ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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Life.86~ドライグとティアマット、使い魔ゲット~

 

 

 

「昴、どこにいるの? 返事をして!」

 

疲労困憊、傷だらけになってその場で横になっていると、部長の声が俺の耳に届いた。

 

「ここです、ここ」

 

俺は手だけ振りながら部長達を呼ぶ。

 

「昴!」

 

駆け寄ってきた部長が俺を抱き起す。

 

「とんでもない奴に絡まれてしまって……タタタッ」

 

俺は激痛に耐えながら身体を起こす。

 

「無理をしないで。おとなしく寝ていなさい。…裕斗、急いでアーシアを連れてきて」

 

「わかりました!」

 

木場がアーシアがいる方へ走っていった。

 

「昴……ザトゥージさんからティアマットがここで目撃されていると聞いて、まさかとは思ったけど、こんなことになるなんて…」

 

部長が悲痛な表情で俺を抱きしめながら言う。

 

「ティアマットなら、あそこで倒れていますよ」

 

俺は後方を指差した。そこには青色のドラゴン、ティアマットが横たわっている。急所近くに龍牙が刺され、全身至るところ焦げているが、まだ生きている。

 

「仕留めたの?」

 

「いえ、深い傷ではないので、まだ生きているはずです」

 

「あらあら。五大龍王最強のティアマットを倒してしまうなんて、さすがは昴君ですわ」

 

朱乃さんから賛辞のお言葉。けど、正直、勝てたのは運の要素が大きいな。2度目はどうなるか…。

 

『グゥゥゥゥッ…』

 

ティアマットは意識を取り戻したのか、ヨロヨロと起き上がり始めた。それを目の当たりにして部長達が臨戦態勢を取る。

 

俺は部長達を手で制し、部長の肩を借りながらティアマットの前に立つ。

 

『…ドライグ、どうして私を裏切った』

 

ティアマットが初めてまともな言葉を話した。その声色は高く、女性を思わせるものだ。

 

「裏切った?」

 

それは、さっき言っていた昔のことと関係があることなのか?

 

『私はどこまでも貴様についていくつもりであった。なのに……どうしてあの時、私を攻撃した!?』

 

ティアマットは俺……正確にはドライグを睨みつけるように叫ぶ。その質問に、ドライグが答え始めた。

 

『知れたことを。白との決戦につまらん邪魔を入れさせんためだ』

 

『私と共に戦うのが不服だと言うのか!?』

 

『当然だ。当時の俺にとって、白との戦いは何事にも変えられんものであった。それを貴様ごときに穢されるなど、我慢のならないことだ』

 

『っ!? 私は、お前の為ならば死ぬ覚悟もあった。あの後、すぐにドライグとアルビオンは悪魔、天使、堕天使の手によって封印された。何故、あの時私を連れていかなかったのだ…』

 

『ふん。そもそも、俺に負けた貴様が勝手に俺に付きまとってきたに過ぎないだろうに。俺は頼んでいない。それが邪魔になったから攻撃した。それだけだ』

 

『おのれ…!』

 

ティアマットの悔しさのあまりの歯ぎしりがこちらにも伝わってくる。

 

ティアマットがドライグを憎む理由は今の会話で断片的ではあるが理解できた。

 

「ティアマット。ドライグの言葉を全て鵜呑みにしない方がいいぞ」

 

『黙れ、小童! 何も知らない貴様が私達の間に入るな!』

 

「確かに、お前達の事情は断片的なことしかわからない。けどな、ドライグがお前を攻撃した理由が今ドライグが語った理由ではないことはわかる」

 

『…どういうことだ?』

 

「ドライグは、白、アルビオンとの戦いに邪魔が入らないようにティアマットを攻撃したと言った。それはもちろん嘘ではないのだろう。だが、それだけじゃないんじゃないのか、ドライグ?」

 

『……何の事だがわからないな』

 

…あくまでもしらばっくれるつもりか。

 

「本当の理由は、アルビオンとの戦いにティアマットを巻き込みたくなかったからじゃないか?」

 

『…』

 

「もう1つ。これは勘に過ぎないが、アルビオンとの戦いの折、三大勢力が二天龍の戦いに介入してくることにドライグは気付いていたんじゃないのか? そして、自分の身に何かが起こることにも。もし、ティアマットが介入すれば、ティアマットもその対象になってしまう。だから、すぐには動けない程度に攻撃をした。全てはティアマットを守るための行動だったんじゃないのか?」

