ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.20~不死鳥との激闘、限界突破~

 

 

 

昴side

 

 

――ドン!!!

 

 

足に氣を集中させ、大きく跳躍し、部長達がいる新校舎の屋上に飛び移った。

 

「!?」

 

屋上に飛び移り、俺の目に飛び込んできたものは、ライザーが撃ったと思われる炎を部長が魔方陣で受け止めている絵だった。

 

「ほら! もういっちょ!」

 

ライザーがもう一撃炎を部長に飛ばした。

 

 

――まずい! あれ以上の炎は部長でも無理だ! 後ろにアーシアがいるから避けることもできない!

 

 

俺は村雨に手をかけ…。

 

「食らい尽くせ、飛龍!」

 

 

――ドォン!!!

 

 

俺は部長に迫る炎目掛けて氣でかたどった龍を飛ばす。

 

 

――ボォォォン!!!

 

 

氣の龍と炎が激突すると、部長の目前で爆散した。

 

「あっ…」

 

部長が瞑っていたがおそるおそる目を開け、俺の姿を確認し、ポツリと声を上げた。

 

「お待たせしました」

 

俺は部長に笑顔を向けた。

 

「スバルさん!」

 

アーシアが歓喜の声を上げた。

 

良かった、アーシアに怪我はなさそうだ。部長もアーシアが治療のおかげで目立った怪我はない。だいぶ疲弊しているみたいだが…。

 

「あの時の下級悪魔の兵士『ポーン』か」

 

「よう。久しぶりだな」

 

互いに殺気を帯びた挨拶を交わす。そこに、俺と同じく屋上にやってきたライザーの女王『クイーン』がライザーの横に降り立った。

 

「ライザー様、私が兵士『ポーン』の相手をしましょうか? あの者はなかなかあなどれない実力を有しています」

 

そう言って女王『クイーン』がライザーの一歩前に歩み出たが、それをライザーが手で制す。

 

「いや、この兵士『ポーン』は俺を愚弄し、このゲームでも俺の可愛い下僕をたくさんやっている。リアス共々俺が相手をする。そのほうがこいつらも納得するだろうからな」

 

…ちっ、今の言葉、あくまでも絶対負けるはずがないという前提でほざいてやがる。他者から見ればライザーの心意気を讃えるかもしれないが、俺達からすればこんなのただの同情、憐み向けられたようなものだ。部長もそれを感じとっているらしく、ライザーの言葉に怒気を溢れさせている。

 

「アーシア。部長の回復が済んだなら安全なところに下がっていろ。アーシアは俺達の生命線だからな」

 

「…はい。わかりました」

 

アーシアは一瞬ためらう素振りを見せる。おそらく自分も共に戦いたいと考えたんだろう。けど、自分が戦闘では役に立たないとすぐに気づき、俺の言葉に素直に従って下がってくれた。

 

 

――よし、これでいい。

 

 

俺がアーシアが下がっていくのを確認し、視線をライザー達に移したその時…。

 

「きゃっ!」

 

俺の後ろからアーシアの悲鳴が聞こえた。俺が慌てて振り返ると、アーシアが足元の魔方陣に捕らわれていた。

 

「その僧侶『ビショップ』の回復は封じさせてもらった。あまり長引いても興ざめなんでな」

 

ふと見ると、向こうの女王『クイーン』の指先が光っていた。

 

なるほど、あいつの仕業か。見たところ、アーシアを傷つけたり、苦しめたりする代物ではなく、ただ単純に動きを封じるだけのものみたいだな。それならいい。

 

俺は部長のすぐ傍まで歩み寄り、ヒソヒソ声で部長に話しかけた。

 

「部長。部長はあの女王『クイーン』と戦ってください。ライザーは俺が引き受けます」

 

「えっ?」

 

部長が俺の提案に驚きを隠せない様子だった。だが、すぐにさっきまでの険しい表情に戻った。

 

「ダメよ。ライザーとは私が戦うわ。あなたが行きなさい」

 

「部長」

 

