ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.48~とある夏休みの一日、グレモリー眷属との一日~

 

 

 

――ジリリリリリリッ!!!

 

 

「ん…」

 

けたたましく鳴る目覚まし時計。

 

「朝か…」

 

俺は時刻を確認すると、ベッドから身体を起こす。

 

「うにゅ…」

 

俺の横に眠るアーシアの頭をそっと撫で、自室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

時刻は早朝4時過ぎ。

 

俺は洗面所で顔を洗い、駒王学園指定のジャージに着替えると、庭へと向かった。

 

外はようやく日が昇り始めたばかりなのでまだ薄暗い。

 

俺は身体をほぐすために準備運動を始める。

 

「やあ。早いね」

 

屈伸運動をしていると、木場が俺と同じく駒王学園指定のジャージ姿でやってきた。

 

「お前もな。まだ約束の時間にはなってないぜ」

 

駒王協定締結後、早朝に集まって一緒にトレーニングをしようという話になった。(今までは各々でやっていた)

 

「うん。僕もトレーニングをする前に身体をほぐしておきたかったらね」

 

そういうと、準備運動を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

時刻は4時半。

 

準備運動も終わり、身体もいい感じに暖まってきた。

 

「おや、2人共早いな」

 

ちょうどその時にゼノヴィアがやってきた。やはり、ジャージ姿だ。

 

「集合時間ギリギリだぞ?」

 

「すまない。だが、遅刻はしていないぞ?」

 

「でも、僕達はもう準備運動を終えてしまったよ」

 

「それなら問題ない。ここに来るまでにもう身体は充分にほぐしてある」

 

ふと見ると、額に僅かながら汗をかいており、ほんのり蒸気も出ている。

 

「なるほど、準備万端というわけか。それじゃ、始めるか」

 

俺はグッと身体を伸ばしながら2人に言った。

 

「まずは何から始めるんだい?」

 

「俺達みたいな武器を持っての戦闘型はやっぱり、基礎体力がものを言う。ここはシンプルに走り込みだな」

 

「どこまで走るんだ?」

 

ゼノヴィアが俺に尋ねる。

 

「普段は学校があるからそう遠くには行けないが、今はもう夏休みだ。とりあえず…」

 

俺は北を指差し…。

 

「あっちに向かってひたすら走る」

 

「ふふっ、わかりやすくていいな」

 

「大雑把だね」

 

ゼノヴィアは笑顔を、木場は苦笑気味に呟いた。

 

「それじゃ、行くぞ。ちゃんと付いてこいよ。来れれば…だけどな」

 

 

――ドン!!!

 

 

俺は一気に加速をし、北に向かって走り始めた。俺に続き、木場もゼノヴィアもその後に続いた。

 

(注)ちなみに、3人の走るペースは、とてもマラソンを走るスピードではなく、傍から見たら相当に常軌を逸しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

――3時間後…。

 

 

「はぁ……はぁ…」

 

「はぁ……くっ!」

 

木場とゼノヴィアは肩で大きく息をしている。

 

「ふぅ……、うん、いい汗掻いたー!」

 

北をひたすら走り続け、県をいくつか越えた辺りで折り返し、スタート地点である俺の家の庭まで戻ってきた。

 

「き、君は…、毎日……この距離をこんなペースで走って…いるのかい?」

 

「ん? まあな」

 

日によってメニューを連続ダッシュに変えたりもしてるがな。

 

「あ、侮っていた。…君の強さは、この弛まない努力で成り立っていたのだな…」

 

ゼノヴィアは両ひざに手を付きながら呟くように言う。

 

「最初はきついだろうけど、そのうち慣れるだろうよ。…さて、シャワー浴びて朝食にでもするかな」

 

俺は両手首、足首に付けていた錘を外し、その場に放り投げた。

 

 

――ドォォォォン!!!

 

 

「「っ!?」」

 

錘は地面に接触と同時に爆音と砂埃が舞った。

 

これは、以前に合宿した時に付けていた錘だ。部長に頼んで再び作成してもらった。

 

俺は首をコキコキ鳴らし、肩を回しながら自宅に向かっていく。

 

「…遠いね。昴君は」

 

「…そうだな。どんどん背中が遠くなっていく気がするよ」

 

木場とゼノヴィアは溜め息を吐きながら呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

――シャー…。

 

 

俺はすぐさま風呂場に向かうと、衣服を洗濯籠に放り込み、冷たいシャワーを浴びた。

 

「ふぅ……汗を掻いた後のシャワーは格別だな」

 

俺は小さな幸せを感じながら全身にシャワーを浴びていた。

 

「あらあら。トレーニングご苦労様ですわ」

 

「どうも」

 

「御一緒致しますわ」

 

「そうですか………………ん?」

 

