ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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投稿します!

連続投稿です…(^-^)

それではどうぞ!



Life.113~決戦に向けて、いざ二条城へ~

 

 

 

修学旅行3日目…。

 

渡月橋にて禍の団(カオス・ブリゲード)の曹操が指揮する英雄派が昴達の前に襲来した。

 

かつて、昴を1度は殺害に追い込んだ仮面の男。その者が昴の前に現れ、曹操を名乗ると昴はアザゼルの制止を振り切って曹操に立ち向かい、激突。

 

互いに得物を振るい合い、戦うも互いに決定打は与えらず、そこへヴァーリチームに属するアーサーの妹であるルフェイ・ペンドラゴンが古の兵器を用いて乱入。そこへ更に酒に酔ったロスヴァイセが乱入し、戦いは乱戦となった。

 

曹操は今夜、二条城にて捕らえた九尾の御大将を用いて実験をすると告げ、去っていった。

 

元の空間へと戻ったグレモリー眷属達とイリナ。アザゼルと九重。

 

来たる決戦へと備えるのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「全員集まったな。これより作戦会議を始める」

 

食事と入浴を済ませ、時刻は就寝時間目前。昂が宿泊するホテルの一室にて、グレモリー眷属達とイリナ。シトリー眷属とセラフォルー、アザゼルが集まり、アザゼルを中心に作戦会議が始まった。

 

「現在、悪魔、堕天使と、京都の妖怪達の協力を経て、二条城及び京都駅を中心に非常警戒態勢を敷いた。現状、未だ英雄派の動きは確認出来ていないが、京都各地に氣が不穏な動きを見せている」

 

「不穏な動き、ですか?」

 

アザゼルの言葉に木場が尋ねる。

 

「氣が二条城へと流れているんだ」

 

そう答える。

 

京都は古来より陰陽道、風水に基づいて創られた大規模な術式となっており、京都の一部各名所がいわゆるパワースポットとなっており、その各所で沸き上がる氣の流れが現在乱れ、二条城へと流れ始めているのだと言う。

 

「このままだとどうなるの?」

 

イリナが尋ねる。

 

「分からん。…が、碌な事にはならない事は確かだ。奴らの実験とやらを事前に阻止する必要がある。その為の作戦を今から伝える」

 

そう言ってアザゼルが周囲を見渡すと、視線を受けた面々が各々気を引き締める。

 

「最初にシトリー眷属だが、お前達は京都駅周辺で待機だ。無論、このホテルを守るのもお前達の仕事だ。一応強固の結界を張ってっから早々最悪な事は起きやしないだろうが、万が一、不審な輩が近付けばシトリー眷属で対処しろ」

 

『はい!』

 

出された指示にシトリー眷属達が返事をする。

 

「グレモリー眷属とイリナはオフェンスだ。二条城に向かってもらう。度々貧乏くじを引かせちまってすまないが、これはお前達が優秀であると見込んでの配置だ。敵戦力は未だ未知数で危険は絶えないが、兎にも角にも最優先目標は八坂姫の救出だ。それが達成出来たなら迷わず撤退しろ」

 

アザゼルからグレモリー眷属とイリナに指示が出る。

 

「…」

 

昴がその指示を受けて顎に手を当てて思案する。

 

「作戦遂行にあたり、1つ要望があります」

 

「言ってみろ」

 

昴が手を上げて言うと、アザゼルがそう促す。

 

「シトリー眷属から匙をオフェンスにまわしてもらえませんか?」

 

「お、俺!?」

 

指名を受けた匙が自身を指差しながら驚く。

 

「グレモリー眷属は現在、王(キング)である部長、加えて女王(クイーン)の朱乃さんも不在。さらにアタッカーの小猫にサポートのギャスパーもおらず、イリナを加えても5人しかいません。敵の数も敵の目的も不透明な今の現状で八坂姫の救出と言う目的を達成するには不確定要素が多すぎます。そこでサポートにまわれていざとなればアタッカーもこなせる匙をオフェンスに加えてほしいのです」

 

修学旅行中である昴達は2年生の眷属しかおらず、人手が少ない。そんな中で目的を達成する為、昴は匙を指名したのだ。

 

