投稿します!
遅ればせながら、あけましておめでとうございます…m(_ _)m
2025年もよろしくお願い致します!!!
それではどうぞ!
「負けん! 俺には夢がある! 叶えたい未来がある! 御剣昴、お前がどれだけ強大な存在であろうと、どれだけ絶望的な状況であろうと、負ける訳にはいかんのだ!!!」
七星閃氣を使い、圧倒的な力を得た昴に圧倒され、1度は心が折れかけたサイラオーグ。だが、自身が何の為に、誰の為に戦うのかを思い出し、再度奮起したのだった。
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・・・・・・・
・・・・
「…っ!」
獅子を失い、決して軽くはないダメージを抱えたサイラオーグ。しかし、その瞳に眩い光を携え、昴の前に立ち塞がる。
「…」
そんなサイラオーグをこれまで同様、立ち塞がる昴。
「おぉっ!!!」
先に動いたのはサイラオーグ。自身の打撃の間合いに踏み込み、昴に対し、拳を打ち込む。
――ブォン!!!
その一撃はかわされ、空を切る。
「はぁ!」
続けてサイラオーグは昴に向けて、左右の拳を連打する。
「…」
――ゴッ!!!
「っ!」
サイラオーグが振るう拳の隙間を縫うように昴がサイラオーグの頬に拳を打ち込む。拳を受けたサイラオーグの顔が弾け、後方に仰け反る。
「…っ! おおっ!!!」
歯を食い縛って堪えたサイラオーグはすぐさま体勢を戻して昴目掛けて攻撃を再開。
「…がっ!」
サイラオーグの攻撃は全て空を切り、逆に、昴の攻撃は全て的確にサイラオーグを捉えた。
「…っ」
耐久力に自身があるサイラオーグ。しかし、七星閃氣によって攻撃力が飛躍的に増している昴の攻撃は確実に効いている。
「ま…だまだ…!」
ダメージが蓄積していく身体。しかし、サイラオーグはその身体に鞭を打つように昴に対しての攻撃の手を緩めない。しかし…。
「っ!?」
サイラオーグの攻撃は一向に昴を捉える気配がない。それどころか、カウンターによる倍返しで自身に返ってくる。
「おぉっ!!!」
それでもお構いなしにサイラオーグは前に出て昴に向けて攻撃を打ち続ける。
「(当たら…ぬか! だが退かん! 俺にはこれしかない。この命ある限り…、いや、この命尽きようとも! お前に勝つまで戦い続けるまでだ!!!)」
これまで、如何なる相手の攻撃を跳ね返して来たサイラオーグだが、それは、今日まで鍛えぬいてきた身体の耐久力によるもの。当然、その耐久力を超えた攻撃を受ければダメージを受ける。そして、今現在の昴の攻撃は、その耐久力を容易に貫いている。
「がっ……っ!」
昴の攻撃が当たる度に脳天から爪先まで電流が走るかのような錯覚を覚える程の衝撃がサイラオーグに走る。だが、サイラオーグはすぐさま体勢を立て直し、昴に向かい、攻撃を打ち続ける。
「おぉっ!!!」
雄叫びを上げながらサイラオーグが昴に拳を振り下ろす。
「…」
同時に昴も拳を打ち込む。
昴とサイラオーグの拳が2人の中間で交差するように通過し…。
――ゴッ!!!
