投稿します!
ただ一言、あっつい…(;^ω^)
それではどうぞ!
「ただいま戻りました」
中級試験を終え、リアスの待つホテルへとやってきた昴、朱乃、木場の3人。
「お疲れ様!」
そんな3人を、リアスを始め、ギャスパーとロスヴァイセを除く、グレモリー眷属達とイリナとレイヴェルが出迎える。
「手応えはどうだった?」
「やるべき事はやりました。後は、結果次第…かな?」
試験の手応えを尋ねるリアス。昴は謙遜しつつ答えた。
「あらあら。昴君でダメだったら今回の合格者はきっといませんわ」
「ですね」
手を口元に当てながら横槍を入れる朱乃と、苦笑する木場。
「さすが昴だわ。積もる話は中でしましょう。もう準備は出来ているわ。さあ、行きましょう!」
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・・・・
ホテル内に入り、一旦、それぞれ宛がわれた部屋に荷物を置き、ホテル内のレストランへと向かった昴。
「お腹が空いてるでしょう? 今日1日、このレストランを貸し切りしたわ。遠慮なくお腹を満たして頂戴」
リアスに促され、席に向かう3人。
「あっ、お帰りー。お先に頂いてるにゃ♪」
「お疲れ様です!」
既に席に着いていた黒歌とルフェイが食事をしていた。
「おう」
軽く返事をし、席に座ると、すぐさま食事が運ばれてきた。やがて、各々に置かれていたグラスに飲み物が注がれ、グラスに手を取ると…。
「中級試験、お疲れ様。…では、乾杯!」
リアスが音頭を取り、食事が始まった。
「……おー、さすが、1流レストランの料理」
運ばれた料理を口にする昴。その出来栄えは確かなものであり、昴は舌鼓を打つ。
「さて…」
ある程度食べ終えると、昴は席を立つ。
「よう、楽しんでるみたいだな」
昴は黒歌とルフェイのいる席に向かう。
「にゃはは! こんな豪華な食事にありつけるなんて、ツイてるにゃ♪」
「リアス様には感謝のお言葉しかありません!」
デザートを頬張る黒歌と、同じくデザートを頬張り、ほっぺに手を当てて舌鼓を打つルフェイ。
「?」
二言三言会話を交わし、別の席へ向かおうとした時、昴はある違和感を覚える。
「…」
昴はルフェイ…正確には、ルフェイの影に違和感を覚え、ジーっと視線を向けた。
「…」
何気なく昴は席に置かれた皿を取り、皿に置かれた肉をフォークで掴み、ルフェイの影に近付けた。
――バグッ!!!
影に触れる直前、大きく開かれた獣の口が現れ、フォークに刺された肉に噛み付き、すぐさま影へと戻っていった。
「…」
無言でルフェイに視線を向ける昴。
「ごめんなさい! このホテル内に入れる事が出来なかったので、フェンリルちゃんには影に隠れてもらってるんです!」
申し訳なさそうにルフェイが謝る。
「…そういや、このホテル、ペットの持ち込み禁止ってなってたな。確かに、家に置いとく訳にもいかないし、しょうがないか」
納得した昴は別のテーブルへと向かった。
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・・・・
「よう、調子はどうだ?」
次に昴は、小猫の座るテーブルにやってきた。
「先輩。…その節はその…ご迷惑をおかけしました。今は大丈夫です」
ペコリと頭を下げる小猫。
「そうか。それは何よりだ」
「先輩も、もうすぐ中級悪魔に昇格ですね」
「まだ分からないさ」
「先輩ならきっと大丈夫ですよ」
「だと良いな」
「私の方が悪魔としては先輩なのに、あっという間に抜かれてしまいました」
「時間の問題さ。小猫もすぐに昇格出来るさ」
そんなやり取りをしていると…。
「小猫さん。これとこれとこれを食べるとよろしいですわ!」
大きめの皿に料理を乗せたレイヴェルがやってきて、小猫の前に取り分けた。
「…余計なお世話。取ってもらわなくても自分で食べられる」
そっぽを向くようにやってきたレイヴェルに顔を逸らす小猫。その表情は、嫌がっていると言うより、恥ずかしがっている様子であった。
「そんな風に言わないで下さいまし! 小猫さんが元気ならないときっとスバル様も悲しまれるますわよ?」
「……分かった。食べる」
