ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.6~悪魔のお仕事、悪魔のお仕事?~

 

 

 

「こんばんわ~、深夜の郵便で~す」

 

時刻は深夜、俺は夜の街を駆けまわっていた。理由はチラシ配りである。

 

俺が今、大量に持っているチラシには『あなたの願いを叶えます!』という謳い文句と共に何やら魔方陣が描かれている。欲のある人間がこのチラシを手にとって願いを込めると、部長以下グレモリー眷属が召喚される。

 

召喚された後はその者の願いを叶え、願いに見合った代価をもらうという仕組みらしい。

 

「次は~、1キロ先の一軒家か」

 

俺は手に持った携帯欲深い人探知機を頼りに次々ポストに投函していく。

 

「おーし、しゅぱーつ!」

 

 

――ドン!!!

 

 

俺は家の屋根に飛び移り、最短距離をもって目的地に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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悪魔に転生し、数日間トレーニングを兼ねてチラシの投函を続けていた。闇の住人である悪魔だけに夜限定で力が増大するみたいだ。

 

逆に光はやばいらしい。朝の日差し程度なら慣れれば平気になるらしいが、とても強い光…、以前に三下(スーツの堕天使)が投擲してきた光の槍はやばいらしく、まともに喰らうと大ダメージなんだとか。避けて正解だったな。

 

そして学生生活→悪魔の生活をしばらくこなしていった。

 

とある日。授業が終わり、今日も悪魔のお仕事をするために部室のある旧校舎へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「おはようございまーす」

 

俺が挨拶しながら入ると、すでに全員集結していた。

 

「来たわね」

 

部長(リアス・グレモリーにそう呼ぶように言われたので)が俺が来たのを確認すると、朱乃さん(そう呼んで良いと言われたので)に何やら指示を送った。

 

「はい、部長。昴君、魔方陣の中央に来てください」

 

俺は言われるがまま魔方陣の中央に向かった。

 

「昴、チラシ配りはもういいわ」

 

「というと?」

 

「今日から本格的に悪魔として始動してもらうわ」

 

「ついに俺も契約取りに参加という訳ですか?」

 

「ええ、そうよ。手始めに、小猫に予約契約が2件入ってしまったの。両方行くのは難しいから、片方はあなたに任せるわ」

 

「よろしくお願いします」

 

ペコリと頭を下げる小猫ちゃん。

 

俺もとうとう悪魔デビューか。…腕が鳴るな。

 

朱乃さんが詠唱をし、俺の刻印を魔方陣に読み込ませている。

 

「昴、手のひらをこちらに出してちょうだい」

 

俺が手を出すと、部長が俺の手のひらに指で魔方陣をなぞっていく。その後、部長から契約に際してのレクチャーがなされた。そして全ての準備が終え…。

 

「それでは、準備はいいわね?」

 

「問題ありません」

 

「それならいいわ。じゃあ、行ってきなさい!」

 

部長の声を合図に魔方陣が光りだす。俺は右手の人差し指と中指を束ね、それを額に当て、瞬間移動をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

光が治まると、そこは部室ではなく、とある一室だった。

 

「き、君は?」

 

目の前には痩せ形の男が居た。俺は右手を胸に当て…。

 

「お初にお目にかかります、悪魔グレモリーの使いの昴です」

 

「……チェンジ」

 

「いや、それは勘弁してください」

 

シャレの通じない依頼者だった。

 

「僕は小猫ちゃんを呼んだんだが…」

 

「すみませんね、あの子人気がすごいんで…」

 

「うーん、かわいい系のお願いを契約チラシ願ったんだけど…」

 

依頼主は渋い顔をしながら唸った。

 

「まあまあ、俺もかわいい新人悪魔ですから、それで1つ納得してください」

 

「……チェンジ」

 

「いやいや、それは勘弁してください」

 

こんな形で契約オシャカにするにはごめんだ。

 

「え~っと…『森沢だ』はいはい、森沢さんはちなみに小猫ちゃんを呼んで何のお願いを?」

 

