ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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投稿します!

ハーメルンでの事実上のこの作品、初の投稿となります。

もう1つの作品とは書き方が違うので、少々戸惑いましたが…(^-^;)

それではどうぞ!



Life.90~騎士達との鍛錬、悪神襲来~

 

 

 

オーディン様が訪日された翌日…。

 

俺は現在、冥界のとある建物へと足を運んでいる。

 

「…」

 

俺は辺りを見渡す。そこには、ところかしこにカメラやらマイクやらの機材が立ち並んでいる。

 

今日、俺がここに来た理由は、ここで行われるドラマ撮影に参加する為である。正直、果てしなく柄じゃないので断りたかったのだが…。

 

『あなたをより多くのヒトに知ってもらういい機会だわ。これもいい宣伝になるから、頑張りなさい』

 

と、部長からの励ましを受け、撮影に参加した。チョイ役という話だったが、台本を読むと結構セリフがあることに驚いたが、何とか撮影を終えることが出来た。

 

「…ふぅ」

 

俺のシーンの撮影がすべて終わり、楽屋に戻ると、椅子に腰かけ、一息吐いた。

 

「撮影、お疲れ様です。スバル様」

 

そこへ、1人の少女……ライザーの妹である、レイヴェルがタオルも持ってやってきた。

 

「ありがとう、レイヴェル」

 

礼を言ってタオルを受け取る。

 

「付き合わせてしまって悪いな」

 

「べ、別に、社会勉強の為にお手伝いをしているのであって、スバル様やグレモリー眷属の為というわけではありませんわ!」

 

俺から視線を逸らし、口を尖らせるレイヴェル。けど、こう言ってるが、仕事は真剣に取り組んでくれていた。

 

「それにしても、慣れないことはするもんじゃないな。随分とカッコ悪いところを見せちまったな」

 

「そんなことありませんわ! とっても恰好良かったです!」

 

ズイッと顔を寄せながら俺を褒め称えてくれるレイヴェル。お世辞でもそう言ってくれるとありがたい。

 

ふと、時計に視線を向けると…。

 

「おっと、もうこんな時間か…」

 

そろそろ人間界に戻らないといけない時間だ。

 

俺達、グレモリー眷属は、オーディン様の護衛を担っている。とは言っても、行き先はキャバクラだのと言った風俗ばかりなのだが…。

 

「俺はそろそろ戻る。今日はありがとう。また機会があればよろしく頼むよ」

 

「れ、礼には及びませんわ。わたくしで良ければ、お手伝いしますのでいつでもお呼び下さい」

 

俺がお手伝いの礼を告げると、レイヴェルはうっとりと頬を紅く染めていた。

 

さてと、本業の護衛の任を務めるとしますかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

ドラマ撮影終了後、オーディン様の護衛……というか観光? …を無事完遂し、自宅へ戻った。

 

軽く着替えを済ませると、ディオドラの件で活躍したことでいただいた新たなトレーニングルームに向かった。

 

正直、俺や木場やゼノヴィアは、通常の場所では力を全力で出すことが出来ない。すれば、辺りの風景を変えてしまったり、最悪は、地図を書き換える事態にまで発展してしまうからだ。

 

だが、このトレーニングルームは、特殊な作りがされている為、全力が出せるし、テロリストに気取られることもない。

 

そこに、俺は来ていた。

 

「「…」」

 

俺の目の前には木場とゼノヴィア。2人が聖魔剣、デュランダルを構え、俺と対峙している。

 

「…」

 

俺も双剣、二天を両手に持ち、構えている。

 

「…行くよ」

 

「…ハァ!」

 

木場とゼノヴィアが同時に俺に仕掛ける。

 

 

――ギィン!!!

 

 

最初に仕掛けてきた木場の聖魔剣の一撃を受け止める。

 

「続くぞ!」

 

 

――ギィィィィィン!!!

 

 

木場の上から、ゼノヴィアがデュランダルを振り下ろした。俺は木場の剣を振り払い、ゼノヴィアの剣を受け止める。

 

「うっ…」

 

だが、デュランダルをまともに受け止めると腕が痺れて使い物にならなくなるので、身体全体で威力を吸収させるように剣を受け止め、さらに受ける際に角度を付け、流した。

 

「おら、がら空きだぜ」

 

よろめいてバランスを崩したゼノヴィアの背に二天で斬りつけた。

 

「くっ!」

 

 

――ギィィィィィン!!!

 

 

ゼノヴィアは咄嗟に背中にデュランダルを向け、その剣を受け止めた。

 

「良い反応だ。…だがぁっ!」

 

 

――ガギィン!!!

