ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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第二章 ~戦闘校舎のフェニックス~
Life.13~主とトレーニング、同居人現る~


 

 

 

 

 

 

――ジリリリリリリリッ!!!

 

 

 

けたたましく目覚まし時計が部屋中に鳴り響く。

 

「ん…、朝か」

 

俺は目覚ましを止め、ベッドから起きる。

 

時刻はAM4:00。

 

まだ外は日が射しておらず、辺りは静まり返っている。

 

俺は洗面台に行って顔を洗い、髪を整え、そしてジャージに着替えると玄関に向かい、靴を履くと、外へと出た。表の道で準備運動をしていると…。

 

「待たせたわね」

 

そこに、赤いジャージを着た部長が自転車に乗ってやってきた。

 

「こっちもちょうど出てきたばかりですよ」

 

俺は腕をクロスに組みながら答えた。

 

部長が今朝、俺の家の前まで来たのは俺の朝のトレーニングの付き合うためだ。俺が毎日この時間にトレーニングをすることを話したら『明日、私も同行してもいいかしら?』と聞かれ、俺は断る理由もないのでそれを承諾した。

 

俺は一通りの準備運動を終え…。

 

「それでは、行きましょう」

 

俺は先頭に出て走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「ハァ…、ハァ…!」

 

他県までの往復マラソン(およそ150キロ)を終え、今は全力ダッシュの走り込みをしている。

 

「10本目、行きます!」

 

 

――ドン!!!

 

 

俺は弾けるように飛び出した。800mダッシュ。10本目…。

 

「ハァ…、ハァ…、ブハァ!」

 

俺は800m走り切り、その場で膝に手を付いた。

 

「お疲れ様。後何本行ってみる?」

 

部長が尋ねる。

 

「ハァ…、ハァ…そうですね、後、40本ほどお願いします」

 

「分かったわ」

 

俺は呼吸を整えると、再び走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「892…、893…」

 

「後100回よ。頑張りなさい」

 

俺はダッシュの走り込みを終え、次に公園で筋トレをしている。その頃には日はすっかり昇っていた。

 

現在、俺は左手で逆立ちをし、足の裏に部長が座り、そのまま腕立てをしている。この片手逆立ち腕立て、結構きつかったりする。部長の体重を支えるのもそうなのだが、何より、部長を落とさないようにバランスを取ることが何よりきつい。

 

右手はすでに終わり、左手も残りわずかだ。

 

「998…、999…、1000! だぁー! 終わったー!」

 

「ふふっ、お疲れ様」

 

部長がちょんと俺の足から飛び降りた。部長が降りたのを確認し、俺は地に足を付け、脱いでいた靴を履いた。4~5分休憩した後、俺は持ってきた木刀で素振りを始めた。

 

「ふっ! はっ!」

 

 

――ブォン!!! ブン!!!

 

 

俺は型を確認しながら素振りに励む。

 

「見事なものね」

 

「ん…、まあ、鍛錬に鍛錬を重ねてきましたからね」

 

俺は返事だけ返し、素振りを続けた。

 

「私は剣術に明るいわけではないけれど、眷属に裕斗がいるし、他にも知り合いに凄腕の剣士がいるから剣術には触れる機会が多いの。あなたの剣、とてもすばらしいわ。まるで、実戦で磨いてきたかのような凄みを感じるわ」

 

俺はその言葉を聞いて素振りをやめる。

 

「あなたは優秀だわ。…でも優秀すぎる。この時代に普通に生きてきたとしたならあまりにも。あなたは何者なの?」

 

部長が俺の目を見ながら問いかける。その目は疑念というわけではなく、単純な興味だ。

 

ま、当然だよな。悪魔に転生したばかりの人間が堕天使を圧倒したら。

 

 

――どう説明するか…。

 

 

「何者、ですか。……そうですね、強いて言うなら…」

 

俺は木刀を肩にかけ、部長に振り返り…。

 

「部長を守るためにこの世界に来た者ですよ」

 

