ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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投稿します!

また間隔が空いてしまいましたね…(>_<)

前回よりは短いですが…(;^ω^)

それではどうぞ!



Life.122~鍛錬、宣戦布告の記者会見~

 

 

 

サイラオーグの母、ミスラ・バアルが入院している病院を訪れてから数日後…。

 

「ハァ…ハァ…」

 

肩で大きく息を切らし、片膝を付いている木場。

 

場所は、グレモリー眷属御用達のトレーニングルーム。現在、グレモリー眷属達は来たるサイラオーグとその眷属達とのレーティングゲームに向け、トレーニングをしている。

 

「……うん。まだまだクリアすべき課題は残っているが、良い感じになって来たんじゃないか?」

 

すぐ傍に立っている昴が木場に向けて頷きながら告げる。

 

「ハァ…ハァ…、お陰様で。命をすり減らした甲斐があったよ」

 

呼吸を整え、昴の言葉に苦笑する木場。

 

以前に、学園祭の準備をしていた際、迫るレーティングゲームに向けて、考えがあった木場は、昴に協力を仰いでいた。それがある程度、形になっていた。

 

「後は、どれだけゲームまでに課題をクリアし、実戦で使えるレベルに落とし込むか、だな。…さて」

 

木場から視線を外し、後ろへと振り返る昴。

 

「おら、休憩は終わりだ。早く立て」

 

「…ま、待ってくれ…! もう少し…、もう少しだけ休ませてくれ…!」

 

振り返ったそこには、うつ伏せのまま倒れ伏していたゼノヴィアの姿があった。

 

「俺が木場とトレーニングしている間に充分休憩しただろ。早く立て。はい3、2――」

 

「わ、分かったから、物騒な物を向けないでくれ!」

 

多幻双弓を発現させ、矢を番えて引き絞り、ゼノヴィアに向ける昴。これを見てゼノヴィアが慌てて立ち上がる。

 

「手合わせするのはいい。それは構わない。だがせめて、デュランダルを使わせてくれ!」

 

「それじゃ意味がねえんだよ。これは、お前のテクニックを磨く為の修業なんだからよ」

 

苦情を言うゼノヴィア。しかし、昴はそれを一蹴する。

 

「…しかし、私にはその手のテクニックは向いていない。それは昴も分かっているだろ? それよりも私は、もっとデュランダルを使いこなす修業の方が…」

 

「短所を直すより、長所を伸ばす。その考え自体は否定しない」

 

「だったら――」

 

「だが、お前はもうその段階じゃない」

 

尚も食い下がるゼノヴィア。だが、昴は首を横に振る。

 

「先の京都での戦いを思い出せ」

 

「…」

 

「デュランダルの威力に頼った戦い方をした結果、お前はジークフリートにあしらわれた」

 

「…っ」

 

指摘されたゼノヴィアは、表情を引き攣らせた。

 

「最終的にはジャンヌダルク相手には優勢に戦いを進めはした。だがあれは相性の有無があった事と、イリナの援護があったからだ」

 

「…」

 

「この先の戦いで、俺や木場、イリナが援護が出来ない状況に直面する事も充分あり得る。今、お前に必要なのは、一撃の威力を上げる事ではなく、如何に攻撃を当てるかだ」

 

「……むぅ。分かった。昴がそこまで言うなら…」

 

納得はしていないが、反論も出来ない為、渋々納得するゼノヴィア。

 

「分かったなら始めるぞ。ほら」

 

斬山刀を発現させ、ゼノヴィアに向けて放って渡した。

 

「さて、今度はこれで行くかな」

 

弓を消した昴は、龍牙、二又の槍を発現させた。

 

「…今度は槍か」

 

「どうかしたか?」

 

「…いや、先程は戦斧、その前は、戟、だったか? 勝手の違う武器を良くもまあ、あそこまで操れるものだな」

 

「俺に扱えない武器はない。その気になれば、なんだって武器として扱える」

 

使う武器に多少の好みはあれど、あらゆる武器種を昴は使い分ける事が出来る。

 

「どんな武器を使っても達人級の腕前だ。いったい何処で身に着けたんだ?」

 

