ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.70~アザゼルの実験、昴の受難…その1~

 

 

 

夏休みを振り返るといろんなことがあった…。

 

部長の故郷である冥界へ行き、グレモリー家で豪勢の歓迎を受け、若手悪魔の会合があり、そこでソーナ会長率いるシトリー眷属とのゲームが決まった。

 

グレモリー眷属はそれぞれがより高見に昇るためにアザゼル先生の指導を受け、各々が修行へと向かっていった。

 

俺はそこで元六大龍王の一角であるタンニーンと時間を忘れてひたすら実戦形式の戦いを繰り返した。その甲斐もあり、俺はまた1つ高見に昇れ、タンニーンとも身分の差を超えた友になれた。

 

その後、シトリー眷属とゲームを行った。

 

当初はグレモリー眷属が圧倒的勝利をすると予想されていたのだが、ソーナ会長の知略が光り、思わぬ苦戦を強いられた。結果的に勝利を収めたものの、俺、ゼノヴィア、ギャスパーが撃破され、部長は評価を下げる結果となってしまった。

 

だが、悪いことばかりではなく、そのゲームで朱乃さんと小猫は自身の中に眠る自身が忌避する力を解放し、自身の力を受け入れることができた。

 

これを機に2人はまた成長していくことだろう。

 

しかし、良いことばかりではなく、大きな騒動もあった。

 

ゲーム前の超高層高級ホテルで開催されたパーティーで禍の団(カオス・ブリゲード)の美猴と、同じく禍の団(カオス・ブリゲード)に与している小猫の姉であり、はぐれ悪魔の黒歌がやってきて、そこにタンニーンを交えての戦いが繰り広げられた。

 

俺は黒歌と戦い、修行の甲斐もあり、退けることに成功した。

 

他にも、シトリー眷属とのゲームから数日後、悪魔界の生き字引と目されるカッシュ・マルバスさんと会談することとなった際、カッシュさんを拉致するために現れた旧魔王の末裔カテレア・レヴィアタンと激戦を繰り広げることとなった。

 

そこにセラフォルー様が加わり、事態はどんどん加速するように進んでいく。

 

最終的に俺がカテレアを降し、カテレアは禍の団(カオス・ブリゲード)から抜けると宣言して姿を消し、現政府と関わりを断っていたカッシュさんもこれを機に現政府に微力ながら参加することとなった。

 

とまあ、一夏の休みでいろんなことがありましたとさ。

 

カッシュさんの元からグレモリーの本邸に戻った翌日、部長の御両親に見送られながら俺達は人間界へと戻っていった…。

 

そして、人間界に戻って数日が経った8月30日。

 

新学期まであと2日となったある日、忌まわしい事件が起きた……。

 

 

side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「ついトレーニングに夢中で遅れてしまった」

 

ゼノヴィアがオカルト研の部室がある旧校舎へ向けて走っていた。

 

8月30日の午後からはオカルト研の活動(表向き)が行われる予定の日だ。ゼノヴィアはトレーニングに熱中するがあまり時間を忘れ、遅刻ギリギリ時刻となってしまった。

 

駒王学園の敷地に入ると、部活に勤しむ者、9月からの始業式の準備をしている者、学園を見回っている者(生徒会メンバー)等が視界に移った。

 

ゼノヴィアは脇目も振らず、旧校舎へと駆けていった。

 

「?」

 

旧校舎の前に辿り着くと、ゼノヴィアの視界に見知った人物の姿があった。

 

「スバル?」

 

旧校舎の前に立っていたのは御剣昴だ。

 

「どうした? 中に入らないのか?」

 

ゼノヴィアは怪訝そうな表情で尋ねた。

 

「…」

 

昴は何も答えず、ゼノヴィアの元へと歩み寄ってくる。

 

「?」

 

ゼノヴィアは昴の行動に頭に『?』を浮かべている。

 

「なあ、ゼノヴィア」

 

