ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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投稿します!

現在メインの二次が煮詰まったので久しぶりの投稿です…(;^ω^)

それではどうぞ!



Life.105~修学旅行、幕開け~

 

 

 

「…」

 

学校の制服に袖を通し、身支度を整えている昴。

 

「……行ってしまうのね」

 

そこへリアスが現れ、悲痛の表情で呟いた。

 

「どうしても行ってしまうの?」

 

「決まっている事ですから」

 

質問に淡々と答える昴。

 

「行かないで」

 

「それが出来ない事は部長もよく分かっているでしょう」

 

「そう…よね…」

 

自分の願いが聞き届けられない事を理解しているリアスはバツが悪そうに視線を逸らした。

 

「…分かったわ。でも、これだけは約束して」

 

そう言って、リアスは昴の背中に抱き着いた。

 

「絶対に、帰ってきなさい。約束よ」

 

「……俺、これから京都に修学旅行に行くだけなんですが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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グレモリー家の儀式を受けてから数日が経ち、駒王学園の修学旅行に行く日がやってきた。

 

日取りが近付くにつれ、リアスや朱乃、小猫やギャスパー達による、昴に対するスキンシップが増していった。昴の傍には常に誰かが侍っており、睡眠時、果ては風呂にさえ何れの者達が乱入していった。

 

皆、修学旅行で家を離れる数日間分の穴を埋めるように昴にスキンシップを慣行していった。

 

「さて、それでは俺達はこれより修学旅行に行ってきます」

 

自宅の玄関にて、身支度を整えた昴、木場、ゼノヴィアが見送りに来たリアスを始め、その眷属達に出発の挨拶を交わした。

 

「認証は忘れてないわね?」

 

「このとおり」

 

昴は学生証から1枚のカードを取り出した。

 

これは京都への修学旅行に際し、寺等の名所を巡る際に不都合がないよう、京都の裏事情を牛耳る者達が発行してくれたものである。

 

「もちろん忘れずに持っています」

 

「これですね!」

 

「当然だ」

 

「私も!」

 

「こちらに」

 

続いて木場、アーシア、ゼノヴィア、イリナ、ロスヴァイセがカードを見せた。

 

「ならいいわ。制服の裏ポケットに入れておけば問題なく名所を回れるわ。…皆、楽しんできなさい」

 

『はい!』

 

「昴君、身体には気を付けてね。落ち着いたら連絡入れてね」

 

「あぁ。お土産期待しててくれ」

 

昴の傍に歩み寄った朱乃にそう告げる。

 

ロキの襲撃以降、昴は朱乃に対して、自宅やプライベートでは呼び捨てで気軽な言葉を聞いている。一応先輩である朱乃に当初は抵抗があったのだが、押し切られる形でそうなった。

 

「僕にもお電話してくださいね!」

 

泣き顔でギャスパーが昴にお願いをした。

 

「…それにしても、小猫の姿が見えないな」

 

周囲を見渡し、一向に現れない小猫の姿を探す。

 

「見送りに来ると寂しくなるから来ないのでしょうか?」

 

アーシアが小猫がいない事に寂しさを覚えながら言った。

 

「やれやれ、なら、お土産は奮発しないとな。っと、そろそろ出ないと行けない時間だ。そろそろ向かわないと――ん?」

 

荷物を持とうとバッグを持ち上げようとした瞬間、昴が違和感を覚えた。

 

…やけに荷物を重たい。

 

3泊4日の旅行に必要な荷物が入っているのだが、衣服が中心な為、そこまでの重量ではないはずなのである。しかも、心なしかバッグがこんもりしているような…。

 

恐る恐る昴がバッグのジッパーを開けると。

 

「…」

 

中を覗いて昴は言葉を失う。

 

「……にゃあ」

 

そこには小猫の姿があった。バッグの中に身体を丸めて小さくなって入り込んでいた。

 

「……何をしてるのかな?」

 

「…先輩に会えない日があるなんて耐えられせん。だからこっそり付いていこうと…」

 

「いや、だからと言ってな…」

 

小猫のまさかの行動に困った表情をする昴。

 

「しまった、その手があったわね…」

 

「盲点でしたわ…」

 

悔しそうにするリアスと頬に手を当てる朱乃。

 

「見つかってしまったものは仕方ありません。諦める事にします。先輩、気を付けて行ってきて下さい」

 

観念した小猫は潔く昴達を見送る決断をした。

 