「ライザーは…ライザーだけは私が直接討たなければ気が済まないわ。私達のことをこうまでバカにして…! いいわね、ここは私に任せて」

 

部長がそう言うと、ライザーに向かって飛び出そうと前に出た。俺はすかさず部長の腕を掴み、それを止めた。

 

「部長!」

 

「離しなさい!」

 

部長は俺を睨み付け、腕を振り払おうとする。

 

「部長、落ち着いてください!」

 

「私は落ち着いているわ! いいからその手を離しなさい!」

 

「ダメです! それではこのゲームには勝てません!」

 

「私の命令が聞こえないの!? いいからその手を――」

 

「――いい加減にしろ! リアス・グレモリー!」

 

「っ!?」

 

俺は思わず叫んでいた。

 

「今のあなたは純血悪魔のグレモリーでもなければただのリアスでもない、グレモリー眷属の王『キング』なんだぞ! そんなあなたが私情で冷静さを失ってどうするんだ!」

 

「!? 私は…」

 

俺の言葉に部長は顔を強張らせる。

 

「良いか、王というのは如何なる事情、如何なる状況であっても氷の如く頭を冷やし、冷静に最善の選択を選ばなければならない。カッとなって突っ込むのは愚の骨頂だ」

 

「…っ」

 

「俺達眷属は、あなたの命令通りに動く。それが如何なる困難を伴う命令であっても、たとえ、死ぬことになったとしてもだ。あなたの選択、言葉は眷属の命運を分けるもの。決して感情だけで動いていいものじゃない」

 

「あっ…」

 

部長が俺の言葉に目を見開いた。抵抗していた腕は今では大人しい。

 

「すいません。俺は眷属にあるまじき言葉をあなたに吐きかけました。如何なる罰も受けます」

 

俺が頭を下げて謝罪すると、部長は首を横に振った。

 

「いいえ、あなたが謝ることではないわ。私が軽率だったの。あなた達眷属は私のために戦ってくれたというのに。ホント、主失格だわ。ごめんなさい、昴」

 

逆に部長が俺に謝罪をした。部長が謝る謂れもないことだが、今はそれよりも…。

 

「とりあえず、頭の方は冷えましたね? それでは、作戦ですが、部長はさっき言った通り、あの女王『クイーン』と戦ってください。理由は、まず、ライザーが俺達を1人で相手をすると言った言葉に嘘はないでしょう。けど、俺達がライザーを窮地に追いやってもなおあの女王『クイーン』がその命令に守る可能性はまずないでしょう。もし横槍を入れられればかなりの痛手を被ります」

 

「ええ、そうね」

 

「部長に戦ってもらう理由ですが、あの女王『クイーン』は魔力を武器に遠距離で戦う魔術師タイプ。刀を使っての近接戦闘を主とする俺では相性があまりよくありません。勝てないこともありませんが、それではかなりの体力を消耗し、手傷も負うでしょうし、それまでに部長がライザーに討たれてしまう可能性もある。けど、同じ魔力で遠距離で戦う部長なら、滅びの力を有する部長なら俺よりも遥かに容易く討つことができます。部長が女王『クイーン』を早々に討てば晴れて後顧の憂いもなくライザーと二対一で戦えますし回復役のアーシアも復活できる。この状況を作り出せれば勝率はかなり上がります。ですから、部長は女王『クイーン』を討ってください」

 

「…現状ではそれが一番勝率が高そうね。わかったわ。女王『クイーン』は私が早々に撃破(テイク)するわ。あなたはそれまでライザーをお願い」

 

「任せてください。そうと決まれば、行きましょう」

 

「ええ!」

 

俺達はライザー達に振り返った。部長は手に滅びの魔力を集め…。

 

 

――ドン!!!

 

 

女王『クイーン』目掛けて撃ちこんだ。

 

 

――バチィィィッ!!!