 

 

俺は斬りつけた剣を持った手に力を込め、おもいっきり振り抜き、ゼノヴィアを弾き飛ばす。ゼノヴィアは弾かれたものの、地面に左手を付いて態勢をしっかり整え、キレイに着地した。

 

距離を取った2人は、再度構える。

 

「合わせて!」

 

「心得た!」

 

木場の掛け声と同時に2人が俺に斬りかかってくる。

 

俺は跳躍し、魔力で足場を創り、空中へと駆け上がっていく。当然、2人も俺を追いかけるべく、跳躍する。

 

やはり、スピードの特性である騎士だけあり、あっという間に俺の横へと並び、左右から同時に斬りかかってきた。

 

 

――ギィン!!!

 

 

俺は左右に持つ双剣で受け止めた。そのまま2人は、幾度ともなく斬撃を繰り出してきた。俺は、2人の斬撃を受け、かわし、流しながら対応する。

 

…思ったより息があってるな。このままだと少しまずいか…。

 

2人のコンビネーション……と言うよりか、力任せに突出するゼノヴィアを木場が上手くフォローしている感じだが、前後左右果ては上下から仕掛ける2人の攻勢は鋭く、手数も多い為、捌くのも容易くはない。

 

このままやられっぱないというのも面白くない。…こっちもそろそろ行くか。

 

「――禁手化(バランス・ブレイク)」

 

 

――カッ!!!

 

 

『Welsh(ウェルシュ) Dragon(ドラゴン) Balance(バランス) Breaker(ブレイカー)!!!!!! 』

 

「くっ!」

 

「ぐぁっ!」

 

俺が唱えるのと同時に俺から赤い光が発せられる。

 

ブーステッドギアを禁手化させ、ブーステッドギア・ライトアーマーを身に纏った。木場とゼノヴィアは、禁手化の際の余波で吹き飛ばされた。

 

「さて…」

 

俺の禁手化が終わると、弾かれた木場の方へ視線を向ける。

 

「っ!?」

 

俺の殺気を受けた木場が臨戦態勢を取った。

 

 

――ドン!!!

 

 

俺は空中で創った足場を蹴り、木場に対し、正面から突っ込む。聖魔剣を構え、待ち構える木場だが、俺は木場との距離が0になる直前、方向転換する。

 

「なっ!?」

 

木場の口から思わず声が漏れる。木場からすれば、正面から突っ込んで来た俺が突然、陽炎のように姿を消したからだ。

 

俺は空中縮地を繰り返し、木場の前後左右上下と反射をしながら飛び回っていく。

 

「くっ!」

 

俺の空中縮地による超高速移動は常人どころか、腕に覚えがある者でも目で追いきれない。木場は何とかその目で追っているようだが、完全には俺を捉えきれていない。

 

俺は頃合いを見て木場の上から左右の剣を同時に振り下ろした。

 

 

――ガギィィィィン!!!

 

 

ギリギリで俺の動きを捉え、聖魔剣で俺の斬撃を受け止めた木場。

 

「やるじゃねぇか、木場ぁっ!」

 

俺は剣同士が直撃した後、さらに力を込めて双剣を押し込んでいく。

 

「らぁっ!」

 

力一杯振り下ろし、木場を地面へと叩き落した。

 

「がはぁ!」

 

叩きつけられた木場は苦悶の声を上げる。

 

「隙ありだ!」

 

俺が木場を叩き落すまさにその瞬間を狙って両手で携えたデュランダルで首を刈り取りにきた。

 

「狙いは良い。…だが、奇襲するならいちいち声を出すな。後、剣術の基本は、小さく、鋭くだ」

 

俺は半身になって振り下ろされたデュランダルをかわす。その際、大振りし過ぎた為、ゼノヴィアの身体が泳いだ。

 

かわした後、ゼノヴィアの手を掴み、先ほど木場を叩きつけた場所へゼノヴィアを投げ下ろした。

 

「ぐぅっ!」

 

地面に落下したゼノヴィアは同じく苦悶の声を上げた。

 

俺は二天を真下に向け、剣先にオーラを集めていく。

 

「「っ!?」」

 

俺が何をしようとしているのか悟った2人は、慌てて起き上がった。

 

 

――ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォン…!!!

 

 

赤龍砲を2人目掛けて連続発射をした。直撃を避ける為、2人は高速移動をしながら弾幕をやり過ごしていく。

 

「固まっているのは危険だ。もう一度二手に――」

 

「――させねぇよ」

 

赤龍砲の弾幕によって出来た噴煙に紛れ、二天から村雨に切り替え、並んでいる2人に突っ込む。避けるのは間に合わないと判断した2人は迎撃の態勢を取った。

 

 

――ガギィィィィン!!!