昴の名前を出されると、小猫は観念し、取り分けられた料理に手を付ける。
「…美味しい。…ありがとう」
「こちらこそ。…元気のない小猫さんでは張り合いがありませんもの。早く元気になって下さいね」
照れ隠しをするように今度はレイヴェルがそっぽを向いた。
「ハハハッ」
そんな2人のやり取りを見て、微笑ましそうに笑みを浮かべる。
「スバル様! 此度は進級試験、お疲れ様ですわ」
レイヴェルはスカートの裾を掴み、カテーシーのようにしながら昴に声をかけた。
「君が試験対策用の資料を用意してくれたおかげで、筆記試験はバッチリだった。ありがとな」
試験に際し、レイヴェルは試験対策用の資料を用意しており、昴はそれを参考にして筆記試験対策をしたのだ。
「当然ですわ! 公私に亘ってスバル様をサポートする事がサーゼクス様より賜った責務であり、至高の大役なのですから!」
誇らしげにするレイヴェル。
以前、サーゼクスが来訪した折に、今後、多忙を極める事になるであろう昴に対し、サポート、つまりは、アシスタントを付ける話があり、そのアシスタントにレイヴェルが推薦され、これをレイヴェルが快く引き受けたのだ。
「ゆくゆくは上級、ひいては最上級悪魔に昇格するその時まで、サポートさせていただきますわ!」
「気の長い話だな。さすがに、そこまでフェニックス家のご令嬢を傍に置いておくのは気が引けるな」
実際、レイヴェルは優秀であり、いち悪魔に過ぎない昴に尽くすより、それこそ、四大魔王の何れかの補佐を任せても良いのでは? と思える程だと昴は感じているのだ。
「…ま、今後ともよろしく、と言う事で」
先の事は不透明だが、それまではレイヴェルの手を喜んで貸してもらおうとする昴だった。
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・・・・
その後も、アーシア、ゼノヴィア、イリナの席で談笑し、木場と朱乃の席で、試験の感想を言い合ったりした。
「話し込んだせいか、少し小腹が空いて来たな」
自身の席に戻ってきた昴。僅かに料理を楽しんだものの、他の者達と会話するのに夢中でまだまだ味わっていない料理は多数あった。
「さて…、どれを味わおうか――ん?」
テーブルに並べられた料理に目を向けたその時…。
「(…モグモグ)」
昴の座る席の横で、料理を味わっているオーフィスがいた。
「美味しいか?」
いつもの表情で料理を口にするオーフィスに尋ねる昴。
「…美味しい」
「そうか」
「……だが」
「?」
オーフィスがフォークを置くと…。
「昴の料理の方が美味しい」
「…ハハッ、それは何よりだ」
料理は得意なれど、誇れる程の腕はないと自称する昴だが、オーフィスの評価に笑みを浮かべる。
「ほらほら、口にソースが付いてるぞ?」
「…ん」
オーフィスの口元に付着したソースを布巾で拭き取る昴。
「楽しんでいるかしら?」
そこへ、グラスを片手に持ったリアスがやって来た。
「ええ、もちろん。リアスには感謝の言葉しかないよ」
「そう言ってもらえるなら、このレストランを貸し切った甲斐があるわ」
にこやかに笑みを浮かべると、リアスがグラスの飲み物を一口に口にした。
「私の眷属からこんなにも早く昇格する者が現れるなんて。私も鼻が高いわ」
「全てはリアスと出会えた。これに尽きるさ」
「朱乃も裕斗も、私には勿体ない程の逸材。…その中でも昴、あなたは特にそう。あの時、昴と巡り合わなかったら、今の私はなかったかもしれない…」
しみじみと語るリアス。
「きっとあなたなら、あっという間に私と同じ上級…いえ、最上級悪魔になるのも時間の問題ね」
「それは…、ちょっと困りものだなぁ」
困り顔をする昴。
「あなたなら当然の事だわ。私としても、あなたが相応の地位に上り詰めてくれたら嬉しいわ。…もしかして、私より上の位になるのを気にしているのかしら? それだったら――」
「――それも気にしてない訳ではないけど。俺が仮にそうなるって事は、それだけ
「…あっ」
思わず絶句するリアス。
三大勢力同士の戦争の終結後、悪魔の進級の肝となるのは、悪魔稼業で大きな契約を取るか、レーティングゲームで実績を示すかが主であり、例え、順調に実績を積み続ける事が出来として、進級までには数年から数十年単位の期間が必要となり、それが上級以上ともなれば、さらに桁が1つ増える。短い期間での進級となると、
