ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.18~ミドルゲーム、一騎当千~

 

 

 

「撃破(テイク)」

 

頭上からライザー眷属の女王『クイーン』がポツリと呟く。

 

俺はすぐさま小猫ちゃんのもとへ駆け寄り、小猫ちゃんを抱き上げた。

 

「小猫!」

 

俺は小猫ちゃんの容態を確認する。

 

…致命傷でこそないが、ダメージが大きい…。

 

「…すみ…ません…。もっと…、お役に…」

 

小猫ちゃんは声を絞り出すように謝罪した。

 

「謝ることはない。君はよくやったよ。…後は任せろ」

 

「…(コクリ)」

 

小猫ちゃんはゆっくり頷くと、意識を失った。すると、小猫ちゃんの身体が光に包まれ始め、徐々に体が透明になっていき、この場から姿を消した。

 

『リアス・グレモリー様の戦車『ルーク』1名、リタイヤ』

 

審判(アービター)であるグレイフィアさんのアナウンスが聞こえてきた。

 

「小猫…」

 

ゲーム前に受けた説明によると、一定以上のダメージを負い、再起不能になると、リタイヤ扱いになり、医療設備が整った施設に強制転送されるらしい。小猫ちゃんはそこに転送された。

 

小猫ちゃん、治療しながらゆっくり待ってろ。俺達が必ず部長を勝利に導く。

 

俺は立ち上がり、ライザーの女王『クイーン』のいる方へ歩み寄った。

 

「なるほど、一番気が緩む作戦の完了直後を狙い撃ちか」

 

俺が睨み付けながら、女王『クイーン』に言葉をぶつける。

 

「ご名答。得物を狩る時、得物が何かをやり遂げた瞬間が一番隙だらけになっていて狩りやすい。こちらは多少駒を犠牲(サクリファイス)にしてもあなた達を1つ狩れば充分なのだから」

 

女王『クイーン』は依然として嘲笑を浮かべている。

 

「…その様子じゃ、体育館の4人はハナから犠牲(サクリファイス)にするつもりだったみたいだな」

 

「ええ。それが何か?」

 

あの女王『クイーン』は特に悪びれる様子もなく嘲笑を浮かべている。

 

体育館の戦車『ルーク』と兵士『ポーン』3人の様子からして、自分達が捨て駒にされていたなんて露程にも思ってなかっただろう。

 

ライザー側がわざわざ戦力を減らしてまで犠牲(サクリファイス)をする必要性はそこまでない。向こうはただこちらに優位性を示したいだけだ。それだけのために…。

 

「気に入らないな。仲間をなんだと思ってるんだ?」

 

「勝利のためには犠牲は必須。犠牲(サクリファイス)はチェスでもよく使われるいわば定石。ご存じではなかったかしら?」

 

「盤上の駒と眷属を一緒にするな。眷属は道具じゃねぇんだぞ」

 

俺は憤りを隠さずにあの女に怒気をぶつけた。

 

「うふふ。むしろ感謝してほしいぐらいだわ。あの娘達を有効に使ってあげたんだから」

 

まるでバカにでもするかのように俺を見下しながら笑い声をあげた。

 

…ちっ、こいつにこれ以上何言っても無駄だな。

 

「犠牲(サクリファイス)は確かにチェスの定石だ。だがな、チェスには他にこんな定石がある。女王『クイーン』は迂闊に動かしてはならないという定石がな。理由はその能力に過信して迂闊に前に出ればあっさりやられてしまうからだ」

 

これもチェスの定石。

 

「そうね。これがチェスと同じ、相手のマスに駒を進めるだけで勝負が決まるのであればそうなるかもしれないわね」

 

「ここでお前を取れば戦況はこちらに大きく傾く。こっちが1人取られるのと同等の損害がそちらに被るからな」

 

「できると思っていますの?」

 

向こうがこちらに腕を向ける。

 

「造作もねぇよ」

 

俺も村雨に手をかけた。

 

お互いが睨みあっていると…。

 

「あらあら。盛り上がっているところに恐縮ですけど、割り込ませてもらいますわ」

 

俺と女王『クイーン』の間に朱乃さんが割って入った。

 

「昴君。彼女の相手は私がしますわ。あなたは当初の予定通り、裕斗君と合流なさい」

 

