイセは冷や汗を掻く。

 

「それじゃそろそろ…おーい、スコル、ハティ!」

 

昴は、持ってきた鞄からフリスビーを2つ取り出し、2匹を呼んだ。すると、追いかけっこをしていた2匹が中断して昴の下に駆け寄ってきた。

 

「よーしよしよし♪ …それじゃ、取ってこい!」

 

 

――ブン!!!

 

 

そう言って、昴は持っていたフリスビー2つを力一杯遠くへと投擲した。フリスビーは目にも止まらない程のスピードで飛んでいった。

 

「「がおっ!」」

 

投げたのと同時に2匹もその場から猛スピードでフリスビー目掛けて駆け出し、100メートルを越えた所でそれぞれフリスビーを咥えてキャッチした。

 

「よーし、よく取れたな。…ほら、もういっちょ!」

 

もう1度、遠くにフリスビーを投擲した。

 

「…すごい光景ですね」

 

「さすが、フェンリルの子だけあるよな」

 

高速で飛んでいくフリスビーを高速で走ってキャッチする2匹を見て、ロスヴァイセは唖然とする。

 

「始めは普通に投げてたんだけど、スコルとハティが物足らないと言うか、つまらなそうにしてたから、少しずつ強く投げていって、今では本気で投げてもあんな感じにキャッチするぜ」

 

あっけらかんとしながら告げる昴。2匹が戻ってくると、鞄に手を入れ、餌を取り出した。

 

「よしよし、よく取ってこれたな。ほら、ご褒美だ。ほれ!」

 

餌を3つ取り出した昴はスコルに目掛けて3つの餌を高速で投げた。

 

「あおっ♪」

 

スコルは首を高速で動かしながら投げられた3つの餌を全て口の中でキャッチし、美味しそうに食べ始めた。

 

「今度はハティだ。ほれ!」

 

ハティにも同様に3つの餌を高速で投げ、ハティはその餌をスコルと同じく首を高速で動かしてキャッチした。

 

「……くれぐれも、人が見ている前ではやらないでくださいね」

 

言葉を失いながらも、ロスヴァイセは昴に告げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「今更言う事でもないだろうが、良かったのか? 悪魔に転生して。オーディン様のお付きを任せられるくらいだから、向こうでも優秀だったんだろ?」

 

ベンチに座った昴とロスヴァイセ。おもむろに昴が尋ねる。

 

「後悔はしていませんよ。当初は勢いで転生しましたが、今はやりたい事がたくさん浮かんでいるので、楽しみの方が多いです」

 

「…そうか」

 

充実した表情で語るロスヴァイセ。それを見た昴はこれ以上は何も言わなかった。

 

「そういや、駒王学園に通うみたいだけど、教鞭を取るんだってな。俺達と歳は変わらないんだから、学生として通えば良かったのに」

 

「いえ、飛び級で学校は出ていますし、教員免許も持っていますので…」

 

「苦労すると思うぜ。…ま、これも今更言う事でもないか。さて…、スコル、ハティ! 帰るぞ!」

 

ベンチから立ち上がると、少し離れて所でボールで遊んでいた2匹が昴の下に駆け寄ってきた。昴の傍までやってくると、2匹の頭を撫で、リードを繋いだ。

 

「…不思議な方ですね」

 

昴を見て、ロスヴァイセは思わず口からそんな言葉が漏れた。

 

年齢は自分と変わらない。悪魔に転生したのもつい最近の話だという事も聞いていた。にも関わらず、ロスヴァイセの目には昴がやけに大人びて見えたのだ。実戦においても、味方を鼓舞し、時に指示を出し、あのロキを捕縛してみせた。

 

ロスヴァイセは、密かに昴に興味を抱いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

それから数日後…。

 

リアスを始めとしたグレモリー眷属は、冥界のグレモリー家へと足を運んでいた。ダイニングルームに案内され、そこでお茶会をしながらリアスの両親に新しい眷属の紹介をした。

 

「そういえば、昴さん2年生はもうすぐ修学旅行でしたわね」

 

「はい。京都に3泊4日の予定です」

 

リアスの母親であるヴェネラナに尋ねられ、昴はティーカップを置いて答えた。

 