「確かにそうよね。…ごめんなさい。配慮が足りなかったわね」
「いや、リアスが謝る事はないよ。むしろ、俺の進級を純粋に喜んでくれて嬉しい限りさ」
にこやかに告げる昴。
「ただまあ、あんまり昇格し過ぎると、面倒事も増えそうだから、今のままの方が気楽で良さそうだけどな」
「あら? いつまでも私の下にいるのはダメよ。いつかは皆、独り立ちしてもらうんだから」
その後も昴は、リアスと談笑するのだった。
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・・・・・・・
・・・・
「そういえば…」
リアスとの談笑中、何かを思い出した昴が周囲をキョロキョロと見渡す。
「アザゼル先生の姿が見えないけど、来てないのか?」
「それが、姿が見えないのよ。部屋にもいなかったし、何処に行ったのかしら」
呆れたようにムスッとするリアス。
「(あのヒトが大っぴらに酒が飲めるとなれば、大概の用事はすっぽかすか押し付けるかしそうなもんだけどな。…となると、余程の案件が舞い込んだか――)…ん?」
その時、昴がふと、扉に視線を向けると、外套を被った妙な者が横切ったのをその目で捉えた。
「(…確か、このホテルは俺達以外の宿泊客はいないはず。従業員や何らかのスタッフにしては格好が奇妙過ぎる)」
「昴?」
怪訝そうな表情をしている昴に気付くリアス。
「悪い、ちょっとトイレ」
申し訳なそうな表情で告げ、先程、外套を被った者が横切った扉に向かう昴。
「ちょっと、昴!?」
そんな昴を呼び止めるリアスだったが、昴はそのまま扉を抜けていったのだった。
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・・・・・・・
・・・・
「さっきの奴は…あっちか」
扉を抜けると既に外套を被った者の姿はなかったが、気配を感じ取り、その方向へと進んだ。
「(…動き方に迷いがない。真っ直ぐ何処かに向かっている)」
感知した気配は、立ち止まる所か、何かを探す素振りも感じられない。明確に目的に向かって進んで行く。
「…」
曲がり角を曲がるのと同時に、通路の先を、先程の外套の者が曲がり角を右折していった。
「…ちっ」
すかさず後を追う昴だが、思わず舌打ちをした。
「(嫌な感じだ。まるで、
外套の者の動きは、昴を特定の場所に誘っているかのように感じられた。
「…」
右折した先に視線を向けると、そこには外套の者の姿はなかった。
「……こっちか」
通路を進んで行くと、とある扉の前で立ち止まる昴。その扉を開けるとそこには若干薄暗い通路が続いており、耳を澄ますと、奥の方から何者かが駆けていく足音も聞こえた。
「この先は確か、従業員用の出入口だったはずだが…」
ホテルに入った折、何気なくホテルの見取り図を見ていた昴。記憶通りなら、この先は従業員や外部からの業者が使用する出入口があるのみ。
「(何か起こる様子はない。…少し神経質になり過ぎたか?)」
ここまで何か不穏な事は何もない。今現在の現状もあり、少し心配し過ぎたか? と、昴は考え始めた。
やがて、従業員用の出入口の前に辿り着いた。外套の者の姿はなし。
「(何もなし、か…。扉の外を軽く調べたら、1度戻るか――)…っ」
扉のドアノブに手をかけようとしたその時、扉の先でとある気配を感じた。しかし、その気配は先程の外套の者ではなく、別の見知った気配だった。
「っ!?」
意を決してドアノブに手をかけ、扉を開けると、その目に飛び込んで来た光景を見て昴は両目を見開いた。
「アザゼル先生!!!」
思わず叫び、飛び出す昴。昴の視界のその先には、全身に手傷を負い、左腕を失ったアザゼルの姿があったからだ。
「ぐっ…!」
あまりのダメージでその場で膝を付いているアザゼル。
「大丈夫ですか!?」
すぐさま駆け寄り、容体を確認する。
「…くっ、心配いらねえ。軽傷ではねえが、命に係わる程のものじゃねえ」
心配する昴を制すると、切断された腕の先端に魔方陣を展開し、止血を施したアザゼル。
「…何があったんですか」