俺はニコリと笑顔を向けた。

 

「…なっ// 何言ってるのよ! もう…」

 

部長が顔を赤らめて言った。

 

さすがに違う異世界から転生してきましたとは言っても信じてくれるとは思えないのでそう返した。今のもこれもあながち嘘ではない。まあ、後付けだけどな。

 

少しの間不機嫌(照れ隠しか?)だった部長だが、少し経つと何かを思い出し…。

 

「そろそろかしら。もう来てもおかしくないんだけれど…」

 

部長が呟く。

 

…ん? 誰か来るのか?

 

そう思った矢先…。

 

「すみませーん!」

 

と、聞き慣れた声が響く。振り返ると金髪を靡かせた美少女、アーシアの姿が。

 

「スバルさーん、部長さーん! 遅れてすみま…はぅっ!」

 

そして盛大に転んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「どうぞ、お茶です」

 

「ありがとう」

 

俺はアーシアが持ってきた水筒のお茶を受け取り、一息吐いた。何故アーシアが? と思ったので聞いてみると、俺が朝トレーニングをしていることを聞き、力になりたかったので来たという。ありがたい限りだ。

 

ふと公園の時計に目を移すと、そろそろ学校へ向かう準備をしなければならない時間だった。

 

俺はアーシアに淹れてもらったお茶を飲み干し、一度帰宅する旨を部長に伝えようとしたところ、部長が何か考え事をしていた。

 

「部長?」

 

俺が問いかけるとハッと我に返り…。

 

「何でもないわ。それよりいいわね。今日にしようかと思っていたから、このまま昴のお家へ行きましょう」

 

「? はぁ…」

 

俺は曖昧な返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「……段ボールがいっぱい…」

 

部長とアーシアを連れて家に戻ると、玄関の前に段ボールが積まれていた。

 

「さあ、昴。この段ボールを部屋に運んでおあげなさい」

 

「この段ボールはいったい何ですか?」

 

なにやらたくさん物が入っているみたいだが…。

 

「これはアーシアの荷物よ。運んであげるのが紳士的だと思わない?」

 

と、部長。

 

アーシアの荷物? どういうことだ?

 

「今日からアーシアはあなたの家に住むことになったわ」

 

「…っ!? 何ですとぉっ!?」

 

……とんでもないことになったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

次々と俺は段ボールを家に運んでいく。

 

一応、その前に部長に事情聞いてみたところ、アーシアが部長の眷属になった後、住む家がないのでしばらく部室で寝泊まりをしていたらしい。アーシアを何処に住まわすかという話になった時、白羽の矢が立ったのが俺の家だった。

 

まあ、俺の家は大量に空き部屋があるが…。

 

「しかし、年頃の男女が1つ屋根の下に同居というのはいささか問題なのでは?」

 

と聞いてみた。他にも、アーシアは俺と同じく駒王学園に通っているため、世間体という意味でも問題がある。すると、部長は…。

 

「心配ないわ。学校には私が根回しをしておいたから。…それに、あなたにアーシアをどうにかするとは思えないのだけど?」

 

と返された。

 

他にも、アーシア自身が希望したことでもあったらしく、そういうことならと、俺は承諾した。

 

段ボールを家に運び入れた後、一度学校に登校し、授業が全て終えると、表向きの部活と悪魔稼業をせずにアーシアの荷物の整理をし、その日は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌朝…。

 

俺はいつものように早朝に起き、アーシアを起こさないようにトレーニングに向かった。トレーニングをほどほどに終え、家に戻ると、シャワーを浴び、汗を流すと、俺は朝食の準備を始めた。

 

「♪~♪」

 

俺は鼻歌まじりに朝食を創っていく。今日の朝食はスクランブルエッグとサラダの盛り合わせ。後コンソメスープだ。

 