 

 

女王『クイーン』はその行動に驚くも前面に防御魔方陣を展開してそれを防いだ。

 

「女王『クイーン』ユーベルーナ! 私があなたの相手をするわ!」

 

部長はそう告げて再びその手に滅びの魔力を集めた。相手の女王『クイーン』は一瞬呆気にとられたかのような表情を浮かべるもすぐさまさっきまでの嘲笑を浮かべ…。

 

「せっかくライザー様がチャンスを与えてくださったというのに…。いいでしょう。ならば私が直接引導を渡してさしあげましょう」

 

部長と向こうの女王『クィーン』は黒い翼を広げ、空に羽ばたくと、魔力による砲撃戦を始めた。

 

 

――これでいい…。

 

 

…だが、部長はさっきまでのライザーとの戦いでかなり消耗している。負けはしないだろうが、勝つことも容易くないだろう。援軍は、ないものと考えた方がいい。つまり…。

 

俺はライザーに振り向いた。

 

こいつは俺1人で片付ける覚悟が必要だってことだ。

 

ライザーはかなり不機嫌そうな顔を浮かべている。

 

「何の真似だ? 俺は1人でお前達の相手をすると言ったはずだが。俺が吐いた言葉を違えるような恥知らずだとでも思っているのか?」

 

「お前の言葉を信用してないわけじゃない。だが、お前の女王『クイーン』はお前が窮地に陥ってもなお、その命令を忠実に守り続けるような愚物なのか?」

 

俺の言葉にライザーは嘲笑を浮かべ始めた。

 

「はっ! それはないな」

 

「そういうことだ」

 

「違う、勘違いするな。俺がないと言ったのは俺が窮地に陥るというところだ」

 

「なら、今すぐ追いつめてやるよ。プロモーション、女王『クイーン』」

 

俺がそう唱えると、身体中に力が溢れてきた。

 

 

――よし、これで準備は終わった。

 

 

俺は村雨を正眼に構えた。

 

「フハハハッ! なら俺は、その淡い幻想ごと消し炭にしてやるよ!」

 

 

――ゴオオッ!!!

 

 

ライザーが手に炎を発現させ、俺に向けて撃ち放った。

 

「はぁ!」

 

 

――ブォフ!!!

 

 

俺は飛んできた斬り裂き、ライザーへと突っ込んだ。

 

「おら!」

 

 

――ゴオオッ!!!

 

 

ライザーは俺に飛び込まれる前にもう一度炎を発現させ、撃ってきた。俺はその炎を肩越しにかわし、すぐさま距離を詰め…。

 

 

――ズシャッ!!!

 

 

ライザーの胸を上から斬り付けた。

 

「まだまだ!」

 

 

――ズシュッ!!! ズシャッ!!!

 

 

さらに追い打ちをかけるように胸を十字に斬り裂く。

 

「ちっ! 小癪な真似を!」

 

 

――ブォン!!!

 

 

ライザーは拳を振るう。俺は上体を前に倒してそれを避け…。

 

 

――グシュッ!!! ザシュッ!!!

 

 

起き上がり際にその腕を斬り落とし、さらにライザーの横をすり抜けると同時に脇腹を斬り裂いた。

 

「無駄だ!」

 

「っ!?」

 

ライザーはまったく異に返さない様子で背後に回り込んだ俺に拳を振るった。

 

「ちっ!」

 

俺はその拳を飛んで避けると、村雨を上段に構え…。

 

「ふっ!」

 

振り下すと同時に氣の斬撃をライザーに飛ばした。

 

 

――ブォシュッ!!!

 

 

ライザーのその飛ばした斬撃をもろに直撃し、脳天から真っ二つになった。だが…。

 

「無駄だと言っているだろう?」

 

すぐさま復活をしてしまった。

 

ちっ! 並みの奴なら何回死んでんだよ。これが不死身か。正直、気が遠くなる。ちまちま傷を負わせてもすぐに再生しちまう。もっと威力のある攻撃をもっと速く、間髪を入れずに撃ちこまないと。

 

 

――チン!!!

 

 

俺は一度村雨を鞘に戻し、地面に着地し…。

 

「斬月」

 

 

――ブン!!!

