ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.75~テレビ出演、決戦直前~

 

 

 

「ヴァーリがそんなことを…」

 

ラーメン屋でヴァーリから忠告を受け、それから部室へと戻ると、部長にヴァーリから受けた忠告を話した。

 

一応、部長だけにそのことを話した。俺の話しを聞いた部長は何やら考え込んだ。

 

「この街に来たのなら感知してもよさそうなのだけれど……まったく察知出来なかったわ。仙術か、それとも黒歌の空間結界術かしら?」

 

部長は小さな連絡用の魔方陣を宙に展開し、連絡を取り始めた。

 

「この件は一応、お兄様とアザゼルに報告を入れておくわ」

 

部長が2人に報告をする。報告を終えると、部長は苦笑を浮かべた。

 

「ディオドラのことはよく注意しましょう。ヴァーリの言葉を信じたわけではないけれど、警戒するに越したことはないわ。…それでは、帰りましょうか?」

 

「そうしましょうか」

 

俺と部長は帰路についた。

 

帰り道、部長は俺の腕に抱きついてきた。部長は満足そうだったので、俺は特に何も言わず、そのまま帰宅した。

 

自宅に着くと、そのまま部屋へと向かった。

 

「あらあら、昴君。お帰りなさい」

 

「…」

 

部屋に入ると、そこには朱乃さんが出迎えてくれた……のだが。

 

「……その格好はいったい?」

 

朱乃さんの身に付けている衣装に戸惑いを隠せなかった。

 

以前にも来ていた巫女服なのだが、丈が恐ろしく短く、身体を覆う面積が限りなく少ない。

 

「うふふ。こういうのが好みなのでしょう?」

 

朱乃さんが何かをヒラヒラとさせた。朱乃さんに手には一冊の本が。

 

あれは……確か元浜が学園に持ち込んでいたエッチな本…。あの野郎、こっそり俺の鞄に忍ばせやがったな!

 

「あの、それは別に俺の趣味というわけでは…」

 

「違うの?」

 

「…」

 

否定出来ない自分が悲しい。それを見て朱乃さんが笑みを浮かべた。

 

「では、これから鑑賞会を始めましょう。…もちろん、お触りアリよ♪」

 

 

――ムニュン♪

 

 

朱乃さんが俺の手を取り、自身の胸に導いた。

 

「あー、いや…そんなこと…!」

 

俺がどうしようか考えていると。

 

「朱乃? 何のつもりかしら?」

 

俺の真後ろから思わず背筋がゾクッとするほどの悪寒を感じた。それの正体は言うまでもなく部長からのものだ。

 

「あら、いたのねリアス」

 

朱乃さんは特に悪びれる様子もなく言った。

 

「いて当然でしょ? ここは私と昴の部屋なんだから」

 

「そう。では、そこにいると邪魔だから少しの間外してちょうだい」

 

朱乃さんのその挑発交じりの言葉に…。

 

「邪……魔?」

 

部長の身体から危険すぎる程の紅いオーラが現れた。

 

いかん……退避しないと…。っていうか、このままじゃ家が壊れる…。

 

俺は2人に気付かれないようにそっと部屋から非難しようとすると…。

 

「おや? スバル、何処に行くんだ?」

 

部屋に新たな来訪者がやってきた。

 

「ゼノヴィア? それにアーシアも…」

 

2人は朱乃さんと同じくコスプレをしていた。その衣装はやっぱり肌の露出が多い。

 

「うぅ……この衣装……す、透けますね。私、下着を付けてないので恥ずかしいです…」

 

アーシアが顔を真っ赤にしている。

 

アーシア……恥ずかしいなら着なけりゃいいのに…。

 

「にゃん♪」

 

気が付くと、獣ルックの小猫が俺の足元にいた。

 

「…」

 

 

――い、いかんな。可愛い過ぎる! ちょっとお持ち帰り…。

 

 

「ハッ!」

 

ふと気が付くと、コスプレをした小猫に視線が釘付けになっていたところを部長達に見られていた。

 

「そう……それがあなたの好みなのね…。すぐに着替えるわ!」

 

部長が大急ぎで部屋を出ていった。

 

その後、俺は雌豹やらライオンやらに食べれられかけたことは言うまでもない。

 

ライオンの群れに囲まれた小鹿の気分がよくわかったよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

それから少し経って、俺は場所を移動して隣の部屋でアーシアとゼノヴィア、小猫でボードゲームをしていた。

 

「――っ!」

 

「――っ!」

 

ちなみに、部長と朱乃さんは今でもやりあっている。無理に止めても不満が残りそうなので心置きなくやらせている。

 

というか、恐ろしくて止められない…。

 

途中、イリナが帰ってきて、同じくボードゲームに参加した。

 

「ふふっ」

 

ゲームをしていると、アーシアが小さく笑った。

 

「どうかしたか?」

 

「はい。とっても楽しいなって」

 

「ああ。そうだな」

 

「スバルさん、私、今すごく楽しいです。今の生活が大好きです。皆のことも」

 

「そうか。…なら、今度レーティングゲームでアーシアの居場所を守らないとな」

 

俺はアーシアの頭に手を置いた。

 