「ふむ…、俺もそれを考えていた。匙のヴリトラの力はかなり使えるからな」

 

アザゼルも同様に考えており、その方面でも配置を考えていた。

 

「匙」

 

「な、なんだよ?」

 

突如、昴に名を呼ばれた匙は戸惑いながら返事をする。

 

「今言った通り、俺達はお前の力を必要としている。だが、これから戦う英雄派達は前回のロキと同じく、かなり手強い」

 

「…っ」

 

その言葉に匙が息を飲む。

 

「英雄派の幹部格の1人、ジークフリートは1対1では木場やゼノヴィアでも後れを取りかねない相手だ。恐らく、そいつと同等クラスの奴が他にもいるだろう」

 

「…」

 

「そしてリーダーの曹操は言うまでもなく強い。率直に、もしお前が狙われれば1分と持たない相手だ」

 

「っ!?」

 

昴の言葉に匙が顔を引き攣らせる。

 

「それがこれから俺達が戦う相手だ。今言った通り、お前の力は必要だ。だが、参加するなら当然、覚悟が必要だ。仮に断っても作戦は俺達だけでどうにかする。だから、参加するか否かはお前自身が決めてくれ」

 

真剣な表情で昴が匙に告げた。

 

「…」

 

暫し下を向き、胸の辺りを握りしめる匙。

 

「……御剣」

 

匙が顔を上げると…。

 

「俺を見くびるなよ」

 

そう言って立ち上がった。

 

「俺はソーナ会長の眷属になったその日から、会長の為に命を懸けると誓った。会長の誇れる眷属になると誓ったんだ! 俺は逃げねえ! 相手が誰であろうと、例え死ぬ事になろうと俺は逃げねえぞ! だから御剣、俺の力がお前達の役に立てるなら、俺を連れて行ってくれ!」

 

真剣な眼差しと確固たる意志を以て、匙は昴に自身の覚悟を告げた。

 

「……フッ、いい啖呵だ。お前の覚悟、しっかり伝わったぜ。お前の力、頼りにさせてもらうぜ」

 

「おう! 任せろ!」

 

「だがな匙、1つ言わせてもらうなら、お前にはお前の帰りと無事を祈る仲間も主もいる。叶えるべき夢もあるんだ。覚悟はしても死ぬんじゃねえぞ」

 

「たりめーだ! 死んでたまるかよ!」

 

胸を叩きながら叫ぶ匙。

 

「…後、時間を考えろ。このホテルにいるのは俺達だけじゃねえんだぞ」

 

「…あっ」

 

ここでその事を思い出した匙は、顔を赤くしながら座り直した。

 

「と言う事で、匙を連れて行きます。アザゼル先生、構いませんね?」

 

「双方納得してんなら俺からは特に異論はねえ。匙、俺からの指導の成果を存分に発揮してこい」

 

「はい!」

 

大きな声で返事をする匙に対し、昴が人匙指を唇に当てると、匙は再び萎んだように小さくなった。

 

「花戒、草下、由良、巡、今の話の通り、匙を連れて行く。無傷とは行かないが、必ず生きて匙を連れて帰る。そっちもさらに人数が削られる事になるが…」

 

そう言って昴がシトリー眷属達に頭を下げる。

 

「こっちは気にしないで」

 

「私達だってシトリー眷属よ。元ちゃん抜きでもやってみせるわ」

 

頭を下げる昴に対し、花戒、草下が手で制する。

 

「存分にやりなさい、元士郎」

 

「絶対帰ってくるのよ」

 

由良と巡は匙を激励した。

 

「所で、各勢力との協力態勢はどうなってるんですか?」

 

「無論、取り付けてある。既に悪魔、堕天使、天使がこの地に続々集結し、包囲網を敷いている。妖怪達も同様だ。ここで可能な限り英雄派の連中を仕留めるつもりだ」

 

昴の質問にアザゼルが答える。

 

「外の指揮は私が執る事になってるわ☆ 悪さをする子は私達でおしおきしちゃうんだから♪」

 

そう言ってセラフォルーがウィンクをした。

 

「それからこの話はソーナの方に伝えてある。向こうは駒王学園から可能な限りバックアップをしてくれているよ」

 