 

 

「うっ!」

 

「くっ!」

 

抜刀と同時の一振り。その一撃により、2人は後方へと弾き飛ばされる。態勢を整えようとするが、俺はそんな間は与えない!

 

村雨で仕掛ける俺の攻撃を、2人は何とか捌いていくものの、防戦一方になる。

 

 

――パキィィィン!!!

 

 

「あっ!?」

 

とうとう、俺の斬撃に耐えられなくなった聖魔剣が音を立てて折れた。

 

「ふっ!」

 

俺は斬撃の反動を利用し、回転しながら木場の腹に蹴りをぶち込む。

 

「がっ!」

 

腹に一撃を喰らった木場は壁まで吹き飛ぶ。

 

「くっ! この…!」

 

破れかぶれでゼノヴィアが仕掛けてくるが、それよりも速く懐に飛び込みゼノヴィアの腹に掌打を打ち込んだ。

 

「ごほっ!」

 

掌打を受けたゼノヴィアも、同じく壁まで吹き飛んでいく。壁際まで吹き飛んだ2人に俺は追撃をかける。

 

「まずい!」

 

2人は慌てて左右に分かれて逃げようとするが…。

 

「逃がすか!」

 

左手に斬山刀を呼び出し、村雨と同時に投げつけた。村雨と斬山刀は左右に散ろうとしたまさに目の前に突き刺さり、2人は進路を阻まれ、動きを止めた。その硬直が命取りになった。

 

動きを止めた2人に対し、両手を手刀に構え、首元目掛けて突き抜いていく。その時…。

 

「そこまで~そこまでですぅ! 制限時間ですぅ!」

 

ギャスパーが大きなベルをぴょんぴょんと跳ねながら鳴らしている。俺は、2人の首元で手刀を止めた。

 

「「…っ」」

 

引き攣った表情で俺を見つめる2人は、俺はそっと首元から手を引き…。

 

「俺の勝ち♪」

 

と、笑顔で2人告げ、模擬戦が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

模擬戦終了後は、各々自主トレに励んでいる。

 

ギャスパーはアザゼル先生が開発した専用の神器を制御する為の練習アイテムで神器の訓練を行っている。

 

「…っ! …っ!」

 

俺は、村雨を切っ先を上にして地面に突き刺し、その切っ先に氣を一点集中させた人差し指を乗せ逆立ち、身体を支えている。

 

これは、集中力と氣の鍛錬の為の修行で、僅かでも集中を切らすと指がざっくりいく為、結構きつい。

 

「やれやれ、スバルの鍛錬には脱帽するばかりだ」

 

自主練を終えた木場とゼノヴィアが俺のもとにやってきた。

 

「まあ……な。これから先のことを考えたら……休んでばかりでは…いられないよ……ふぅ、ここまでにするか」

 

俺は村雨の切っ先から降りた。

 

「それにしても、僕もゼノヴィアも強くなってきたという自負はあるけど、君もさらに強くなっているんだね」

 

「そりゃ、鍛錬は欠かしてないからな。これで弱くなったらたまったもんじゃないよ」

 

俺はふぅっと一息吐いた。

 

「お前らだってどんどん強くなってるよ。正直、いつまで本気の2人を同時に相手出来るか分かんないよ。とりあえず…」

 

俺は置いておいたタオルで汗を拭うと、木場に振り返る。

 

「木場は動きがだいぶ良くなってきた。ただ、焦ったり、追い込まれると、基本に立ち返ろうとするきらいがある」

 

「…」

 

木場は無言で俺のアドバイスに耳を傾けている。

 

「それはもちろん、悪いことではないんだが…、ただ、あまりにも教書通りに動き過ぎている。だからあっさり先回りされて、焦ってさらに悪循環を生んでいる」

 

「…っ!」

 

思うところがあるのか、木場は表情を曇らせる。

 

「基本は確かに大事だ。だが、あくまでも基本。武術に精通している奴は当然それを知っている。基本とは、覚え、それを応用させてこその基本だ。相手を『見る』のではなく『視ろ』。自問自答しながら常に自分を冷静にし、相手を観察すれば動きが読めるようになる。動きが読めれば、先の先を取れるようになる。これを忘れるな」

 

「分かった」

 

「次にゼノヴィアだが、お前は単純に力任せに攻めすぎた。少しはテクニックを身に付けろ。今回は木場がフォローしてくれたから形になったが、もし、誰の助力も得られない状況で、俺や木場のような相手を敵に回したらあっさりやられるぞ」