「……ま、俺にもいろいろあるんだよ」

 

視線を外してはぐらかす昴。

 

「教えてくれても良いじゃないか。減るものでもないし」

 

「俺に勝ったら教えてやるよ」

 

「…むぅ。だったら、意地でも勝って話してもらおうじゃないか!」

 

そう言って、ゼノヴィアは昴に斬りかかった。

 

「っと、合図も無しにいきなりかよ」

 

これに反応した昴は龍牙の柄の中心で斬撃を受け止めた。

 

「卑怯とは言わせんぞ。先手必勝。これも作戦の1つだ」

 

ニヤリとしながらゼノヴィアは更に斬撃を加えていく。

 

「槍は間合いがなくては真価を発揮出来ない。このまま押し込ませてもらおう」

 

「ほう、ゼノヴィアなりに多少は考えてはいるみたいだな」

 

ゼノヴィアの斬撃をいなしながら感心する昴。

 

「だが…」

 

「っ!?」

 

斬山刀を振り下ろしたゼノヴィアの一撃をかわすと同時に昴は龍牙で斬山刀を上から押さえつける。

 

「そんなものは使ってる本人が1番理解している」

 

同時に昴は身体を回転させながらゼノヴィアに対して回し蹴りを振るう。

 

「…くっ!」

 

間一髪。ゼノヴィアは後ろに飛び退きながら蹴りをかわす。

 

「距離を空けたな」

 

「…っ!? しまった!」

 

これまで絶えず仕掛け続ける事で間合いを潰していたゼノヴィア。しかし、回し蹴りをかわす為に咄嗟に後ろ飛んだ事で間合いが広がってしまった。

 

「今度はこっちから行くぜ」

 

龍牙を構えた昴がゼノヴィアの眉間目掛けて槍を突き入れる。

 

「っと!」

 

ゼノヴィアは上半身を後方に倒す事でこれをかわす。

 

「安心してんじゃねえ。まだまだ続くぞ」

 

そこからさらに龍牙を連続で突きまくる昴。

 

「どうしたどうした! 防戦一方だぞ!」

 

「…っ…くっ…ぐっ…!」

 

高速で絶え間なく浴びせられる龍牙による突きの嵐。ゼノヴィアは避け、またはかわし、あるいは退きながらその突きの嵐を何とか凌ぐ。

 

「槍ってのはな、突くだけが攻撃じゃねえんだぜ」

 

構えを変えた昴は龍牙を頭上から振り下ろした。

 

 

――ガッ!!!

 

 

振り下ろした龍牙は空を切り、床に叩きつけられた。

 

「…っ、なるほどな。だが、おかげでようやく隙が出来た」

 

振り下ろしの斬撃をかわしたゼノヴィアが昴との距離を詰め、仕掛ける。

 

「…だから、安心してんじゃねえって、言ってんだろ!」

 

昴は槍を突き立てたのと同時にその槍を軸にして身体を回転させる。

 

「…なっ!?」

 

目を見開きながら驚きの声を上げるゼノヴィア。昴は回転の勢いを利用してゼノヴィアに蹴りを振るう。

 

「ぐっ!」

 

何とか斬山刀を盾にしたゼノヴィアだったが、威力を殺しきる事が出来ず、吹き飛ばされてしまう。

 

「…っ」

 

何とか床に手を突いてゼノヴィアは体勢を立て直した。

 

「ったく、相も変わらず馬鹿正直な力押し。お前何処まで脳筋なんだよ。少しは、相手の裏を掻くような攻撃は出来ねえのか?」

 

槍で肩をトントンとさせながら呆れ顔の昴。

 

「むぅ…」

 

言われたゼノヴィアは唇を尖らせながら唸り声を上げる。

 

「(裏を掻く、か…)」

 

何か昴の意表を突く良い作戦はないか考えるゼノヴィア。

 

「(……閃いたぞ! これなら行けるぞ!)」

 

妙案を思い付き、思わず口元が緩むゼノヴィア。

 

「(何か仕掛けて来るな…)」

 

表情から察した昴は龍牙を構えながら警戒する。

 

「行くぞ!」

 