「ぬかった…! …聖槍の小僧に、してやられちまった…!」
事情を尋ねられると、苦々しく答えるアザゼル。
「曹操か…!」
犯人を知り、昴の表情が険しくなる。
「事が事だったからな。このホテルには奴らの襲撃に備えて、万全な防備を敷いていたつもりだったんだが、ことごとく破られちまったよ。ったく、俺とした事が、焼きが回っちまったか…」
自嘲気味のアザゼル。
「(戦術に特化した曹操が、アザゼル先生をも出し抜いたのか。…ちっ、京都の1件で、俺は奴本来の英雄としての資質に火を付けちまったのか…!)」
敵の成長を促してしまった事に表情を歪める昴。
「別空間に飛ばされて、曹操を始めとした、英雄派の連中とやり合う事になったんだが、いくら俺様でも、多勢に無勢でな。ひとまず、逃げの一手を打った訳だが。…ここは、ホテルの裏口か? お前はどうしてこんな所にいたんだ?」
タイミング良く、ホテルの利用客がまずこないであろう裏口の外に昴が現れた事に疑問を持ったアザゼルが尋ねる。
「ホテルのレストランで食事をしていたら、不審な姿をしていた奴を見かけたんで、気になって追いかけたらここに辿り着いて、そしたらあなたの気配が突然現れて――っ!?」
その時、何かに気付いた昴がハッとして振り返った。
「くそっ、やられた…!」
再び表情が険しくなり、拳をきつく握り込んだ。
「どうした?」
「…ホテルからリアスの気配がしない」
「…なに?」
「それだけじゃない、グレモリー眷属の皆、イリナにレイヴェル。黒歌やルフェイ、オーフィスの気配もしない…!」
「何だと!?」
この事実に、思わずアザゼルが声を荒げた。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「これは!?」
思わず声を上げるリアス。
突如、全身をぬるりと感覚が全身を包み込んだのだ。
「この感覚、覚えがある…!」
「ああ、京都でも経験したあの感覚。間違いない!」
全身を包み込んだ奇妙な感覚と霧。これで以前の記憶を思い起こした木場とゼノヴィア。
「ありゃー、こっちに本命が来ちゃったかー」
何かを確信する黒歌。
「皆、警戒して! 敵襲よ!」
リアスが皆に檄を飛ばし、警戒態勢を敷かせる。
「ス、スバルさんは…!」
周囲を見渡し、昴の姿を探すアーシア。
「…分からないわ。けど、私達と同じようにこの空間に飛ばされているなら、すぐに合流してくるはずよ。皆、ここを動くわよ!」
リアスが指示を出し、レストランからの移動を開始した。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
『…』
一様に口を閉ざしながら移動する面々。道中、誰とも出くわす事はなく、完全にこのホテルを模した異空間はリアス達を除いてヒトは存在しない事が窺えた。
『…っ』
やがて、広いロビーに辿り着くと、ソファに座って優雅にコーヒーか何か口にしている2人の男を発見し、臨戦態勢を取る。
「…」
2人組の1人がニヤリと笑みを浮かべ、スッととある方向を指差す。
『っ!?』
すると、その指差した方向から火球のようなものがリアス達目掛け、飛んで来た。
「アーシアさん!」
「イリナ!」
その火球はアーシアとイリナのいる方へ向かっており、木場とゼノヴィアが慌てて2人を守ろうと動こうとするが、反応が遅れてしまい、間に合わない。
「「っ!?」」
2人に火球が直撃する刹那、オーフィスが2人の前に壁になるように立ち、その火球を振り払うかのように腕を振り、打ち消した。
「あ、ありがとうございます」
「…」
お礼をするアーシア。対して、オーフィスは相変わらずの無表情であった。
「ごきげんよう、グレモリー眷属の諸君。今のは、京都での折の意趣返し、とでも思ってくれ」
そう言って、見覚えのある漢服を着た、見覚えのある聖槍を持った男がゼノヴィアに向けてウィンクをした。
「ごきげんよう。…話は皆から聞いているわ。あなたが曹操ね?」
リアスが開口、口を開く。
「これはこれは、あなたとはこれが初めての顔合わせとなるのかな? …リアス・グレモリー」
槍を肩でトントンとさせながら挨拶を返す曹操。
「早速だけど、聞きたい事があるわ。昴は何処? そして、私達をこの別空間に転移させた理由は何?」