「…」

 

率直に言えば、ここで小猫ちゃんの仇を討っておきたい。だが、ここで俺まで留まったら敵の残りを木場1人で相手にすることになっちまう。

 

「大丈夫。小猫ちゃんの仇は私が取ります。あなたはあなたの務めを果たしなさい」

 

「…わかりました。ここは任せます」

 

俺は踵を返して運動場へと足を向けた。

 

相手の力量と朱乃さん力量を比べても、油断しない限り朱乃さんが負けることはないだろう。ならば俺は木場と合流して他を叩くほうが有益だ。

 

俺は雷鳴と爆音が鳴り響くのを背中で受けながら運動場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

『ライザー・フェニックス様の兵士『ポーン』3名、リタイヤ』

 

運動場への移動中に再びアナウンスが聞こえてきた。

 

兵士『ポーン』3人、俺達の本陣近くの森に入った奴等か。やったのは木場か。

 

これでだいぶ戦力が拮抗してきたな。

 

「!?」

 

体育用具小屋の中から気配…。敵……じゃない、これは…。

 

「木場か」

 

「うん」

 

体育用具小屋から出てきたのは木場だった。どうやら、兵士『ポーン』を撃破(テイク)した後、ここで運動場を警戒してたようだ。

 

「すまん。俺が付いていながら小猫ちゃんは…」

 

「君は悪くないよ。けど、無念だったろうね。いつも何を考えているかわからない子だけど、今回は張り切っていたから」

 

「そうか、なら、小猫ちゃんの無念を晴らすためにも、絶対に勝たないとな」

 

「もちろんだよ。昴君」

 

コンっと互いの拳をぶつけ合う。

 

「さて、運動場にいる敵さんの数は…3人か」

 

気配が3つ程ある。内2つはかなり強者。残りの1つは異質だ。

 

「うん。騎士『ナイト』、戦車『ルーク』、僧侶『ビショップ』がそれぞれ1名ずつが仕切っているよ」

 

「厳重だな。それも当然か。ここが本陣への唯一の侵入ルートだからな」

 

もう1つの侵入ルートの体育館はさっき朱乃さんの雷で吹き飛んで消滅したから残りはここだけだ。

 

「何が仕掛けられているかわからない以上、正面から突っ込むのは危険だな。どうするか…」

 

どのように仕掛けるか考えていると、運動場の方から突如大声が聞こえてきた。

 

「私はライザー様に仕える騎士『ナイト』カーラマイン! こそこそと腹の探り合いをするのも飽きた! リアス・グレモリーの騎士『ナイト』よ、いざ尋常に剣を交えようではないか!」

 

と、勇ましい女性の声が野球部が使用するグラウンドから響き渡る。

 

周囲に何もないグラウンドから堂々と…。普通は罠を疑うところなんだが、見た感じ、あれは完全な騎士道精神を持った剣士だ。そんな奴が姑息な罠を用いるとは思えない。だが、さっきの犠牲(サクリファイス)の例もある。

 

あの騎士『ナイト』自体が正々堂々を望んでいても、他の奴等までがそうであるとは限らない。

 

 

――どうする…。

 

 

行けば罠にハマる可能性がある。だが、勘繰り過ぎて勝負を避けてしまうと、相手に勢いを与えるきっかけを与えてしまいかねない。

 

俺が出方を考えていると、横にいた木場がフッと笑みを浮かべ…。

 

「名乗られてしまったら、騎士『ナイト』として、剣士として隠れているわけにもいかないか…」

 

そうポツリと呟き、グラウンドへと向かってしまった。

 

俺は額に手を当て…。

 

「ハァ…、ったく、正々堂々も結構だが、これで罠にでもかかったらただのバカだぞ…」

 

正々堂々なんて勝利と天秤にかけるものではない。負けたら意味がないからだ。例え卑怯でも、時に姦策を取ることだって必要だ。けどまあ…。

 

「そういうバカは嫌いじゃないけどな」

 

俺も根っこはただのバカだ。

 

俺も木場の後に続いてグラウンドへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「僕はリアス・グレモリーの眷属、騎士『ナイト』木場裕斗」

 

「リアス・グレモリーの兵士『ポーン』、御剣昴だ」

 

