投稿します!
超久しぶりの投稿です…(;^ω^)
それではどうぞ!
サイラオーグとの手合わせから数日が経過した。
「♪~♪」
昴は迫る修学旅行の準備を鼻歌交じりで進めていた。必要な物をキャリーバッグに詰めていく。
「…っ」
自室で荷物を纏めている昴。部屋の扉の外からリアスが指をもじもじさせながら話しかけるきっかけをうかがっている。
「……どうかしたんですか、部長?」
「…っ!?」
何度か話しかけようと試みては止め、話しかけようとしては止めを繰り返したリアス。痺れを切らした昴の方からリアスに話しかけると、リアスは飛び跳ねるかのように身体をビクつかせた。
「す、昴…、いつから…」
「最初から気付いていましたが…」
座ったままリアスに振り返り、返事をした昴。
気配の探知に優れている昴からすればどんなに慎重に近づいてもあまり関係ない。故に、昴はリアスが階段に足をかけた時から気付いていた。
…まあ、家にいる限り昴が気付かない事はありえないのだが。
「…」
「…っ」
顔を突き合わせても尚、本題を切り出せないリアス。
「スー…ハー…よし!」
一度深呼吸をし、リアスは覚悟を決めた。
「昴。この後、時間は空いているかしら?」
「この後ですか? 用事はひと通り済ませたので特に予定はありませんが…」
「なら良かったわ。突然で悪いけど、今から私に付いてきてくれないかしら?」
「今からですか? 構いませんが、どこへ行くのですか?」
時刻は既に夕刻。日はほとんど沈み、今まさに夜へとなろうとしている。出かけるにしては中途半端な時間であった。
「……冥界よ」
※ ※ ※
リアスの誘いを受け、昴はリアスと共に冥界へとやってきた。
今回も何か特例の為か、以前に夏休みの折に冥界入りした方法ではなく、転移魔方陣で冥界入りをした。転移すると、そこは山岳地帯で、目の前には冥界の景色が良く見える場所だった。
「こっちよ」
リアスに促され、歩みを進めるリアスに合わせるように昴も横に並ぶ。
「…全く、強引なんだから。もしこれで嫌われでもしたら…」
何やら小声で文句を呟くリアスを昴は『?』を浮かべながら付いていく。
「ここよ」
暫し歩みを進めると、遺跡のような石造りの大きな建物に辿り着いた。
昴がこの場所の所在を尋ねると、ここはグレモリー家の重要な施設の1つであり、たちどころに並ぶ像は歴代のグレモリーの者達なのだという。
「ここでいったい何をするのですか?」
「それはね――」
「――ハッハッハッ!!!」
突如、豪快な笑い声が聞こえてきた。
「「っ!?」」
声の聞こえた方角に2人が視線を向け、見上げると、そこには、戦隊モノのヒーローのような姿をした5つ程の人影が立っていた。
「とう!」
その人影は掛け声と同時に立っていた場所から一斉に飛び降り、着地すると、ゆっくり2人に近づいてきた。
「「…っ」」
思わず身構えるリアスとリアスを守るように前に立つ昴。その5人は2人の目の前に5人横に並ぶように立つと…。
「サタンブルー」
青色の戦隊衣装の人物が名乗りを上げ、ポーズを取る。
「めんどくさいけど、サタングリーン」
緑色の戦隊衣装の人物が気怠そうな声で名乗りを上げ、ポーズを取る。
「フフッ! レヴィア……じゃなかった、サタンピンク☆」
ピンクの戦隊衣装の人物がノリノリで名乗りを上げ、ポーズを取る。
「ハァ……サタンイエロー」
黄色の戦隊衣装の人物が呆れながら名乗りを上げ、ポーズを取る。
「ハァ……ムン! サタンレッド!!!」
最後の1人、赤い戦隊衣装の人物が、ひと際気合いを入れながら名乗りを上げ、ポーズを取る。
「み」
「んな」
「そ」
「ろ」
「って!」
『魔王戦隊、サタンレンジャー!!!』
ボンッ! と、背後から爆発と同時にそれぞれのカラーの煙が上がった。
「「…」」
突然現れた来訪者に2人は口を開けたまま唖然とした。
「いやいや、あなた方は…」
5人の正体に気付いた昴は引き攣った顔でリアスに視線を向ける。
「サタンレンジャー…、聞いた事もない。…けど、なんて強大な魔力…、これほどの魔力を持った者がこれまで野心も持たずに冥界に隠れていたと言うの…!」
「えっ?」
5人から溢れだす魔力の波動を受け、リアスは身体を震わせた。正体に気付かないリアスを見て昴は思わず声を上げる。
「リーア……じゃなかった、リアス・グレモリー。そして、御剣昴。よくぞこの遺跡に参った。我々はこれより始まる2人の試練の監督を務める為にグレモリー家に雇われた者だ。君達にはこれより、3つの試練を受けてもらおう」
サタンレッドから2人の前に現れた諸々の経緯を説明をした。
「…3つの試練?」
「…っ」
依然として状況を掴めない昴と、複雑な表情で立ち尽くすリアス。
「グレモリーを受け継ぐ若き2人よ! 見事、3つの試練を突破し、この遺跡の最奥までやってくるのだ!」