事の事態は仕留めるの王(キング)であるソーナの方にも伝わっているようだ。

 

「部長達はどうなっているんですか?」

 

ここで木場が質問をする。するとアザゼルが少し険しい表情となる。

 

「…実はな、向こうも少し面倒な事になっていてな。グレモリー領のとある都市部で暴動が起こったようでな、どうにもカオス・ブリゲードに直接関与していない旧魔王派の連中が暴れているようだ。その対応に追われてるから今回の事は連絡出来なかった」

 

「…っ、だ、大丈夫なんですか?」

 

心配そうな表情でアーシアが尋ねる。

 

「何、心配はいらねえさ。グレイフィアに、グレモリーの現当主の奥方も現地に向かったらしいからな。鎮圧されるのは時間の問題だ」

 

そう断言するアザゼル。

 

グレイフィアは言わずと知れた現魔王、サーゼクス・ルシファーの女王(クイーン)であり、グレモリー現当主の妻であるヴェネラナはバアル家出身の亜麻髪の絶滅淑女(マダム・ザ・エクスティンクト)の二つ名を持つ強者であり、その実力は折り紙付き。

 

「大まかな人員配置は以上だ。ついでに、オフェンスに強力な助っ人を要請した。実力は文句なしの対テロリストのプロフェッショナルだ。作戦開始には間に合わねえが、到着すれば作戦成功間違いなしと言っても過言じゃねえ逸材だ」

 

「それは凄いな。いったい誰が?」

 

その助っ人に興味を抱いたゼノヴィア。

 

「それは来てのお楽しみだ。ただとんでもねえのが来るってだけ覚えておけ」

 

愉快そうに笑うアザゼル。

 

「…だが、良い報せばかりじゃねえ。今回の作戦に際し、フェニックスの涙が3つしか支給されなかった」

 

表情を改め、トーンを落としながらアザゼルが告げた。

 

「3つ!? たった…」

 

その事実に匙が肩を落とす。

 

「致し方ねえさ。フェニックス家のレイヴェルの話じゃ、フェニックスの涙は元々大量生産出来る代物ではないらしいからな。それに今のこの情勢だ。3つしか、と言わず、3つも回してくれたと考えるべきだ」

 

ショックを受ける面々に対し、昴がフォローする。

 

「そう言うこった。…作戦会議は以上だ。俺は全体の指揮を執らなきゃならんから、細かい所まで手が回せねえ。…そこでオフェンス側の指揮はリアスに代わりに昴が執れ」

 

アザゼルから指名が入る。

 

「俺で良いんですか? 渡月橋での小競り合いの折の俺を見ていたでしょうに」

 

つい先程の英雄派との戦い、昴はアザゼルの指示を無視し、独断で曹操に突っ込んでいった。そんな自分にオフェンスの指揮を任せて良いのかと尋ねる。するとアザゼルはニヤリと笑い…。

 

「そこまでお前は馬鹿じゃねえだろ。あの時は俺がいたからお前は曹操に向かって行った。俺がいなけりゃそんな真似しなかっただろ?」

 

そう返すアザゼル。アザゼルなりに昴を評価しているようだ。

 

「異論がある奴はいるか?」

 

そう皆に尋ねるアザゼル。

 

「ありません。頼むよ昴君」

 

「そうだ、ある訳がない。任せる」

 

「スバルさんの言う事に従います。お願いします」

 

「そうよ! お願いね♪」

 

「お願いします。リアスさんがいない今、指揮を執れるのはあなただけです」

 

グレモリー眷属とイリナから、誰1人反対を唱える者は現れなかった。

 

「だとよ。どうする?」

 

ニヤリと笑みを浮かべながら再度尋ねるアザゼル。

 

「…分かりました。オフェンスの指揮の任、確かに承りました」

 

「よし、それなら景気付けに何か一言言ってやれよ」

 

茶化すようにアザゼルが昴に促す。

 

「いきなりですね。…では」

 

ゴホンと一息吐き…。

 

「とんだ修学旅行なっちまった。…まぁ、グレモリー眷属からすればいつもの事だが…」

 

そんな愛嬌を振りまいて和ませると、昴は表情を改める。

 