 

 

抜刀と同時に氣の斬撃を飛す。

 

 

――ドン!!!

 

 

飛ばすのと同時にライザーに突っ込む。俺はグングン加速し、先ほど放った斬撃に追いつき…。

 

 

――ザシュッ!!! ブシュッ!!!

 

 

ダブルの斬撃でライザーを4つにする。

 

「おぉぉぉぉっ!!!」

 

 

――ザシュッ!!! ザシュッ!!! グシュッ!!! …!!!

 

 

俺は4つに分かれたライザーをさらに細切れにしていった。

 

 

――これなら…っ!?

 

 

突如、俺の眼前に炎の揺らめきが現れたかと思うと、そこから手、そして腕が形成された。

 

 

――ゴオオッ!!!

 

 

「くっ!」

 

その形成された手に炎が発生し、俺に発射された。それをすんでのところで上体を後方に倒してかわした。

 

「ちぃ!」

 

 

――ブシャッ!!!

 

 

さらに上体を倒し様に村雨を斬り上げ、再生しようとしているライザーの胴体を斬り裂いた。

 

「この!」

 

 

――グワァシャ!!!

 

 

俺はライザーの胸に拳を突き刺し、心臓を握りつぶす。

 

「これで――くそっ!」

 

 

――ボワッ!!!

 

 

ライザーの身体に炎に包まれる。俺は慌てて後方に飛び去り、距離を取った。

 

「…」

 

後方に着地すると、ライザーの身体がどんどん再生し、元の姿に戻ってしまった。

 

「無駄だ無駄だ。お前じゃ俺には勝てんよ。いい加減に諦めろ」

 

嫌味な顔を浮かべながらライザーが再生を完了していく。

 

「黙れ。不死身以外に何も取り柄がないくせに偉ぶるな」

 

くそ! また復活しやがった。ったく、嫌になるぜ…。

 

「全くしつこいな…、いいぜ。なら教えてやる。不死身の本当の恐ろしさをな。…来いよ」

 

ライザーが指をクイックイッとさせ、俺を挑発する。

 

言われなくても行ってやるよ。

 

俺は村雨を脇構えにし…。

 

 

――ドン!!!

 

 

一気にライザーとの距離を詰めていった。

 

「…」

 

ライザーは動きを見せない。攻撃にも、回避にも転ずる素振りを見せない。

 

何の真似だ?

 

 

――グゥワシャッ!!!

 

 

俺の村雨がライザーの脇腹に食い込む。村雨はそのまま胴を突き抜け、真っ二つになる……と、思いきや…。

 

 

――ズシュッ!!!

 

 

村雨が胴の真ん中を通過したところでライザーが自分の腕で村雨の進行を阻んだ。

 

「ようやく、止まったな」

 

ライザーがニヤリと笑う。

 

 

――まずい!!!

 

 

俺は村雨を離し、距離を取ろうと試みたが…。

 

 

――パシッ!!!

 

 

「っ!?」

 

ライザーがもう一方の手で村雨を持っていた俺の腕を掴みあげた。

 

「普通なら相討ちは引き分けだ。だがな、不死身を相手に相討ちをするということは即ち……負けだ!」

 

 

――ゴオオオッ!!!

 

 

「ぐわあぁぁぁーーーーっ!!!」

 

掴んだ腕から炎が発生し、それは灼熱となって俺の身体を包み込んだ。

 

「そのまま灰になれ! 小僧!」

 

ライザーはさらに炎を威力を強める。

 

「ぐっ…こ……の…!」

 

 

――ザン!!!

 

 

俺は焼き尽くされる前に右脚に氣を集中させ、俺の腕を掴みあげてるライザーの腕を切断した。

 

 

――ダン!!!