慌てて振り向くと、そこには朱乃さんの姿があった。当然、その身には何も纏っていない。

 

「あらあら。とても引き締まっていて、思わず見とれてしまいましたわ」

 

 

――プニュン♪

 

 

朱乃さんが俺の背中にピトッと抱きついた。俺の背中にその大きな胸が接触する。

 

「あー、朱乃さん、その……少しばかり時間を…。まだ、汗が流せてないので汚いですよ」

 

俺はしどろもどろになりながら離れてくれるように促した。だが、朱乃さんは離れるどころか、頬を俺の背中にこすり付けてきた。

 

「ふふっ。汗は汚いものではないですわ♪」

 

「いや、やっぱり…、朝から……というのは、どうかと…」

 

俺は手を開いたり閉じたりしながら理性と戦い続ける。

 

 

――ガララ…。

 

 

風呂場の戸が開けられる。

 

「おや? どうやら先を越されたみたいだな」

 

 

――新たな来訪者が…。

 

 

やってきたのは、先ほど一緒に鍛錬をしたゼノヴィアだった。そのゼノヴィアがこの状況を救ってくれることもなく…。

 

「ふむ……細見に見えて、それでいて筋肉に無駄がない。なるほど、限りなく戦闘に特化させるべく鍛えぬいているのだな」

 

と言いながら俺の身体に触れてくる。すべすべしたその手が俺の身体を伝う。

 

「……お前はもう少し、恥じらいというものを…!」

 

朱乃さんとゼノヴィア。2人の素肌が俺の身体を這いずる。理性が徐々に悲鳴を上げてきている。

 

 

――誰か、誰か俺を救ってくれ!

 

 

俺はただそう願った。その願いは…。

 

「スバルさーん。タオル持ってきましたー!」

 

そこにアーシアがやってきた。

 

………やばくね? もし、この状況をアーシアに目撃されたら…。

 

「あ、ああ、ありがとう。タオルはそこに――」

 

俺はなんとかアーシアに気付かれないように脱衣所から出ていってもらおうと試みた。

 

「アーシアちゃん。タオルはそこに置いてくれればいいですわ」

 

俺の言葉を遮り、朱乃さんが答えてしまった。

 

「っ!?」

 

 

――ガララ!

 

 

アーシアは勢いよく風呂場の戸を開いた。俺に裸で抱きつく朱乃さんとゼノヴィアの姿を目撃し、涙目になりながら目を見開いた。身体をワナワナと震わせ…。

 

「わ、私も一緒に入ります! 仲間外れはずるいです!」

 

そう言って衣服を脱ぎ捨て、風呂場へと乱入した。

 

その後、どうなったかは……語りたくないなぁ……はぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

時刻は昼下がり…。

 

朝に真ピンク(?)な珍事があったが、何とかお昼を迎えることができた。

 

昼食後、腹ごなしの散歩へと繰り出した。

 

公園にへと足を運ぶと、設置されているベンチに座ってアイスを舐めている小猫ちゃんを発見した。

 

「よう」

 

「昴先輩。こんにちは」

 

アイスを舐めながらペコッと頭を下げた。

 

俺はベンチの横に設置されている自販機でお茶を購入し、小猫ちゃんの横に座った。

 

「いやー、今日は暑いな」

 

「そうですね」

 

外は快晴。セミがジリジリと至るところで鳴り響き、気温は30度を超えており、夏日と言っても過言ではない。

 

「小猫ちゃんも散歩か?」

 

「はい。今はちょっと休憩中です」

 

「もうすっかり夏だな」

 

「そうですね。セミがうるさいです」

 

「…」

 

「…」

 

とまあ、こんな感じに会話を進めていく。基本的に会話が長続きがしない。

 

…うーん。まだ、小猫ちゃんのことをよく理解できてないな。

 

半ば、日向ぼっこをしながら2人で並んでベンチに座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

しばらく無言でベンチに座っていると…。

 

 

――トス…。

 

 

「ん?」

 

俺の肩に小猫ちゃんがもたれかかってきた。ふと見ると、小刻みに胸を上下させながら寝息を立てていた。

 

「寝ちまったのか」

 

陽の位置が変わったことにより、俺達の座るベンチにちょうど木陰が差し掛かる位置になり、若干涼しくなっていた。

 

「ま、いろいろあったもんな」

 

俺はそっと小猫ちゃんの頭を撫で、ひざの上に小猫ちゃんの頭を乗せてあげた。

 

「スー…スー…」

 

俺のひざを枕にスヤスヤと寝息を立てる小猫ちゃん。

 

「ふふっ」

 

こうしてみると、名前のとおり子猫みたいだな。

 

俺は小猫ちゃんの寝顔を鑑賞しながら安らかなひと時を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

 

 

「ん…」

 

夕陽がちらちらと見えかかった時分に小猫ちゃんが目を覚ました。

 