「九重の母、八坂姫を何としても救い出す。あんな小さな女の子から、母親を失わせては絶対ならない。必ず生きた姿で母娘をさせなければならない」

 

『…』

 

「そして俺達も、全員無事でそれぞれの主の下へ帰還を果たす。誰1人欠ける事なく全員でだ。…皆行こう。この作戦、必ず成功させるぞ」

 

『おう(はい)(うん)!!!』

 

昂の言葉に、グレモリー・シトリー眷属達が応えた。

 

「くくくっ…」

 

その姿を見ていたアザゼルが愉快そうに笑う。

 

「(相変わらずおもしれー奴だ。作戦会議の前は少なからず恐怖を抱いたり緊張している姿が見えたが、昴の一言がそれらを吹き飛ばしやがった)」

 

英雄派をと言う強敵の前にグレモリー・シトリー眷属達は恐怖と緊張が隠せなかったが、今は全員、戦意に溢れている。

 

「(人間の考える創作物に勇者と言う英雄が良く使われる。そいつはどんな困難、どんな強敵であっても立ち向かう、『勇気ある者』として描かれるが、俺はこう思う。真の勇者とは自分だけではなく、周りを奮い立たせる『勇気を与える者』だと。…曹操。英雄の血と聖槍を受け継いだ絵に描いたような存在だが、英雄派にとってのお前は、どんな存在だ?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

作戦会議が終わり、それぞれが作戦の為の準備に向かった。それが済むと、続々と集合場所であるロビーにメンバーが集結した。

 

「全員揃ったな」

 

「ええ。揃いまし……うぷ」

 

オフェンスのメンバーが全員揃ったが、ロスヴァイセだけは体調悪そうにしていた。昼に飲んだ酒のアルコールが抜けていないのだ。

 

「…だ、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫です。作戦開始までには……うっぷ」

 

その様子を見て気遣う匙、ロスヴァイセは強がるが相変わらず顔色は悪く、口元を抑えている。

 

「……ハァ」

 

溜息を吐く昴。作戦会議の時から体調が悪そうではあったが、すぐにどうにかなるだろうと高を括っていた昴。

 

「ロスヴァイセ」

 

これでは作戦に障りかねないと見た昴はロスヴァイセの下へ歩み寄る。

 

「姿勢を正せ」

 

「…えっ? はい…」

 

言われたロスヴァイセは言われたがまま背筋を伸ばし、姿勢を正した。

 

「…」

 

昴は人差し指を1本立てると…。

 

 

――ズボッ!!!

 

 

その指を勢いよくロスヴァイセの胸の下辺りを突き刺すように押した。

 

「…っ!? う、うぐっ、うぐぅぅっ!!!」

 

人差し指を刺された瞬間、たちまちロスヴァイセの顔色は悪くなり、慌ててトイレを駆け込み、数分後に戻ってきた。

 

「ななな何をするんですかー!!!」

 

戻ってきたロスヴァイセは詰め寄る。

 

「そんな様じゃ作戦どころじゃないからな。少々荒療治だが、体内のアルコールを強制的に排出させてやった。どうだ? 楽になっただろ?」

 

「っ!? 言われてみれば…」

 

指摘されると、ロスヴァイセは今まで自身の体調を苛んでいた二日酔いがなくなり、体調が良好になっていた事に気付く。

 

「これに懲りたらこれからは飲めない酒は控えるんだな。…ほれ」

 

そう言って、昴はロスヴァイセに、傍の売店で購入したカロリーメイトとスポーツドリンクを渡した。

 

「…もとは言えば、アザゼル先生とあなたがお酒を飲もうとしたのが原因なのに……もぐもぐ」

 

何やらぶつぶつ呟きながら受け取ったカロリーメイトを口にするロスヴァイセだったが、昴は敢えて聞こえない振りをした。

 

「そんじゃ改めて、全員揃ったな。そんじゃ出発……の前に、ゼノヴィア、デュランダルは間に合ったんだな?」

 

「ああ。つい今し方届いた所だ。教会が保有していたエクスカリバーを鞘の形にして被せ、デュランダルの攻撃的なオーラを覆って外に漏らさず、覆った事で2つの聖剣の相乗効果を生み出す事で更なる力が生み出せるようになったのだ」