すぐさま曹操に尋ねるリアス。
「心配いらない。彼には何もしていないよ。これは2つ目の質問の答えとも重なる事だが、此度は、重要なミッションがあってね。それを達成するまで、彼の存在が不都合なので、彼だけはここには呼ばずに元の場所に残っていただいたのさ」
フフッと笑みを浮かべる。
「さて、本来ならこの空間に侵入するには、それなりに時間がかかるが、彼の事だ、きっと何らかの手段ですぐに来てしまう事だろう。なので、それまでにまず、そのミッションを片付けておこうかな」
そう言って、曹操は視線を、とある者に向けたのだった…。
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・・・・・・・
・・・・
「どうやら俺は、ここに誘き寄せられたみたいです。俺とそれ以外を切り離すと為に…!」
「…思えば、俺も簡単にあの空間が脱出出来たな。…ちっ、この俺も利用されたか」
昴とアザゼル。共に表情が曇る。
外套の者が昴を裏口まで誘い出し、昴が裏口に辿り着いたタイミングで傷だらけのアザゼルを裏口の外に追い出す。これを見れば、昴でなくとも、アザゼルに近付く事は容易に考えられ、昴がホテルを飛び出たタイミングで
「戦力の分散は基本中の基本だが、目的は、各個撃破……な訳がないな」
「でしょうね。恐らく俺は、曹操の何らかの目的の為、いると不都合な存在だから意図的に排除された」
「問題はその目的だが。……っと、そんなのは考えるまでもないか――」
「「オーフィス」」
2人の声がシンクロするかの如く重なる。
「だが、いくら曹操であっても、オーフィスをどうにか出来るとは思えんが…」
そう分析するアザゼル。オーフィスの力はそれだけ強大だからだ。
「どうにか出来る手段を見つけたか、手に入れたのでしょう」
「何らかの
その時、アザゼルは何か1つの答えに辿り着き、ハッとした表情をした。
「あるんですね。オーフィスをどうにか出来るかもしれない方法が…」
「…いや、だがこれはいくらなんでも…」
答えに辿り着いたアザゼルだったが、それはあり得ないと考えているのか、首を傾げる。
「固定概念は捨てた方が良いかと。あいつはテロリストで英雄の血を引いた存在。もはや、あり得ない事があり得ない」
窘めるように言葉を紡ぐ昴。
「…」
顎に手を当てて考え込むアザゼル。
「時間がありません。もはや、取り越し苦労でも構いません。教えてくれませんか?」
緊急事態である為、答えを急かす昴。暫し、考え抜いた後、アザゼルが口を開いた。
「…1つ、あのオーフィスをどうにか出来るかもしれん存在がいる」
「それは?」
「
おずおずと答えを口にするアザゼル。
「サマエル…、確か、エデンにいたアダムとイヴに、知恵の実を食べるように唆したって言うあれですか?」
「ああ。詳細は省くが、あれは、言わば最強の
「…っ」
思わず表情が引き攣る昴。
「だが、サマエルは、コキュートスの奥深くに厳重に封印されていたはず。もしあれを、曹操が持っていたとするなら。……あの骸骨ジジイ、もはや、嫌がらせの範疇を大きく逸脱している、もはや明確な敵対行動の領域だぞ…!」
アザゼルの表情が憤怒へと染まる。
「俺も、ハーデス様の事を理解している訳ではありませんが、話に聞くハーデス様の性格や、以前、レーティングゲームの直前に顔を合わせた印象から見て、多分やりかねないかと。少なくとも、ゼウス様が各勢力に協力態勢を敷く事を、快くは思わないでしょうから」
「クソが!」
思わずアザゼルは怒りのあまり、地面に拳を叩きつけた。
「事は一刻も争います。早く、曹操の下に俺を送って下さい」
アザゼルの予測通りなら、オーフィスをどうにかした曹操達がその後、何をしでかすかは分からないが、確実に碌な事ではない事は想像出来る。それに、リアス達も安否も心配である。何せ、曹操にとって、オーフィス以外の命を奪う理由はないが、奪わない理由もない。その為、リアスが目的の邪魔をしたなら、間違いない攻撃を加えるだろう。
「そう簡単には行かねえ。
「…しかし、初代様は京都での一戦の折に侵入しました。不可能ではないのでしょう?」
