ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.56~パーティー、窮屈な宴と再会~

 

 

 

部長とグレモリー眷属が2週間ぶりに再会を果たした。

 

俺や、俺と同じく、外で修行をしていた木場とゼノヴィアは一度シャワーを浴びにいき、着替えを済ましてから俺に宛がわれた部屋へと集合した。

 

何故俺の部屋? とも考えたが、まあいいやと深くは考えなかった。

 

全員が俺の部屋に集まると、それぞれがこの2週間強あまりの期間の修行内容を話し始めた。

 

木場、ゼノヴィア、アーシアと、修行内容を話していき、最後に俺の修行内容の発表となった。

 

と言っても、俺の場合、タンニーンと力、気力、体力の限り戦いまくっていただけなので、説明はすぐに終わった。

 

『…』

 

説明を終えると、皆は黙り込んでいた。というか、引き攣った顔をしていた。

 

「も、元龍王で、転生悪魔の中でも最強クラスのタンニーン様と6日間不眠不休で…」

 

「もはやでたらめな強さだな…」

 

木場とゼノヴィアが冷や汗を流しながら呟く。

 

「あ、あの、ここ最近地震が頻繁にあったんですけど、それって…」

 

アーシアがそう尋ねると、同じく集まっていたアザゼル先生が嘆息しながら答えた。

 

「ああ。こいつの砲撃とタンニーンの火の息がぶつかった際の振動だろうよ。ったくよ、昼夜問わずドンドンやりやがるからおかげで俺は寝不足だよ」

 

アザゼル先生は俺を親指で差し、心底げんなりした様相で言ってきた。

 

「そりゃ、失礼。でも、その甲斐あって、身体能力は格段に向上しましたよ」

 

「どのくらい、禁手形態を維持できそうだ?」

 

「今なら、2週間は維持できると思いますよ」

 

俺の回答に満足がしたようで、アザゼル先生はニヤリと笑った。

 

「上出来だ。20日弱でそこまで成長出来りゃ言うことはない。他の奴も成果はあったみたいだしな。…おし! それじゃ、報告会はこれで終わりだ。明日はパーティーだ。これで解散するぞ」

 

アザゼル先生のこの一言により、報告会はお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌日の夕刻、俺は駒王学園制服に袖を通し、客間に待機していた。

 

度重なるタンニーンとの激闘で昨日はヘロヘロだったが、昼食前まで熟睡したら疲労は全て吹き飛んでいた。

 

女性陣はパーティーの準備のためにここにはいない。木場とギャスパーも用事があるということで席を外している。

 

しばらく待機していると、客間に来訪者がやってきた。

 

「…よう、匙。どうした、こんなところに?」

 

「会長の付き添いだよ。リアス先輩と一緒に会場入りするらしいからな。会長は先輩に会いに行っちまったから、仕方なく屋敷をうろうろしていたら…」

 

「ここに来たってわけか」

 

「そういうことだ」

 

匙は俺から少し離れた席に腰掛けた。

 

「ゲーム、もうすぐだな」

 

「ああ。随分強くなったみたいだな」

 

前に会った時よりも身に纏うオーラが濃い。

 

「そりゃな。鍛えまくったからな」

 

「俺もそれなりにな。楽しい修行だったぜ」

 

「あっ? 何だそりゃ? お前、まさかずっと遊んでたんじゃないだろうな?」

 

「山でドラゴンとひたすらバトってた」

 

「…そ、そうか(それを楽しいっていうこいつの感覚は…)」

 

何やら匙の顔が引き攣っていたが、特に追及はしてこなかった。

 

「御剣。先月、若手悪魔が集まった時の会長の語った夢、覚えているか?」

 

「もちろん覚えてるぞ。下級、転生悪魔が分け隔てない学校を作る、だろ?」

 

「ああ」

 

匙は正面を向き、真剣な表情を取った。

 

「俺達は本気だ。俺はな、その学校で、その……せ、先生になるのが夢なんだ!」

 

