投稿します!
お待たせ致しました!
今年度初の投稿となります…(;^ω^)
それではどうぞ!
Life.150~冥界の危機、始動~
崩壊していくフィールド…。
もはや碌に足場すらない空間。
「…」
僅かに残った地面の上に、昴が横たわっていた。
「…」
そんな昴を頭上から無言で見下ろすオーフィス。
「………昴?」
ポツリとオーフィスが昴の名を呼び、昴の頬に触れる。
「…」
しかし、昴は何も返事をする事はなかった。
「昴?」
今一度呼ぼうとも、それは変わらず返事はない。
「……昴、動かない」
『…っ』
ドライグは何かを堪えるかのように苦悶の嗚咽を漏らす。
「昴、何も喋らない」
触れようとも揺すろうとも昴は反応しなかった。
――これから夕食の食材を買いに行くんだが、何かリクエストはあるか?
――美味いか? そりゃ良かった。…ほらほら、服が汚れるぞ。
――ここの公園より遙かに広くて、遙かに派手で豪華な遊具や乗り物があるアミューズメント施設の事だ。行ってみるか?
――あ、そうそう。俺の事は今度から昴と呼んでくれ。ドライグだと、どっちの事か分からないからな。
中級試験前に夕飯の買い物に行った時の思い出が蘇る。
「?」
その時、オーフィスは自身の胸に手を当てた。胸に不可解な痛みが走ったからだ。
この痛みが何なのか、オーフィスは理解出来なかった。神さえも屠る聖槍を受けても尚、微動だにする事もなかったオーフィスにとって、初めての経験であった。
――ポタッ…。
その時、昴の額に何かが落ちた。
「?」
唐突に昴の額に落ちた水滴を見て、オーフィスは不思議そうに触れる。水なんて、ここにはないはずだからだ。
『オーフィス、お前…』
その時、ドライグが驚きの声を上げた。
『泣いているのか?』
「泣いて…いる…?」
オーフィスはドライグが何を言っているか、すぐには理解出来なかった。
――ポタッ…。
すると、再び昴の水滴が落ちた。
「?」
自信の頬に触れるオーフィス。ここで初めて気付いた。自身の頬に涙が伝っている事に。
「我は…泣いているのか…?」
未だかつてない事に、オーフィス自身、理解が追い付いていなかった。
「昴…、我は泣いているのか?」
目の前で横たわる昴を揺すりながら尋ねる。
「…」
しかし、昴は変わらず何も答える事はない。
「…っ」
再びオーフィスの胸に再び痛みが走った。
「…昴。何故、何も答えない。何故、何も教えてくれない…?」
『オーフィス…!』
尚も昴に縋るように尋ねるオーフィス。その時…。
『っ!? 貴様は!?』
オーフィス達を覆い尽くすかのような巨大な影が現れた。
「……グレート…レッド…」
見下ろすように現れた正体の名を見上げながら呼ぶオーフィス。自身の宿願である静寂を得たいオーフィスにとって邪魔な存在であり、憎き敵とも呼べる存在。気が付けばフィールドは完全に崩壊しており、次元の狭間に落ちていたのだ。
「…」
かつてのオーフィスなら是が非でも排除に走っただろう。だが、その宿敵を目の前にしてもオーフィスは行動を起こさず、再び視線を昴に向ける。
「……昴、何も話さない。…何処かに連れ出してくれない。…美味しい料理も作ってくれない」
ポツリポツリと語り出すオーフィス。
「…我では、昴助けられない」
再び自身を見下ろすグレートレッドを見上げるように視線を向ける。
「……頼む」
右手をそっとグレートレッドに向けてゆっくり伸ばす。
「…頼む」
憎き敵であるグレートレッドにオーフィスが懇願する。
「頼む…!」
その瞳から再び涙を伝わせながら懇願するオーフィス。
「――昴を…助けてくれ!」
※ ※ ※
『ご覧ください! 突如出現した超巨大モンスターが一路として都市部に――』
冥界にて、魔力駆動のヘリコプターに乗ったリポーターが恐々としながらその光景を報道していた。
かの中級悪魔昇格試験から2日が経過。冥界は旧魔王派のシャルバの企みにより、大きな混乱状態に陥っていた。
「…」
その中継映像を見つめているアザゼル。アザゼルは、