 

ゼノヴィアが特殊な布で巻かれたデュランダルに頬ずりをしながら説明する。更に純粋なデュランダルのパワーアップだけでなく、融合前のエクスカリバーの能力(支配を除く)も使用可能だとイリナから付け足させる。

 

「…」

 

それを聞いて昴は顎に手を当てて何かを思案する。

 

「? どうかしたのか?」

 

その様子を見たゼノヴィアが尋ねる。

 

「…ゼノヴィア、イリナ、ロスヴァイセ。ちょっと集まってくれ」

 

「「「?」」」

 

何かを思い付いた昴が3人を集める。

 

「1つ思い付いた事がある。聞いてくれ」

 

そう言って、集まった3人に話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

ホテルを出発した昴達は二条城へ向かうべく、京都駅のバス停に向かった。

 

「…」

 

バスを待つ中、木場はいつもの表情で集中力を高めている。

 

「…っ」

 

匙は着々と迫る決戦を前に緊張してきたのか、時折表情を曇らせる。

 

「うむ。デュランダルさえあれば――」

 

「油断は禁物よ」

 

「頑張りましょう!」

 

教会トリオは会話に勤しんでいる。

 

「…」

 

ロスヴァイセは表情を改めてバスを待っている。

 

『…』

 

バスの到着時間が近付くにつれて教会トリオも会話を止め、全員が無言でバスを待っていた。

 

「待つのじゃ!」

 

到着の時間まで後少しの所で、聞き覚えのある声が響いた。

 

「……九重」

 

声の方角には九重の姿があった。

 

「私も行く! 私も母上を救いたいのじゃ!」

 

決死の表情で九重が願い出た。

 

「アザゼル先生やセラフォルー様から、本部で待機しているように言われたはずだ」

 

その願いを昴は了承するでなく、咎めるような口調で告げた。

 

「分かっておる! じゃが、私も母上を救いたいのじゃ! だから頼む!」

 

それでも九重は更に願い出る。

 

「連れて行ってやったらどうだ? 何かの役に立つかもしれないし、最悪、私達で守ってやれば…」

 

真剣に頼み込む九重に絆されたのか、ゼノヴィアが助け舟を出す。

 

「ダメだ。ただでさえ、相手の狙いと戦力が不透明で、不確定要素や不安要素が多いんだ。これ以上、不安要素を増やす真似は出来ない」

 

「けどよ…!」

 

匙も食い下がるが…。

 

「相手が例の実験とやらの成功が困難となった場合、九重を人質に取られる可能性だってある。あの曹操ならな。率直に、一昨日のセイクリッドギア使い程度も退けられる力もない今の九重じゃ、はっきり言って足手纏いだ」

 

「…っ」

 

厳しい言葉が昴の口から告げられ、九重が表情を曇らせる。

 

「スバル君! いくらなんでもそんな言い方…!」

 

あまりに遠慮のない言葉にイリナが昴を咎める。

 

「イリナ。情を捨てろ、とまでは言わないが、それに駆られるな。俺達の目的は作戦を成功させる事だ。その為に、情に駆られて失敗の要因になるものは不用意に増やすべきではない。もし失敗すれば、それこそ九重を悲しませるどころじゃなくなるんだ」

 

「…っ!」

 

そう言われてしまうと返す言葉がないイリナ。

 

「九重は本部に送り届ける。俺のブーステッド・ギア・スカイボードを使えば、少々目立つが決戦前に追い付ける」

 

そう言って、昴は九重に歩み寄り、手を差し出す。

 

『っ!?』

 

その時、昴達の足元から霧が立ち込め始めた。

 

「…ちっ!」

 

咄嗟に昴が動き、九重を抱きかかえる。同時にぬるりとした感触が全員の全身を襲い始めた。その場にいた全員が絶霧(ディメンション・ロスト)によるものだと把握したと同時に、霧が全身を覆い始めたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





メインの二次のネタがどうにも固まらないので、しばらくはこちらをメインにしようと思います。もし、ネタが良い感じに煮込まれたら戻るかもしれないですけど…(;^ω^)

元々はこっちがメインだったんですどね…(>_<)

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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