斬山刀を構えたゼノヴィアが地を蹴り、突っ込んで行く。

 

「(これまでどおり、真正面から…、さて、ここからどうする?)」

 

グングン自分との距離を縮めるゼノヴィア。

 

「…フッ!」

 

「…っ」

 

射程距離に入る目前、ゼノヴィアは昴目掛けて何かを投げつける。同時に昴の視界が覆われる。

 

「…また古典的な作戦だな」

 

昴は動じる事無く龍牙で投げつけた物を振り払う。視界が晴れると、そこにはゼノヴィアの姿はない。

 

「この程度で俺の隙を突けると――」

 

ゼノヴィアの気配を瞬時に追い、背後に回り込んでいたゼノヴィアを迎え撃とう…と、したのだが…。

 

「…」

 

思わず言葉を止めた昴。振り返ったそこには、下着姿のゼノヴィアがいたからだ。

 

「ハッハッハッ! 動揺したな! これでこの勝負、もらっ――ぐぇっ!」

 

勝利を確信したゼノヴィアだったが、昴は無表情のままゼノヴィアの腹に石突きを叩き込んだ。

 

「…あのなぁ、相手の意表を突けば良いって事でもねえんだぞ」

 

溜息を吐きながら懇々と諭す昴。

 

「な、何故だ…、視界を奪い、下着姿でお前を篭絡しつつ動揺を誘える完璧だったはずなのに…」

 

苦悶の表情をしながらもどうして自身の作戦が通じなかったかが理解出来ないゼノヴィア。

 

「戦闘中にそんなんで心を乱す訳ねえだろ」

 

「…くっ! やはり、下着も脱ぐべきだったか!」

 

「そういう事じゃねえ」

 

「いたっ!」

 

コン! っと龍牙の柄で軽く頭を叩く昴。

 

「だいたい、そんな奇策、実戦じゃ使えねえだろ」

 

「私を見くびってもらっては困るな。勝利の為なら裸の1つや2つ――」

 

「お前の戦闘服は簡単に着脱出来ねえだろが」

 

「……そ、そうだった」

 

指摘され、落ち込むゼノヴィア。基本、特殊仕様の駒王学園の制服で戦う昴と違い、ゼノヴィアは独自の黒いボンデージのような戦闘服は基本的に咄嗟に着脱は出来ない。

 

「とにかく、早くジャージを着ろ。ここには俺以外にも木場がいるのを忘れんなよ」

 

ジャージを渡す昴。

 

「デュランダルの威力ばかりに頼った戦い方してたらその内絶対痛い目見るぞ」

 

「…むぅ」

 

ブツブツと文句を言いながらゼノヴィアはジャージを着ていった。

 

「お疲れ様」

 

その場を離れた昴。そこへ、木場がやってきて飲み物を渡した。

 

「サンキュー。…どっちか言うと、気苦労の方が多いけどな」

 

苦笑しながら飲み物を受け取る。

 

「調子はどうだい?」

 

「んぐ…んぐ…ふぅ、全然。まだまだ話にならねえ」

 

渡された飲み物を口にすると、昂は肩を竦めながら首を横に振る。

 

「無理やり仕込んではいるが、本人が必要性を感じてねえからほとんど身に付いてねえ。…木場レベルとは言わないが、少なくともなく、ある程度、身に付けてくれりゃあなあ。いっその事、今度のゲームで1度痛い目見せた方がいいかもしれないな」

 

「ハハハッ…」

 

昴の物言いに、思わず木場は苦笑する。

 

「お疲れ様。見事な手合わせだったわ」

 

2人が会話をしていると、これまでアドバイザーとしてトレーニングを見守っていたリアスが同じく見学していたレイヴェルと共にやってきた。

 

「ブーステッド・ギアに頼らずともあの強さ。御見それ致しましたわ!」

 

「恐れ入るよ」

 

褒め称えるレイヴェル。

 

「本番まで残り僅か。この調子で各々仕上げていくわよ」

 

「「はい!」」

 

リアスの言葉に頷く昴と木場。

 

「ところで、ゲームのルールはまだ決まってないんですか?」

 

「…ええ。残念ながらまだよ」

 

昴の質問に、リアスは首を横に振る。

 