「あれは初代のジジイが特殊だからだ。…むしろ、あの初代ですら、侵入するまでにあそこまで時間がかかっちまうくらい、侵入は難しいんだよ」
初代孫悟空は、仙術に長けた、その実力は、各勢力全体を見ても上位な存在。そんな初代孫悟空が、京都での折に、昴達の加勢に来たのは、戦いが終盤になってからだったので、それだけ、
「くそっ、初代を呼び寄せるにしても、時間がかかり過ぎる。…恐らく、ヴァーリの奴は、何らかの緊急手段を用意しているだろうが、あの野郎と連絡が付きやがらねえ…」
「…っ」
一刻の猶予も惜しい中、有効的な手段が見つからず、焦燥感が積もる2人。
「――おや? 取り込み中でしたか?」
その時、2人の耳に、1つの声が届いた。
「カッシュ様?」
その声の主は、カッシュ・マルバスであった。
「どうしてここに?」
「いえ、近くでちょっとした用事がありまして、暇を持て余したので、近くを散歩していた所、何やら妙な気配を感じたので、気になって様子を見に来た次第ですよ」
昴の問いに、カッシュは簡潔に答えた。
「…その様子ですと、何やらお困りのようですね。何がありましたか?」
傷だらけのアザゼルの様子を見て、緊急事態である事を察したカッシュが尋ねた。
「実は――」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「――なるほど」
簡潔に事情を説明すると、カッシュは顎に手を当て、思案する。
「…残念ながら、直接その異空間へと向かう手段は私でも思いつきませんね」
思案した結果、出た答えはこれだった。
「…そうですか」
残念がる昴。…だったが。
「ですが、そこへ行く方法はあります」
続けたその言葉を受け、昴が顔を上げる。
「本当ですか!?」
「ええ。少々、時間はかかりますが、現状、これが1番、早くそこへ辿り着く方法かと」
「どうすれば!?」
カッシュへと詰め寄る昴。
「次元の狭間を経由して、そこから侵入をすればいいのですよ」
答えを聞き、アザゼルがハッとする。
「その手があったか!
光明が差し、歓喜するアザゼル。
「問題は、その空間が何処にあるかって所だが、ここから次元の狭間に侵入すれば、そう遠くない、何処かにある事は間違いない」
「決まりですね。…お願いします。俺を次元の狭間に」
「今開く。…カッシュ、お前も協力しろ」
「ええ、もちろんです」
頷くと、アザゼルとカッシュが次元の狭間への入り口を開く準備を始めた。やがて、空間が人1人が通れる程の隙間が出来た。
「これで良し。後は、中に入ったら、お前のお得意の感知能力でリアスでも曹操でもオーフィスでも良い、気配を感じ取ってそこへ向かえ。場所さえ特定出来りゃ、お前ならそこから侵入出来る。出来なきゃ、ドライグなり、お前の中にいる、あのナントカって奴の協力を仰いでどうにかしろ」
「助かります!」
礼を言った昴がその隙間へと入ろうとする。
「お待ちを」
その直前、カッシュが引き留めると、何かの魔法のようなものを昴にかけた。
「知ってのとおり、次元の狭間は、その無によって、身体に多大な悪影響を及ぼします。あなたなら問題はないでしょうが、それでも多少の影響を受ける事でしょう。今ので、次元の狭間内でもある程度の時間であれば問題なく活動出来ます」
「…感謝します」
「ご武運を…」
昴はカッシュに敬礼のようなポーズをした後、次元の狭間へと飛び込んでいった…。
※ ※ ※
かくして、進級試験終了後の宴の最中、曹操達の襲撃が始まった。
分断される昴とリアス達。
曹操の野望を阻む為、リアス達を守る為、昴は次元の狭間へと飛び込んだのだった……。
続く
いやー、間隔が空いてしまって、申し訳ない…m(_ _)m
モチベーションの低下もあるのですが、先の展開と折り合いを付けながらの執筆の為、時間がかかってしまいました…(>_<)
今回、少々、この二次独自の設定と、展開を入れました。一応、次話にて、ある程度の理由は説明する予定ですが、執筆側の事情をぶっちゃけると、原作と同じ展開をただただ執筆するのは苦痛+面倒なので…(;^ω^)
この章はある程度、大丈夫なのですが、マジで次章、どうしようかな…。
感想アドバイスお待ちしております。
それではまた!