昴はゼノヴィアの傍まで歩み寄ると、スッとゼノヴィアの頬に手を当てた。

 

「な、なんだ…?」

 

突然の昴の行動にゼノヴィアは少々戸惑った。

 

「前に俺と子作りしたいって、言ってたよな?」

 

「? …ああ」

 

ゼノヴィアが頷くと、昴はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「だったら、これから俺と子作りをしないか?」

 

「!? 本当か!?」

 

昴からの思わぬ提案にゼノヴィアは歓喜する。

 

「どうしたのだ? 前はあんなに渋っていたのに…」

 

「あの時は俺はどうかしていたよ。こんな魅力的な女の子からの切実なお願いを断るなんてな」

 

「そ、そうか! スバルにそう言ってもらえると私も嬉しいぞ//」

 

ゼノヴィアは思わず顔を赤らめる。

 

「なら決まりだ。早速始めようか…」

 

昴は右手の指をゼノヴィアの内腿に這わせた。

 

「ん// …こ、ここで始めるのか?」

 

ゼノヴィアは艶やかな声をあげた。

 

「場所なんて問題じゃないだろ? 子作りは、男と女がいれば出来るんだから…」

 

触れた指がゆっくりと上昇し始めた。

 

「ん、くっ//」

 

ゼノヴィアは未だかつてない肌の感触に熱い吐息が漏れる。

 

「何も考えなくていい、黙って俺に身を任せていろ」

 

「…(コクリ)」

 

ゼノヴィアは黙って頷いた。

 

昴の顔が徐々にゼノヴィアの顔に重なろうとしている。

 

「(ついにスバルと子作りができる…。なんだろう、とても心地いい…。何も考えられない……いや、考える必要はない。このままスバルに身を任せてしまおう…)」

 

ゼノヴィアはあまりの突然の出来事と快感に脳が処理を出来なくなり、脳が沸騰したかのように熱くなる。ついには考えることをやめ、目を瞑り、昴にその身を任せた。

 

「見つけたぞ!」

 

 

――ブォン!!!

 

 

「おっと」

 

突如、斬り裂くような風切音が響き渡る。

 

「う……ん…?」

 

ゼノヴィアは異変に気付き、ゆっくり目を開けた。するとそこには…。

 

「なっ!? これはいったい…。私は夢でも見ているのか?」

 

目を開いた先に見た光景は、村雨を構えて隣に立つ御剣昴と、少し離れた位置に御剣昴が立っている光景だ。

 

「スバルが……2人?」

 

ゼノヴィアは2人の昴を交互に見渡す。

 

「やれやれ、もう見つかっちまったか」

 

離れた位置の昴が嘲笑交じりに嘆息する。

 

「大人しく捕まれ、偽物!」

 

「断る。せっかく出てきたんだ。もっと楽しまなくちゃ――」

 

 

――ビュン!!!

 

 

「っと」

 

そこに更なる人物が。

 

「くっ! かわされた…」

 

木場裕斗が悔しそうに呟く。

 

「見つけました」

 

さらに塔城小猫が現れ…。

 

「今よ、皆かかりなさい!」

 

リアス・グレモリーを始めとした、グレモリー眷属が現れた。

 

「さすがに全員を相手にするのは面倒だな。一旦退くか」

 

 

――ドン!!!

 

 

偽昴は縮地で逃げていった。

 

「裕斗、小猫! 後を追いなさい!」

 

「「了解(です)!」」

 

リアスの指示を受け、木場と小猫が後を追っていく。

 

「昴は残りなさい。あなたが行ったら区別が付かなくなるわ」

 

「っ! 了解…」

 

昴は渋々頷く。

 

「何がどうなっているんだ?」

 

ゼノヴィアが頭を捻らせながら質問する。

 

「ああ、それはな――」

 

昴が頭を掻きながら話しはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

昴side

 

それは少し前まで遡る。

 

オカルト研の活動の為に学校に来た俺だが、少し早く着いてしまったため、時間潰しに校内をうろうろしていた。すると、アザゼル先生の研究室が目に入ったので、覗いてみると…。

 

「おー、昴! ちょうどいいところに――」

 

 

――ピシャッ!!!