その拳が直撃する。昴の拳だけが…。
「が…はっ…!」
クロスカウンターのような形で昴の拳が直撃し、そのダメージがサイラオーグに駆け巡る。
「それが……どうしたぁぁぁぁっ!!!」
身体が後ろに吹き飛んだものの、すぐさま踏ん張り、身体を起こすと、再びサイラオーグは昴に突っ込んで行く。
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・・・・・・・
・・・・
『サイラオーグ選手! 勇猛果敢に向かっていきます! …が、当たるのは御剣選手の攻撃のみ!』
実況のナウドが叫ぶ。
『元々、両者のテクニックの差は歴然だったからな。これまでは身体能力とネメアの獅子の力のゴリ押しで補ってきたが、そのアドバンテージがなくなりゃ、こうなっちまうわな』
今現在の展開をアザゼルが冷静に解説する。
『ですが、サイラオーグ選手は一向にその手を止めません! 何度反撃を食らっても向かって行きます! もの凄い精神力だ!』
『時間の問題だ。サイラオーグは決して不死身ではないからな。今はその精神力とやらで何とか耐えちゃいるが、それもいつまでもつか。自分の攻撃だけが当たらず、自分だけが一方的に攻撃を受けてりゃ、いつ心が折れても――』
『折れませんよ』
解説をするアザゼルを遮るように、これまで沈黙を保っていたディハウザー・ベリアルが口を挟む。
『バアルチームのアドバイザーをさせていただいた折に気付いた事ですが、サイラオーグ選手の1番の武器は、鍛え抜いた身体でもなければ、そこから培った闘気でもありません』
『では何と?』
『心の強さです。彼の強さの根底を支えているのは、その肉体を遙かに凌駕する強靭な心です。絶望的な状況を前に、1度は折れかけましたが、それも乗り越えました。彼の心はもう、折れません』
断言するように言い切った。
『だがよー、あれじゃ、例え心が折れずとも、先に肉体の方が限界が来ちまうぞ。さっきも言ったが、サイラオーグは別に不死身な訳じゃねえんだからな』
『そうなるかもしれません。ですが、そうならないかもしれません』
『何?』
『1つ言える事は、ここからさらに試合は面白くなるかもしれない。…と言う事です』
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・・・・・・・
・・・・
「(強いな…)」
目の前に立ち塞がるサイラオーグを前に、昴が胸中で呟く。
ここまでかなりの数の攻撃を昴はサイラオーグに打ち込んで来た。どれも手応えがあり、決して軽い攻撃ではない。効いてないはずがない。にも関わらず、サイラオーグはすぐさま反撃に打って出て来る。
「…っ」
全身に激痛が走り、僅かに表情を顰める昴。
昴とて、決して余裕がある訳ではない。自身の限界を超える氣を無理やり引き出し、それを身体強化をしている為、肉体にかかる負担は相当なもの。
「おぉっ!!!」
再びサイラオーグが昴に向かって突進する。
「(あまり時間はかけられない。勝負をかけ、一気に決める!)」
――ゴッ!!!
拳を振り上げたサイラオーグに対し、その拳が打ち込まれるより先に昴が前に出て、サイラオーグの頬に拳を打ち込む。
「ガッ…おぉっ!!!」
「っ!?」
頬に拳の直撃を受けたサイラオーグ。しかし、サイラオーグはそんなもの関係ないとばかりに拳が刺さりながらも強引に前に出て押し返し、昴に向けて拳を打ち込んだ。
「…ちっ」
追撃をかけるつもりだったが、サイラオーグが逆に追撃をかけてきた為、昴一時、回避に専念する。
「おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!」
雄叫びを上げながら昴に向けて攻撃を打ちまくるサイラオーグ。昴はその全てを避けていく。
「(カウンターの一撃で動きを止めて、追撃をかける。……ここだ!)」
いくつかの攻撃をかわした後、右拳の一撃にカウンターを合わせるべく、昴が前に出て、右拳を打ち込む。
「っ!?」
しかし次の瞬間、昴の目が見開かれる。カウンターを合わせようと前に踏み込んだその時、サイラオーグの拳が眼前に迫っていたからだ。
――チッ…。
咄嗟にカウンターを中断し、回避をする昴。サイラオーグの拳が昴の頬を掠めた。
「(目測を誤ったか!?)」
サイラオーグのスピードと動きは既に掴んでいた昴。しかし、想定より昴に速くサイラオーグの拳が迫っていた為、カウンターの一撃を撃ち込む事が出来なかった。
「(焦りは禁物か。ここは一度下がって相手の動きを掴みなおして――っ!?)」
勝負を急ぎ過ぎてタイミングがズレたと断じ、立て直しを図るべく、距離を取った昴だったが、サイラオーグは空いた距離を一瞬で潰してきた。
「おぉっ!!!」
すぐさま懐に飛び込んだサイラオーグは昴に向けて再び連続攻撃を仕掛ける。
「…っ」
自身に向けて放たれる攻撃を回避し続ける昴。
「…くっ!?」
これまで余裕をもって避ける事が出来たサイラオーグの攻撃。しかし、徐々にかわし方が際どくなっていく。
「(俺の動きが鈍っているのか!?)」
集中をして回避に専念しなければ、次の瞬間、一撃を食らいかねない程、昴は追い詰められていた。
――ブォン!!!
「(…いや違う、これは…!?)」
紙一重でかわしたサイラオーグの拳が昴の耳元を通過し、その風切り音を聞いて昴が気付く。
「(サイラオーグさんのパワーが増している。獅子の鎧を纏っていた時よりも…!)」
目の前に絶え間なく繰り出される一撃を見て、その破壊力に戦慄を覚える。
「(パワーだけじゃない、スピードも…! 七星閃氣で強化されているとは言え、この一撃を食らうのはマズ――)…っ!」
その時、昴の身体に激痛が走り、その動きを止めてしまう。
「(っ!? しまっ――)」
――ゴッ!!!
