ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.68~決死の覚悟、雌雄…~

 

 

 

――ボン! ボン! ボン! ボン…!!!

 

 

俺の周囲で数多の爆発が起こる。

 

カテレアの魔力の弾が俺を追撃する。

 

 

――ゴォォォォォッ!!!

 

 

間隙を縫って赤龍砲を発射する。

 

 

――バチィィィィッ!!!

 

 

カテレアは防御魔方陣を展開した。だが、ただ正面から受けるのではなく、少し角度を付け、軌道を逸らすようにして、赤龍砲を流した。

 

この方法なら本人にかかる負担は少なく、次の行動に移るのも早い。

 

さすがに、対応策を編み出すのが早い。

 

俺は絶えず動きまわっている。さっきから大量の魔力の弾が追尾してくるからだ。1発1発がかなりの威力を有しており、立て続けに喰らえばそれこそ消し炭になりかねない。

 

「ふっ!」

 

俺は空中へと跳躍する。

 

「逃がしません!」

 

当然、魔力の弾もついてくる。

 

さっきからこれの繰り返しだ。どうにか距離を詰めたいのだが、追尾してくる魔力の弾の数が多すぎて何度か接近を試みたものの、上手くはいってない。

 

しかもスピードもある。絶えず縮地を繰り返さなければたちまち追いつかれてしまう。

 

カテレアの布いた布陣は厄介で、自身の周囲に不規則に2割程の数の魔力の弾を旋回させ、接近されないようにしている。残りは俺の追撃。赤龍砲で弾き飛ばしてもその都度新たに魔力の弾を発現させている。

 

奴の魔力が尽きるまで赤龍砲で吹き飛ばし続けるのもいいが、それだと先にこっちがガス欠を起こす可能性がある。

 

やはり、カギは如何に距離を詰めるか、だ。

 

そのためには、カテレアの虚を再度突くしかない。

 

1つの奇襲はあくまでも通じるのは1度きり。今は機を待つ!

 

 

――カン!!!

 

 

空中縮地で魔力の弾をやり過ごす。

 

「っ!?」

 

移動した先に突如、魔力の弾が数発飛んできた。

 

「くっ!」

 

俺は咄嗟に上体を後ろの反らし、それをかわす。

 

「安心するのはまだ早いですよ!」

 

前後左右から新たに魔力の弾が飛来してくる。

 

「ちぃっ!」

 

俺はとにかく上体を動かし続けて飛来する魔力の弾をかわし続ける。

 

「これならどうです!」

 

 

――ドォン!!!

 

 

俺が魔力の弾に気を取られている間にカテレアが距離を詰め、至近距離で魔力を俺にぶつけてきた。

 

「ぐっ!」

 

俺は何とかそれを籠手で防いだが、その威力に押され、地面へと叩き付けれた。

 

「ふふっ、どうやら決着がついたみたいですね」

 

カテレアの嘲笑まじりの言葉が俺の耳に届いた。俺は起き上がり、辺りを見渡すと…。

 

「っ!? ……ちっ」

 

俺は思わず舌打ちをした。

 

俺の周囲を隙間なく魔力の弾が包囲していた。

 

「これだけの数、あなたに耐えられますか!?」

 

カテレアが一気に指令を出し、大量の魔力の弾が俺に向けて一気に降り注いだ。

 

 

――ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン…!!!

 

 

魔力の弾が全て激突し、俺がいた周辺の木々が全て吹き飛んだ。

 

「ふふふっ、アハハハハハッ! 勝った! ヴァーリすら敵わなかった赤龍帝に私は勝利した!」

 

勝利を確信したカテレアが声高々に高笑いを上げた。

 

 

――まだ、安心するのは早いんじゃないか?

 

 

俺は、魔力の弾が直撃する前に地中深くに潜り、土の中を移動していた。

 

種は撒いた。後は、実ってくれることを祈るのみ!