「ところで、バッグに入っていた俺の荷物は?」

 

「それについては抜かりありません。昨日の内に先輩達の宿泊するホテルに送っていますので、先輩が付く頃には届いているはずです」

 

ピースサインをしながら告げる小猫。

 

「そ、そうか…。ま、手ぶらになったからよしとするか。…では、改めて部長、行ってきます」

 

『行ってきます!』

 

「気を付けていってらっしゃい!」

 

リアス達の見送りを受けて、昴達は修学旅行へと出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

新幹線に乗り込んだ駒王学園の生徒達。

 

「…」

 

高速で流れる景色を昴は車窓から眺めていた。

 

途中、木場が昴の席までやってきた。クラスの違う2人は当然、違うスケジュールで京都を回る為、有事の際に備えて互いのスケジュールを確認し合い、非常時の集合場所等を軽く打ち合わせをした。

 

次にゼノヴィアがやってきて、ゼノヴィアは現在デュランダルを強化する為、正教会に送っているのでゼノヴィアの手元には得物がない。そこで、何かあった時は昴の持つアスカロンを貸してほしいと頼みに来た。昴は二つ返事で了承した。

 

「さて…」

 

ひとしきり車窓からの景色を楽しんだ昴は姿勢を正して目を瞑った。そして意識を集中させ、セイクリッド・ギアの中へと入りこんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「いつ来ても鬱屈した場所だな」

 

暗い景色を抜け、白い空間に辿り着く。テーブル席が並び、そこに歴代の赤龍帝達が虚ろな表情で俯きながら座っていた。

 

「…」

 

ゆっくり歩きながら席に座る赤龍帝達1人1人に視線を向けていく。

 

『何を考えている?』

 

その時、ドライグが昴に話しかけた。

 

「いろいろだ。俺も遅かれ早かれ、何れはここに座る事になるのか、とか、ここにいる者達は赤龍帝となって、何を想い、何を目指していたのか、とかな」

 

『その問いに俺が代弁するなら、力を振るう理由は皆それぞれ、それこそ様々な理由だった。ある者は高見を目指す為、ある者は地位や名誉の為、ある者は復讐とな』

 

「…」

 

『だが、全員に共通して言えるのは、皆運命に翻弄され、それこそ碌な死に様でなかった者が大半だ。神にも届きうる強大な力にその身その心を狂わされ、最後にはその命を失っていった』

 

「…」

 

力と言うのはそれを手に入れた者を時に狂わせる。それは昴はよく理解していた。

 

「…まともな生き方をした奴はいなかったのか?」

 

『無論、いなかったわけではない。寧ろ、始めは誰しもまともであったのが大半だ。だが、次第に自身や周囲を巻き込み、最後には…さっき言ったとおりだ』

 

「…そうか」

 

何かを為し、何かを得、何かを守るには力が必要となる。力を手に入れれば今度はそこにあらゆるものが集まっていく。良いも悪いも、善も悪も。それを理解している昴は彼ら彼女らに同情した。

 

『お前のように己を律し、保ちながら生き抜こうとした者もいた。それは――』

 

『私の事かしら?』

 

その時、昴の背後から声が聞こえてきた。

 

「っ!?」

 

振り返ると、そこにはスリットの入ったドレスを着た金髪の女性が立っていた。

 

『…エルシャ』

 

ドライグが現れた女性の名を呼んだ。

 

『久しぶりね、ドライグ♪ 元気してた?』

 

軽い砕けた口調で語り掛けるエルシャという女性。

 

「この女性は? 少なくとも、俺が今までここで見なかった顔だが…」

 

落ち着いた時間が出来たならこの空間に来ていた昴だったが、目の前の女性は見た事のない女性だった。

 

『普段はもっと奥に引っ込んでるんだもの、そこはあなたでは入ってこれない場所だから、見覚えがないのは当然よ』

 

「そんな場所があったのか。…それにしても、こうやって話が出来る者がいるとはな…」

 

碌に口を利ける者がこの場にはいないので、話が出来る者が現れ、新鮮な気分であった。

 

『中には例外もいるのよ。それが私。後はベルザードくらいね。…もっとも、彼ももうほとんど意識が残ってないのだけれど』

 

何処か寂しそうな表情で声で言うエルシャ。

 

『紹介が遅れたな。彼女の名はエルシャ。歴代赤龍帝の中でも1、2を争う程の実力者だった者だ。今名が出たベルザードもまた歴代で最強クラスの赤龍帝だった。2人共、白龍皇を退けている。ベルザードに至っては2度も勝利している』