その瞬間を狙いすましたかのように振るわれたサイラオーグの拳が昴を捉えた。
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『おーっと!? これまで空を切るばかりだったサイラオーグ選手が遂に昴選手を捉えたぁっ!!!』
状況が一変した事で、実況が立ち上がる。
『これがディハウザー・ベリアルさんの言っていた事なのでしょうか!?』
『驚いたな…、サイラオーグのスピードとパワーが
食い入るように試合を見つめながらアザゼルが呟く。
『これが皇帝様の言っていた、面白い事かい?』
アザゼルは横目でディハウザー・ベリアルを身ながら皮肉気味に尋ねる。
『少し違います。私の目には、御剣選手の動きが少しずつ衰えが確認出来ましたので、完全に力が落ちた所をサイラオーグ選手が…と言うのが、私の予測でした』
この問いに、ディハウザー・ベリアルは首を横に振った。
『私も同様に驚いています。リミッターが外れたか、あるいは潜在能力が引き出されたか、いずれにしろ、ここに来てサイラオーグ選手は更なる進化を遂げたようですね』
『大注目の此度のレーティングゲーム、その最終戦は、二転三転と試合がひっくり返る、エンドゲームを飾るに相応しい試合となりました! このまま息を吹き返し、さらなる進化を遂げたサイラオーグ選手が押し切るのでしょうか!?』
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・・・・・・・
・・・・
「がっ!」
サイラオーグの一撃が直撃し、後方に弾かれる昴。
「あの状況でも尚、俺の攻撃をいなすとは、さすがだ!」
昴を捉えたサイラオーグ。しかし、手応えのなさから、昴が咄嗟に首を捻って一撃の威力を殺した事に気付く。
「逃がさんぞ!」
そんな昴に対し、すぐさま追撃の一撃を振るうサイラオーグ。
「逃げるつもりは…毛頭ない!」
――バキィッ!!!
追撃の一撃を掻い潜った昴がそのまま、右拳で反撃の一撃を撃ち込んだ。
「がはっ!!!」
今度はサイラオーグが後方に弾かれる。
「今度は――っ!?」
追撃をかけようとする昴。その時、自身の足元から拳が迫っている事に気付く。昴の一撃を食らいながらサイラオーグが下から拳を突き上げるように振るったのだ。
「…くっ!」
咄嗟に昴は左手でその拳を防ぐ。
――ゴォッ!!!
「がっ!」
ギリギリでガードが間に合ったが、サイラオーグの一撃は、昴のガードごと顎を跳ね上げた。
「…っ」
両者共に吹き飛んだが、いち早くサイラオーグが体勢を立て直し、再度昴に拳を打ち込んだ。
「(…がっ! …くそっ…、避けられねえ!?)」
迫り来るサイラオーグの一撃。しかし、先程の一撃が効いてしまった為、昴はこれを避ける事が出来ない。
「(ガードしても抑えられねえ…、くそっ、覚悟を決めるしかねえ!)」
――バキィッ!!!
開き直った昴は前に出て、サイラオーグ目掛けて拳を打ち抜いた。
「…ぐっ!?」
「…がっ!」
両者の振り抜いた拳が同時に顔面を捉えると、まるで顔面が捻じ切れるかのように弾け、両者共に後方に吹き飛んだ。
「「…っ!」」
吹き飛ばされながらも同時に踏ん張ると、同時に前に出て、同時に拳を繰り出した。
――ゴッ!!!
昴の右拳とサイラオーグの左拳が激突、轟音と共にぶつかった拳同士がその場でせめぎ合う
「「…っ!」」
その後、両者の額と額がぶつかり合う程急接近をする。
「…限界が近いようだな…!」
「…お互いにな…!」
互いに拳を押し込みながら言葉を交わす。
「強いな…、だが、勝つのは俺だ!!!」
拳を引いたサイラオーグが改めて昴に拳を打ち込む。
「さすがだ…、だが、勝利だけは譲らねえ!!!」
同じく拳を引いた昴がサイラオーグに拳を打ち込む。
――ゴォッ!!!
両者が繰り出した拳が同時に互いの顔面を捉える。
「「…っ!」」
拳の直撃を受けてもすぐさま次の拳を繰り出す両者。ここから、両者の壮絶な殴り合いが始まった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
――ゴッ!!!