匙は顔を真っ赤にしながら言った。

 

「先生……なるほど、レーティング・ゲームを教える先生か。いいんじゃないか。立派な夢だ」

 

「だろ!? 悪魔業界も少しずつ差別や伝統なんかが緩和されてきたけど、まだまだ受け入れられない部分もある。だから、レーティング・ゲームの学校も上級悪魔の貴族しか受け入れられていない。現魔王様達はゲームは誰にも平等でなければならないとお決めになられた。それなのに下級悪魔の平民には教えが受けられないのはおかしいだろ!?」

 

匙は時折感情を高ぶらせながら話していく。

 

「会長はそれを何とかしたいって言ってた。そのために会長は人間界でも勉強を欠かしてない。夢を実現させれば、スポットが当たらなかった者達に可能性を与えることもできるんだ!」

 

…そうか。名門の上級悪魔の跡継ぎがなぜ人間界の学校に通っていたのか。部長の理由は以前に聞いたが、会長はひょっとすると、駒王学園で学校というもののシステムを学びたかったのかもしれないな。

 

「だからこそ、俺は先生になる。いっぱい勉強して、戦って、会長と一緒に夢を叶える。俺は、会長の傍でずっと支え続けるんだ!」

 

声高らかにそう宣言する匙。そこに、いつもの匙元士郎の姿はなかった。

 

「頑張れよ。俺は応援するぜ」

 

これは俺の心からの言葉だ。だが、道は果てしなく険しいだろう。とりあえず、あの上役達の持つ意識をどうにかしないと、前途多難だろうな…。

 

「ありがとな! …ところでよ、お前の夢って何なんだ?」

 

「俺の夢?」

 

「ああ。やっぱり、リアス先輩が言ってた、レーティング・ゲームの各大会で優勝することか?」

 

レーティング・ゲームの各大会で優勝、それは、若手悪魔が集まった時に部長が語った夢だ。

 

「そうだな……部長の夢を叶える事が最初の目標かな」

 

「最初の?」

 

「ああ。それは、あくまでも部長の夢だからな。…匙、この世界には、ありとあらゆる神話体系があって、その数だけ神仏が存在しているのは知っているだろ?」

 

「? …ああ」

 

匙は、俺に言っていることの意図は掴めていない様相だったが、とりあえず返事をしたみたいだ。

 

「けどな、神話同士、睨みあっていたり、場合によっちゃ、争いなんかも起きているが常だ。つい最近までの悪魔と天使と堕天使みたいにな」

 

「…」

 

「俺の夢はな、何十年、何百年、それこそ、俺の寿命を全て費やしても足りないかもしれないが、その神話体系の者達同士が、三大勢力のように手を結び、協力し合って、そして、笑いあえる世界を…。それを創るのが俺の夢だ」

 

俺の望む夢だ。途方もない、それこそ幻想とも言える淡い夢。

 

それを聞いた匙は言葉を失っている。

 

「どうした? 笑い飛ばしてくれていいんだぜ?」

 

「…笑えねえよ。それがお前の夢なんだな。…すげぇ夢だ。俺の夢なんか、それに比べたら……いや、比べるまでもないほどの小さい夢だな」

 

「バーカ。人の夢に大きいも小さいもねぇよ。その大きさはどれも等しいものだ。叶えた者は偉大だし、そうでないものはただの妄言家だ。実際、言うだけならタダだしな」

 

「でもよ、不思議とお前が言うとハッタリに聞こえねぇよ。何か、ホントにやっちまいそうな気さえもするよ」

 

「ハハハッ! もちろん、そのつもりだがな。だがまあ、差し当たっては、次のゲームだ。…匙、お前達同様に、俺達も負けられないんだ。結果、お前達の夢が遠ざかることになろうとも、勝たせてもらうぞ」

 

それを聞き、匙はニカッと笑った。

 

「望むところだ。勝つのは俺達だ」

 