 

 

俺は嫌な予感がしたので即座に扉を閉め、その場を立ち去った。

 

「ちょうどいいところに来た。せっかくだから中を覗いていけや」

 

「…なんで光の槍を突き付けながら言うんだ?」

 

光の槍が俺の肌をジリジリ炙っていく。

 

俺は肩に腕を回され、光の槍を突き付けられながら研究室に連行されていった。

 

「で? これはいったい何の実験装置で?」

 

俺は目の前の筒型カプセルを指差しながら尋ねてみる。

 

「それはやってみればわかる。ていうことで、実験に付き合え」

 

俺はそのカプセルの中に投げ込まれ、扉を閉められた。

 

「おい! いったい何の真似だ! ここから出せ!」

 

俺はカプセルをドンドンと叩くが、空く気配もなければ壊れる気配もない。

 

「すまんな。実験素材がなくて困ってたんでな。悪いが犠牲になってくれ」

 

 

――ギュイイイイイン!!!

 

 

謎の機械が稼働を始めた。

 

「犠牲って何だ!? ていうか犠牲は確定なのか!?」

 

俺はカプセルを叩きながら抗議するが、当の本人は知らん顔をしている。

 

俺が最後に見た光景は爽やかな笑顔で親指を立てているアザゼル先生の姿だった。

 

 

 

――ドォォォォォォォォン!!!

 

 

 

そして、一瞬の閃光と大きな爆発が巻き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「う……ん…」

 

目を覚ますと、辺りは煙まみれだった。カプセルは壊れ、実権装置も破壊されたようだった。

 

「どうなったんだ…」

 

壊れたカプセルから這い出ると、そこにアザゼル先生の姿はなく、時間を確認すると、気を失っていたのはほんの20分程だということがわかった。

 

「あんのちょいワル総督、逃げやがったのか…」

 

姿が見えない総督様に毒づくと、研究室を後にした。いったん部室に向かおうと歩いていると、途中で…。

 

「ん?」

 

アーシアの姿が目に入った。アーシアは部室の入り口の前で何やら佇んでいる。

 

「よう、アーシア。扉の前で何をして――」

 

「っ//」

 

俺が声をかけるとアーシアは身体をビクッとさせた。心なしか、赤面しているようにも見える。

 

 

――どうしたんだ?

 

 

俺が様子を窺おうとアーシアに近づいていくと…。

 

 

――ギュゥッ!

 

 

突如、アーシアが俺に抱きついてきた。

 

「ア、アーシア?」

 

俺はアーシアの思わぬ行動に戸惑い、顔を覗いてみる。すると、アーシアは満面の笑みを浮かべた。

 

「私、嬉しいです! スバルさんにあんなこと言ってもらえて!」

 

満面の笑みを浮かべると、うっすらと声高々に歓喜した。

 

「? いったい何の話…」

 

「不束者ですが、よろしくお願いします!」

 

うーん、何だか話が突拍子もない方向に進んでいるような…。

 

「あらあら、アーシアちゃんは大胆ですわね」

 

部室の扉が開かれると、そこから朱乃さんが現れた。

 

「あ、朱乃さん…」

 

「きゃっ//」

 

アーシアは朱乃さんに今の姿を見られると、恥ずかしさのあまり、慌てて離れた。

 

「うふふ…」

 

朱乃さんが艶やかな笑みを浮かべながら俺に歩み寄ってくる。

 

「先程言葉、私の胸にとても響きましたわ…」

 

 

――ムニュッ…。

 

 

朱乃さんが正面から俺に抱きついた。朱乃さんの大きな胸が俺の胸に埋没する。

 