 

『……さあな。もう、気が遠くなる程昔の話しだ。覚えてないな』

 

肯定せず。…されども否定もせず、か。

 

「ティアマット。ドライグはこれで、結構、情に深くてね。決して悪い奴じゃない。これだけは覚えておいてくれ」

 

『…』

 

ティアマットは何も答えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・・・・

・・・・

 

 

その後、アーシアとゼノヴィアがやってきて、俺を治療してくれた。俺がティアマットも治療してほしいと頼むと、部長達は反対したが、ドライグからもお願いされると、渋々だが首を縦に振った。

 

一応、傷を治療する条件に、2度と俺を襲わないとの条件を付けた。傷の治療が済むと、ティアマットは無言のままその場を後にしていった。

 

俺の傷は完治したが、体力の方がもう限界に来ており、使い魔探しは翌日に持ち越しとなった。

 

魔方陣で部室へと戻り、その日はお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

その夜…。

 

「なあ、ドライグ」

 

俺は気になったことがあったので聞いてみることにした。

 

『なんだ?』

 

「ティアマットって、確か、龍王の中で唯一の女だったよな?」

 

『それがどうした?』

 

「早い話、俺はお前達の痴情の縺れに巻き込まれたわけだな」

 

『なっ!? バカなことを言うな! 何が痴情の縺れだ!』

 

声を荒げるドライグ。

 

「もう勘弁してもらいたいな。龍王クラスと本気の戦いをしたら命がいくつあっても足りないよ」

 

実際、次またティアマットとやりあったら勝てる自信がない。

 

『むぅ。俺達の事情にお前を巻き込んだことは悪いと思っている』

 

ドライグは申し訳なさげに言う。

 

「…ティアマットは、あれで納得したのかな?」

 

『…わからん。タンニーンを除き、龍王は変わり者や癖があるものばかりだからな』

 

最後、こっちに向けた時はそれほど殺気や怨嗟を感じなかった。だが、積年の恨みが簡単にはれるのか。まぁ、考えても答えが出るわけでもないのだが…。

 

「まあいいや。もう寝よ」

 

俺は床についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌日…。

 

「さあ、改めて3人の使い魔を探すわよ!」

 

俺達は昨日の森に来ていた。昨日はティアマットの襲撃してきて結局使い魔を探せなかったので、今日、改めて使い魔を探していく。

 

「とびっきりの使い魔をゲットだぜ!」

 

ザトゥージさんとも合流し、2日目の使い魔探しが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)?」

 

「そう、スプライト・ドラゴン。その名のとおり、蒼い雷撃を操るドラゴンさ」

 

使い魔を探している途中、ザトゥージさんがカタログから1匹のドラゴンを見せてくれた。

 

いろいろと使い魔候補の魔物を見てきたが、どうにもしっくりこなかった。一般的な小動物や小さな魔物、さらには打撃に秀でたウンディーネ(ゼノヴィアは若干興味ありげだった)などお目にかかったが、どうにも使い魔にするに至らなかった。

 

そこで紹介されたのがそのスプライト・ドラゴンだ。このドラゴンはドラゴンの中でも上位クラスの存在で、現在、この森の奥に飛来しているらしく、それならどうかと紹介された。ティアマットを撃退した俺なら手に余ることもないだろうと部長も言った。

 

とは言っても、まだ子供らしいので使い魔にするなら今だとザトゥージさんは強く言っている。成熟したらゲットはまず無理らしい。

 

それほどなら、1度見てみるのもいいかもしれないな。

 

「いたぞ! あれがスプライト・ドラゴンだ!」

 

ザトゥージさんが声をひそめながら指差した方向に、大きめのぬいぐるみサイズの小さなドラゴンがいた。綺麗な瞳と鱗を持った小さなドラゴンだ。

 

「初めて見るけど、ブルーダイヤモンドのように蒼く輝いた綺麗な鱗ね」

 

部長も目を輝かせている。

 

なるほど。それほどまでに貴重なドラゴンなら、使い魔にしてみるのもいいかもしれないな。

 

俺はゆっくりスプライト・ドラゴンに歩み寄っていく。すると、スプライト・ドラゴンがこっちをギロッと向き…。

 

 

――バリバリバリバリバリバリッ!!!