 

「へー、そいつは凄い」

 

ヴァーリを基準で考えた昴はその偉業に素直に関心した。

 

『もう出てくるつもりはなかったわ。…けど、あなたに会ってみたくなった。ベルザードも同じ気持ちだったみたい。これまでの赤龍帝とは違う、私…いえ、私達とは違う道を歩もうとしているあなたに』

 

「…」

 

『それは今代の白龍皇にも言える事ね。…私達はあなたに期待しているわ。あなたなら、赤龍帝の運命を変えられるかもしれない。忌まわしき呪いと言っても差し支えない、赤龍帝となった者には決して逃れる事の出来ない過酷な運命を…』

 

「…あなたが俺に何を望んでいるかは分からないが、俺は俺の正しいと思う道を進むだけだ。今までも、これからも」

 

彼女の真意を推し量る事は出来なかったが、昴は自身の道筋を口にした。

 

『それでいいのよ。あなたは今のまま、そのままのあなたでいる事を望むわ。見させてもらうわ。私の意識がなくなるその日まで…』

 

そう言い残し、エルシャは身体が薄く光り輝き、粒子の粒のように無数に弾けるように姿を消した。

 

『…エルシャ。奴は赤龍帝でありながら最後まで人として生き、人として死のうとした赤龍帝であった。…故に、哀れな最後であったよ』

 

憂い気に話すドライグ。宙に舞った光の粒子の1粒に何気なく昴が手を伸ばした。

 

「っ!?」

 

その時、昴の頭の中に何かが駆け巡った。それは映像。昴の頭の中にビデオの早送りの映像が頭の中を駆け巡った。

 

「…ぐっ、これは、記憶か? 彼女の…」

 

その頭の中の映像が何なのか、昴には分からなかったが、ただ、映像に出てくる者達は一様に彼女、エルシャの名を呼んでいた。

 

 

 

 

『ありがとう、みんな。ごめんね、みんな。…愛しているわ『――――』』

 

 

 

 

ここで昴の頭の中の映像は停止した。

 

『どうかしたか相棒。…っ!? 相棒、どうした!?』

 

突然、様子がおかしくなった昴にドライグが声を掛ける。だが、昴の様子を見てドライグは心配そうにもう1度昴の名を呼んだ。

 

 

――昴の瞳から涙が流れていた。

 

 

「これは…、エルシャの記憶、エルシャの無念…。大切なものを守る為に赤龍帝として戦った彼女の心…」

 

『…触れたのか。エルシャの記憶に』

 

何が起こったか理解したドライグ。

 

「そうか、ここにいる残留思念達にあるのは後悔。死しても尚、悔恨の念が思念となってここに留めているのか」

 

『…だが、もうどうにもならぬよ。ここにいる者達は既に皆死んでいるのだからな。後悔の過去は変える事は出来ん』

 

「あぁ。…だが、それでも、どうにか解放出来ないものなのか?」

 

『さてな。それは俺にも分からん。…だが、1つ言える事があるとするなら、それはお前が抱え込む事ではない。という事だ』

 

「…」

 

それでもと考えてしまう昴。だが、それが頭に浮かぶ事はなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「――さん。スバルさん」

 

自分を揺すりながら声を掛けるアーシアによって昴の意識が引き戻される。

 

「…アーシアか」

 

目を開け、目の前のアーシアを確認した。外の景色を見てみると、新幹線は停車の為に減速をかけている所であった。

 

「どうかしたんですか? そろそろ京都駅に着くので声を掛けようとしたら、その…」

 

何やら言いづらそうにするアーシア。ふと、昴が自身の目元に手を当てると、涙が伝っていた。

 

「…いや、何でもない。それより、起こしてくれてありがとう。ほら、降りる準備しないとな」

 

下車の準備を促す昴。何か言いたそうなアーシアだったが、それ以上は何も言えず、昴の言葉通り、アーシアは自分の席まで戻り、下車の準備を始めた。

 

「さてと…」

 

アーシアが戻ったのを確認し、昴は降りる準備を始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

京都駅に着いた駒王学園の生徒達が宿泊する京都サーゼクスホテルまで移動した。

 

「へぇ、これは…」

 

ホテルの大きさに昴は思わず感嘆する。建物の大きさもさることながら、建物の中も豪華絢爛の造りになっており、学生の修学旅行で使用するには贅沢なホテルである。

 