 

俺の言葉にゼノヴィアはムッとした表情になった。

 

「だが、私にはデュランダルがあるのだぞ? 小手先のテクニックなど私には――」

 

「――それでシトリー戦の折にカウンター喰らってリタイヤした奴はどこのどいつだ?」

 

「うっ…」

 

俺の指摘に言葉を詰まらせる。

 

「強力な一撃なんざ、当たらきゃ牽制くらいにしかならないんだ。その為にも、お前にはある程度剣術を身に着けてもらう。…というか、お前過去に剣術の鍛錬途中で投げ出しただろ?」

 

ゼノヴィアの剣術はどうにも拙いというか、違和感を感じる。基本を無視し、自分の戦いやすいやり方で剣を振るっているような…。

 

「投げ出したわけではない! 剣術の鍛錬を開始してすぐにデュランダルの素養が見つかったからそっちに集中しただけだ!」

 

怒ったようにゼノヴィアが言う。

 

なるほどね。つまりは、実戦を重ねながら熟練させてきたというわけか。まあ、どちらにしろ、中途半端になってしまったことには変わりはないが。

 

過去に誰の師事も受けず、実戦経験だけで達人の域まで駆け上がった武人ももちろんいるが、ゼノヴィアの場合、なまじ、デュランダルという強力な武器があるだけに、一撃必殺に頼りがちな戦い方になっている。これは修正していく必要がある。

 

「とりあえず、ゼノヴィアにこれから基礎を徹底的に叩き込む。そのために、お前専用のカリキュラムを毎日こなしてもらう。終わるまで寝かせないからそのつもりでいろ」

 

「…むぅ。寝かせないのはベッドの上だけで良いのだが…」

 

何やら呟きながら口を尖らせるゼノヴィアだった。

 

「よう、やってるな」

 

そこに、差し入れ片手にアザゼル先生がやってきた。

 

「派手にやってるな。ま、お前達は何かと戦いに巻き込まれるみたいだからな。これくらいやっても罰は当たらんだろうよ」

 

各地の破壊跡を見ながら言った。

 

「…ところで昴。お前、将来、王『キング』になったらどうするつもりだ?」

 

徐に、俺にそんな質問をしてくる。

 

「うーん、と言われても、まだ先の話ですからね。特にはまだ」

 

「今の内に考えておけよ。何せ、お前の強さは並みの上級悪魔数人がかりでも勝てねぇ程なんだ。カオス・ブリゲードなんていう分かりやすい敵をいる。早けりゃ高校卒業までに昇格なんてことも充分考えられる。そのことを頭に入れとけよ」

 

そんなことを俺に告げた。

 

やれやれ、戦いでの勲功程、分かりやすいものはないからな。勝ち続ければ、それだけ昇格も早いか…。

 

「ま、それはさておき…」

 

アザゼル先生が表情を真剣なものに変えると…。

 

「お前に、朱乃のことを頼みたい」

 

俺に、そんな頼みをしてきた。

 

「あいつの堕天使嫌いはお前も承知しているだろう。今回、バラキエルを連れてきたことで、俺の言うことも聞かなくなる。傍であいつを守ってやれる男はお前だけになる。だから、お前に支えてやってほしい」

 

「もちろん、それはやぶさかではありません。ですが、俺は朱乃さんの詳しい事情を知りません。それを知らずして、朱乃さんを救うことは出来ませんよ?」

 

朱乃さんのことは俺も思っていたことだ。だが、俺は彼女の過去をほとんど知らない。

 

「それもそうだな。ここで俺が説明してやりたいところだが、俺からじゃ、堕天使に有利なバイアスがかかっちまうし、かと言って、朱乃からじゃその逆になっちまう。事情を聞きたいなら、サーゼクスかグレイフィアにでも聞け。あの2人なら、中立の立場で話をしてくれるだろうからよ」

 

ふむ、事情を聞くなら、その方が確かに良さそうだな。

 

「頼んだぜ」

 

ポンと俺の肩に手を置くアザゼル先生。その手には、力が込められていた。

 

アザゼル先生も、思うところがあるんだろうな。過去にも、何かと朱乃さんのことを気に掛けていたからな。

 

よし! やるか!