俺達はカーラマインと名乗った女性騎士に名乗りをあげた。

 

カーラマインはわざわざ名乗りでてきたことが嬉しかったのか、笑みを浮かべた。

 

「リアス・グレモリーの眷属悪魔にお前達ような戦士達がいたことを嬉しく思うぞ。私はお前達のようなバカが大好きだ」

 

カーラマインが剣を鞘から抜き放ち、木場にその切っ先を向け…。

 

「騎士『ナイト』木場裕斗よ! 私と尋常に勝負だ!」

 

その言葉に木場が同じく剣を抜き…。

 

「いいだろう。その勝負、受けて立つ!」

 

 

――ドン!!! ギィン!!!

 

 

両者が同時に飛び出し、互いの剣がぶつかった。双方が自身の剣技と騎士『ナイト』の特性であるスピードを生かしながら戦闘を始めた。

 

「あっちは勝手に始めちまったか。なら、俺の相手は…」

 

 

――ザッ…。

 

 

木場達の反対側に顔の半分だけに仮面をつけた女性が俺の数メートル程のところに歩み寄ってきた。

 

「あなたがしてくれるのかな?」

 

「そういうことだ」

 

仮面の女性はフッと笑みを浮かべた。

 

こいつは確か戦車『ルーク』だったな。ライザーの眷属の中でもかなりの強者という印象を受けた女性だ。

 

「まったく、頭の中まで剣剣剣で塗りつぶされた者同士、泥臭くてたまりませんわ」

 

ドレスを身に纏い、金髪を2つのドリルにした女の子が同じくこっちに寄ってきた。

 

あれは僧侶『ビショップ』だったな。

 

その僧侶『ビショップ』は仮面の戦車『ルーク』と同じくらいの距離まで近寄ると、半眼でこちらをジーっと見つめてきた。

 

「…へぇー、そこの騎士『ナイト』といい、リアス・グレモリー様はなかなか良い趣味をなさっているみたいですわね」

 

「そりゃどうも…、で、君ら2人が俺の相手をしてくれるのか?」

 

俺がそう尋ねると、金髪の女の子がふぅっと嘆息をし…。

 

「私は戦いませんわよ。イザベラ、あなたが相手をしてあげたら?」

 

そう言ってその場から数歩離れた場所に移動していった。

 

「元からそのつもり。こちらも始めるとしようか」

 

入れ替わりにイザベラと呼ばれた仮面の女性が一歩前に出た。

 

「わざわざ一対一できてくれるのはありがたい限りだが、そっちの僧侶『ビショップ』は戦わないのか?」

 

金髪の僧侶『ビショップ』はさっきからこっちに敵意を向ける様子が見られない。

 

俺が質問すると、イザベラは…。

 

「あー、気にしないでくれ、あの子は特殊だから。今回の戦いもほとんど観戦に努めるつもりだ」

 

額に手を当てて困り顔を浮かべて答えた。

 

 

――特殊…。

 

 

「それは、あの子がライザーの親族か何かだからか?」

 

俺が行き着いた答えを告げてみた。

 

「お前の主から聞いていたのか?」

 

「いや、顔立ちが何処となくライザーに似ているし、何より身に纏っているオーラがそっくりだったからそんな気がしただけだよ」

 

「そうか…。あの方はレイヴェル・フェニックス。ライザー様の実の妹君だ」

 

「ふーん。ていうか、ライザーは実の妹を眷属にしたのか? …ま、他人の趣味になんか口出しするつもりはないからどうでもいいが…、戦わないならそれに越したことはない」

 

不死身を2人も相手にするのはさすがに骨が折れるからな。

 

「そういうことだ。話はここまでだ。いくぞ! リアス・グレモリーの兵士『ポーン』よ!」

 

「!?」

 

 

――ブォン!!!

 

 

鋭い拳が俺の頬を掠める。

 

「さすが、あれほどの殺気を放っただけのことはある。この程度は避けるか。ならば三段ほどギアをあげよう!」

 

 

――ビュン! ブォン! ビュン!!!