「今までに幾度か告白を受けたことはありますけど、あんな情熱的な告白は初めてですわ…。見て、私の胸はこんなにも高鳴っていますわ//」

 

 

――スッ…。

 

 

朱乃さんが俺の手を取り、自身の胸に当てる。

 

「っ//」

 

俺の手が朱乃さんの胸に埋没する。その手に心臓の音が心地よいリズムを刻む。

 

「だ、ダメです!」

 

アーシアが割って入り、俺の腕に飛びついた。

 

「私がスバルさんのお嫁さんになったんです! 他のヒトとえっちなことしちゃだめなんです!」

 

「あらあら、でも昴君は私と契りを結ぶ約束をしてくれましたわ……ねぇ?」

 

朱乃さんが満面の笑みを、アーシアは涙目でこちらを見てきた。

 

 

――いったい何の話しだ?

 

 

俺が状況を理解出来ず、混乱していると…。

 

『嬉しいわ! あなたからそんなこと言ってくれるなんて!』

 

「?」

 

扉の奥、部室から部長の歓喜に満ちた声が聞こえてきた。

 

『俺は部長の下僕。今まではそれをわきまえてこの想いを胸に秘めていました。ですが、もう気持ちを抑えられません。部長、俺の恋人になって下さい』

 

今度は男の声が聞こえてきた。内容から察するに、告白をしているようだ。

 

この声……何か聞き覚えが……ていうか、やけに馴染みがある声のような…。

 

『リアス。愛の誓いをさせてください』

 

今度はそんな言葉が…。

 

 

――ドン!!!

 

 

俺は何か嫌な予感がしたので、部室の扉を勢いよく開けた。

 

「なっ!?」

 

部室の扉を開けて目に入った光景、それは…。

 

「俺?」

 

俺が部長を抱きしめている光景だ。

 

「……えっ!? 昴!? どうして……昴はここに…」

 

部長は突然俺が乱入してきたことにより、混乱し始めた。部長を抱きしめていた俺は、部室に入ってきた俺の姿を確認すると、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

「やれやれ、もう見つかったか…」

 

そう呟くと、部長から身体を放し、逃げ出そうとした。

 

「待て!」

 

俺が慌てて後を追おうとすると…。

 

「行け、飛龍!」

 

逃げ出した俺が氣で創りだした龍を俺に飛ばしてきた。俺はそれをかわそうとしたが…。

 

ダメだ、避けたら後ろのアーシア達に当たる。かといって弾き飛ばせば騒ぎになっちまう。…しょうがない!

 

俺は両手に氣を集中させ…。

 

 

――バチィィィィッ!!!

 

 

飛龍を両手で受け止めた。

 

「おぉぉぉぉぉっ!」

 

 

――バシュゥゥゥッ…。

 

 

俺は両手で氣を霧散させた。

 

「ちっ!」

 

視線を戻した時にはそこに俺の姿はなかった。

 

「えっ? なに? いったい何がどうなっているの?」

 

部長は尚も混乱している。後ろにいるアーシアと朱乃さんも混乱しているようだ。

 

「あ~あ、面倒なことになっちまったな」

 

するとそこに、アザゼル先生が頭を掻きながらやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「どういうことが説明してちょうだい、アザゼル」

 

部長が少々不機嫌な面持ちでアザゼル先生に尋ねた。

 

部室にはゼノヴィアを除くグレモリー眷属が集合している。

 

「いやー、ドッペルゲンガーの実験をしたらよ、ちーっとばかし手違いが起きてな、昴のドッペルゲンガーの制御ができなくなってよ。逃げ出しちまったんだよ」

 

たははっとアザゼル先生が告げる。

 

ドッペルゲンガーの実験って、あの謎の機械はそのための物だったのか…。ドッペルゲンガー……早い話が俺の分身みたいなものか。

 

「じゃあ、私にさっき……あんなことを言ったのはスバルさんのドッペルゲンガーさんだったんですね」

 