「分かっているのは、ゲームの会場は大公アガレスの領土にある空中都市で行われる。と言う事だけよ」

 

「空中都市…、確か、旧魔王時代の遺跡、でしたっけ?」

 

「そうよ。そこで大勢の観客を集めて行われるわ」

 

「それはそれは…。となると、ゲームは短期決戦(ブリッツ)を前提としたルールが敷かれる事になりそうですね」

 

レーティングゲームはルールによっては日を跨ぐ程の長丁場になる事もある。だが、観客を集めてのゲームとなれば、エンターテインメントの観点から見てもまず間違いなく短期決戦(ブリッツ)になる事が予想出来る。

 

「私も同意見ですわ。リアス様とサイラオーグ様はデビュー前でありながら今や、冥界でもプロにも劣らない人気を誇っています。此度の一戦も、連日テレビで煽りとも言える程の宣伝をしていますから」

 

レイヴェルも同意見であり、昴の予想に頷いていた。

 

「サイラオーグは私達の如何なる力も受け入れると上役に打診し、上役もそれを了承したわ。だから以前のシトリー戦のような制限はまずないわ。…けれど、それを踏まえた上で特殊なルールを敷いて来るでしょうね」

 

サイラオーグ…バアル家の誇りを守ると共に力を誇示する意味でも、リアス達に半ば、ハンディキャップのかかるルールが敷かれる事はまずない。…だが、リアス達、グレモリー眷属が勝ってしまうのも面白くはない。グレモリー眷属は、現魔王を輩出している一族ではあるが、バアル家は、元七十二柱の序列1位。家柄や血筋を重視する上級悪魔からすると、魔王の名以上に重要視する者も多い。

 

「勝負は短期決戦(ブリッツ)。俺達に力の制限をかけず、かつ、サイラオーグさんの要望を受け入れつつある程度、ある程度サイラオーグさんに有利に運ぶルール…」

 

今挙げた条件を前提に現存するルールを頭の中で検索する昴。

 

「ダイス・フィギュア…、ではないでしょうか?」

 

ポツリと、レイヴェルが口にする。

 

「…俺も同じ事を考えた」

 

同じ考えに至った昴が頷く。

 

「ダイス・フィギュア。その名の通り、ダイス…サイコロを用いて行われるレーティングゲームの特殊ルールだね」

 

横で聞いていた木場が呟く。

 

ダイス・フィギュアとは、対戦する両(キング)がそれぞれサイコロを振り、それぞれが出した目の合計の数に相当する者を選抜され、戦い合うルール。兵士(ポーン)なら1、騎士(ナイト)と僧侶《ビショップ》は3、戦車(ルーク)は5、女王(クィーン)は9と、割り当てられており、出た目の数字内であれば、何人出しても問題はない。ちなみに(キング)の数は事前に審査委員会からの評価によって決まる。

 

「どうしてそのダイス・フィギュア? とやらになると思ったんだ?」

 

ジャージを着直したゼノヴィアが話に加わり、尋ねた。

 

「データが少ないから一概には言えないが、やはり、実力が飛びぬけているのはサイラオーグさんだ。一般的なルールでのレーティングゲームなら、他の眷属を全て撃破(テイク)した後、残った者全員でサイラオーグさんを囲って戦う、何て事も出来るが、ダイス・フィギュアだと、俺達の場合、どんなに多くても3対1まででしか相対する事が出来ない」

 

「…っ」

 

昴の解説を聞き、ゼノヴィアが表情を引き攣らせる。

 

「…いえ、サイラオーグ様をまともに相手が出来るのは、失礼を申し上げるなら、リアス様の眷属の中ではスバル様だけ。兵士(ポーン)の駒を8つ消費したスバル様の数は8。仮に、サイラオーグ様を最大の12としたとしても、共に出られるのは、戦略・戦術的に見ても木場様かゼノヴィア様のどちらかのみ。であれば、実質的には2人で戦う事になるかと思います」

 

続けてレイヴェルが解説する。

 

「補足どうも。仮にサイラオーグさん側は、眷属が全て撃破(テイク)されたとしても、このルールならば、いざとなりゃ、サイラオーグさん1人で各個撃破する事も可能って訳だ」