 

 

先程よりさらに速さを増した拳が俺に襲いかかる。

 

「ちぃっ!」

 

俺はそれを何とか避ける。

 

イザベラは腕を折り曲げ、さらにしならせて拳を打ってくる。軌道が変則だからかなり避けづらい。これはボクシングの確か……フリッカー、だったかな。

 

 

――ドン!!!

 

 

「ぐっ!」

 

避け続けていたが、ついに一発避けきれず、左腕でガードをした。

 

ガードをした後、バックステップをして距離を取った。

 

「ふう、わかってはいたが、体育館にいたお嬢ちゃん達とは比較にならない強さだな」

 

俺は一息吐いた。

 

「一緒にしない方が賢明だぞ。私は未熟な彼女らとは違う」

 

イザベラは再度構えなおした。

 

「こっちもそろそろギアをあげていかないとな」

 

 

――ガツッ!!!

 

 

俺は腰に帯びていた村雨を鞘ごと引き抜き、地面に突き刺した。

 

「…何故その刀を抜かない」

 

イザベラは少々怪訝そうな表情で尋ねてきた。

 

「気を悪くしないでくれ。俺は帯刀しているが刀だけが俺の戦闘スタイルじゃない。それに、拳法家ってのはどいつも武器を持った相手と戦い慣れているからな。なまじ武器に頼ると懐に飛び込まれた時大変なんでな。こっちも無手で相手をさせてもらう」

 

実際、俺に扱えない武器はない。

 

本当の理由は同じくこっちも無手で相手をしてみたいだけなんだがな。

 

「なるほど。その言葉に嘘はなさそうだ。だがそろそろ反撃をしてみたらどうだ? 逃げてばかりでは私は倒せんぞ!」

 

 

――ドン!!!

 

 

再びイザベラが俺に飛び込んできた。

 

 

――ブォン!!!

 

 

飛び込み様に振り抜かれた拳をスウェーでかわす。

 

 

――ブォン! ビュン!!!

 

 

さらに2つ3つ拳を打ってくる。

 

3つ目をかいくぐってこっちが仕掛ける。

 

 

――2つ……3つ!

 

 

2つ目をウィーピングで避け、3つ目の拳をダッキングでかいくぐった。

 

「っ!?」

 

3つ目の拳をかいくぐり、反撃を試みようとしたその時、俺の眼前に足があった。

 

 

――ブォン!!!

 

 

イザベラは3つ目の拳を放った直後に懐に飛び込まれるのを予想して蹴りを繰り出していたようだ。

 

俺は慌てて上体を後方に反らし、紙一重で蹴りをかわした。

 

…ちっ、ボクシングじゃないんだから拳だけなわけはないか。

 

俺は左に飛び、距離を取った。

 

 

――バキン!!!

 

 

俺の耳に何かが砕ける音が届いた。音の先には自身の剣を砕かれた木場がいた。ふと見ると、ライザーの騎士『ナイト』カーラマインの剣が炎に包まれていた。あの炎の剣で木場の剣を砕いたらしい。

 

…おいおい、得物なしで戦えるのか?

 

だが、俺の心配を他所に木場は…。

 

「―――凍えよ」

 

木場が低く呟くと、刀身を失った剣から氷の刃が現れた。

 

!? 何だありゃ? …そういや、以前に木場にも神器(セイクリッド・ギア)があると聞いたことがある。確か、魔剣創造『ソード・バース』だったか? あれがそうなのか。

 

その後も木場は様々な魔剣を生み出していく。なるほど。魔剣創造の名の通り、多種多彩の魔剣を生み出す能力か。

 

「余所見とは随分と余裕だな」

 

「っ!?」

 

気が付くと、イザベラが俺の眼前にまで接近していた。

 

 

――ガツッ!!!

 

 

「ぐっ!」

 

俺はイザベラが繰り出した蹴りをたたんだ腕を頭部に当て、何とか防いだ。

 

 

――ブォン!!!

 

 

さらに追撃の拳をかわし、再び距離を取った。

 

「あっぶねぇ…」

 

余所見は危険だ。こっちはこっちの相手に集中しよう。

 

「いい加減手を出してこい! キミの実力はこの程度ではないはずだ!」

 

 

――ブォン! ビュン! ブォン!!!

 

 

なおも攻撃の手を緩めずに連続攻撃を繰り出してくる。

 

「…そうだな。そろそろこっちからも仕掛けるか」

 

 

――バチン!!!