「思い返せば、普段の昴君ならまず言わないようなことを仰っていましたわね」

 

アーシアは残念な表情を、朱乃さんは何か納得した表情をした。

 

俺はいったい2人に何を言ったのだろう。

 

「さっき見た様子から察するに、ドッペルゲンガーの昴は本体と違って欲望に忠実になってるみたいだな」

 

アザゼル先生がケラケラと笑い出した。

 

「それで、そのドッペルゲンガーの昴は何処に行ったの?」

 

部長が訪ねると、アザゼル先生は首を横に振った。

 

「さあな。とりあえず、すぐに学園を覆う結界を張ったからこの学園の何処かにはいるはずだぜ」

 

アザゼル先生はソファーに座りながら言った。

 

「…困ったわね。さっきの昴がこの学園に潜んでるとなると、ちょっと面倒なことになりそうだわ」

 

部長が眉を顰める。

 

「確かに、学園には部活動に励む女生徒も多いですから。昴君にあんな調子で口説いて回られたら…」

 

「うぅ……ライバルが増えてしまいます」

 

「も、もしかして、僕も口説かれてしまうのでしょうかぁ!?」

 

木場が何やら携帯でやり取りをし、俺達に告げ始めた。

 

「どうやら被害が出ているようです。学園に残っている女子の大半が昴君に口説かれて骨抜きにされているようです。生徒会のシトリー眷属も追撃に当たっているみたいですが、相手は分身とはいえ昴君ですので、のらりくらりかわされ、最後には昴君の被害に…」

 

……一刻も早くとっ捕まえなければならないようだな。

 

「シトリー眷属には匙がいるだろう? あいつはどうしたんだ?」

 

匙なら色仕掛けなんて通用しないだろうし。

 

「…匙君はさっき、花壇に首から下を埋められた状態で発見されたみたいだよ」

 

木場が残念な顔をしながら言った。

 

「匙ぇ…」

 

肝心な時に…。

 

 

――ブィン…。

 

 

アザゼル先生が眼前に魔方陣を展開し、操作した。すると、一瞬眩い光を発した。

 

「これ以上騒ぎを広がっても面倒だから学園内の生徒全員強制的に眠らせた。一応女生徒には結界をかけておいた。ひとまずこれでこれ以上被害は広がらないだろうよ」

 

「当然の処置ね」

 

部長が頷く。

 

「後は分身体の昴を討滅するだけだ。ダメージを与えれば煙のように消えるはずだ」

 

自分と同じ顔をした奴を討滅するのはあまりいい気分ではないな。

 

「学園内に潜伏している昴を討滅するわよ。朱乃、裕斗、小猫、手分けして探し出しなさい!」

 

『はい!』

 

「アーシアとギャスパーはここに残っていなさい。昴も、区別が付かなくなるから私と常に一緒にいなさい」

 

「…しょうがないですね」

 

偽物と間違えられても嫌だからな。

 

こうして、偽物探しが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「という訳だ」

 

とまあ、話しは戻る。

 

「なるほど、では、さっき逃げていたのが偽物なのだな? …少々残念だが…」

 

残念って…。

 

「ゼノヴィアも一緒に追撃に向かいなさい。本物の昴は常に私と一緒に行動するから、昴を見かけたら問答無用で討滅しなさい」

 

「わかった」

 

ゼノヴィアも俺探しに向かった。

 

「…ご迷惑をおかけします」

 

俺が謝罪すると、部長はフッと笑みを浮かべた。

 

「あなたが気にする事はないわ。悪いのはアザゼルなんだから。…それに、少しだけど良い気分にさせてもらったわ(ボソッ)」

 

「?」

 

最後の方は声が小さくてよく聞こえなかった。

 

「私達も、朱乃達の連絡が入り次第現場に向かうわよ」

 

「了解です」

 

改めて、偽物探しが始まったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

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