ズビシ! と、2人を指差すサタンレッド。
「……ちなみに、拒否権は…」
「残念ながらそれはないよ」
サタンブルーが転移魔方陣で2人の背後に回った。
「知らないのかい? サタンレンジャーからは逃げられない」
昴の両肩に手を置いた。
「そんな、昴の背後をあっさり…!」
リアスは一瞬で昴の背後を取った事に驚愕する。。
「さあさあ! 早く試練を受けるのよ☆」
「めんどいけど、さっさと試練を受けてねー」
同じく背後に回ったサタングリーンとサタンピンクが2人の背中を押し、遺跡へと誘う。
「ハッハッハッ! では遺跡の最奥で楽しみに待っているぞ!」
「ハァ…後でお説教ですからね」
魔方陣で転移していくサタンレッドとサタンイエロー。気が付くと、2人の背後にいたサタンブルーとサタンピンクも転移していた。
「……よく話が分かりませんが、行くしかないみたいですね」
「えぇ、行くわよ昴!」
事情は呑み込めないが覚悟を決めた昴。同じく何かを振り切ったリアスも覚悟を決め、2人は遺跡の中へと足を進めたのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
外観と同じく、石造りの通路を進む2人。
道すがら、昴はリアスに此度の諸々の事情を尋ねた。これは、グレモリー家に生を受けた者が受けなければならない儀式だと説明を受ける。
ならば、何故自分も試練を? という疑問が浮かんだ昴が尋ねたが、リアスは顔を赤くして顔を背けるだけであった。
道なりに進んで行くと、ひらけた部屋が現れた。
「2人共、待っていたわ☆」
そこには、サタンピンクが待機していた。
「これより最初の試練を始めるわ☆」
「「(…ゴクッ)」」
遂に始まる試練を目の前に、2人を息を飲んだ。
「最初の試練は……ダンスよ☆」
「……はっ?」
想像していたのとかなり違う試練の内容に思わず昴の口から声が漏れる。
「社交界ではダンスは付き物。さあ、私に相性バツグンのダンスを見せてちょうだい☆」
そう言って、横に現れた音響装置のスイッチを入れる。すると、優雅なクラシックな音楽が流れ始める。
「よく分からんが、こういう趣旨の試練なんだな。まあいいや、では部長」
昴が右手をそっと差し出す。
「ええ、しっかりエスコートしてね」
リアスも手を差し出すと、昴はその手をそっと握った。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
2人は1曲分のクラシックが流れ終えるまでダンスをした。
――パチパチパチパチ…!
「とっても息の合った素敵なダンスだったわ☆」
サタンピンクから賛辞の言葉が贈られた。
「2人共合格よ! さ、次の試練にレッツゴー!」
そう促され、2人は奥の通路へと進んで行った。
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・・・・・・・
・・・・
「ようこそー」
通路を抜けると、再びひらけたフロアが現れた。そこには、サタングリーンが待ち受けていた。
「第2の試練を始めるよー。ここではテーブルマナーを試させてもらうよ」
サタングリーンの後ろにはテーブルがあり、そこに各種のフォークやナイフが並べられていた。
「これから食事を運んでもらうから、君達はここでテーブルマナーに則って食事をしてねー。ちなみに評価は減点方式。テーブルマナーを1つ間違えるごとに減点で、持ち点が0点になったらゲームオーバーだからねー。ちなみに採点はメイド2人にやってもらうからー」
2人のメイドがペコリと頭を下げた。
「……ふむ」
説明を受けた昴は何かを考えこむ仕草を取る。
「(さっきは社交ダンスで、今回はテーブルマナーか。どちらも貴族社会では必要なスキルだ…)」
リアスは上級貴族であり、グレモリー家の一族。そして、四大魔王の1人である、サーゼクス・ルシファーの妹でもある。当然、公の席に出席する機会も多い。
「(部長が出席するなら、当然、眷属も護衛として同行する事になる。…つまり、部長は必然として、眷属も護衛として同席するなら、これらのスキルは出来て然るべき、という事か…)」
試されている事の意図を探りかねていた昴だったが、先程の試練とこれからの試練を見て、その意図を自分なりに解釈した。
2人はテーブルに着席し、運ばれてくる料理をテーブルマナーを守りながら食事を進めていく。そして、最後の料理を食べ終えると…。
「以上をもちまして、第2の試練のテーブルマナーを終了とさせていただきます」
審査役をと務めたメイドが食事中に採点をしていた表を視線を向けた。
「リアス姫様。御剣昴様。共にパーフェクト。非の打ち所がない、文句なしの合格でございます」