「うむ。アーシアに危害を加える輩は私が倒そう」

 

ゼノヴィアも頷いた。

 

「今度のゲームも勝って、そして、体育祭の二人三脚頑張ろうな」

 

「はい!」

 

満面の笑みで返事をするアーシア。この子は俺が守る。絶対に…。

 

すると、部屋の扉が開かれ、何故かバニーガールのコスプレをした部長が入ってきた。

 

「突然決まったことなのだけれど、取材が入ったわ。若手悪魔特集で、冥界のテレビに私達が出演することになったわ」

 

『…』

 

部長の言葉に一瞬の沈黙。そして…。

 

『テレビィィィィィィィッ!!!???』

 

俺の家に驚愕の叫び声が響いた。

 

 

――まさか、テレビに出ることになるとはな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

そして、あっという間にテレビ収録の日がやってきた。

 

グレモリー眷属は魔方陣で冥界へとジャンプし、都市部に冥界のテレビ局のビルへと入っていった。ちなみに、イリナは来ていない。

 

到着すると、待機していたスタッフに温かく迎えられ、そのスタッフに案内された。

 

局内は人間界のテレビ局と一部差異はあるものの、概ねは同じだ。

 

おっ、部長のポスター発見。

 

スタッフに案内されていく途中、廊下の先で見覚えのある者に声をかけられた。

 

「サイラオーグ。あなたも来ていたのね」

 

「リアスか。そっちもインタビューの収録か?」

 

声をかけてきたのは、バアル家の次期当主、サイラオーグ・バアルさんだ。その後ろには眷属が控えていた。

 

「ええ。サイラオーグもこれからかしら?」

 

「ああ。リアス達とは別のスタジオでな。――試合、見させてもらったぞ」

 

サイラオーグさんの言葉に部長は顔を少ししかめた。

 

「お互い、まだまだ素人臭さが抜けないものだな」

 

部長と話していたサイラオーグさんが俺へと視線を移した。

 

「強大なパワーも、それを対処する方法はいくらでもある。相手は僅かな隙をも見逃さず狙ってくるのだからな。神器に関しては未知の部分が多い故に、ゲームではそれによって何が起こり、何をもたらすかはわからない。相性の問題もある。そういう意味では、お前らとソーナ・シトリーの戦いは勉強になった」

 

 

――ポン…。

 

 

サイラオーグさんが俺の肩に手を置いた。

 

「だが、お前とは小細工なし、理屈抜きの勝負をしてみたいものだ」

 

そして、俺だけに聞こえる声で…。

 

「俺とのゲームでは先のゲームのような真似はしないでくれよ」

 

っ! ……気付かれていたか。

 

アザゼル先生いわく、シトリー眷属とのゲームでのことは一部の者は気付いたらしい。サイラオーグさんもその1人のようだ。とはいえ、そのことに憤っている様子は見られない。

 

肩に置かれた手からは、ずっしりと重さを感じた。その手には様々なものが込められているのだろう。

 

サイラオーグさんはそれだけ告げるとその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

サイラオーグさんと挨拶をした後、スタジオへと案内された。そこで部長とスタッフと局アナを交えて打ち合わせが始まった。

 

皆、これからテレビ出演ということもあり、緊張している。ギャスパーに至ってはぶるぶる震えている。

 

「眷属悪魔の皆さんにもいくつかインタビューをしますが、あまり緊張なさらないように」

 

スタッフが声をかける。

 

「えーと、木場祐斗さんと姫島朱乃さんは…」

 

「あ、僕です。僕が木場祐斗です」

 

「姫島朱乃は私ですわ」

 

呼ばれた2人が手を上げる。

 

「お2人とも人気上昇中ですから、そこそこ質問いくと思いますので」

 

へぇー、ま、木場はイケメンで朱乃さんは美女だもんな。こないだのゲームでも活躍してたしな。当然か。

 

「それと、御剣昴さんは…」

 

「? 俺ですが」

 

スタッフが俺へと視線を向けた。

 

「あっ! あなたが! やっぱり、以前にテレビお見かけしたとおりの方ですね」

 

以前にお見かけ……あぁ、そういや、シトリー眷属とのゲームって、テレビ放送されたんだっけ。でも、俺ってあのゲームではほとんどいいとこなしだったはずなんだが…。

 

「御剣さんは別でインタビューをさせていただきます。『赤龍帝』とは別に『麗帝』と呼ばれ、注目を浴びていますから」

 

「麗帝?」

 

何だ、その二つ名は? スタッフが嬉々として説明していく。

 

「もともと、リアス・グレモリー様の眷属ということと、赤龍帝というネームバリューで注目度が高かったのですが、先のゲームで対戦相手を叱咤激励する姿や、満身創痍になりながらも冷静に助言をし、最後は残る力を振り絞って仲間を守る姿がお茶の間で共感を得まして、今では女性を中心に人気急上昇してるんですよ」

 

「マジですか…」

 

何か恥ずかしいぞ…。

 

「それに、女性受けする綺麗なお顔をしていますので、先週発売の冥界の女性誌での人気ランキングも上位に食い込んでいますよ」

 

「~~っ//」

 

今、俺、冥界ではそんなことになってんのか! うわっ! めっちゃ恥ずい!