 

総合的に見て、サイラオーグの強さが存分に生かされ、リスクもある程度、減らせる、と言う事を踏まえ、昴とレイヴェルはダイス・フィギュアと予想した。

 

「…一理あるわね。次のゲーム、ダイス・フィギュアのルールを前提にした戦略シミュレーションもしていた方が良さそうね」

 

顎に手を当てながらリアスは頷いていた。

 

「…」

 

各々が雑談をする中、昴はレイヴェルに視線を向ける。

 

「(大した分析力だ。だいぶ前にレーティングゲームで戦っただけで、ここに来たのも最近だってのに。…この子、軍師の才がある…かもな)」

 

限られた情報を基にここまで分析したレイヴェルを見て、昴は軍師としての資質があると感じたのだった。

 

「さて…、今日のトレーニングはこれで終了しなさい。明日は、記者会見なのだから。みっともない姿は見せられないわ」

 

両手をパン! と、リアスが手を叩きながら皆に告げる。

 

「…そういや、そんなのも予定されてましたね」

 

スケジュールを思い出した昴は軽く嘆息したのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌日…。

 

時刻は既に夜分。リアスを始めとしたグレモリー眷属達は、グレモリー領のとある高級ホテルに来ていた。

 

このホテルの2階のホール会場にて、グレモリー、バアル眷属の合同記者会見が開かれる。

 

各々は待機室にて準備を整え、会見場へと向かっていた。

 

「ひぃぃっ、やっぱり出たくないですぅぅぅっ! どうして引きこもりの僕に記者会見なんて…!」

 

昴の腰に縋りつきながら悲鳴染みた声を上げるギャスパー。

 

「いい加減、慣れて行けよ。多分だが、この先、こんな機会、数えきれないくらいやってくるぞ?」

 

「そんなぁ…」

 

そんなギャスパーの背中を擦りながら慰める昴。昴の言葉にさらに絶望するギャスパー。

 

「男の子なのに情けない。…ヘタレ吸血鬼」

 

「うぅぅ、小猫ちゃんまでいじめる」

 

そんなギャスパーにジト目で咎める小猫。そして涙目のギャスパー。

 

「あらあら、フフッ」

 

そんな3人のやり取りを見て、朱乃は微笑ましく笑みを浮かべている。

 

「…ん? あれは」

 

その時、前方に見知った顔を目撃した昴。

 

「よう、匙」

 

「おう、御剣! それにリアス先輩とオカルト研究会の皆も!」

 

昴の声に反応した匙が手を上げながら返事をした。

 

「もしかして、お前達もこれから記者会見か?」

 

「ああ。…と言っても、俺達はお前ら程、注目はされてないけどな」

 

苦笑する匙。

 

「そう言うな、ソーナ・シトリーさんとシーグヴァイラ・アガレスさん。共に切れ者と称される(キング)同士の対決だ。見てる奴はちゃんと見ているさ」

 

「だといいけどな」

 

「勝てよ。つーか、お前の活躍次第で結果は左右するかもしれないんだから気合い入れてけ」

 

「…っ、プ、プレッシャーかけんじゃねえよ」

 

昴の言葉に顔を引き攣らせる匙。

 

「元ちゃん、そろそろ時間だから行きましょう。…それではリアス先輩、失礼致します」

 

「ええ、健闘を祈っているわ」

 

後ろに立っていた花戒が匙を促すと、リアスに挨拶を交わし、その場を後にしていった。

 

「頑張れよ、匙、シトリー眷属達」

 

その場をにしていった匙達の背中に語り掛けた昴は、改めて会見場へと向かって行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『バアル眷属、グレモリー眷属の両眷属が揃いましたのでこれより、記者会見を始めたいと思います』

 

司会進行役が言ったのと同時に始まる記者会見。同時に集まった記者達から大量のカメラのフラッシュが焚かれた。

 

改めて進行役からゲームの日取り、概要が説明され、その後、両(キング)へ、ゲームの意気込みが語られる。

 

リアス、サイラオーグが堂々とした佇まいでゲームへの意気込みが語られ、時として記者達が騒めき出す場面もあった。

 