互いが不敵な笑みを浮かべ、睨みあった。

 

「昴、待たせたわね。あら、匙君も来ていたのね」

 

そこにちょうど、艶やかなドレスを身に纏った部長と会長。それと、部員の面々がやってきた。

 

髪を結い、化粧を施しているため、その姿はとても魅力的だ。普段は和装を好む朱乃さんも、今日は西洋風のドレスを着ている。アーシアと小猫も同様だ。

 

ただ、唯一引っかかるのが…。

 

「ギャスパー、何故お前までドレスなんだ?」

 

「だ、だって、ドレスの方が可愛いんだもん」

 

…こいつの女装癖も筋金入りだな。

 

その時、軽い地響きと共に何かが庭に飛来する重い音が響いてきた。

 

そして数分後、執事の方がやってきた。

 

「タンニーン様とその眷属の方々がいらっしゃいました」

 

執事の先導のもと、庭に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「約束通り、来たぞ。我が友昴よ」

 

「ありがとな。タンニーン」

 

庭には、タンニーンを始め、10体ほどのドラゴンがいた。早速皆はドラゴンの背に乗り、パーティー会場に向かった。

 

ドラゴンはかなりのスピードで飛行しているのだが、背中に特殊な結界を張ってくれたため、飛行中は髪や衣装が一切乱れることはなかった。

 

ドライグも、初めてのドラゴンの上からの景色にテンションが若干上がっていた。

 

会場までの移動中、タンニーンとたくさん話をした。

 

タンニーンが悪魔に転生することになった経緯や、理由。後は、ドラゴンアップルのことなどを聞いた。

 

話しを聞いて、改めて、タンニーンと対等の無二の友になれたことに誇りと喜びを感じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

1時間程飛行すると、パーティー会場である超高層高級ホテルが見えてきた。

 

広大な森の中に存在するそのホテルは、街1つがそのまま納まりそうな程の規模だった。

 

離陸後、タンニーンは大型悪魔専用の待機スペースに向かっていった。

 

俺達は、ホテルの従業員に連れられ、高級リムジンに乗り込むと、パーティー会場に出発した。

 

「そういえば、アザゼル先生は?」

 

「あの人は別ルートでお兄様達と合流してから向かうそうよ。すっかり仲良しなんだから…」

 

ハハッ、あの人らしいと言えばらしいな。

 

嘆息していた部長だが、すぐさま、真剣な面持ちとなった。

 

「さっき、ソーナに宣戦布告されたわ。『私達の夢のためにあなた達を倒します』って」

 

「…匙も言ってましたよ。『先生になる』と。決意と覚悟が入り混じった瞳で」

 

「…それでも、私達は勝つわ。たとえ相手が誰であれ、私達には私達の目標があるのだから」

 

「もちろんです。簡単に道を譲ってやるほど、俺達は甘くはないですよ」

 

向こうは全力でくる。それも死にもの狂いで。だったら俺達はそれに全力で応え、その上で勝つ。

 

そうこうしているうちにリムジンは会場に到着し、俺達はホテル最上階の大フロアに向かった。

 

会場内に足を踏み入れると、天井に大きなシャンデリアが釣り下がったきらびやかな広間があった。そこには大勢の悪魔と豪勢な料理の数々が。

 

「昴、挨拶回りに行くわよ。一緒に来なさい」

 

「Yes,my lord(仰せのままに)」

 

俺は少々テンションが上がっていたので、流暢な英語で返事をした。そんな俺を見て、部長は口を尖らせながら言った。

 

「…もう! とにかく、ちゃんと挨拶するのよ」

 

俺は部長の後に続き、上級悪魔の面々に挨拶回りへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

結局、フロアをぐるっと1周し、一通り挨拶回りを終えたところでようやく解放された。

 

あー、普段使わない言葉遣いと振る舞いをすると疲れんな…。

 

俺はアーシアとギャスパーのいるフロアの隅っこの椅子に腰掛けた。

 

