投稿します!
世間では夏休みが終わり、秋に……けど、まだ秋って感じはしないなぁ…。
それではどうぞ!
遂に始まった、注目の1戦である、リアス・グレモリーチームとサイラオーグ・バアルチームとの、ダイス・フィギュアルールによるレーティングゲーム。
両チームの
サイラオーグは
これより、注目の初戦、試合の行き先を占うオープニングの一戦が今、始まる…。
※ ※ ※
『何と何と!? リアス姫が最初に出して来たのは何と、赤龍帝、御剣昴選手! 初手から大物を出してきました! この選択、どう見ますか!?』
実況者、ナウドが解説の2人に尋ねる。
『選択としては悪くない。昴選手は終盤にサイラオーグ選手にぶつける事を考えると、中盤以降は使いづらい。序盤であれば、多少の傷は
アザゼルはこの選択に評価の言葉を示す。
『…ですが、ここで必要以上に消耗させられたり、手札を切らされるような事があれば、この選択は後に響いて来るでしょう』
対して、ディハウザー・ベリアルは、懸念点を指摘した。
『つまり、この選択が吉出るか凶と出るかは、この試合の内容次第、と言う事ですね! であるなら、この試合の行く末に注目いたしましょう!』
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「改めまして、リアス・グレモリー様の
目の前の2人に対し、昴が自己紹介をする。
「サイラオーグ様に仕える
「同じく、
サイラオーグチームの2人が名乗りを返す。
「よもや、貴殿と戦う事となろうとはな」
「俺が相手では不足だったかな?」
フールカスの言葉に昴は皮肉交じりに言う。するとフールカスはニヤリとし…。
「むしろ好都合。ここで貴殿を討ち、このレーティングゲームの勝利を確実なものとしようではないか!」
そう言って、昴に向けて、持っていたランスの切っ先を向けた。
そこへ、
『第1試合、開始して下さい!』
そう合図し、試合が始まった。
合図と同時に距離を取る両者。
「いざ尋常に、勝負!」
そう叫ぶと同時にフールカスの姿が消える。
「…」
――ギィン!!!
同時に昴は村雨を発現させ、刀身3分の1程引き抜くと、フールカスの見舞う、ランスによる渾身の突きを受け止める。
「…」
「…」
鍔迫り合う両者。
――ガギィン!!!
昴は村雨を押し出すようにしてランスを弾くと、すかさず抜刀し、フールカスに一太刀に振るう。
「(…ほう)」
しかし、その一太刀は空を切る。フールカスの騎乗している愛馬、
「今度はこちらから行くぞ」
宣言と同時に昴が前に出てフールカスとの距離を詰める。
――ギィン!!! …ガギィン…!!!
その後も昴とフールカスは絶えずフィールドを駆けまわり、互いの得物が激突させる。
――ガギィン!!!
数度激突させた後、再び鍔迫り合いとなる。
「見事だ。人馬一体と言う言葉があるが、あなたはまさにその言葉を体現している」
賛辞の言葉をフールカスに贈る昴。
「貴殿も……と、言いたい所だが、そろそろ本領を見せていただきたいものだな」
対して、フールカスは若干、不満げに尋ねる。
昴は現在、ブーステッド・ギアを、禁手はおろか、籠手そのものを発現させていない。昴の代名詞とも言える赤龍帝、その象徴とも言えるブーステッド・ギア。それを出さない事にフールカスは不服なのである。
「本来なら、本気で挑むあなたに対し、本気で応えるのが礼儀なのだが、こちらにも事情があるのでね」
僅かに申し訳なさそうに返す昴。
先程ディハウザー・ベリアルが言ったように、この戦いは、昴が勝つ事が大前提。この戦いの焦点は、如何に勝つかではなく、どれだけ消耗を抑えて勝つかが重要なのである。その為、消耗が激しい、ブーステッド・ギア、特に禁手は使えない。
「事情か…、なるほど。ならば致し方なし。で、あるなら、使わざるを得なくさせるまでよ!」
そう言って、フールカスは鍔迫り合いをしているランスにさらに力を込め、押し込み始める。
「…後がつかえているのでね。そろそろ決めさせていただく!」
――ガギィン!!!