 

俺は、魔力の弾をかわしながら至るところにもう1つの神器であるブレイブ・ハートの武器をばら撒いた。

 

「(ドライグ、さっき伝えた通り、俺のオーラを散らばっているブレイブ・ハート達に伝達してくれ)」

 

『(面白いことを考える奴だ。…よし、注文通りにしたぞ。後はお前が普段赤龍砲を放つ要領で撃てば散らばった武器の先から赤龍砲が発射されるぞ)』

 

「(恩に着る)」

 

ブレイブ・ハートは俺自身の魂と深い繋がりがあるため、多少俺から距離が離れても赤龍帝のオーラを伝えることができる。だが、魔力の素養が乏しい俺では2~3メートル以上距離が出来ると上手くオーラを伝達することができない。そこをドライグにカバーしてもらった。

 

これで武器との距離の問題と照準の問題は解決できる。

 

チャンスは一瞬。煙がはれるまでが勝負。

 

…………今だ!!!

 

 

――ゴォォォォォォッ!!!

 

 

俺は指令を出し、赤龍砲を発射した。

 

 

――バチィィィィィィッ!!!

 

 

赤龍砲を防ぐ音が地中にまで聞こえてきた。

 

「思った通り、やられたふりをして仕掛けてきましたね。そのような小細工、お見通しです」

 

……やっぱり、さっきの高笑いは演技だったか。…だが、構いやしない。

 

俺は続けて指令を出して赤龍砲を発射した。

 

「っ!」

 

カテレアは多少面を喰らったものの、動じずにそれを防いだ。

 

あの様子を見るに、まだ俺の姿は捉えてはいないようだな。……頃合いだ。

 

俺は残りの武器全てにオーラを送った。

 

…………行け!

 

 

 

――ゴォォォォォォォッ!!!

 

 

 

残った全ての武器から一斉に赤龍砲が発射された。同時に俺も地中から飛び出した。

 

全身に赤いオーラを纏い、一目では赤龍砲と区別が付かないように装った。

 

「性懲りもなく――っ!?」

 

カテレアはすぐに目論見に気付いた。最悪のタイミングで。俺が地中からカテレアに飛び込むまではおよそ約1秒。この時間は俺の姿を捉えて迎撃できるギリギリの時間だろう。だが、カテレアは赤龍砲の中に混じっていた俺を発見したことで判断が遅れた。対応ができない。故に…。

 

 

――先の先を取れた。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

「ぐうっ!」

 

俺は村雨を発現させ、カテレアに抜刀と同時に斬り付けた。

 

胸を斬り付けられたカテレアは崩れ落ちるように地へと落下していく。

 

 

――いや、まだ浅い。

 

 

瞬時に身を反らしたのか、手応えが充分じゃなかった。だが、まだ終わりじゃない。

 

「ぐっ!」

 

案の定、カテレアは地面に落下する前に体勢を立て直した。

 

 

――カン!!!

 

 

俺は空中縮地でカテレアを追いかけた。

 

 

――バッ!!!

 

 

カテレアが迎撃すべく、魔力の弾を俺に向けて飛ばしてきた。

 

数が少ない。これなら耐えられる!

 

村雨を手放し、顔の前で腕をクロスさせ、そのまま突っ込んだ。

 

 

――バチバチバチバチバチ!!!

 

 

「ぐっ! …ぐくっ…!」

 

俺の腕や肩に爆発や衝撃が襲う。それと同時に激痛も襲う。

 

その甲斐があり、魔力の弾の郡を抜けた。

 

手に氣を集め、左回りに回転させた。

 

「旋氣掌!」

 

 

――ゴォッ!!!

 

 

「がぁっ!」

 

集めて回転させた氣を回転とは逆にねじり込みながらカテレアの腹にぶち込んだ。

 

 

――ドゴォォォォォン!!!

 

 

旋氣掌をもろに喰らったカテレアは勢いよく地面に落下した。

 

今度こそ、手応えありだ。

 

相性的には最悪の相手だった。向こうのペースで戦っていたら間違いなくやられていた。

 

俺はゆっくり地面に降り、落下したカテレアのもとに歩いていった。

 

「う……ぐ…っ! この――」

 

「――動くな」

 

近づく俺。それに反応するカテレアにすぐさま南海覇王の直剣を首筋に突きつけた。カテレアは膝立ちのまま動きを止めた。

 

「余計な動きをするなよ? すれば即座に首をはねる」

 

俺は睨みを利かせながら言った。

 

「……まさか、赤龍帝とはいえ、下級悪魔なんかにしてやられるなんて…!」

 

苦々しい表情でカテレアが呟く。

 

「下級だの、上級だの、戦いに身分なんて何の意味もなさない……と、俺は思うがね」

 