 

 

そしてすぐさまライザーと距離を取った。

 

 

――シュゥゥゥッ…。

 

 

ライザーの手が離されると、俺を包んでいた炎は消えたが、俺は身体の至るところに大火傷を負った。

 

「くそ…」

 

俺はそのダメージによりその場に膝を付いた。

 

「これで理解しただろ。もうお前に勝ち目はない。最初はお前のスピードに少々驚かされたが、それももう身体で覚えた。何だったら何度でもその腕を掴んでやるぞ?」

 

クククッと嘲笑を浮かべ、腹に刺さっている村雨を引き抜き、地上へと投げ捨てた。

 

…最悪の手だな。不死身ならではの戦法だ。これをやられたら俺はお手上げだ。

 

「諦めろ。お前達はよく戦った。ここで投了(リザイン)してもなんら恥ではない。もともと条件が違うんだ。正直、お前達が眷属をフルに揃え、経験を積んでこのゲームに臨んでいたら結果はまた違っていたかもしれない。だがこのゲームの勝敗はもう決まった。もう詰み(チェックメイト)だ。早くリアスに宣言させろ」

 

ライザーが俺に敗北宣言を薦める。

 

 

――これは無理だな…。

 

 

俺とこいつとでは相性が悪い…いや、最悪過ぎる。

 

接近戦を挑めば、また掴まれて今度こそ終わりだ。だからといって遠距離戦は無駄に氣と体力を消耗するだけだ。

 

「勝てない……か…」

 

 

――勝てっこないな。

 

 

……俺の命を削らなければな…。

 

奥の手はある。だが、できればこれは極力使いたくなかった。文字通り、命を削りかねないし、下手すれば命と引き換えになる。まあ、死ぬことは覚悟してこの戦いに臨んではいたが、俺が死ねばアーシアや部長は悲しむことになる。だから使いたくなかった。……しょうがないな。

 

俺は焼け焦げた制服のブレザーを脱ぎ捨てる。

 

「フゥー…」

 

俺は大きく息を吐いた。

 

「氣功闘法…最終奥義――」

 

俺の周りに風が集まり始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――七星閃氣…、廉貞、解放」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――コオオオオ…。

 

 

俺の身体から緑色の光が天に昇り、そして俺を包み込んだ。

 

 

――ドォォォォッ!!!

 

 

そして俺の身体を激しく光らせ、俺の身体に膨大な力が溢れてきた。

 

 

――ブチィッ…。

 

「くっ…」

 

発動させた直後、俺の身体の筋肉の一部が千切れる音がした。それと同時に激痛が俺を襲う。

 

 

――七星閃氣…。

 

 

それは氣功闘法の最終奥義。一時的にあらゆる者を圧倒する力を得ることができる。七星とは夜空に輝く北斗七星のこと。その名の通り、7段階に分けて力を解放する。1の星の貪狼から7の星の破軍まで順々に。星は7に進めば進むほどより強い力を得られる。だが、進めば進むほど身体にかかる負担も激しく、7の星まで行ったらその者は死ぬ。

 

 

――ブチィッ…。

 

 

また1つ筋肉が千切れる。

 

やっぱり、久しぶりに使った上に、悪魔になって肉体に大きく変化したせいか、前世に使用した時より負担が激しい。もたもたしてたら先に俺がくたばっちまう。だから速攻で勝負を決める!

 

「行くぞ…」

 

俺がポツリと呟く。

 

「お前…いったい何を――」

 

 

――バキィィィッ!!!

 

 

ライザーが俺の変化に戸惑い、何かを言いかけたが、俺はそれを言い終える前に地を蹴り、ライザーに飛び込み、ライザーを殴り飛ばした。

 

 

――ドコォォォン!!!

 

 

ライザーは猛スピードで吹っ飛び、後ろの壁に激突した。

 

「ぐっ!」

 

身体がまた1つ悲鳴をあげる。

 

「まだまだ、これからだ」

 

「くそ! 何だ貴様のこの力は!」

 

壁から這い出てくる。

 

 

――ドン!!!

 

 

それを確認し、すぐさまライザーに突撃した。

 

 

――ドゴン!!!

 

 

俺はライザーを殴り飛ばす。ライザーはグラウンド方向に吹き飛んだ。

 

「っ!」

 

 

――ドン!!!