昴、サイラオーグの拳が互いに壮大な音を立てながらぶつかり合う。
『何と何と!? 壮絶な殴り合いが始まりました!!! 緻密な戦術も練り上げられた魔力でもない、ただただ壮絶な殴り合い!!! 原始的なれどそのド迫力はとんでもない!!! スゲーぞ2人共!!!』
実況のナウドも立ち上がりながら大興奮で実況をする。
互いに足を止め、至近距離で殴って殴られてのやり合いをしている。
「がっ!!!」
「ぐっ!!!」
双方共に、回避、防御の選択肢はなく、ただただ、互いに攻撃を打ち込み続けている。
自らの意志か、無意識にか、違いはあれど、互いに限界を超えた力を揮っている両者、もはや互いに限界は近く、残された時間は少ない。ならば、回避、防御にその力を回すくらいなら、1発でも多くの攻撃を打ち込んだ方が良いと判断した結果だ。
『麗帝!!! 麗帝!!!』
『サイラオーグ!!! サイラオーグ!!!』
観客もこの殴り合いに大興奮し、スタンディングオベーションで2人に声援を贈っている。
『二転三転し続けた両者の戦いが、このような殴り合いに発展! 恐らく、これが最後のぶつかり合いとなるでしょう! 私の目には、このぶつかり合いならばサイラオーグ選手が有利に思えますが、お二方はどう見ますか!?』
互いに力が拮抗しているなら、体格、耐久面で優れているサイラオーグが有利と見た実況。
『いえ、そうとも限りません。この展開に至るまで、サイラオーグ選手はかなりのダメージを受けており、強靭な精神力で何とか耐えている状態でしたからね』
ディハウザー・ベリアルの解説。当初から昴が圧倒的に攻撃を打ち込んでおり、昴自体はほとんど攻撃を貰ってはおらず、貰ってもその勢いを殺していたので、ダメージそのものはサイラオーグの方が圧倒的に受けている。
『とは言え、昴も本来、こんなやってやられての戦いをするタイプじゃねえ。小細工無しの戦いとなりゃ、…もう後は、どっちが先に倒れるか、だな』
アザゼルも、もはや2人の戦いの行く末は予測出来ず、2人の殴り合いを見届けるのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
――ゴォッ!!!
昴の振るった拳がサイラオーグの頬を捉える。
「がっ!!!」
サイラオーグの顔が後方に弾ける。
――俺には何もなかった。消滅の魔力も…、純粋な魔力すらも…。だから、この肉体を極限まで痛めつけて鍛え抜き、そして、勝ち続けて来た。
悪魔の元72柱、その中の1位の大王バアル家に生を受けたサイラオーグ。バアル家の象徴とも言える消滅の力は愚か、まともな魔力すらもなく、母子共々迫害を受けて来た。それでも己を鍛え上げ、バアル家の次期当主の座を掴み取り、ここまで上り詰めた。
――負けん! 誰が相手であっても! 俺の夢の為、母上の為! 俺は――。
「お前に勝つ!!!」
歯を食い縛って耐え、再び昴に拳を振るった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
――ゴォッ!!!
サイラオーグの拳が昴に直撃する。
「ぐっ!!!」
昴の顔面が後方に弾ける。
――あぁ…強いな…。
どれだけ攻撃を加えても倒れず、果敢に殴り掛かるサイラオーグを見てしみじみ思う昴。
『…理解出来ないな。これは戦じゃない、たかがゲームだ。仲間だって死んだ訳じゃない。何故そうまでして戦う?』
先程、刃に問われた質問。視界の先で、リアスが写る。
「…っ」
その表情は、昴の事を想いつつも昴の勝利を信じ、見守っている。
――何故? そんな決まっているだろう。愛する
自分の命を繋ぎ、再度、生を与えてくれたリアス。
まだ未熟で、子供っぽさも残る彼女。それでも、それでも強くあろうと、努力を重ね、共に笑い、励み、時に涙し合う、慈愛に満ちた
当初はリアスの恩義に報いる為に傍で戦い続けていた。
自身に向けられた、眷属以上の感情にも気付いていた。気付いていながら、その想いに触れなかったのは、前世で自身を愛してくれた者達の想いを振り切れなかったから。そう思っていた。だが…。
――単純な話だった。俺は、
それは何故か。ひたむきに前に進み、自分達に相応しい
――もはや、小難しい理屈も大儀もない…。
「勝つ! リアスの夢の為、何より、リアスの前で、カッコ悪い所は見せられねえからな!!!」
体勢を立て直した昴はすぐさまサイラオーグに拳を振るった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「ハァ…ハァ…!」
「ハァ…ハァ…!」
ひとしきり殴り合った両者、既にその身体はボロボロであり、限界は間近。
「「…」」
息も絶え絶えで互いの射程内へと足を踏み入れる。
『…っ!』
先程まで大いに盛り上がっていた観客も固唾を飲んで見守っている。
――次の激突で、この戦いの決着は付く。
誰の目からもそれが理解出来たからだ。
「「…」」
互いに顔を上げると、その視線が絡み合う。
意地と意地とぶつかり合った2人の戦いも、次で終わる。
「…フッ」
「(…ニヤリ)」
健闘を称え合った両者は、互いに笑みを向け、そして…。
「「…っ!」」
同時に動く。
「「おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!」」
互いに左拳を握り…。
――ゴォッ!!!