 

 

身体に蒼い雷撃走り出すと、こっちに蒼い雷撃を放ってきた。

 

「いだだだだっ!」

 

俺は咄嗟に腕で防ぐも、軽く腕が痺れてしまった。

 

「1つ言い忘れたが、ドラゴンのオスは他生物のオスが大嫌いだ」

 

「先に言え、先に!」

 

と、ザトゥージさんが補足説明をしてくれた(ザトゥージさんも雷撃を喰らっていた)。

 

やれやれ、まいったな。となると、仲良く使い魔にっていうのは無理だな。こんな小さな子供じゃ、力で屈服させるのも気が引ける。

 

どうしようか迷っていると…。

 

 

――バリバリバリバリバリバリッ!!!

 

 

子ドラゴンが再び蒼い雷撃を飛ばした。

 

俺が咄嗟に身構えると、雷撃は俺ではなく…。

 

「きゃっ!」

 

アーシアがいる方に飛ばした。だが、狙いはアーシアでもなく…。

 

「ギイッ…」

 

アーシアの真上の木から垂れ下がってきていた蛇に雷撃をぶつけていた。

 

プスプスと丸焼きになった蛇。

 

「こりゃ、デビルコブラだ」

 

ザトゥージさんが顎に手を当てながら呟く。

 

デビルコブラ。ザトゥージさんの説明によると、この森に少数ながら生息する蛇の一種で、体長は日本でも度々見られるマムシ程度の大きさだが、その身体には強い毒を持っているらしく、並みの人間ならものの数分で死に至り、免疫力の高い悪魔でも身体に相当な害になるらしい。

 

ただ、知能が中途半端に高いせいか、使い魔にすることは出来ないという。

 

「あの子ドラゴン、アーシアを助けるために雷撃を放ったのか?」

 

「ガー」

 

子ドラゴンは一鳴きすると、アーシアの胸に飛びついた。

 

「この子、とっても可愛いです!」

 

アーシアは子ドラゴンを抱きしめ、そっと頭を撫でた。

 

「どうやら、アーシアを襲おうとしたこの蛇を攻撃したようね。ドラゴンのオスは他生物のメスも好きだって聞くしね」

 

部長も子ドラゴンの頭を撫でた。子ドラゴンは気持ち良さげに目をひそめる。

 

…現金なもんだな。

 

俺も撫でてみようとすると…。

 

「…(ギロッ)」

 

相変わらず睨みつけてくる。

 

「あの、私、このドラゴン君を使い魔にしたいです。いいですか?」

 

アーシアがおずおずと聞いてくる。

 

「いいんじゃないか? その子もアーシアに懐いているみたいだしな」

 

何より、俺にはまったく懐かないから使い魔にしてもな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「ア、アーシア・アルジェントの名において命ず! な、汝、我が使い魔として、契約に応じよ!」

 

目の前に緑色の魔方陣を展開し、その中央に子ドラゴン、スプライト・ドラゴンの子供を置き、使い魔契約の儀式を執り行っている。

 

と言っても、アーシアは初心者なので、朱乃さんのサポートを受けながら契約儀式を進めている。

 

ザトゥージさん曰く、スプライト・ドラゴンは決して悪魔には降らないドラゴンらしいのだが、アーシアの心が特別清いので、つつがなく契約は完了するという。

 

やがて、魔方陣の光が消え、契約の儀式が無事完了した。子ドラゴンはアーシアのもとへ羽ばたき、アーシアにじゃれついた。

 

「うふふ。くすぐったいです。ライル君」

 

「もう名前を付けたのか?」

 

「はい。雷撃を放つ子ですので。お名前はスバルさん名前からもいただきました。…よろしいですか?」

 

「ああ。構わないぞ。…よろしくな、ライル」

 

「…(ギロッ)」

 

あーはいはい。わかりましたよ。

 

さて、無事、アーシアの使い魔は見つかったわけだが…。

 

「結局、俺とゼノヴィアの使い魔は見つからなかったな」

 

「うむ。どれもしっくりとこなかったな」

 

それなりに魔物とは出会ったが、使い魔にするまでには至らなかった。

 