「……ふう」
無事合格の評価を受け、昴は一息吐いた。
「さすが昴だわ!」
そんな昴に対し、リアスが喜びを露にしながら抱き着いた。
「合格おめでとー。次の試練に行っていいよー。…ふぁぁ」
サタングリーンは眠たそうに欠伸をしながら奥の扉を開けた。2人は促されるまま扉を潜っていった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「最後の試練にようこそ」
通路を通った先に待ち受けていたのは、サタンブルーであった。
「さあ、早速だが、着席してもらおうか」
そう促されると、そこには、机と椅子が2セット用意されており、席に2人は着席する。
「最後の試練は筆記テストだ。内容はグレモリー家の歴史や冥界の知識、つまりは悪魔に関するものを纏めたものだ」
机の上には、数枚の答案用紙と筆記用具が置かれていた。
「制限時間は1時間。では、開始してくれ」
そう言うと、サタンブルーは傍にあった砂時計を魔力で起動させた。
「…」
筆記試験が開始され、答案用紙に目を移す。ひと通り答案用紙に目を移すと、昴は鉛筆を走らせたのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
1時間が過ぎ、試験が終了すると、答案用紙は回収され、サタンブルーが採点を開始する。
「…」
「…」
次々と採点をされていく様子を2人は無言で見つめる。やがて、採点が終わり、サタンブルーは持っていた赤ペンを置いた。
「2人共合格だ。リアス姫はともかく、まさか、転生悪魔となって間もないはずの君までも満点を取るとはね」
肩をすくめながらサタンブルーが合格を言い渡す。
「これで試練は以上だ。これにて、グレモリー家の儀式を終了とする。おめでとう」
「よくやったわ昴! これで私達の仲を疑う者はいないわ! フフッ、私達は最高のパートナーだわ!」
リアスが昴に抱き着き、頬にキスをした。
「さあ、進むがいい。奥でレッドが待っている。合格の報告をしてくるといい」
2人は奥へと進んで行った。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
通路を進むと、遺跡の最深部へと到着した。そこは天井がなく、周囲には見物席、中央には武舞台のようなものがあった。
「お2人共、おめでとうございます」
そこには、サタンイエローが2人を快く迎え入れた。
「ハッハッハッ!!!」
すると、見物席の最上段から大きな高笑いが聞こえてきた。そこには、サタンレッドが立っていた。
「とおっ!!!」
気合いと共に見物席から飛び上がり、武舞台中央に降り立つ。
「よくぞ3つの試練を潜り抜けた! だが、これで終われる程、グレモリー家の試練は甘くはないのだ! これより、真の最後の試練を開始する!」
胸の前で両腕を組みながら高々と宣言した。
「最後の試練、それは! この私、サタンレッドを倒してみせよ!」
「っ!?」
最後の試練の内容を聞き、昴は目を見開く。
サタンレッドの正体は当然、昴も気付いている。サタンレッド……つまりは、四大魔王の1人である、サーゼクス・ルシファーを倒すというのが、最後の試練の内容である。
「…っ」
一見して無謀な挑戦である。昴は身体が震える。だがそれは、恐怖によるものではなく…。
「…ふっ!」
その場からジャンプし、武舞台へと飛び立った。
「最後の試練、謹んでお受けいたします」
そう宣言する。
「(まさか、サーゼクス様と戦う機会が来るとはな。魔王とはどれほどの存在なのか。今の俺が何処までやれるのか、楽しみだ…!)」
武者震いをさせながら笑みを浮かべる昴。
「その意気やよし! さあ、かかってくるがよい!」
サタンレッドが構えを取った。
「行くぞ、ドライグ」
『おう! 存分に暴れるぞ!』
「バランスブレイク」
『Welsh(ウェルシュ) Dragon(ドラゴン) Balance(バランス) Breaker(ブレイカー)!!!!!! 』
ドライグと会話し、禁手を発動させ、ブーステッド・ギア・ライトアーマーに身を包んだ。
「手加減は出来ません。全力で行きます!」
昴は構えを取ったのだった。
※ ※ ※
突如始まった昴とサタンレッド……サーゼクス・ルシファーとの戦い。
昴の最後の試練……そして、挑戦の火蓋が今、切られるのだった……。
続く
半年以上空けてしまい、申し訳ありません…m(__)m
原作に沿って書いているこの二次より、原作はあれど完結したその先の話を書いているもう1つの二次の方が書きやすい為、どうしてもこっちは放置気味になってしまいます…(;^ω^)
複数の作品を定期的に更新出来る人とか素直に尊敬出来ます。
感想、アドバイスお待ちしております。
それではまた!