昴は村雨を振りぬき、ランスを弾く。
「ぬぅ!」
思わず上半身が後方へと仰け反るフールカス。しかし、フールカスの愛馬であるペイル・ホースのアルトブラウが後方に飛んで昴との距離を空ける。
「今度は逃がさん!」
逃すまいと昴がすぐさま距離を詰め、追撃をかける。
「っ!?」
その時、追撃をかける昴に向かって氷の槍のような物が無数襲い掛かる。
「私の存在を忘れてしまっては困るわね」
横からコリアナが妖艶な笑みで言いながら昴に向かって氷の槍を投擲していく。
「…ちっ」
昴は追撃を妨害された事に舌打ちをし、氷の槍を村雨でいくつか叩き落し、後方に飛びながら残りの氷の槍をかわす。
「面倒だな…」
コリアナによる後方支援に煩わしさを覚えた昴がターゲットをコリアナに変更しようとする。
「私を無視されては困るな!」
今度はフールカスが昴に向かってランスを突き立て、コリアナへの攻撃を妨害する。昴はフールカスのランスを屈んでかわし、2人から距離を取った。
『おぉーっと! 昴選手、フールカス選手と好勝負を繰り広げておりましたが、しかしこれは2対1。なかなか決定打を打たせてくれない!』
今の状況を代弁するかのようにナウドが実況する。
「(馬だけじゃない。あの
昴がフールカスに当たれば、コリアナはフールカスの隙を埋めるように後方支援をする。コリアナを狙おうとすればすかさずフールカスが仕掛ける。互いが互いの隙を補う。数の利を生かした2人の巧みのコンビネーションに、昴はやり辛さを感じるのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
『…』
グレモリーチームの陣地にて、昴の戦いを見守るリアスと眷属達。
「…あの
これまで戦いを見守っていたゼノヴィアがフールカスの手並みを称賛する。
「相手の
同じく、ロスヴァイセも相手チームのコリアナを称賛する。
「…祐斗、ここまで戦いを見たあなたの感想は?」
戦いを見守っていたリアス。昴と同じ、近接戦闘を好み、戦い方も似ている木場に尋ねる。
「ゼノヴィアも言ってた通り、相手の
グレモリー眷属中でも昴に次ぐテクニックを持つ木場をしてもこの戦いの過酷さを口にする。
「…」
リアスは顎に手を当て、暫し思案し、そして判断した。
「…昴、やむを得ないわ。このままではジリジリと体力を削られるだけ。ブーステッド・ギアを出して
自身が付けているイヤホンマイクから昴に指示を出すリアス。
「…」
しかし、昴からは回答がない。
「昴?」
返事がない事に怪訝に思うリアス。指示は確かに昴の耳に届いているので、聞こえていないという事はない。
『…申し訳ありませんが、もう少しだけこのままでやらせていただきます』
暫しの間が空いた後、昴の口から出たのは拒否の言葉だった。
「……今のままでこの状況を打開出来る算段があるのね?」
『そんな所です』
指示の拒否に僅かに驚くも、リアスはすぐに切り替え、尋ねる。
「…分かったわ。あなたに任せるわ」
リアスは昴に戦いを一任した。
「よかったんですか?」
小猫がリアスに尋ねる。
「昴がああ言ったのならそれは大丈夫って事よ。昴は戦いにおいてはこれ以上になく冷静だもの。変に熱くなったり意地を張ったりはしないはずだわ」
昴に全幅の信頼を置いているリアスは、この戦いを、昴に任せる決断を下した。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「(…本音を言えば、半分は意地なんだけどな)」
胸中で舌をペロッと出す昴。具体的な手立てはまだ、昴の中で構築されていなかったのだ。
「(とは言え、ようやく動きに慣れてきたし、
――ダッ!!!
地を蹴り、一瞬でフールカスとの距離を詰め、村雨を振り下ろす昴。
「…っ!」
――ギィン!!!
フールカスはすかさずランスで昴の斬撃を受け止める。
「フールカス!」
これを見たコリアナが支援に回る為に氷の槍を手元に発現させる。
――ドォン!!!
その瞬間、昴は左手を村雨から放し、人差し指を伸ばし、ピストルのように構えると、その指をコリアナに向け、人差し指から氣弾を放った。
「っ!?」
――バチィィッ!!!