 

 

俺も同時にその後を追い、吹っ飛んだライザーに追いつき、両手を組みながら頭上に掲げ…。

 

 

――ズゴン!!!

 

 

振り下し、ライザーは地面に叩き落とされる。

 

 

――ドォォォォォン!!!

 

 

ライザーは地面に激突する。グラウンドはライザーを中心にクレーターができあがる。

 

「オォォォォォッ!!!」

 

 

――ゴォン!!!

 

 

俺はさらに追撃をかける。地面に叩き落としたライザーに落下のスピードを利用し、そのままの腹に拳をぶちこんだ。

 

 

――まだまだぁっ!!!

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・!!!」

 

 

 

 

――バキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッ・・・!!!

 

 

 

 

倒れるライザーの上に立ち、力の限りの拳を乱打でぶちこんでいく。

 

身体の筋肉や神経が次々とブチッと切れ、ついには鮮血まで飛び散っていく。

 

 

――負けねえ! たとえ命を削ろうともなぁ!

 

 

 

 

――バキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッバキッ・・・!!!

 

 

 

 

糧になる敗北もある。だが、得なければならない勝利もある! もてよ! 俺の身体ぁっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

リアスside

 

昴の提案通り、私は女王『クイーン』と戦っている。けれど、思った以上に私の疲弊は激しく、勝負は長期化している。早く、昴の援護に…。

 

 

――ドコォォォン!!!

 

 

「っ!?」

 

大きな爆音が私の耳に響き渡る。音の方向に視線を移すと、黄金の光に包まれた昴がライザーを圧倒していた。

 

昴にはまだあんな力が、けど…。

 

先程から昴の様子がおかしい。時々顔を歪ませているし、何より、昴の身体からは血が噴き出している。

 

 

――状況はわからない…。

 

 

でも、これだけはわかる。昴はとても危険な力を使っている。もしかしたら、命さえも捨て去ってしまうような力を…。

 

「ライザー様!」

 

ライザーの女王『クイーン』のユーベルーナが私を無視してライザーに向かっていく。

 

「っ!? 待ちなさい!」

 

私が慌てて後を追う。

 

「邪魔よ!」

 

 

――ボォン!!!

 

 

「くっ!」

 

ユーベルーナは得意の爆発を私に放った。私はなんとか防御魔方陣で防いだけれど…。

 

「っ!? しまった!」

 

 

――いけない! ユーベルーナを行かせてしまった!

 

 

私もすぐさま後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

昴side

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ…!!!」

 

俺は一心不乱にライザーを殴りつけていく。

 

まだまだだ。俺が限界を向かえるのが先か、ライザーの精神が潰れるのが先か、勝負!

 

俺が拳を振り上げたその時…。

 

 

――ガチィ!!!

 

 

「っ!?」

 

俺の身体に何かがしがみ付き、俺をライザーから引き剥がした。

 

「ちぃ! 女王『クイーン』か! 無駄だ! お前ごときでは俺は止められ――っ!?」

 

俺が振り払おうとした時、女王『クイーン』の身体が赤く光り始めた。

 

「やらせない。あなたにライザー様はやらせないわ! 私と一緒に、消し飛びなさい!」

 

「くそ! てめ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ドゴォォォォォォォォォォン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺を中心に大きな爆発が発生した。爆炎は天にまで昇っていき、1本の炎の柱を創った。

 

『ライザー・フェニックス様の女王『クイーン』1名、リタイヤ』

 

アナウンスがうっすらと聞こえる。

 

「がはっ! ……く…そ……、自爆…しやがった…」

 

近距離で大爆発をくらったせいでもう身体が…、リタイヤ寸前だ。

 

俺は激痛と焼けるような火傷を負った身体に鞭を打ち、何とか立ち上がろうとする。

 

「ったく、ユーベルーナの奴、余計な真似を…だが、今回ばかりは責められないか…」

 

声がする。その声の持ち主はライザーだ。復活し終えたライザー…。

 

「ぐっ!」

 

俺は膝立ちのままライザーを睨みつけた。

 

「正直、お前を侮っていた。下等の転生悪魔と蔑んだことは訂正してやる。認めてやるよ。俺の対等の敵としてな」

 

ライザーが俺のもとまで歩み寄る。

 

「御剣昴……だったな? 俺はお前を認める。だから敬意を持ってお前にトドメを刺してやるよ!」

 

 

――バキィッ!!!