その時、中継映像に新たな増援が映し出された。それは、悪魔が誇る最上級悪魔とその眷属達であった。彼らは増援に現れるのと同時に超巨大なモンスター達の殲滅を開始した…のだが。
「…ちっ」
映像を見ていたアザゼルは苛立ち交じりに舌打ちをしながら映像を消した。
最上級悪魔とその眷属による攻撃を受けても尚、超巨大モンスター達の足を止める事は出来ず、その表面にダメージを与える事しか出来なかった。アザゼルは、内心で結果は予想していたが、その予想が当たってしまった事に苛立ちを隠せなかった。
「クソが!」
アザゼルの口から思わず悪態が飛び出す。
届く報せは悪い事ばかり。しかも問題は超巨大のモンスターだけではなく、冥界各地で上級悪魔の眷属が主に反旗を翻し始めたのだ。個人の意にそぐわない形で無理やり悪魔に転生させられた
「荒れているようですね」
「……シェムハザか」
そこへ現れたのは、グリゴリの副総督であるシェムハザであった。
「荒れたくもなる。ここに戻ってからも悪い報せばかりが届きやがるんだからな」
悪い予想だけが的中する現状に、アザゼルも苛立ちを隠せなかった。
「胸中は察します。その上で言わせていただくなら、もう少しご自愛いただきたく存じます。ここに戻られてから休息は愚か、録に食事すら摂られておられないのですから」
そう言ってシェムハザ机に摘まめる軽食が乗った皿を置いた。シェムハザの言う通り、アザゼルはグリゴリの本部に戻ってから一切の睡眠どころか、僅かな食事すらもしていないのだ。
「休むのは後回しだ。何せ、今は冥界の危機だ。事は一刻も争う」
気遣いに苦笑しながらアザゼルは置かれた食事に手を付けた。
「この騒動の責任の一端は俺にある」
冥界が危機に瀕している今の現状、アザゼルは自身の責任を感じていた。
「全ての認識が甘かった。もっと細心の注意を払うべきだった」
今回の騒動の発端となった曹操にはしてやられ、裏で暗躍していたハーデスとシャルバの企みを看破出来なかった。
「…相手が1枚上手だっただけの事です。何より、あなたで阻止出来なかったのであれば、誰であっても結果は変わらなかったでしょう」
そんなアザゼルをフォローするシェムハザ。するとアザゼルは身体をワナワナと震わせる。
「何より許せねえのは、あいつを…失わせちまった事だ…!」
あいつ…それはリアスの眷属であり、現赤龍帝でもある昴の事。
「あいつは…昴は希望だった。この三大勢力…それだけじゃねえ、この世界に存在する全ての神話体系を繋ぐ…、俺が1度は思い描きながらも鼻で一笑した理想を果たす希望になったかもしれない男だったんだよ!」
思いを吐露すると共に机を力一杯叩き付けた。
「落ち着いて下さい。まだ、彼を失ったと決まった訳ではないでしょう?」
「…っ、そうだったな」
窘められた事により、昂っていたアザゼルの感情を収まった。
「気掛かりなのはリアスさん達ですね」
シェムハザが懸念したのはリアスとその眷属達。彼女らにとって、昴は戦術、戦略、そして精神的の支柱であり、昴を失った事によるダメージ計り知れない。
「とりあえず、サーゼクスの奴には極秘回線で事の仔細は伝えた。あいつなら、上手くやってくれるだろう」
アザゼルは今回の一件を悪魔側にはサーゼクスのみに極秘で伝えた。もし、今回の事が悪魔の上層部の耳に入れば、ここぞとばかりにこの件を冥界の住民に公表し、現政権を追い落とす為のプロパガンダに使うだろう。そうなれば、今や冥界で有名なりつつあり、一部で心の拠り所にしている住民の不安は更に膨れ上がり、更なる混乱を生む結果となる。
「
「賢明な判断です」
状況や事情を理解しているシェムハザは頷いた。
「…よし。ここからもうひと踏ん張りだ。何せ、堕天使の総督としての
「……やはり、退かれるのですね」
「ああ。今回の騒動のケジメを付けなきゃならねえ。これはもう、決定事項だ」
「…」
決心は変わらない事を理解したシェムハザは、険しい表情で両目を瞑った。