よくよく考えれば俺は小猫ちゃんの代理なんだから、俺が代わりにこなせば問題ないはず。

 

「これを着させようと思って」

 

取り出したのは女子高生の制服だ。

 

「これは短門キュの制服だよ」

 

「あ~」

 

そういや、松田と元浜が前に話してような気がするな。

 

「君は短門は知っているかい?」

 

「ん~、詳しくは…」

 

俺がそう言うと、森沢さんは残念そうな表情を浮かべ…。

 

「そうか…、それは残念だ…、僕はこれを小猫ちゃんに着てほしかった」

 

ガクッと項垂れる依頼主。それほどまでにこの制服を…、しゃあない、一肌脱いでやるか。

 

「そう落ち込まないでください。代わり俺が着ますので…」

 

「ふざけるな! 何故男の貴様になどに……ふむ」

 

突然、鬼の形相を浮かべたと思ったら何やら思案顔を浮かべ、俺の頭のてっぺんからつま先まで見渡し、1人納得すると…。

 

「男の娘もありか(ボソッ)…いいだろう、着てみろ」

 

「…」

 

冗談だったんだがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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俺は森沢さんの風呂場の洗面所を借り、言われたとおり制服に袖を通した。

 

「これでいいか?」

 

俺は着替えを終え、束ねていた髪留めを外して森沢さんの前に出た。

 

「…」

 

森沢さんは呆気にとられている。

 

「森沢さん?」

 

「……(プルプル)」

 

俺は心配になって声をかけると森沢さんの身体がプルプルと震え出し…。

 

「いかん! 目覚める! 目覚めてしまう! 俺には男の娘属性などぉぉぉぉぉっ!」

 

いきなりガンガン床に頭を打ち付け始めた。

 

「落ち着いてください! 血! 血ぃ出てる!」

 

俺は羽交い絞めにして森沢さんを止めた。しばらくジタバタした後大人しくなり…。

 

「頼む! お姫様抱っこしてくれ!」

 

「はぁ! するならまだしも、何故される側に!?」

 

「頼む! 後生だ!」

 

森沢さんは究極の土下座した。

 

「あー分かった分かった!」

 

俺は森沢さんを担ぎ上げた。

 

「感無量だ…」

 

すると森沢さんの瞳から涙が溢れ出した。

 

…こんな事でいいのか。わざわざ悪魔呼んでこんな事で…。まあ依頼主が喜んでるからいいか。

 

「つ、次はこれを着てお姫様抱っこしてくれ!」

 

取り出したのはメイド服。

 

……とんだデビューとなったな。

 

俺のファッションショー+お姫様抱っこの夜が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「ただいまー」

 

部室に戻るとそこに居たのは部長だけで、他は帰ったらしい。

 

「おかえりなさい、契約の方はどうだったの?」

 

「まあ、つつがなく、はい、おみやげです」

 

ドン! と、縦横高さ50センチ程の箱をテーブルに置いた。

 

「これは?」

 

「何でも、世界に3体しかないっていうナントカっていうアニメの限定フィギュアだそうです。報酬として貰いました」

 

部長訝しげにフィギュアを覗きこみ…。

 

「これ、何なの?」

 

「さあ? ただ、ネットオークションに出展したら軽く7桁の値が付くらしいですよ…、ふわぁぁぁ…」

 

俺は大きく伸びをしながら欠伸をし…。

 

「…いろいろと疲れた(主に精神が)んで今日はもう帰りますね」

 

「え、えぇ、お疲れ様」

 

俺は首をコキコキ鳴らしながら部室を出た。

 

…契約って大変だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌日の放課後…。

 

部長は満面の笑みを浮かべていた。

 

「昴、契約者からアンケートがきたわ」

 

アンケート? ……ああ、そういや、契約後、あのチラシにアンケートを書いてもらうことになってんだっけ。

 

「内容はなんと?」

 

部長がアンケートの書かれた紙を広げ…。

 

「……『最高でした。新しい自分に目覚めた気分です。サービスも多くてとても楽しかったです。次もまたいい契約をしましょう』……だそうよ」

 

「おお! なんと賞賛。これなら身体張った甲斐があったな」

 

俺のファッションショーが浮かばれる!