咄嗟にコリアナは防御魔方陣を展開させ、氣弾を受け止める。
「ひっ!」
しかし、氣弾は魔方陣で一瞬止まったものの、防御魔方陣を貫通し、コリアナの僅か横、髪を掠めながら通過した。
「おのれぇ!」
フールカスがランスを昴に向かって突き立てる。
――ガギィン!!!
昴は突き立てられたランスを村雨で振り上げ、弾く。
「まだまだ!」
再びランスを構えると、今度は無数の連続突きを昴に見舞う。
「…っと」
昴はランスによる無数の突きを次々とかわしていく。
――ドォン!!!
ランスをかわしながら、昴はコリアナの攻撃の気配を感じ取ると、コリアナに向かって左手の人差し指を向け、氣弾を放っていく。
「…くっ!」
攻撃の片手間で展開した防御魔方陣では防ぎ切れない為、必死に避けるか防御に集中して昴の氣弾を何とか防いでいく。コリアナとて、ずっとその場にいるのではなく、場所を変えて攻撃を試みようとしてはいる。だが、昴はコリアナが何処にいてもコリアナの気配を感じ取るとフールカスのランスをかわしながらコリアナの方を見る事もなく氣弾を放って妨害をする。
「我が槍を…! ならば、これならどうだ!」
フールカスは、愛馬のたてがみに手を入れ、もう1本のランスを取り出す。
「これならばどうだ!」
ランスを両手に1本ずつ持って構えると、今度は2本のランスによる無数の突きを昴に見舞う。2本に増えたフールカスのランス。手数が増えた事でさらにランスの突きの嵐は激しくなり、それは五月雨の如くであった。
「…っ」
激しさを増したランスの突きの嵐。それでも昴はこの突きの嵐をかわし続ける。…だが、さすがにこれだけ勢いが激しいと、コリアナに意識を向けるのが難しく、ランスをかわす事に集中せざるを得なくなる。
――スッ…。
ひとしきり、2本のランスによる連続の突きで昴を釘付けにしていたフールカスがその場から勢い良く離れる。
「(退いた?)…っ!」
フールカスの後退に疑問を覚えるつつも追撃をかけようとした昴。しかし、昴の周囲一帯を、無数の氷の槍が包囲している事に気付く。
「これだけの数。果たして捌けるかしら? …食らいなさい!」
コリアナが上げていた右手を振り下ろすと、昴の周囲を包囲している氷の槍が一斉に昴目掛けて襲い掛かった。
「…ちっ」
咄嗟に昴は包囲していた氷の槍の隙間を縫いながら空中へと飛び、氷の槍の包囲網を抜ける。
「…っ!」
包囲網を抜けたまさにその瞬間、昴の頭上からフールカスが投擲したであろうランスが目前まで迫っていた。
「甘い――っ!?」
すぐさま村雨を振るって弾き飛ばそうとしたその時、投擲したランスと同時に昴の背後からフールカスがランスを構えて突っ込んできた。
「ようやく隙が出来たな! …覚悟!!!」
満を持して仕掛けたコリアナとの連携攻撃。もはや避ける事は不可能。フールカスとコリアナは勝利を確信した。
――ガギィン!!!
「――なっ!?」
思わず声を上げてしますフールカス。
昴は投擲されたランスは村雨で弾いて迎撃。背後のフールカスのランスに対しては、咄嗟に村雨の鞘を掴み、ランスの先端に鞘の先をぶつけて受け止めたのだ。
「(あのタイミングで防げるはずが――)っ!?」
直撃を確信していたフールカスは防がれた事に驚愕する。が、再び目が大きくを見開かれる。目の前にいたはずの昴が、村雨と鞘だけを残して眼前から消えたのだ。
「――はっ!?」
気配を感じ取り、振り返るフールカス。そこには、多幻双弓…弓を構えている昴の姿があった。
――バシュッ!!!
目一杯引き絞られた弦から放たれる矢。
「(まずい…!)」
狙いは正確にフールカスの眉間に捉えていた。その威力は先程昴がコリアナに打っていた氣弾とは比較にならない威力であると感じ取っており、例え、ランスで弾こうとしても容易にランスごと自分を貫いてしまうだろう。
「(う…ごけぇ…!)」
ギリギリで反応…判断したフールカスは首を動かして何とか避けようとする。
――ガッ!!!