「京都は良い所ですわね。去年もリアスからたくさん土産話を聞いて、時間があればいつかは足を運ぼうと思っていますのよ。そういえば、リアスがお土産で買ってきてくれた京野菜の漬物は絶品だったわね」

 

「好評であるなら、修学旅行の折に購入してきますよ」

 

「あらあら、催促してしまったみたいでごめんなさいね。私に気を遣わないで、旅行を楽しんできてくださいね」

 

口元に手を当てながら頬を赤く染めたヴェネラナ。その後も、楽しく談笑しながらお茶会は進んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

お茶会を終えて魔方陣で自宅に帰ろうとしたのだが、ちょうどサーゼクスが城に戻っているという話を聞き、挨拶だけでもする事にしたリアス達。

 

途中でサーゼクスの息子であるミリキャスもサーゼクスに会う為にリアス達と共に向かった。

 

「……ん?」

 

サーゼクスが戻った時に使う移住区の通路で目当ての人物を見つけたのだが、そこにはもう1人、見知った人物がいた。

 

「邪魔をしている。久しいな、リアス、赤龍帝」

 

黒髪の男、サイラオーグ・バアルがリアス達に気付き、声を掛けた。

 

「ごきげんよう、サイラオーグ。息災で何よりだわ。お兄様も、ごきげんよう。お帰りになられてるとうかがって、挨拶だけでも思い、こちらへ参りました」

 

「気を遣わせてしまって申し訳ない。わざわざありがとう」

 

ミリキャスを抱き上げたサーゼクスは微笑みながら礼の言葉を言った。

 

「ところで、サイラオーグはどうしてここに?」

 

「バアル領特産の果物をわざわざ持ってきてくれたのだよ。随分従兄弟に気を遣わせてしまったみたいでね。今度、リアスをバアル家のお屋敷へと話していたところだよ」

 

「そうだったの。サイラオーグ、わざわざありがとう。今度、是非窺わせてもらうわ」

 

「なに、そこまで気を遣わなくて構わないさ」

 

サーゼクスの説明を受け、リアスが礼と共に頭を下げると、サイラオーグは手で制した。

 

「そうだ。リアス、サイラオーグ、時間はあるかい?」

 

「…いえ、特に急用は」

 

「こちらも同様です」

 

「サイラオーグ、君は以前、昴君と拳を交えたいと言っていたね。どうだろう? 時間があるなら少し手合せしてみるというのは…」

 

『っ!?』

 

突然のサーゼクスの申し出に、その場にいる全ての者が驚愕する。

 

「サーゼクス様のご要望とあらば、断る理由がありません」

 

サイラオーグは薄く笑みを浮かべながら二つ返事でその提案を容認した。

 

「リアスはどうだい?」

 

サーゼクスに促され、少し考え…。

 

「お兄様…いえ、魔王様のご要望であるなら、私もサイラオーグ同様、断る理由がありませんわ。…昴、やれるわね?」

 

当事者である昴にリアスが尋ねる。昴は笑みを浮かべ…。

 

「やります。やらせて下さい」

 

そう返事をした。

 

「では、場所を移そう。若手ナンバーワンの拳と赤龍帝の拳。楽しみに見させてもらうよ」

 

「このような絶好の機会を与えていただき、光栄の極み。ご披露致しましょう。我が拳を…!」

 

そう言って、胸の前で拳を握りながら、気迫笑みを浮かべるサイラオーグであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

場所は変わり、グレモリー家の城の地下。駒王学園のグラウンド程の広さを誇るトレーニングルームに足を運んだ。

 

ミリキャスはグレイフィアに連れられ、他の場所へ移動した。

 

「…」

 

「…」

 

中央で対峙する昴とサイラオーグ。サイラオーグは貴族服を脱ぎ、動きやすいアンダーウェア姿となった。

 

「(…服の上からでも分かる。かなり鍛えられている。あの身体から繰り出される一撃は想像を絶するものだろうな)」

 

そのサイラオーグの肉体を目の前で目の当たりにした昴は、彼から発せられるプレッシャーを受けながらこのような感想を抱いた。

 

『…』

 

少し離れて場所に立つリアスとその眷属達も同様にサイラオーグの屈強さを感じ取っていた。

 