「そんなシケた面すんな。これまで俺が矢面に立ってお前が影で俺を支えた。それが逆になるだけだ」
シェムハザの表情を見て苦笑する。
「さて、やる事が山積みだ。気合い入れて――あん?」
仕事の再開をしようとしたその時、アザゼルの下に通信が入った。
「サーゼクスか。どうした? 緊急事態か?」
通信の相手はサーゼクスであった。
『慌ただしい時にすまない。少々頼み事があってね』
「頼み事?」
怪訝そうに首を傾げるアザゼル。
『これから冥府に赴く。あなたにも同行を願いたい』
※ ※ ※
『な、何と言う事でしょう!? 我らが悪魔が誇る最上級悪魔チームの攻撃が通じておりません!』
テレビから報じられるのはレポーターによる悲痛なリポート。
レーティングゲームの王者、ディハウザー・ベリアルとその眷属達による攻撃を以てしても僅かな足止めにしかならなかった事実は、冥界の民衆達に更なる不安と混乱を招く結果となった。
「…」
その中継を、木場が神妙な表情で見つめていた。
木場はこうなる事は予測済だったのか、冷静にこの事実を受けていた。決して皇帝ベリアルとその眷属達を軽視している訳ではない。彼らの実力は確かなものであり、あの昴にしても、現状のグレモリー眷属達では大きく戦力の増強と戦術の引き出しを増やさなければ健闘するのが手一杯と評しており、それは木場から見ても疑いようがなかった。
だが、あの巨大なモンスター達を直に目の当たりにした木場には、この結果は必然だった。不幸中の幸いと呼べる事として、迅速に冥界の住人の避難は進んでおり、人的被害は出ていない事だ。
「…」
テレビから視線を外し、周囲に向ける。
現在、リアスとその眷属達はグレモリー城に身を寄せており、グレモリー眷属はその一室で待機しており、各々の表情は悲痛なもので占めていた。
――昴の死…。
この事実が2日前、皆に伝わった事実。
それともう1つ、
木場もその事実を伝えられた時は思わず叫び出す程に取り乱したが、今ではある程度平静を保っていた。
「…」
今度は自身の手元に視線を向けた。その手には、フェニックスの涙が入った小瓶が数個握られていた。これは遂今し方ここを訪れたライザー・フェニックスと、その長兄であるルヴェル・フェニックスに託された物だ。2人は妹であるレイヴェルとリアスを励ます為に訪れ、その際に木場が代理で託されたのだ。他にもソーナ・シトリーとその眷属である匙が、従兄であるサイラオーグが部屋に籠るリアスの下を訪れ、自身の使命を告げると共にリアスを激励していった。同時にバラキエルもここに訪れ、娘である朱乃を励ました。その甲斐もあり、虚ろの表情で佇んでいた朱乃だったが、ある程度持ち直す事が出来た。
「…っ」
思わずギュッと歯を食い縛る木場。
昴を失った代償は大きい。戦力的にも戦術的にも大きいが、1番大きいのは、精神的にだ。リアスを含め、グレモリー眷属の、昴に対する信頼及び親愛度は計り知れない。特に恋慕の情を抱いている女性陣は殊更にだ。
「……フー」
不安に押し潰されそうになった木場だったが、深呼吸をする事で自身の心を落ち着かせる。
「(僕がしっかりしないと。僕は昴君の友であり、弟子でもあるのだから…!)」
共にリアスの眷属となってから、木場は昴と共に修業する機会が多かった。剣術、戦術等あらゆる術を昴からもっとも手解きを受けたのは木場だ。それだけ昴からの期待を受けていた事を意味する。
「…っ!」
フェニックスの涙が入った小瓶を握りしめる木場。
いつまでも悲しんでばかりはいられない。今は冥界の危機。自分達も立ち上がり、戦わなければならない。その為には少しでも早く主であるリアスが立ち上がらなければならない。
――ガチャッ…。
その時、部屋の扉が開かれ、そこから現れたのはリアスだった。
「…」
室内に入ったリアスが周囲を見渡し、自身の眷属達に視線を向けた。
「皆、行くわよ」
リアスは静かにそう告げた。
『…っ』
その言葉に眷属達は驚愕の表情を見せる。
「冥界の危機よ。私達もいつまでも戦うわよ」