 

「いや~、参りましたね……イタタタッ!」

 

突如、脇腹に激痛が。

 

「…」

 

ふと見ると、小猫が俺の脇腹をつねっていた。

 

「「「「…」」」」

 

その他の女性陣の目が冷たかった。

 

『麗帝か…、此度の所有者は何かと世間を騒がせそうだな』

 

ドライグが茶化してくる。

 

うるせー! 俺だって好きで騒がせてるわけじゃないんだよ!

 

「それでは収録を開始します。こちらへどうぞ」

 

部長とその眷属はスタッフに収録のスタジオへと案内されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「はぁ、慣れないことをすると疲れんなぁ…」

 

収録が終了し、俺は楽屋の椅子に腰掛けた。他の面々も同様だ。

 

番組での質問の大半が部長への質問だった。部長は次々投げかけられる質問に笑顔で、かつ高貴に振る舞いながら答えていた。

 

番組での放送はご家族の方も見るもんな。

 

次に、木場や朱乃さんに質問がいった。会場からは黄色い歓声が響き渡っていた。

 

ホント、すげー人気だったなぁ。

 

俺の時は何やら俺を呼ぶ声が聞こえたので、その方向に手を振ってみたら2人程その場で卒倒していた。

 

…何があったのかな? …何となく、考えない方がいい気がした。

 

俺は全員での収録後、別部屋に案内され、記者っぽいヒトに単独インタビューを受けた。

 

やれ趣味だの、やれ好みの女性のタイプだの、次のレーティングゲームとは関係のないことばかり聞かれたな。

 

インタビュー終了後、何枚か写真を撮られ、単独インタビューは終了した。

 

「昴、インタビューの方がどうだったの?」

 

「無事、終わりましたよ。来週に発売される雑誌に載るそうです」

 

「そう。なら是非とも読まなくてはね」

 

部長は楽しげに発売を楽しみにしているようだった。

 

 

――コンコン…。

 

 

楽屋のドアがノックされると、髪を縦ロールにした女の子が入ってきた。

 

あれ? あの子は…。

 

「よう、パーティー以来だな、レイヴェル・フェニックス」

 

入ってきたのは先のパーティーでも会ったレイヴェルだ。

 

レイヴェルは俺と目が合うとパァッと笑顔を浮かべたのだが、すぐにむくれた表情になった。

 

「ケ、ケーキをお持ちしましたわ! この局には次兄の番組がありますのでそのついでです!」

 

と、手に持っていたバスケットを俺に突きだしてきた。

 

俺はバスケットを受け取り、中を確認すると、中には美味しそうなチョコケーキが入っていた。

 

「これ、レイヴェルが作ったのか?」

 

「もちろんですわ! わ、わたくし、ケーキ作りには自信がありますのよ! 以前にご馳走すると約束しましたし!」

 

「それなら、お茶の約束の時でも構わなかったんだがな」

 

「そんな、無粋なことはしませんわよ。アスタロト家との一戦も控えていることですし、お時間は取らせませんわ。せめて、ケーキだけでも思っただけです。か、感謝なさい!」

 

レイヴェルは気恥ずかしそうにそっぽを向いている。

 

何とも素直じゃないな。

 

「それでは、失礼いたしますわ」

 

用事を終えたレイヴェルがそそくさと帰ろうとした。

 

「レイヴェル!」

 

俺がレイヴェルの声をかけると、足を止め、こっちを向いた。

 

「ケーキ、ありがとな。味の感想は後日させてもらうよ。約束のお茶会、楽しみにしてるからな」

 

俺は笑顔でレイヴェルに礼を告げた。

 

お礼だけでもきっちりしとかないとな。

 

礼を言うと、レイヴェルは俺のところに駆け寄り、俺の右手を両手で包み込んだ。

 

「スバル様、今度の試合頑張ってください! 私、応援してます!」

 

顔を真っ赤に紅潮させながらエールをくれた。

 

それだけ告げると、その場を足早に去っていった。

 

部長の方を見てみると、眉を顰めながら瞑目していた。他の女子達も俺を睨んでいた。

 

後日、俺が単独インタビューを受けた雑誌の見本が送られてきた。正直、恥ずかしくて皆に見せられなかったということだけは言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

そして、決戦日となった。

 

「時間ね」

 

部長が立ち上がった。

 

俺達は深夜、オカルト研の部室へと集合していた。

 

アーシアは前の時と同様にシスター服を、ゼノヴィアも同様にボンテージ風の戦闘服だ。

 

全員が中央の転送用の魔方陣に集まっている。

 

ついにゲームが始まる。相手は現ベルゼブブを輩出したアスタロト家の次期当主のディオドラだ。

 

単騎で戦況を覆せる戦闘能力を有している。

 

負けられない理由がある。このゲーム、絶対に勝つ!

 

 

――パァァァァッ!

 

 

魔方陣が光り出した。ついに転送が始まる。

 

眩い程の光が俺達を包み込み、転送される。

 

そして、俺達のレーティングゲームが今、始まる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

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