 

 

「がはっ!」

 

俺の顎を蹴り上げられた。俺は後ろに仰向けで倒された。

 

もう視界もぼやけ、意識も途切れ途切れ。身体からは激痛が走り、指一本動かすのも辛い。

 

 

――グイッ!!!

 

 

ライザーが俺の襟首を掴みあげ、無理やりに俺を宙に浮かせた。

 

「いたぶったりはしない。この一撃で終わりにしてやる」

 

ライザーはもう片方の手で拳を作った。

 

「これからも支えてやれ。このライザー・フェニックスの妻のリアスをな」

 

「っ!?」

 

 

――プチン…。

 

 

その時、その言葉を聞いて俺の中の何かが切れた。

 

『たとえ甘えだと言われても、私はグレモリーを抜きとして、私を愛してくれる人と一緒になりたいの。私の小さな夢よ』

 

部長は以前にそう言った。

 

 

――何……やってんだよ、俺…。

 

 

俺は部長のために戦うと誓ったはずじゃないか。なにこんなところでボーっとしてんだよ!

 

俺は悲鳴をあげる身体に鞭を打ち、震える手で俺の襟首を掴みあげているライザーの腕を掴んだ。

 

「もうよせ。お前はよくやったよ。これ以上は――『か…つ…』――あん?」

 

俺は手に力を込める。

 

「勝つ…部長と……約束したから・・・。絶対に勝つ。たとえ…命と、引き換えでも…!」

 

俺は閉じかけていた目を大きく見開き、ライザーを睨み付ける。

 

「武曲…解…放ぉっ!!!」

 

 

――コオオオオオ…。

 

 

再び俺の身体に力が溢れてきた。先ほど以上の強い力が…。

 

 

――ドォォォォッ!!!

 

 

俺の身体が激しく緑色の光が包みだす。

 

 

――ブチィィィィィッ!!!

 

 

「ぐぅっ!」

 

俺は俺を掴みあげているライザーの腕を握りつぶした。

 

「オォォォォォッ!!!」

 

 

――バチィィィィィッ!!!

 

 

空いている手でライザーを思いっきり殴り飛ばした。ライザーは目にも止まらない速度で吹っ飛んでいった。

 

 

――ブチッ!!! ブシュゥゥッ!!!

 

 

その瞬間、俺の筋肉は裂け。血が噴水のように噴き出した。

 

「命を削るなんて甘えたことは言わねぇ…。命と引き換えにしてでもお前を倒す!」

 

俺はさらに溢れる力を取り込んでいく。それと同時に身体はどんどん壊れていく。

 

「ダメよ! 昴、これ以上は!」

 

部長の声が耳に響く。

 

大丈夫。絶対に勝つから。そこで待っていてくれ。

 

「お願い! もうやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





技の紹介コーナー…。


――飛龍…。

刀に氣を集め、集めた氣を龍の形にして相手に飛ばす技。氣を刀に集めたまま、そのまま相手に叩き込むバージョンもある。


――七星閃氣…


七星とは北斗七星。氣功闘法の最終奥義であり、貪狼から始まり、巨門、禄存、文曲、廉貞、武曲、破軍の順に7段階分けて身体から氣を開放する。上に向かえば向かうほど大きな氣を開放出来るが、身体にかかる負担も上に行けば行くほど大きくなる。破軍を開放すると、一時的に神をも凌ぐ力を手に入れられるが、その代償に死に至ってしまう。

簡単に説明すると、NARUTOの八門遁甲みたいなものです。

感想、アドバイスお待ちしています。

それではまた!
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