放たれた矢は、フールカスが被る兜を掠めながら通過する。
「…っ、ふぅ」
同時にフールカスの甲冑の兜が割れ、素顔が現れる。もし、まともに直撃していれば、間違いなくリタイヤ…当たり所が悪ければ死すらあり得た事を理解し、背中に冷たい感じつつ、胸を撫で下ろした。
「危ない所だった。まさか、あれだけ機を熟して尚、凌ぐとはな」
「…」
「だが、こちらも紙一重で凌いだ。勝負は――」
「――生憎と、今の狙いはあなたではない」
言い終えるより前に昴が言葉を挟む。
『サイラオーグ・バアル選手の
「っ!?」
審判からのコールに、ハッとした表情でフールカスが振り返る。そこには、先程、昴が放った矢で貫かれたコリアナが光と共に消えていく所であった。
「チマチマ横槍を入れられるのが煩わしかったので、先に仕留めさせてもらった」
そう言って、昴は弓を持つ左手と、矢を放った右手をそっと下げる。
「これでようやく1対1。勝負はイーブンだ」
「…っ」
淡々と語られる昴の言葉に、フールカスの表情が僅かに曇る。
ここまで、コリアナの援護を受けてやっと互角。それでも一槍も昴に突き立てる事が叶わなかったのだ。ここからはそれもなくなる。イーブンどころか圧倒的に不利な状況なのである。
「…っ」
絶望が頭を支配するのを振り払うかのように頭を振るフールカス。
「…さすがは赤龍帝、サイラオーグ様がお認めになった男。…だが、負けん! 勝負は、これからよ!」
ランスを構えたフールカスが昴に向かって突っ込む。
「…」
昴は多幻双弓を消し、銀閃、十字槍を発現させる。
――ガギィン!!!
フールカスの繰り出す突き、昴は銀閃の槍の先をぶつけ、止める。
「…っ」
思わず目を見開くフールカス。ランスと十字槍の穂先、まさに点に点をぶつけて止めてしまったからだ。
「くっ! ならば、これならどうだ!」
今度は先程も繰り出した、ランスによる高速、連続の突きの嵐を昴に振るう。
――ガギィン!!!
だが、昴はその全ての突きに銀閃の穂先をぶつけ、迎撃してしまう。
――ザシュッ!!!
「…ぐっ!」
その間隙を縫い、昴の槍が、フールカスの頬を僅かに掠める。
「ええい、ならば!!!」
ランスを左右の手のニ槍に構え、手数を増やして再び連続の突きを昴に振るう。
――ガギィン!!!
しかし、それでも昴はその全てを銀閃をぶつけて迎撃してしまう。
「…くっ!」
迎撃の間隙を縫って昴が滑り込ませるように銀閃を突き入れ、フールカスの身体を取られていく。急所こそ外れているものの、確実にフールカスの身体に傷を負わせていく。
「…ちぃっ!」
たまらず、フールカスは後ろに下がり、距離を取った。
「(強い!)」
槍捌きには自信があったフールカスだったが、昴の槍捌きはそのさらに上を行っていった。
「(この男、赤龍帝だから強いのではない。…いや、赤龍帝の力すらも、この男の力を際立たせる要因に過ぎない!)」
「これなら、どうだ!」
フールカスが構えながらそう叫ぶと、突如、フールカスの姿が複数に増え始めた。
「それがあなたの切り札か」
次々と数を増やしていくフールカスの分身体。
「さすがにこれには少し、手を焼きそうだな」
ただの幻ではなく、気配も本体と同様にある。本体を見破るのは、力を制限している昴だが、やれない事はないのだが…。
「…やむを得ないな、これ以上、戦いを長引かせると体力を削られるし、何より、何かが起きないとも限らない。こちらも、手札を1つ切らせてもらおう」
そう言って、昴は銀閃をクルリと回して逆手に持ち替えた。
「分身は出来ないが、こちらも似たような事は出来る。…
そう呟き、銀閃を放すと、その穂先が地面にぶつかると、まるで水面にぶつかったの如く波紋が広がりながら銀閃が地面に飲み込まれていく。
「…っ!?」
目を見開くフールカス。銀閃が地面に完全に飲み込まれるのと同時に、人型に型取られた光の集合体が、昴の
「…それが噂に聞く、貴殿のもう1つの
「ああ。
そう命令すると、昴が呼び出した英雄達がフールカス達の向かっていった。
「…っ、負けるものか!」
同時にフールカスも、分身と同時に飛び掛かる。
――ザシュッ!!!