身分が高い奴はとりわけそういうのを気にする傾向があるな。

 

「……殺しなさい。投降するつもりは一切ありません。この手で世界の変革ができないなら、このまま死を選びます」

 

「世界の変革……ね」

 

そういえば、駒王学園に襲撃してきた時にカテレアがそんなことを言っていたと木場が言ってたな。

 

「あなたはこの世界を変えたがっているみたいだが、それはテロリストに身を落としてまでしなきゃならないことなのか?」

 

「当然です。今この世界に必要なのは変化です。腐敗した世界を浄化させるためには一度この世界を変革し、オーフィスをその世界の神となってもらい、その世界の『システム』と法と理念を私達で構築する。お前達のいる時代はもはや不要。終わらせなければならないのです」

 

世界の浄化、世界の変革、言ってることは壮大だな。だが…。

 

「なあ、カテレア。あなたは何のためにこの世界を変えたいんだ? この世界に住まうもののためか? それとも自分達のためか?」

 

「……何を言って――」

 

カテレアが怪訝そうな表情で呟く。

 

「世界はな、民がいて、民が集まって家族となり、家族同士が集まって国となる。王とは、その家族達を守るための存在だ。サーゼクス様をはじめとする現魔王様達は、その民を、悪魔の種を守るために天使や堕天使との戦いから身を引いた。あなた達旧魔王の末裔は何のために戦おうとしたんだ? 所詮は悪魔が頂点の世界を創りたいだけだろ? そんなもの、他の誰も望んでいない」

 

「他の望みなど関係ありません。決めるのはあくまでも魔王。それに従うのが悪魔です。悪魔は黙って我々に従っていればよいのです」

 

…ダメだなこれは。このヒトは自分のことしか考えてない。

 

「くだらない。そんなことだからあなた方は冥界の隅に追いやられたんだよ。戦争ってのはな、その先の平和のために行うんだよ。あなた方のしようとした事はただの侵略だ。独りよがりのな」

 

「っ! 黙りなさい!」

 

俺の言葉にカテレアが激昂する。

 

「あなた方のやっているのは子供の砂遊びだ。気に入らなければ壊し、新しく創る。けどな、国も民も砂ではない、皆、意思を持った1つの存在だ。そんなことすらわからない、理解しようともしないあなたはいなくなるべきだ。……だが」

 

俺は南海覇王をカテレアの首元から引いた。

 

「セラフォルー様は、そんなあなたを救おうとした。今でもあなたのことを想っている。あなたには、もうセラフォルー様の声が、想いは届かないのか?」

 

「……あんな裏切り者の卑怯者の言葉など、聞く価値もありません」

 

「……そうか」

 

残念だ。俺はカテレアの表面的な部分しか分からない。けど、セラフォルー様はカテレアの奥底の部分まで分かるんだろう。

 

俺は南海覇王を振り上げた。

 

セラフォルー様を匙に連れていかせたのは正解だったな。目の前でカテレアが死ぬところを目の当たりをしたら、セラフォルー様は自分を責め続けてしまうかもしれない。もし、カテレアに改心の心が残っていれば、セラフォルー様の言葉が届いていればと思ったが・・・。ここで俺が何を言っても無駄だろう。

 

「恨みはない。だが、あなたをこのまま生かしておくわけにもいかない。恨んでくれて構わない」

 

「…やりなさい。あなたにはその権利がある。所詮、テロリストの末路など、こんなものです」

 

カテレアの覚悟を決めた表情をした。

 

俺は振り上げた南海覇王をカテレアの首筋に振り下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ガギィン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

振り下した南海覇王は、突如カテレアの前に現れた氷の氷柱のようなものに阻まれた。

 

これはカテレアの仕業ではない。

 

俺は後方に気配を感じ、振り向くと、そこにはこちらに手のひらを向けたセラフォルー様と先程セラフォルー様を背負って下がった匙。それとアーシアと小猫と由良さん。それと、カッシュさんの姿があった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





技の紹介コーナー…。

――旋氣掌…。

手のひらに氣を集めそれを左回転に回転させ、氣の回転とは逆回転にねじり込みながら相手にぶち込む技。イメージ的には、NARUTOの螺旋丸にボクシングのコークスクリューブローを組み合わせた感じです。

感想、アドバイスお待ちしています。

それではまた!
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