ホールにて、教員であるロスヴァイセから生徒達に注意事項がされる。…途中、百円ショップについて熱く熱弁が入るが、つつがなく生徒達に注意事項がなされた。

 

飛び級で学校を出ているロスヴァイセは生徒達と同じ年齢なのだが、教員として駒王学園に通い始めたのだが、特に生徒達からは不評の声はなく、就任してすぐに人気を得て、今では親しみを込めてロスヴァイセちゃんと呼ばれる程である。本人は複雑そうであったが…。

 

注意事項が終わると、フロントから部屋のキーを受け取り、荷物を持って移動する。昴は同時に自分宛の荷物(小猫が送った昴の荷物)を受け取り、部屋のキーを受け取ろうとすると…。

 

「お前さんのキーはここだ」

 

横からアザゼルが昴に話しかけ、キーを渡す。

 

「…?」

 

何故かニヤニヤしていたアザゼルに怪訝そうな表情する昴だったが、キーに表記されている部屋へと移動していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「…」

 

部屋へと辿り着いた昴。生徒達が宛がわれた部屋は基本2人部屋で、そこに大きなベッドが2つあり、部屋の窓からは京都駅周辺を一望出来る。

 

唯一部屋割り際に1人となった昴は1人違う階層にある部屋に向かったのだが…。

 

「これはまた趣のある部屋だな…」

 

一般的な洋風の大きな部屋とは違い、八畳一間の和室であった。備えられているテレビやテーブルも心なしか歴史を感じる物であった。

 

「申し訳ないのですが、スバル君には修学旅行の間はここで寝泊まりして下さい」

 

申し訳なさそうにロスヴァイセが昴に告げる。

 

「万が一の話し合いに使えるようにとリアスさんが用意してくれた部屋でもあるので…」

 

「あー、なるほど」

 

他の生徒達から一際離れた部屋を宛がわれた理由を理解した昴。

 

「まあ、あんなだだっ広い部屋に1人でいても持て余すだけだからな。見た所、古くはあっても問題なく使えるみたいだし、俺は構わないぜ」

 

「そう言って頂けると助かります」

 

テレビを操作しながら言う昴に、ロスヴァイセは礼を言った。

 

「では私はこれで。アザゼル教諭を探さねばならないので…」

 

そう言ってロスヴァイセは部屋を後にした。

 

「さて、どうするか…」

 

自由時間となって、その時間をどう過ごすか考える。再びセイクリッド・ギアの中に潜ってもいいのだが、せっかくの京都での旅行なのでそれで時間を潰すのも気が引ける。

 

「周辺でも見て回るか」

 

ホテル近辺の観光をする事に決めた昴は部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「スバル、ここにいたのか」

 

ホテルの入り口から外へと出ようとしたその時、ゼノヴィアが声を掛けてきた。傍にアーシアにイリナ。桐生もいた。

 

「お部屋にいなかったので探しましたよ。行き違いにならなくて良かったです」

 

昴を見つけて胸を撫で下ろすアーシア。

 

「私達これから伏見稲荷に行く予定なの。良かったら一緒に行きましょ♪」

 

イリナがウィンクをしながら昴を誘う。

 

「稲荷神社……あぁ、あの赤い社が並ぶ有名な、確かにここから近いが、それでも結構距離があったはずだったが、大丈夫なのか?」

 

ここ、サーゼクスホテルから稲荷神社は歩けばそれなりの距離がある。電車を使えば1駅程度なのだが、一応、自由時間はホテル周辺と注意事項がされていたはずである。

 

「先生からの許可は貰っているわ。その辺は抜かりないわよ」

 

指で丸を作りながら告げる桐生。

 

「それなら行かない理由はないな。ちょうど時間を持て余していた所だ。付き合わせてもらうよ」

 

それならばと昴は同行したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

京都駅から隣の稲荷駅まで電車で移動し、目的の稲荷神社に辿り着いた。

 

「可愛い狐さんがいっぱいです!」

 

「見ろ、あそこで珍しい物があるぞ」

 

「お土産に目移りしちゃうわ。お小遣い足りるかしら?」

 

稲荷神社に辿り着くと教会トリオの3人は京都を堪能していた。その姿は年相応の女子高生であった。

 

「フフッ」

 

パシャッっと昴は3人に向けて持ってきていたデジカメで撮影した。

 

「こうして見てると、昴君って、同級生って言うより、保護者みたいね」

 