 

俺は心中で気合を入れた。

 

「あーそれと、この前収録したドラマだが、大好評だったらしくてな。連ドラの主演が決まったから、そのつもりでな」

 

「…」

 

入れた気合がプシューと抜けていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

オーディン様が来日され、数日が経過した。

 

本日、現在、日はすっかり暮れ、辺りは夜闇に包まれている。

 

現在、スレイプニルと呼ばれる8本足の巨大な軍馬が引く馬車に俺は乗って空を飛んでいる。馬車の中には、俺の他に、オーディン様にアザゼル先生。お付きの護衛であるロスヴァイセが乗っている。

 

グレモリー眷属は、ゼノヴィアがテロリスト対策で外で護衛をしており、その他の面々は馬車の中だ。他にも、イリナやバラキエルさんも外で護衛をしている。

 

「ほっほっほっ! ゲイシャ、ヤマトナデシコ。日本は佳きところよのぉ」

 

満足気な表情で高笑いを上げるオーディン様。

 

この方、来日してからキャバクラやら遊園地やら、果ては寿司屋やら…。これ以上にないくらい日本を満喫しているな。北欧の主神がこれでいいのか?

 

「オーディン様! まもなく日本の神々との会談です。旅行気分はここまでとして下さい。これでは、帰国の折に他の方々にお叱りを受けます」

 

そんなオーディン様を見て、お付きのロスヴァイセは額に手を当てていた。時折、小言も言っている。それものらりくらりとかわしている。

 

そりゃ、小言の1つでも言いたくもなるわな。

 

辺りを見渡す。やはり、これまでの護衛の任のこともあり、みんな疲労状態だ。アーシアに至ってはうつらうつらとさせている。

 

「…」

 

朱乃さんは、相変わらず、心ここにあらずと言った面持ちだ。その要因は言うまでもなく、バラキエルさん絡みなのだろう。

 

あれから、護衛の任の事情もあり、詳しい事情を聞くことが叶わなかった。バラキエルさんが傍にいる今の内に、どうにかしたいものだ。

 

その時…。

 

 

――ドックン!!!

 

 

「っ!?」

 

その時、強烈な敵意が俺を襲った。

 

何だ…。このドス黒い敵意は…。コカビエルとはまた違う…明確な敵意…。

 

俺はたまらず馬車を飛び出していた。

 

「昴!? どうかしたの!?」

 

部長が俺の突然の行動に怪訝そうに反応していたが、構わず外に出た。

 

「馬車を止めてくれ、すぐにだ!」

 

俺は、スレイプニルを操る御者に停止するよう求めた。俺の様子を察したのか、御者は手綱を引き、スレイプニルを停止させた。

 

「どうした! 何があった!?」

 

俺の様子から何かを察したのか、バラキエルさんが事情を尋ねてくる。

 

「…構えてください。ここに何かが近づいています。何かまでは分かりませんが、1つだけ言えるのは、敵……それも強者です」

 

「むっ!」

 

俺のことばを聞き、バラキエルさんが俺が視線を向けている方向へと向き直る。するとそこへ、高速で何かがやってきた。

 

馬車から、次々と外へとやってくる。

 

「…やれやれ、来おったか」

 

「っ!? まさか!」

 

「ちっ! 面倒くせぇのが…!」

 

オーディン様は嘆息し、ロスヴァイセは目を見開き、アザゼル先生は顔を顰めて舌打ちをした。

 

やがて、こちらの15メートルの程のところで停止した。

 

そいつは、見た目は目つきが悪い、整った顔の若い男。オーディン様が纏っているにローブにデザインが近い、黒が基調のマントを身に纏っている。

 

…あのマント……あれは北欧の神だけが纏うことを許されるものじゃなかったか?

 

男は停止すると、ローブの前をバッと広げた。

 

「お初にお目にかかる、三大勢力諸君! 我は北欧の神が一柱! 悪神ロキである!」

 

ロキと名乗った男は口角を吊り上げ、声高々に俺達に宣言した。

 

「嘘…」

 

名乗りを聞いた部長が顔を引き攣らせている。

 

北欧の神、ロキが目の前にやってきた。表情を相変わらず笑ったままだが、明確な敵意を俺達にぶつけてくる。間違いなく、穏やかなことにはならない。

 

その場にいる全員が臨戦態勢を取る。

 

過去最大の脅威が、やってきたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





時間が出来たので、2時間くらいぶっ通しで執筆していると、突如、パソコンの画面からテキスト画面が消える。普通、画面を消そうとすると、データの保存の有無が出るのですが、それも無し。ん? と思い、さっきまで書いた文章をパソコン内から探すが見つからず。2時間の執筆がパーとなったのに気付いたのはその5分後。初めてパソコンを外にブン投げそうになりました…(#^ω^)

書いた内容が消えたことよりも、2時間が無駄になったことに凹みました。地の底までにモチベーションが落ちましたが、何とか書き終えました。これからはこまめにデータは保存しよう…(^-^;)

愚痴をすいませんでしたm(_ _)m

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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