 

 

「!?」

 

俺は拳の1つを裏拳で弾いた。

 

「ふっ!」

 

 

――ガツッ!!!

 

 

「ぐっ!」

 

俺の拳がイザベラの頬を捉える。

 

「そっちの攻撃にはもう慣れた」

 

変則的な打ち方に最初は戸惑ったが、いくら軌道が複雑であっても結局は俺の身体に襲いかかるんだ。慣れればどうってことはない。

 

俺の言葉にイザベラは口元の血を拳で拭い…。

 

「ほう…、ならばこちらも全力でいかせてもらおう!」

 

 

――ビュン!!! ブォン!!! ブォン!!!

 

 

さらにスピードが増したイザベラの拳が俺に襲いかかる。

 

俺は身体を傾け、その拳をやり過ごし…。

 

 

――ゴッ!!!

 

 

「がはっ!」

 

全てかわした後に下から右拳を振り上げるようにしてイザベラの顎を打ち抜いた。

 

「くっ! まだまだ!」

 

 

――ビュン!!! ブォン!!!

 

 

イザベラはすぐさま体勢を立て直し、変則軌道の拳を振るう。

 

 

――バチン!!!

 

 

俺はその拳を叩き落とした。

 

「腕をしならせて打つと、軌道が複雑になる上にキレが増す。…だが、拳の質は軽くなっちまうからなんなく叩き落とせる」

 

 

――ガツッ!!!

 

 

「げほっ!」

 

イザベラの胸に掌打を打ち込む。

 

イザベラは後方に弾かれ、咳き込みながら胸を押さえた。

 

「コホッ! …強い。なるほど、初めてキミと会い見えた時に感じた悪寒はやはり本物だったか…」

 

イザベラはよろめきながら構えを取り…。

 

「だが負けん! 私はライザー・フェニックス様の戦車『ルーク』、主に勝利を捧げることが私の務めだ!」

 

 

――ドン!!!

 

 

イザベラが渾身の力を振り絞り、俺に飛びかかった。

 

 

――来る…。

 

 

この気迫。この一撃に全てを懸けるつもりだろう。あのライザーのために何故そこまで尽くすかはわからない。きっと彼女には彼女なりに尽くす理由があるんだろう。

 

「だが、こっちも負けられないんでな。その気迫と想いをへし折らせてもらう」

 

 

――ブォン!!!

 

 

俺はイザベラが繰り出した渾身の一撃を後方に倒れ込むようにかわし、倒れ様に右手で地面に手をつき、身体を支え、そのまま反動で左足でイザベラの顎を蹴り上げた。

 

 

――ドガッ!!!

 

 

「がはっ!」

 

顎を蹴り上げられたイザベラはその蹴りの威力で空中に跳ね上げられる。

 

俺は体勢を立て直し、足に氣を集中させ…。

 

「猛虎……蹴撃!」

 

 

――ドォン!!!

 

 

集めた氣を空中に飛ばしたイザベラに撃った。

 

 

――ドゴォォォォォン!!!

 

 

氣は身動きが取れないイザベラに命中した。直撃を受けたイザベラからは煙があがり、先ほどの小猫ちゃんのように徐々に透けていった。

 

「イザベラ。お前は弱くない。…だが、相手が悪かった。生憎と俺は拳法家とは戦い慣れているんだ。その昔。遠い昔に最強たる拳法家と幾度となく死闘を繰り広げたからな」

 

俺は昔の記憶を呼び覚ました。俺が今放った技の本来の使い手である傷だらけの武人のことを…。

 

「俺の勝ちだ」

 

『ライザー・フェニックス様の戦車『ルーク』1名、リタイヤ』

 

グラウンドにグレイフィアさんのアナウンスが響いた。

 

俺とライザーの眷属が1人、戦車『ルーク』との雌雄が決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





技の紹介コーナー…。


――猛虎蹴撃

足に氣を集め、蹴りと同時に虎に模した氣を相手に向けて飛ばす技。元ネタは、真・恋姫†無双の楽進こと凪の技。前世では、昴と楽進は師弟関係であったので、昴でも使える。

感想、アドバイスお待ちしています。

それではまた!
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