使い魔探しは今日で一時中断となる。ザトゥージさんはこれで忙しいらしく、使い魔ゲットのアドバイザーとして引っ張りだこらしい。俺達のアドバイザー出来るのは今日で最後ということとなる。

 

「日を改めましょう。時期が変われば現れる魔物も変わるわ。昴とゼノヴィアの使い魔は次の機会にしましょう」

 

「そうですね」

 

部長の提案により、俺とゼノヴィアの使い魔探しはまたの機会に見送りとなった。

 

「それでは、部室に帰りましょうか」

 

朱乃さんが頬の手を当てながら言う。

 

部室に帰ろうと転移用魔方陣を展開しようとしたその時!

 

『待て!』

 

突如、そんな声が俺達の耳に響いた。

 

 

――ドォォォォォォォーーーン!!!

 

 

『っ!?』

 

そして、大きな轟音を立てながら俺達の目の前に何かが降り立った。

 

「っ! ティアマット?」

 

降り立ったのは昨日、命からがらの激闘を繰り広げた五大龍王の一角のティアマットだった。

 

「…何の用かしら? もう2度と昴を襲わないと約束したはずだけれど?」

 

部長が警戒しながらティアマットに告げる。他の皆も臨戦態勢を取っている。

 

『私は戦いにきたのではない』

 

そう俺達に告げるティアマット。

 

「なら、ドライグになんか用事か?」

 

俺がそう尋ねると、ティアマットは首を横に振った。

 

『私はドライグを憎んでいたが、もうそのことはどうでもいい。どうにも馬鹿馬鹿しくなってしまったのでな。今日、用があるのは赤龍帝、お前だ』

 

「俺?」

 

『貴様、名は?』

 

突然、ティアマットに名を尋ねられた。

 

「御剣、昴だが?」

 

俺はとりあえず名乗った。

 

『では、昴よ。貴様は察するに、この森に使い魔を探しに来たのではないのか?』

 

「あ、ああ。そうだが…」

 

『やはりか。この森に悪魔が来る時は大抵そうであるからな』

 

そう言った後、ティアマットが少し考える素振りをし始めた。暫し、考え込んだ後…。

 

『…では、昴よ。貴様、私を使い魔としないか?』

 

「………ハァ!?」

 

突然のティアマットの申し出に思わず驚愕の声をあげた。他の皆は言葉を失っている。

 

「どういう風の吹き回しだ?」

 

『貴様には随分と迷惑をかけたからな。その詫びとでも思ってくれ』

 

五大龍王の一角を使い魔にできるならこれ以上になく嬉しいことなのだが…。

 

「…申し出はありがたいが、お前はそれで良いのか?」

 

『私は一向に構わん。貴様は私を降した。私は強い奴が大好きだ。故に、私は貴様のものとなろう』

 

俺はポリポリと頭を掻きながら部長の方へ視線を向ける。

 

「五大龍王ティアマット程の者を使い魔にできるのは私としても誇らしいことだわ。あなたさえよければ、使い魔にしなさい」

 

と、笑顔で部長はそう言った。そういうことならと俺はティアマットに振り返り…。

 

「わかった。なら、その申し出、ありがたく受けさせてもらうよ」

 

俺はその提案を承諾した。

 

『ふむ! 存分に使われてやろう』

 

ティアマットも満足げだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

先程、アーシアが展開した魔方陣と同様のものを展開した。その中央にはティアマットが鎮座している。話しが決まるとすぐに使い魔契約の儀式を開始した。

 

「御剣昴の名において命ずる。汝、我が使い魔として契約の応じよ!」

 

俺がそう唱えると、魔方陣が緑色の光を放ち始めた。

 

「まさか、ティアマットを使い魔にしてしまうなんてね」

 

「お兄ちゃん、すごいですぅ」

 

木場とギャスパーがとても驚いているようだった。

 

正直、俺が1番驚いているよ。

 

緑色の光が一層強くなっていく。契約が無事完了……と思ったその時!

 

 

――パチン!!!