「……よし」

 

一言呟くと、昴はブーステッド・ギアを発現させ…。

 

「バランスブレイク」

 

『Welsh(ウェルシュ) Dragon(ドラゴン) Balance(バランス) Breaker(ブレイカー)!!!!!! 』

 

禁手を発動させ、ブーステッド・ギア・ライトアーマーに身を包んだ。

 

昴は本来、相手の手の内が分からない内は無暗やたらに消耗の激しい禁手を発動しないのだが、このサイラオーグは様子見等と言う探り合いをしている余裕がある相手ではないと判断した為、初めから禁手形態となった。何より、手を抜いた戦いをサイラオーグが望んでいない為、その心に応える為、禁手形態となった。

 

「…」

 

戦闘態勢に入った昴が構えを取る。だが…。

 

「…」

 

サイラオーグは特に構えるでもなく、悠然と立っていた。

 

「(…隙だらけだ。まるで打って来いと言わんばかりに…)」

 

隙だらけのサイラオーグ。その不気味さから昴は仕掛けず、様子を見ていた。

 

「(誘っているのか? 誘い込んで何か罠を…いや、ビデオを見る限り、その手の駆け引きをするタイプではない。ならば油断…これもないな。このヒトはそんなつまらない驕りをするタイプではない。という事は…)」

 

自問自答をして、昴はサイラオーグの真意を理解した。

 

「(俺の一撃をあえて受けようという腹か。恐らく、俺の一撃をその身で受けて試したいという事か。…なら、遠慮はいらない!)」

 

 

――ドン!!!

 

 

地を蹴り、一気にサイラオーグとの距離を詰める。

 

「はぁっ!!!」

 

 

――ドォッ!!!

 

 

拳を握り、その拳をサイラオーグの頬に思い切り撃ち込んだ。

 

「(手応えあり、振り抜け!)」

 

 

――バチィィィッ!!!

 

 

直撃した拳を昴は思い切り振り抜いた。すると、サイラオーグの首が僅かに捩じれ、その場から10メートル程後ろへと弾かれていった。

 

「…」

 

やがて、勢いが収まり、止まると、サイラオーグの鼻から鮮血が舞った。

 

「良い一撃だ。これほど力が籠った一撃は正直記憶がない。頑丈さには自身があるが、さすがにこれほどの一撃を何度もくらい続ければ、危ないだろうな」

 

右手の親指で鼻血を拭いながら告げるサイラオーグ。

 

「…」

 

昴は後ろに飛んで距離を取った。

 

「さあ、次は俺の番だ」

 

拳を握り構えを取るサイラオーグ。

 

 

――ドン!!!

 

 

地を蹴ってその場から飛び出し、昴との距離を一気に詰める。

 

「ぬうん!」

 

やがて、拳の射程距離に入ると、右拳を振るう。振るった拳は、グングン昴の顔面に迫りくる。

 

「スバルさん!」

 

思わず昴の名を叫ぶアーシア。拳は昴の突き刺さる。

 

 

――ブォン!!!

 

 

「…むっ」

 

だが、直前、陽炎のように昴がその場から消え、その拳は空を切った。

 

「…ふぅ」

 

サイラオーグが振り返ると、数メートル離れた所で昴が一息吐いた。

 

「申し訳ありませんが、馬鹿正直には受けませんよ」

 

「ふっ、構わん。お前の一撃をあえて受けたのは俺のプライド、こだわりに過ぎない。付き合わせるつもりはない」

 

拳を引き、昴の立つ方向に振り返った。

 

「次だ。次は必ずお前を捉える。…行くぞ」

 

そう言って、再度、昴との距離を高速で詰めた。昴はサイラオーグが射程距離に入る前に横に飛び、高速で距離を取る。だが…。

 

「…」

 

サイラオーグはすぐさま対応、方向転換して横っ飛びをした昴の目の前に立った。

 

「速い!」

 

高速で動いた昴に難なく並んだサイラオーグを見てゼノヴィアが思わず声を出す。

 

「ふっ!」

 

昴の目の前に立ったサイラオーグは右拳を振るった。

 

 

――ブォン!!!