昴は振り上げ、サイラオーグは振り下ろした左拳が同時に直撃する。
「がっ!!!」
「ぐっ!!!」
同時に苦悶の声を上げ、後方に弾け飛ぶ。
「「…っ!」」
互いにこれが決定打にならず、倒れる事無く耐え、踏ん張った。
「「おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!」」
再び同時に動き、今度は右拳を互いに打ち込んだ。
――ゴォッ!!!
全く同じタイミングで互いの拳が互いの頬に突き刺さった。
――メキッ!!!
鈍い音を立てながら2人の拳が突き刺さる。
「――」
この一撃で、昴の意識が遠のき始める。
――昴!!!
「っ!?」
リアスの悲痛な叫びで、手放しかけた意識が戻る。
「(負け…られねえ…んだよ…! 絶対に……勝つんだ…!)」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!』
昴はここで一気に倍化を全開にし、右拳の力を集約させる。
「おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!」
自身に突き刺さったサイラオーグの拳を押し返しながら自身の打ち込んだ拳を振り抜く昴。
「おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!」
――バキィィィッ!!!
渾身の力で右腕を振り抜くと、サイラオーグは後方へ、大の字で倒れ込んだ。
「ハァ…ハァ――っ!」
息も絶え絶えで立ち尽くす昴。
「ハァ…ハァ…、勝っ――っ!?」
勝利を確信した昴。…だったが、自身の目に飛び込んできた光景に言葉を失う。
「…」
倒したはずのサイラオーグが立ち上がっていたからだ。
「まいっ…たな、まだ、立てるのか。…っ!?」
その時、昴は激痛が走り、その表情を歪めた。
既に昴の身体はボロボロ。その中でも、昴の右腕は特に重症であり、既にあらぬ方向に曲がっており、もはや感覚はなくなっている。
『悪いが、七星閃氣は強制的に解除させてもらったよ。これ以上は、命にかかわるからね』
『
刃とドライグから忠告が入った。
――スッ…。
1歩、サイラオーグに向かって歩みを進める昴。
「(左腕もきついな。…だが、まだ足は動く。いざとなったら、この歯で食らいついてでも…!)」
まだ身体は動く。昴は疲弊し、傷付いた身体に鞭を打ち、引き摺るようにもう1歩、足を前に踏み出した。
『サイラオーグ・バアル選手、投了。リタイヤです』
「っ!?」
突然のアナウンスに、昴は目を見開きながら驚愕する。状況が掴めず、周囲を窺う昴。
「…っ」
サイラオーグに視線を向けると、昴は気付いた。
――サイラオーグの意識が既に、失われている事に…。
最後の激突、昴の左手の拳を受けた時点で、サイラオーグの意識は既に絶たれていた。最後の一撃は、無意識の状態で放っていたのだ。
――意識を絶たれても尚、サイラオーグは君臨し続けた…。
『ゲーム終了です。リアス・グレモリーチームの勝利です!』
続けてアナウンスがされた。
「終わった……、勝った…。――うぉぉぉぉぉーーーっ!!!」
昴は激闘を制し、盛大な雄叫びを上げた。
『おぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!』
同時に、会場が激しい熱気に包まれたのだった…。
※ ※ ※
注目の一戦、その最終戦。
互いの意地と意地とがぶつかり合い、激しい戦い合った昴とサイラオーグ。
最後は互いに限界を超え、その戦いを制したのは昴。
試合は、リアス・グレモリーチームの勝利で、幕を下ろしたのだった……。
続く
お待たせ致しました…(;^ω^)
1月の中盤くらいから執筆は再開していたのですが、某作品を意識し過ぎるあまり、納得の行く展開に出来ず、何度も書いては消して、書いては消して繰り返し、ようやく投稿に漕ぎつける事が出来ました…(>_<)
原作を軽く弄っただけの話で恐縮です…m(_ _)m
感想アドバイスお待ちしております。
それではまた!