その目はつい先程まで泣き暮らしていた為、赤く腫れぼったいが、その目には以前のような力がある程度戻っていた。
「(部長が…! サイラオーグさん、ありがとうございます…)」
ソーナやライザーが声を掛けても尚、悲しみに暮れていたリアス。そんなリアスを立ち上がらせてくれたサイラオーグに木場は胸中で感謝した。
「今この瞬間も、あのモンスター達は冥界を蹂躙し続けているわ。いつまでもここで傍観してられないわ」
力強い声で眷属達に告げる。
「昴もきっとそうするはずよ。…いえ、昴だったらもう既に1人でも戦って事いたでしょう」
「……ですが、スバルさんは――」
その時、アーシアが絞り出したかのような震えた声で呟く。
「昴が死んだとまだ決まった訳じゃないわ」
そんなアーシアの言葉を遮るようにリアスが声を絞り出す。
「ついさっき、サイラオーグに怒られてしまったわ。あの昴が簡単に死ぬ訳がないって。確かにその通りだったわ」
思い出すかのようにリアスが苦笑する。
「まだいくつかの可能性と情報が揃っただけで、確定した訳ではないわ」
再び眷属達を見据えたリアスが力強く告げた。
「昴は必ず生きている。そして、私達の所に戻って来るわ。その時に、私達がずっとここで塞ぎ込んでいたなんて昴が知ったら、昴に怒られてしまうわ」
薄く笑みを浮かべるリアス。
『…っ』
この言葉を聞いて、眷属達はハッとし、その目に少しずつ力が戻っていく。
「さあ行くわよ! 私達も魔王であるお兄様に仕える悪魔。冥界を救う為、戦うわよ!」
力強くそして、室内に響き渡る声で告げた。
「良く言ったわ」
その時、リアスの背後から新たな声が響いた。
「それでこそリアス・グレモリーよ」
「グレイフィア!?」
扉が開かれ現れたのはリアスの兄であるサーゼクスの
「あなた、その姿…」
グレイフィアはいつものメイド服ではなく、戦闘服に身を包んでいた。
「ええ、これより私はルシファー眷属を率い、魔王領の主都に進軍する
「ジャバウォック?」
「便宜上、あの超巨大モンスターをそう呼称する事となりました」
「そう。…お兄様は……曹操が何処に潜んでいる分からないものね」
万一、曹操の聖槍を受ければ、魔王は勿論、他の神仏も滅せられる可能性がある為、迂闊には戦線には出てこれない。
「では、私達もすぐに戦場に――」
「――いえ、あなた達にはここへ向かってもらうわ」
遮るように口を挟み、グレイフィアは1枚の紙をリアスに差し出した。
「ここに、現ベルゼブブであるアジュカ様の現在地である隠れ家の場所が記載されています。あの方なら駒に残された僅かな情報を解析し、可能性を拾い上げてくれるでしょう。すぐにここへ向かいなさい」
※ ※ ※
――俺は死んだのか…。
暗い海中を漂い、底に少しずつ沈んでいるかのような感覚が昴を包み込む。
――呆気なかったな…。
何も成し遂げられず、志半ばで尽き果てしまった2回目の生。
――俺は…、このまま…。
――昴!!!
「っ!?」
必死に自身の名を呼ぶ声に、昴はハッと目を開けた。
「ここは?」
上半身を起こすとそこには、荒野が広がっていた。
「俺はオーフィスに抱えられながら崩壊するフィールドを歩いていて…」
少しずつ記憶を整理し、直前の状況を思い出していく。
「身体が軽い。眼も見える」
その場で立ち上がり、自身の体調を確認する。サマエルの呪いによって両目の光を失い、身体の激痛、気怠さが嘘のようになくなっていた。
「オーフィス! いないのか!? ……いない、気配も感じない」
その場から歩き出し、周囲を見渡しながら最後に傍にたオーフィスを呼ぶ。しかし、返事はない。それどころか周辺一帯からオーフィスの気配すらしない。
「マジでここは何処なんだ?フィールドが崩壊したなら俺は次元の狭間を漂っているはず。こんな見知らぬ――いやまて…」
ここで昴は記憶の片隅のとある記憶に辿り着いた。
「俺はここを知っている。ここはまさか…!」
次の瞬間、静寂で無人だった荒野に突然、埋め尽くすような人々が現れた。
――おぉぉぉぉぉーーーっ!!!