 

 

咄嗟に昴は首を傾けてその拳をかわす。

 

「…っ」

 

風切り音が耳に届き、改めてその威力を実感した昴の表情が僅かに引き攣る。

 

「これで終わりではないぞ」

 

そこからさらにサイラオーグが拳を複数回振るい、追撃をかける。その拳を昴は身体を振りながらかわしていくが…。

 

 

――バキィッ!!!

 

 

「っ!」

 

一撃かわしきれず、咄嗟に顔の前で両腕をクロスさせ、受ける。すると、受けた腕の籠手が砕け散った。

 

「(…くっ、直撃と同時に後ろに飛んで威力を逃がしてこの威力か…。これは、打撃は全て外さないとまずいな…)」

 

拳が直撃と同時に後ろに飛んで威力を逃がしたのにも関わらず、籠手は砕かれ、さらに受けた腕が痺れてしまった。

 

「ドライグ」

 

『分かっている』

 

昴が声を掛けると、ドライグが応え、砕かれた籠手が修復される。

 

「手応えが薄かった。捉えたと思ったが……さすがだな」

 

一撃撃ち込んだにも関わらず、その威力を巧みに殺した昴に賛辞の言葉を贈るサイラオーグ。

 

「お前に一撃入れるのは至難の業だな。…だが、やる事は変わらん。俺の拳がお前を捉えるまで何度でも打ち続けるだけだ」

 

そう宣言し、再び距離を詰めて昴に拳を振るう。昴は距離を取りながらその拳をかわしていく。そんな昴に追撃をかけてサイラオーグはさらに拳を振るい続ける。

 

『(どうした? このまま逃げ続けていては埒が明かないぞ?)』

 

「(分かっているさ)」

 

忠告をするドライグ。だが、それは昴本人が何より理解していた。

 

「(……拳の痺れが治まった。ドライグの言う通り、このまま避け続けてもジリ貧だ。ならば…!)」

 

「…むっ?」

 

サイラオーグの振るった左拳を掻い潜り、懐に飛び込む。

 

「撃ち合いで活路を見出すのみだ」

 

 

――ゴッ!!!

 

 

右拳を握り、サイラオーグの頬に撃ち込んだ。

 

「…っ」

 

サイラオーグの顔が僅かに後ろにズレるも、サイラオーグは昴に左右の拳を1発ずつ振るう。

 

 

――ブォン…ブォン!!!

 

 

昴は左の拳をスウェー、身体を後方に倒してかわし、右拳が振るわれるとそれを掻い潜り、再び懐に飛び込んだ。

 

 

――ドォッ…バキィッ!!!

 

 

懐に飛び込むと、左拳を脇腹に撃ち込み、右拳をフックで頬に撃ち込む。

 

「ふん!」

 

サイラオーグは拳を撃ち込まれてもお構いなしに昴に拳を撃ち込む。昴はすぐさま距離を取ってそれをかわす。距離を取った昴にサイラオーグは追撃をかけて距離を詰め、拳を振るう。昴はその拳をかわし、隙を突いて拳を撃ち込んでいく。

 

 

――ブォン…バキィッ…ブォン…バキィッ!!!

 

 

そこから2人の撃ち合いが繰り広げられる。サイラオーグの拳は空を切り、昴の拳は的確に捉えていく。

 

「(…さすがだな。速い…いや、何より、戦い慣れている。俺の拳がこうもかわされるとはな…)」

 

何度かの撃ち合いを演じて、サイラオーグは昴の実力を評価した。

 

「(悔しい話だが、今のままがむしゃらに一撃を撃ち込み続けても、俺の拳が赤龍帝を捉える事はほぼ不可能。…ならば、やる事は1つだ…!)」

 

覚悟を決めたサイラオーグは、昴目掛けて飛びこんでいった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

サーゼクスの提案で始まった昴とサイラオーグの手合わせ。

 

互いに拳を交換し合い、その実力を確かめ合う両者。

 

互いが改めて互いを認め合った昴とサイラオーグ。2人の戦いは、さらに激化していくだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





本当はこの手合わせの結末まで書き上げたのですが、かなり長くなってしまったので、分けて投稿致しました。残りも、速ければ数日中に投稿する予定です。

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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