ちなみにアーシアはまだ寝ている。まあ、これはしょうがない。悪魔になって日が浅いアーシアにはまだ朝はきついはずだ。現に俺も慣れたのはここ最近だ。まだ登校までには時間があるのでもう少し寝かせてあげよう。

 

俺は2人分の朝食をキッチン横のテーブルに並べ、準備を終える。ふと時計を見ると、良い時間なので、アーシアを起こしに向かった。

 

「アーシア」

 

俺はベッドで眠るアーシアの肩を軽く揺すりかけた。しばし声を掛け続けるとアーシアは目をこすりながらうっすらと瞳を開け…。

 

「うにゅう、おあよーございましゅぅ…」

 

寝ぼけ半分で返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

アーシアに支度をするように促し、キッチンに戻った。10分程待っていると、身支度を整えたアーシアがやってきた。

 

「お待たせ致しました」

 

アーシアが俺の対面の椅子に腰掛けた。

 

「それじゃ、いただきます」

 

「いただきます」

 

俺が手を合わせると、アーシアもそれに習って手を合わせた。

 

「うぅ…、すみません、本当なら私が朝の支度をしなければならないのに寝坊してしまいまして…」

 

アーシアが涙目で申し訳なさそうに言った。

 

「気にするな。料理は俺の趣味の1つでもあるから特に苦でもないしな」

 

これは嘘ではない。実際料理を創るのは楽しい。それに、アーシアはお客様だから俺が作るのは当然だ。

 

すると、アーシアは何かを決意したかのような表情を浮かべ…。

 

「明日からは私に用意させて下さい!」

 

と、言ってきた。

 

気にしなくてもいいと言ったんだが、アーシアの決意は固いらしく、俺は熱意に押されそれを承諾した。

 

 

――楽しく一緒に料理をして、一緒に食べるのも悪くないか。

 

 

程なくして朝食を食べ終え、食器を洗い終えると、俺達は学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

学校までの道中、アーシアと世間話をしながら登校していた。

 

「どうして、アルジェントさんと奴が同じ方向から…」

 

「やはりイケメンか!」

 

「おのれリア充!」

 

男達が血の涙を流していた。

 

学校に着くと…。

 

「死ねぇ! イケメンがぁっ!!!」

 

「リア充覚悟ぉっ!!!」

 

と、松田と元浜が襲いかかってきた。

 

「あべし!!!」

 

「たぶらわ!!!」

 

俺は2人を返り討ちにした。

 

それからというもの、男からの風当たりが強くなった。すれ違う男が血の涙を流しながら殺気をぶつけてくるよう日々が次々続いた。

 

アーシアは大丈夫かな? と思い、一度様子を見に行くと、女の子達に質問攻めにされていた。女の子達に敵意や害意が見られなかったので、俺は安心してその場を後にした。

 

後になって知ったが、この時の女の子達の質問の内容は…。

 

「御剣君って、家ではどんな服着てるの!?」

 

「やっぱり一緒に寝たりしてるの!?」

 

「もしかして、お風呂なんかも!?」

 

などと質問されていたらしい。

 

何にせよ、アーシアが学校に馴染めて良かった。この分なら友達もすぐにできるだろ。アーシアのためなら男共の殺意くらい我慢するぞ!

 

……言ってて悲しくなってきたな。

 

まぁ何にせよ、アーシアが楽しそうに学校生活が送れているならそれでいい。

 

クラスメートと喋るアーシアの表情は、とても明るいものであった。

 

「……守って見せるさ。元守り手の名にかけてな」

 

俺は改めて決意したのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





用語説明。

――守り手…。

前作で、昴は守り手と呼ばれる存在であり、その役目は、外史と呼ばれる正史から生まれた無数の世界に入り込み、外史が崩壊する要因を片付ける。それらの役割を担う者達を、『守り手』と呼んだ。他にも、外史を管理し、守り手達に任務を与える『管理者』という者達もいる。

一部、前作の恋姫†無双からの抜粋及び、オリジナル設定が入っています。

感想、アドバイスお待ちしています。

それではまた!
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