横でその姿を見ていた桐生がポツリと言った。

 

「お前は混ざらないのか?」

 

「私もあなたと同じでここから眺めている方が楽しいもの」

 

「そうか……桐生、こっち向いて」

 

「えっ?」

 

桐生を呼び、こっちを向いた瞬間、昴はデジカメのシャッターを切った。

 

「ちょ、ちょっと、私なんかを撮らないであっちの3人を撮りなさいよ」

 

若干恥ずかしそうに告げる桐生。

 

「1度しかない高校の修学旅行だ。桐生も一緒に楽しめ楽しめ」

 

「もう…」

 

唇を尖らせながら桐生は3人の下へ向かって行った。

 

「…こういう時間も悪くないな」

 

4人が並んだ所で昴はもう1枚シャッターを切ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

稲荷山に登る事になった昴達一行は一番鳥居を抜け、大きな門の所まで出てきた、するとそこには両脇に狛犬のような狐の像が現れた。

 

「…」

 

その瞬間、昴に奇妙な感覚が襲った。

 

「あれは魔除けの像だな。このパスのおかげで騒ぎにならないようだな」

 

横のゼノヴィアも同じ感覚を感じていたようであった。

 

「まあ、悪魔と天使が尋ねてきたのだもの。いくら許可が下りていても監視の1つくらいあるのは仕方のない事よ」

 

イリナも同様であり、自身の立場を理解してか、特に気にする素振りを見せていない。

 

「(だが、ただ監視しているにしては…)」

 

昴は『別の』何かを感じていたのだが、特に何かあるわけではないのでその事は口にせず、千本鳥居が並ぶ階段を歩き出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・・・・

・・・・

 

 

「…話には聞いていたけど、結構きついわね」

 

歩き始めて数十分。桐生が疲れの色を見せていた。

 

「大丈夫ですか? 1度ここで少し休憩してからの方が…」

 

そんな桐生を心配したアーシアが提案する。

 

「し、心配いらないわ。アーシアだって頑張っているんだもの。私だって…」

 

平然と歩くアーシアを見て意地になる桐生。

 

一見か弱く見えてもアーシアは悪魔である為、さほど階段登りを苦としていない。それはゼノヴィアとイリナも同様であった。

 

「無理はするな桐生。変に頑張り過ぎると明日以降筋肉痛と戦う事になるぞ。少し休憩を取りながらにしろよ。…ほれ」

 

そう言って、持っていたペットボトル飲料を渡す。

 

「助かるわ。……ふぅ」

 

一口飲んで喉の渇きを潤す桐生。

 

「アーシア達は桐生と一緒にゆっくり登ってきてくれ。俺は先に行ってるからさ」

 

そう告げて、昴は一足先に頂上に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

頂上へと足を進める昴。しばらく進んで行くと、古い社のある場所へと辿り着いた。

 

「ここが頂上か」

 

辺りに人気はなく、風のさざめきだけが響いている。

 

「さて…」

 

社の前に立った昴。

 

「わざわざ人気のない所まで出向いたんだ。そろそろ出てきてくれないか?」

 

振り返った昴が辺りに向かって告げる。すると、狐の面を被った宮司服の者と錫杖を持った山伏の服を着た背中にカラスの羽のようなものを生やした者達が現れた。一目見て昴は人間ではなく異形の者である事を理解する。

 

「…京の妖怪だな。監視にしてはやけに数が多い上、殺気立っていたからわざと別行動を取ってみれば…、いったいどういった用向きだ?」

 

現れた妖怪達に向けて昴が問いただす。現状、三大勢力から京の妖怪達には話が通っているはずであり、昴達はここまで囲まれるような事をした覚えはないので、真意を問うた。

 

その時、烏天狗が道を開けると、その後ろから巫女装束を着た幼い女の子が前に出てきた。

 

「(…あの子も妖怪。あの耳、…狐か?)」

 

現れた女の子に昴は視線を向けた。

 

「余所者め、よくも母上を…。母上を返してもらうぞ!」

 

現れた女の子は怒りに満ちた視線を向けながら昴に言い放ったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





久しぶり過ぎてキャラの口調とかかなり手こずりました…(>_<)

何と言うか、作風が自分でも変わってしまったのでは思えるくらいブランクを感じました。やっぱり、間隔が空きすぎるのはいけませんね…(;^ω^)

今度はいつ投稿出来るやら、とりあえずはこの章だけでも終わらせないと…。

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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