その光景はまさに戦場。剣や槍を持った人々がぶつかり合う戦場だった。
「ここは…、そうだ。俺がかつて――」
「――ご名答」
「っ!?」
その声に反応し、振り返ると、10メートル程の大岩の上に、刃の姿があった。
「ここは前世で君と俺とが最後の戦いをした戦場さ」
「刃…」
「ここは俺と君の精神世界。ここには、意志を持った存在は俺と君をおいていない」
パチン! と指を鳴らすと、周囲で剣戟を鳴らしながらぶつかり合っていた人々が消え、再び静寂に包まれた。
「精神世界。……俺はどうなったんだ? 俺は死んだのか?」
思い返すのは、記憶の集合体となった歴代の赤龍帝達。自分も死んで彼らのような存在になってしまったのか…。
「君は
「まだ?」
言葉の真意が分からず、問い返す昴。
「クックックッ、アーハッハッハッ!!!」
しかし、刃は答える事無く、額に手を当て、天を仰ぎながら笑い出した。
「ようやくこの時が来た。君の身体を借りるでも乗っ取るでもない、完全に俺の物に出来るこの時が…!」
「…なに?」
不穏な言葉を聞き、昴は咄嗟に身構える。
「以前に俺が君の身体を乗っ取った時を覚えているかい?」
「あん?」
「君は高濃度の光を胸に受け、死にかけた。結果、俺が表に現れた」
「…」
「此度、君はサマエルの呪いに蝕まれた状態で更なる呪いを身に受けた」
「…」
「結果、再び俺が表に出るチャンスが現れた。それだけじゃない。君が以前とは比較にならないダメージを負い、オーラも魔力も使い果たした事で、君を俺の魂と同等の存在にまで引き摺り下ろす事が出来た。この世界に俺と君が存在している事が何よりの証左」
クックックッと含み笑いをする刃。
「ああごめんごめん、回りくどかったね。つまりどういう事かと言うとね」
ここで額に当てた手を降ろし、昴と視線をぶつける刃。
「ここで君を殺せば、正式に君の身体は俺の物になる」
「っ!?」
その事実を聞き、昴は大きく目を見開く。
「待ちかねたよ。これでようやくこの退屈な世界から抜け出し、本能のまま、欲望のまま、生も野望も謳歌出来る!!!」
両腕を広げ、歓喜する刃。
「させると思うか? その為には俺を殺さなきゃならないんだぜ?」
そう言って構える昴。
「出来るさ。以前に言っただろ? その気になれば前世で君を殺す事は難しい事ではなかった。あの時は君の戦い方に合わせて戦ったから負けたに過ぎない」
「負け惜しみを…」
「すぐに分かる。力だけの獅子やたかだか十数年生きただけの聖槍に手こずり、出来損ないの魔王に殺されかけた君じゃ、俺には勝てない」
大岩から飛び降りると、刃は両腕を広げ――。
「――時は来た。今度こそ、俺と君との決着を付けよう」
※ ※ ※
シャルバが残した
その危機に際し、各々が立ち上がる。
冥界を救う為、それぞれが動き出したのだった……。
続く
最後にこの二次を投稿したのが昨年の年末で、長い事ほったらかしにしてしまいました…(;^ω^)
言い訳といたしましては、元々のメインの二次にかかりきりなった事と、本来なら8月頃に1話完成させるつもりだったのですが、様々なアクシデント見舞われた事(詳しくは活動報告に)が要因で事でここまで伸びてしまいました。この二次の投稿をお待ちいただいてくれた方、お1人でもいましたら真に申し訳ございません…m(_ _)m
次の投稿がいつになるかは分かりませんが、出来るだけ早く投稿出来るよう精進致します…(^-^)
感想アドバイスお待ちしております。
それではまた!