 

「最高のデビューよ。この調子で頑張りなさい」

 

「うす。頑張ります」

 

おーし、ガンガン契約を取っちまおう。次はもう少し悪魔っぽいのがいいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その夜…。

 

またもや俺の出動となった。

 

何でも今度は木場の予約契約が2件入ってしまったらしい。マニアックウケの小猫ちゃんと違い、木場の契約者ならまともだろう。

 

俺は期待に胸を膨らませ、魔方陣から契約者の元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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到着するとそこは少々広い屋敷のようだった。

 

「あら? 私は木場きゅんを呼んだつもりだったのだけど…」

 

目の前には契約者と思われる30代くらいの豪華な衣装を着た美人のマダムが立っていた。

 

「木場はあれで忙しい身でして、代理として私があなたの元へ馳せ参じました」

 

俺は手を胸に当てて挨拶をした。

 

ふむ、今回はこんな感じで行こう。

 

「あら、そうなの…、木場きゅんが良かったのに…」

 

契約者は残念そうな表情を浮かべる。

 

木場の御用達の依頼主なのか? えらくご執心だし。

 

そうかと思うと顔を上げ、俺の顔を凝視し…。

 

「…ふふっ、まああなたもなかなか…、良いわ、早速だけどこれに着替えなさい」

 

渡されたのは上質なスーツだった。

 

「…かしこまりました」

 

とりあえず言われるがままスーツに着替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「それで、あなたの願いは何なのでしょうか?」

 

俺はスーツを着て再び向かいあった。

 

「簡単よ。私をエスコートして楽しませなさい」

 

「…具体的には?」

 

「私、とても退屈なの。そしたらなんか変な魔方陣が描いてあるチラシを見つけて、それからこうやって悪魔って言うのを呼び出して遊んでいるの。楽しませてくれたら代価は渡すから私を楽しませてちょうだい」

 

……なるほど、俗に言う、暇と金を持て余した金持ちって訳だ。あんまり得意なタイプではないな。けど依頼主だからな。多分木場も苦労したんだろうなぁ……あれ? 前回の契約といい、もしかして面倒な依頼主を押し付けられてる? それは今度確認するとして今は…。

 

「なるほど、よくわかりました。それでは、ここでは何なので、外に参りましょう」

 

俺はそっと手を差しだし、マダムの手を取ると外に誘った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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正直、外に連れ出したはいいが、特にプランはなかったので俺の考える悪魔式のエスコートをした。

 

まず、マダムをお姫様抱っこをし、後は脚力にものを言わせて夜の街を駆け歩いた。まずは遊園地に行って閉園時間まで乗り物を乗り倒し、その後は高級そうなレストランで食事をし、最後は街にある一番高いビルの頂上に駆け登り、夜景を楽しんだ。最初はかなり悲鳴を上げられたが、次第に大人しくなり、最後には風景を楽しむ余裕が出来てたみたいだ。

 

当初は極限まで脅かして2度と悪魔の召喚をさせなくするつもりだったのだが、アテが外れてしまった。

 

結局、最後は屋敷まで送り、代価を貰い、そこで契約は終了となった。

 

はぁ…、悪魔ってもっと華やかなものだと思ったんだけどな…。

 

…にしても悪魔ってのはこんな契約毎日してんのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌日…。

 

部長から再び賛辞の声が。

 

依頼主も喜んでおり、しっかり報酬のいただいたので言う事なしだ。

 

今度は悪魔らしい契約を…。

 

「契約に呼ばれる相手は基本似通うからこれからもああいう依頼主が続くと思うよ」

 

と木場がスマイルを浮かべて言う…。

 

 

――マジかよ…。

 

 

俺はちょっと悪魔が嫌になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

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