七星餓狼を持った光がフールカスの分身の1人を切り裂く。その後も、次々と昴の呼び出した英雄達がフールカスの分身を屠っていく。
「くそっ…!」
瞬く間に分身が消されていくも、フールカスは昴に向かって突っ込んで行く。
「(せめて、…一太刀…!)」
少しでも昴に手傷を負わせようと脇目を振らず、一直線に昴に向かって行く。
――ギィン!!!
しかし、その直前で、籠手の閻王を装着した光にそのランスを受け止められ、阻まれてしまう。
「(届かぬか…!)」
攻撃を阻まれたフールカスは追撃をかけられる前に下がって距離を取り直す。
「今度は逃がすつもりはない」
「っ!?」
フールカスが振り返るとそこには、昴の姿があった。
「…くっ!」
再びその場を飛び退いて距離を取るフールカスだったが…。
「あなたの動きの癖は理解した。もう、俺の影から逃げられない」
飛び退いた視線を向けた時にはもう、昴はおらず、やはり、その声は自身の背後から轟いた。
「…っ」
再度、その場から飛び退くフールカス。
「無駄だと――」
「――ぬぅん!!!」
フールカスは、背後から昴の声が聞こえたのと同時に背面にランスを突き立てた。確実に背後を取ると言うならそこに昴がいる。そこを狙い打てばいい。しかし、背後に突き入れたランスには、何の手応えもない。
「ハッ!?」
背後に昴はいない。フールカスがハッと頭上を見上げるとそこには、陸上の背面跳びのような体勢でフールカスを飛び越える昴の姿があった。
「…がっ!」
フールカスの頭上を通り過ぎるのと同時に昴は両手を伸ばし、フールカスの顎を掴み、そのまま馬上から引き剥がした。
「ぐはっ!」
そこから昴は回転しながらフールカスを地面へと叩きつけた。
「ゴホッゴホッ――っ!?」
咳き込みながら立ち上がるフールカス。すると、その眼前には昴の村雨の切っ先があった。
「…」
無言で村雨の切っ先を突き付ける昴。
『ヒヒィィィィィィン!!!』
そこへ、主を引き剥がされた事に激怒したフールカスの愛馬、アルトブラウが昴の頭上から襲い掛かる。
「アルトブラウ!」
叫ぶフールカス。アルトブラウの前足が昴の頭部目掛けて振り下ろされる。
『ッ!?』
だが、振り下ろした前足は空を切る。
「っ!?」
フールカスが視線を頭上に向けると、アルトブラウの頭上に跳躍する昴の姿があった。
――ゴッ!!!
昴はアルトブラウの頭部へ、村雨の柄を叩きつけた。
『ヒィィン!!!』
アルトブラウは悲鳴の叫び声を上げるのと同時にその場で倒れ伏した。
「これでこの馬はしばらくは立てない」
「…っ」
村雨を肩にかけながら告げる昴。
フールカスの機動力を支えているのは目の前に倒れているアルトブラウによるものが大きい。それが倒れた今、フールカス自身の戦力ダウンを意味する。
「まだだ! このランスがある限り、私に敗北はない!」
そう叫びながらフールカスはランスを構え、昴に向かって突っ込んで行く。
「これで終わりにする」
昴は村雨を地面に突き立てると、向かってくるフールカスに突っ込む。
「おぉぉぉぉぉーーーーっ!!!」
咆哮を上げながら突っ込むフールカス。
「…」
昴はフールカスのランスが額に突き刺さる直前…。
――スッ…。
上半身を下げ、ランスを掻い潜る。同時に右手に氣を集中させ、それを乱回転させた。
「っ!?」
空いてる左手でランスを弾き、そして…。
「旋氣掌」
――ドォッ!!!