部長と朱乃さんは遠くで女性悪魔と話している。木場はっと……いた。女性悪魔に囲まれてんな。心なしか、気疲れしているような…。

 

「スバル、アーシア、ギャスパー、料理を持ってきた。食え」

 

ゼノヴィアが両手いっぱいに料理を運んできた。

 

「サンキュー、ゼノヴィア」

 

「ありがとうございます、ゼノヴィアさん。こういうの初めてなんで疲れました…」

 

アーシアはぐったりしていた。ギャスパーも、この人の多さにげっそりしている。

 

俺はその料理の1つをいただく。やっぱ美味い。

 

にしても、すごい悪魔の数だよな~………ん?

 

何やらこっちを睨んでいるドレスを着た女の子の姿が目に入った。あの子は確か…。

 

「お、お久しぶりですわね、赤龍帝」

 

「ああ、久しぶりだな。レイヴェル・フェニックス」

 

そうだ。この子はかつての部長の婚約者であった、ライザー・フェニックスの妹のレイヴェル・フェニックスだ。

 

「な、名前を覚えていていただいたのですね! …ごほん! 良い心構えですわね」

 

レイヴェルは一瞬歓喜したかと思ったら、すぐさまツーンとした表情を取った。

 

「自己紹介をしてくれたらな。……兄のライザーは元気か?」

 

兄のライザーの事を尋ねると、レイヴェルは小さく溜め息を吐いた。

 

「…あなたのおかげですっかり塞ぎこんでしまいましたわ。敗北と、リアス様を取られたことがよほどショックだったようです。ですが、才能に頼って驕っているところがありましたから、これも良い勉強になったはずですわ」

 

手厳しいことだな。確かに、ゲームの時も、俺との一騎討ち時も、不死身に頼りきった感じだったからな。

 

「と、ところで赤龍帝…」

 

「待った。赤龍帝と呼ばれるのはあんまり好まないんだ。俺には御剣昴という名前がある。呼ぶなら名前で呼んでくれ」

 

俺がそう言うと、レイヴェルの表情が驚いたかと思うと、今度は嬉しそうな表情に変わった……ように見えた。

 

「お、お名前で呼んでもよろしいのですか?」

 

「ああ」

 

「で、では、遠慮なく、スバル様と呼ばせていただきますわ」

 

「様はいらないんだがな…」

 

「これは大事なことです!」

 

と、声高々に言うレイヴェル。

 

 

――わからんなぁ…。

 

 

そこにまた見覚えのある女性がやってきた。

 

「レイヴェル。旦那様のご友人がお呼びだ」

 

この人は確か、ライザーの眷属の戦車『ルーク』のイザベラだったな。ライザー眷属の中でも指折りの実力者の1人だ。

 

「わかりましたわ。…それと、スバル様、以前にスバル様に贈っていただいた花束ですが、コーティングして大事に飾らせていただきましたわ」

 

…花束? ……ああ。

 

「皮肉たっぷりに贈った花束なんだがな…」

 

「す、捨ててもよろしかったのですが、花には罪はありませんもの。…今度お会いしましたらお茶でもいかがかしら? わ、私でよろしければ、手製のケーキをご、ご用意して差し上げてもよろしくてよ?」

 

「ああ。その時を楽しみに待たせてもらうよ」

 

俺がそう答えると、レイヴェルは満面の笑みを浮かべ、ドレスの裾をひょいと上げ、一礼して去っていった。

 

「やあ、御剣昴」

 

代わってイザベルが話しかけてきた。

 

「久しぶり、イザベル。ゲームの時以来か」

 

「あの戦いは私にとっては忘れられない戦いとなったよ。キミの武勇伝も聞いている。コカビエルを追いつめ、更にはあの白龍皇を退けたとか。キミが強くなれば、私も鼻が高い」

 

「白龍皇については次やり合ったらどうなるかわからないがな。…イザベルはレイヴェルの付き添いでここに?」

 