「おはよう。小猫ちゃん」

 

「うにゅ……っ!」

 

小猫ちゃんは眠気眼に目をこすり、少し経つと、ハッとしたように俺のひざから身体を起こした。

 

「私、寝てました?」

 

「ああ。グッスリ2時間ほどな」

 

俺がそう言うと、恥ずかしそうに俯いた。

 

「お、起こしてくれればよかったのに…」

 

「悪い悪い。あまりにも気持ちよく眠ってたもんだから起こすのが気が引けてな。可愛い寝顔だったぜ」

 

「// 昴先輩、時々意地悪です…」

 

プイッとそっぽを向いてしまった。

 

「随分と疲れているみたいだな」

 

「その……荷物をまとめるのに手間取ったので」

 

「荷物? ……ああ」

 

そういえば、近々、小猫ちゃんも俺の家に来るんだったけな。

 

「そうか。部屋の準備はもうできてるから、いつでも来いよ」

 

「お世話になります」

 

小猫ちゃんはペコッと頭を下げた。

 

その後、暫し話をした後…。

 

「私はそろそろ帰ります」

 

「そうか。なら、俺も帰るとするかな」

 

俺と小猫ちゃんは同時にベンチから立ち上がった。

 

「それじゃ、またな」

 

「昴先輩、さようなら」

 

俺は手を振り、小猫ちゃんを見送ると、帰路に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ※ ※ ※

 

 

帰り道…。

 

背中に荷物を抱えた見覚えのある人影が。

 

「重そうな荷物だな、ギャスパー」

 

「あっ、お兄ちゃん!」

 

そこには、野菜をたくさん積んだ篭を背負ったギャスパーの姿があった。

 

「トメさんのところに行ってたのか?」

 

「はい! 今日は野菜の収穫を手伝ったんです。それでお礼にってこんなにたくさんくれたので、今からお兄ちゃんのお家にお裾分けに行くところだったんですよ」

 

そう言って、嬉々とした表情で俺に篭を見せてきた。中にはキュウリやらナスやらトウモロコシやらがたくさん入っていた。

 

ふと見ると、ギャスパーの顔や衣服には、畑で付いたと思われる土や泥が付いていた。

 

ギャスパーは時間さえあればトメさんのところの足を運んでいるようだった。

 

「そうか。よく頑張ったな。俺も今から帰るところだから、一緒に行こう。ついでに俺の家で汗と泥を綺麗にしていけよ」

 

「はい!」

 

ギャスパーは俺に続いて自宅へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

その夜…。

 

ギャスパーのお裾分けによる野菜をふんだんに使い、彩り豊かな夕食を済まし、夜の悪魔の活動を行った。

 

その後、鍛錬として、木場とゼノヴィアと手合せをした。

 

結果は俺の優勢で終わったが、木場の上達は著しく、何度か危ない場面があった。

 

手合せには禁手こそ使わないが、正直、そろそろきつくなってきた。おそらくは、この夏休み次第では、もう禁手抜きでは戦えなくなるかもしれない。

 

一方、ゼノヴィアは、それほど苦も無く制することができた。

 

これは、ゼノヴィアが弱いわけではなく、単純に相性の問題だ。とにかく力押しで先の先を狙うゼノヴィアにとって、技で後の先を取る俺とは噛み合わないのだろう。

 

俺や木場みたいなタイプが敵で現れたらゼノヴィアは苦戦は免れないだろうな。

 

これは今後の課題だな。

 

しばらく手合せをした後、鍛錬を終えると、風呂場で汗を流し、疲れを取った。

 

その後、部長達と談笑をしながら過ごし、その日は就寝ということになった。

 

自室に戻り、いざ就寝……と思ったのだが…。

 

部屋の扉が開かれ、部長がやってきた。

 

「どうしました?」

 

部長はすでに部屋着に着替えていた。部長は笑みを浮かべ…。

 

「もう休むのでしょう? 私もそうするところよ」

 

俺のベッドへと上がり込んできた。

 

「えっと、部長?」

 

「いらっしゃい、昴…」

 

部長が手招きをする。

 

これはつまり…。

 

「いやその……さすがにこれは―――」

 

「来なさい、昴」

 

強めにそう言われ、おそるおそるその言葉に従う。

 

ベッドに上がり、部長の隣に並ぶと、部長が俺の首に両手を回し、自身の胸に引き寄せた。

 

「……むぎゅぅ」

 

「うふふ…」

 

これにはいつまで経っても慣れそうにない。

 

俺は、部長の体温と甘い香り、そして、柔らかい身体を感じながら床に伏せることになったとさ…。

 

そんな、夏休みの穏やかな一日が終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





以上で、第四章終了です。

次回、第五章が始まります。

感想、アドバイスお待ちしています。

それではまた!
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