2人の意気込みが語られると、次に両者の眷属達へと話が移行する。

 

粛々とつつがなく記者会見は進んで行き、昴への質問がやってきた。

 

『今や、冥界でも屈指の女性人気を誇る、麗帝こと御剣昴さん。ファンの皆様へ、何か一言、お願いします』

 

「そうですね。ゲームとは言え、戦いですから。普段、皆さんに見せた事がない姿を見せる事になると思います。そんな自分の事も、受け入れ、これからも応援してくれれば幸いです」

 

粛々と答える昴。質問した女性記者がお礼を述べて座ると、次に、男性記者が手を上げ、進行役から指名を受けると立ち上がり、質問を始めた。

 

『ズバリ、先のゲームで注目している相手を教えて下さい』

 

「そうですね。バアル眷属の方々はいずれも、強者、曲者揃い。誰が相手でも油断は出来ない相手です」

 

『…』

 

「ですがやはり、注目しているのは、その(キング)である、サイラオーグ・バアル様です」

 

昴がそう語るのと同時に『おぉっ!』 っと、記者達から声が上がる。

 

「もし、サイラオーグ様と真正面から1対1で対峙する事となれば、熱く、激しい戦いとなるでしょう。その上で、自分が勝利して見せます」

 

この言葉に、先程より大きな声が記者達から上がった。

 

『ありがとうございます。…では、サイラオーグ選手。今の言葉を受けて、何か一言、お願いします』

 

「…フッ、熱く、激しいか…。違いない。俺と赤龍帝がぶつかり合えば、間違いなくそうなるだろう」

 

話を振られたサイラオーグが立ち上がると、不敵に笑いながらそう回答する。

 

「だが、1つ、違う所がある。それは、勝つのは俺だ。と言う事だ」

 

この言葉と同時に再び会見場が記者達による声が上がった。

 

『ありがとうございます。…最後に、不躾なお願いなのですが、サイラオーグ選手、昴選手、共に健闘を称え合う為、握手をしていただいても構いませんか?』

 

記者からそんな要望が出される。

 

「ああ、構わない」

 

「ええ、こちらも」

 

2人が了承すると、席から立ち上がり、中央へと向かって歩き始めた。同時に焚かれるカメラのフラッシュ。

 

 

――バチッ!!!

 

 

互いの距離が縮まり、握手の出来るまで進み、2人の視線がぶつかり合うと、空気が弾けるような音が2人の間から生まれた。

 

『…っ』

 

同時に、静まり返り、会見場は緊張感に包まれた。

 

「…」

 

「…」

 

至近距離で対峙し、視線を絡め合う両者。

 

『っ!?』

 

2人が同時に右拳を掲げると、より一層、会見場の緊張感が高まる。互いに飛び出した勝利宣言。

 

 

――まさか、この場で戦いが始まってしまうのか…。

 

 

拳を掲げたまま、視線をぶつけ合う両者。

 

『…っ』

 

息を飲む記者達。そんな動作の音すら、聞こえそうな程に静まり返った会見場。

 

「…また、強くなったみたいだな」

 

「サイラオーグさんこそ…」

 

「ああ。約束通り、あれから俺も、眷属達も鍛え上げて来た」

 

「こっちも同様です」

 

小さく言葉を交わす2人。すると、サイラオーグがフッと笑みを浮かべ…。

 

「楽しみにしているぞ」

 

握っていた拳を開くと、昴へと差し出した。

 

「こちらこそ」

 

同様に昴が笑みを浮かべ、拳を開くと、その手を握った。

 

 

――パシャパシャ…!!!

 

 

同時に、大量のカメラのフラッシュが焚かれ、2人が包まれた。

 

こうして、記者会見は幕を閉じたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





ほぼ、原作と同じ流れで申し訳ないです…(;^ω^)

2024年になって、去年までメインで投稿していた二次が一旦区切りが付いたので、こっちを本腰上げて……っと、行きたかったのですが、どうも、様々な要因が重なり、モチベーションが上がらない状態となってしまいましたorz

何とか今年中にこの章だけでも終わらせられたらなぁ…(>_<)

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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