右手の氣の塊をフールカスの腹部に撃ち込んだ。
「がはっ!!!」
直撃と同時にフールカスは吹き飛んでいった。
『おぉーっとぉ!!! 昴選手の渾身の一撃が決まったぁっ!!! これで勝負ありか!?』
派手な必殺技が決まり、実況が叫ぶ。
「…」
勝負あったと見た昴は踵を返し、地面に突き立てた村雨の下へ歩き、引き抜き、鞘に納めた。
「まだ…だ…!」
同時に、腹部を抑え、口元から血を吹き出しているフールカスがよろよろと立ち上がった。
「…手加減したつもりはなかったが、まだ立てるか」
「無論…だ…! 我が槍…、その胸に突き立てるまで…、負ける訳にはいかぬのだ…!」
キッと昴を睨み付けながら左手で腹部を抑え、右手でランスを構えるフールカス。
「我が槍、我が力はサイラオーグ様の為に! 覚悟ぉっ!!!」
その体勢のまま、フールカスは昴に再度攻撃を仕掛ける。
「…」
フールカスによる、全身全霊をかけた最後の決死の一撃。もはや、完全なトドメを刺さなければフールカスは止まらない。昴が村雨を抜刀し、フールカスに斬り付ける。
「っ!?」
しかしその瞬間、昴の顔色が変わる。抜刀しようとしたまさにその瞬間、地面から現れたフールカスの分身体が昴の腕に掴まり、阻まれたからだ。
「我が身命を以てこの槍、貴殿の胸に突き立てる! 覚悟!!!」
右手のランスを昴に突き入れるフールカス。
――そのランスが、昴の胸を貫く。
『昴!!!』
陣地で試合を見守っていたリアスが思わず立ち上がり、叫ぶ。
――カァン…。
その時、昴のすぐ横に、飛来した何かが落下する。
『?』
静まり返る会場に、その音が響き渡る。落下したものの正体は、フールカスの持っていたランス…正確には、持ち手から上を斬り取られたランスの先であった。
フールカスのランスは確かに昴の胸を捉えているが、ランスの先の部分が存在しておらず、昴の胸は貫かれてはいなかったのだ。
「……我が槍、届かず、か」
ズルリと昴の胸に突き立てたランスの下先がずり落ちる。
――ブシュッ!!!
同時に、フールカスの胸から肩口から腰元にかけて斜めに斬り裂かれ、血が噴き出す。
「サイラオーグ様…、一矢…報いる事も出来ず、申し訳ございませ――」
言い終える前に、フールカスは光と共にフィールドから消え去った。
『サイラオーグ・バアル選手の
審判がそうコールした。
『おぉぉぉぉぉーーーーっ!!!』
同時に観客による大歓声が響き渡る。
「危なかった…」
思わず言葉を漏らす昴。
昴はフールカスの生み出した分身体に抜刀を止められると。すぐさま
「油断しているつもりなかったんだけどな…」
先の試合の為に、ブーステッド・ギアは使わないつもりだった。力は制限しつつも、昴はフールカスの事を過小評価したり、侮ったりしているつもりなかった。だが、フールカスの勝利への執念、サイラオーグへの忠誠心が、昴の認識を超えた。
「見事です。…ベルーガ・フールカス。あなたの槍は確かに、俺の胸を貫きましたよ」
そう静かに、目の前で敗れ去った昴はフールカスを称えたのだった…。
※ ※ ※
始まった第1戦目…。
抜群のコンビネーションで昴に襲い掛かるアルトブラウを駆るフールカスとコリアナ。
昴は早々にコリアナを打倒し、1対1の状況を作り出すと、残るフールカスも圧倒。
瀕死の身体を引き摺り、決死の一撃の撃ち込むフールカスを、昴は圧倒的な力で捻じ伏せた。
こうして、リアス・グレモリー、サイラオーグ・バアルチームの初戦は、リアスチームの昴の勝利で終わった……。
続く
と言う訳で1戦目。さくっと終わらせるつもりが、まさかの文字数に…(;^ω^)
オリジナリティを入れつつ原作を踏襲したい所ですが、あまりにオリジナリティを入れ過ぎると収拾付かなくなったり、矛盾が出たりするからなぁ…。
もう1つ二次の執筆が如何にやり易かったか…。
だからこっちが放置しまくった訳ですが…(>_<)
感想アドバイスお待ちしております。
それではまた!