「そんなところだ。あの子はライザー様と同じくらい掴みどころのないところがある。…婚約パーティーでの一戦以来、レイヴェルはキミの話しばかりしているよ。ライザー様との戦いがとても印象的だったのだろう」

 

あの一方的な無限コンボをした戦いがねぇ…。

 

「家に泥を塗った形になったからな。大方、文句が大半だろ?」

 

「むしろ、逆なんだがな。それはいずれわかることだろう」

 

「? よくわからんが、まあいいか。レイヴェルに、お茶とケーキ、期待しているぞって伝えといてくれ」

 

「ああ。伝えておくよ。レイヴェルもきっと喜ぶだろう」

 

「その時はイザベルもな?」

 

俺はウィンクしながら言った。

 

「ふふっ。レイヴェルがOKしたらな。さて、私はこれで失礼する。良い宴を」

 

イザベル手を振りながらこの場を離れていった。

 

「お兄ちゃん、今の方は?」

 

ギャスパーが俺の隣にまで聞いてきた。

 

「ん? ああ。前にレーティング・ゲームをしたのは聞いてるだろう? その時の対戦相手の1人だ」

 

「ふわぁ…、お兄ちゃんって、悪魔の交友が多いんですね」

 

ギャスパーが目をキラキラさせながら言ってきた。

 

そこまで多いとも思えないんだがなぁ……ん?

 

その時、俺の視界に小さな人影が映った。

 

それは小猫ちゃんだ。

 

小猫ちゃんは、ひどく慌てた様子でパーティー会場を出ようとしている。察するに、何かを追いかけているようにも見える。

 

「悪ぃ、ちょっと席を外すわ」

 

俺はアーシア達に一言告げ、小猫ちゃんを追いかけた。途中、誰かが俺の横に並んだ。

 

「どうしたの? 突然会場を飛び出して」

 

部長は俺の横に並びながら尋ねてきた。

 

「部長。……いえ、小猫ちゃんが何かを追いかけるかのように飛び出していったんですが、その様子が少しおかしかったので」

 

「…それは、気になるわね。良いわ。私も一緒に行くわ」

 

小猫ちゃんはエレベーターに乗り込むと、下へと降りていった。

 

「ちっ! 隣は……ダメだ。下で止まってんな。待ってたら小猫ちゃんを見失っちまう。…仕方ない。部長。少しの間、失礼します」

 

「きゃっ!」

 

俺は部長にそう告げると、俺は部長のヒザ裏に左腕を通し、部長をお姫様抱っこで抱き上げると、横の大きな窓の奥のテラスから飛び降りた。

 

「ちょ、ちょ、昴! …もう、大胆なんだから//」

 

部長は顔を赤らめ、俺の頬に手を当てながら言った。

 

部長ならわざわざ抱き上げなくても問題はないんだが、部長は今身に纏っているのはドレスなので、そのまま飛び降りると下から下着が見えてしまう恐れがある。それを避けるための処置だ。

 

俺は、部長をお姫様抱っこしながらグングン地上に降下していく。

 

「それにしても、俺が会場を飛び出したことによく気付きましたね?」

 

俺がそう尋ねると、部長はニコリとしながら…。

 

「当然でしょ? だって私は――」

 

俺の唇に人差し指を当て…。

 

「――常にあなたのことを見ているんだから」

 

そんな、嬉しいことを言ってきた。

 

俺はすぐさま減速を開始し、地上ギリギリで止まり、着地した。

 

小猫ちゃんの気配は………見つけた。外に向かってるみたいだな。

 

俺は部長を下ろそうとしたら…。

 

「す、昴。も、もう少しこのままでもいいわよ…」

 

部長が目を躍らせながらそんなことを言ってきた。

 

「ふふっ……Yes,my lord(仰せのままに)」

 

俺は何も聞かず、そう答えると、部長を抱き上げたまま小猫ちゃんを追いかけていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

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