 

 

「っ!?」

 

突如、弾けるような音と共に魔方陣が弾け飛んだ。

 

「……何が起こったんだ?」

 

俺は状況が掴めず、辺りをキョロキョロしている。

 

「あちゃー、やっぱりこうなったか」

 

ザトゥージさんが残念そうな顔をしている。

 

「どういうこと?」

 

部長がザトゥージさんに尋ねる。

 

「使い魔となる対象がキャパシティーを超えているせいで契約が成されなかったんだ」

 

「…要するに、ティアマットが強すぎて使い魔にできなかったってことか?」

 

「簡単に説明するとそういうことだぜ」

 

…言われてみれば、このティアマットは俺より強いからな。昨日勝ったのも半分マグレだし。

 

『それは困った。私は貴様の使い魔になりたいのだが…』

 

ティアマットも少々困り気味だ。

 

さて、どうするか……そうだ!

 

俺は1つのアイデアが浮かんだ。

 

「使い魔が無理なら、眷属になるならどうだ?」

 

『眷属?』

 

ティアマットが首を傾げる。

 

「悪魔には悪魔の駒(イーヴィル・ピース)という、自分の下僕を手にすることが出来るものがある。これは上級悪魔になるといただけるんだが……いつになるかはわからないが、俺が上級悪魔となって悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を手にすることが出来たら、俺の眷属となる。それならどうだ?」

 

同じ龍王であるタンニーンもこれで悪魔となったというし、ティアマットも例外ではないだろう。

 

「なるほど、眷属ね。昴ならいずれは上級悪魔になるだろうから、問題はなさそうね」

 

部長も俺のアイデアに賛同してくれた。

 

『ふむ、眷属か! それであるなら私も異論はないぞ! 喜んで眷属となってやろう!』

 

俺の提案にティアマットは満足してくれたようだ。

 

「決まりだ。なら、俺が上級悪魔になったその時は頼むぜ」

 

『うむ! 頼まれたぞ!』

 

ということで、なんやかんやあって、結局は使い魔をゲットすることは出来なかったが、かわりに、未来の眷属をゲットすることが出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「俺達はこのまま帰るが、ティアマットはどうするんだ?」

 

『もちろん、貴様に同行するぞ』

 

「うーん、とは言っても、俺達が住んでいるところは人間界だから、ティアマットは連れていけないぞ?」

 

確実にパニックになる。かといって、家にも置けないだろうし。

 

『ふむ、人間界か。それならば問題ない』

 

 

――カァッ!!!

 

 

ティアマットの身体が光輝き始めた。

 

「この姿なら問題あるまい?」

 

光が治まると、そこには青い髪を背中にまで靡かせ、切れ長の青い瞳、スラッとした長い脚の、一見して20代前半程の美しい女性が立っていた。

 

「私は時々、人間界にも足を踏み入れているからな。この手の変化はお手の物だ」

 

と、人間化したティアマットがニヤリと笑った。

 

「あ、ああ。それなら問題ないが……とりあえず、その姿は目の毒だ」

 

俺は制服のブレザーを脱ぎ、全裸状態のティアマットの肩にかけた。

 

「おお。久しくこの姿を取っていなかったので忘れていた。…では、貴様についていこうぞ」

 

ティアマットは俺の腕に自分の腕を絡めた。

 

「……ティアマット?」

 

俺はその行動に戸惑ってしまう。

 

「私は貴様が気に入った。私は貴様のために尽くそう。命じれば神であろうと白龍皇であろうと戦おう。…望むなら、この身体を貴様の好きにしても構わん」

 

ティアマットが妖艶な笑みを浮かべた。

 

「ティアマット、その子は私の眷属よ? 私の許可なく触れるのは許さないわよ」

 

「あらあら。私も部長と同意見ですわ」

 

部長と朱乃さんがとても危険なオーラをバチバチさせながらティアマットを睨みつけている。

 

俺の背中に冷や汗が滴る。当の本人は…。

 

「知った事か。我が主とルシファーの妹がどのような関係であろうと、私は主以外の命令に従うつもりはない」

 

ティアマットはしれっと言う。

 

「グスン。またスバルさんの周りに女性が増えてしまったのですね?」

 

「むー、こうも気が多すぎては困りものだな」

 

アーシアは涙目に、ゼノヴィアはムッとした。

 

……ハァ、また悩みの種が1つ増えてしまった。

 

こうして、使い魔探しは終了した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





これにて、第七章終了です。

次回、新章突入致します。ストックが切れるので、更新速度がかなり遅くなります。

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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