ハイスクールD×D~転生せし守り手~   作:bridge

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投稿します!

新年1発目、張り切っていきます。

それではどうぞ!



Life.93~白との共闘、龍王~

 

 

 

昴side

 

 

「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

辺り一帯に、部長の悲鳴が響き渡った。

 

ロキの光の砲撃をやり過ごし、戦場へと戻った俺の視線に飛び込んできたのは、部長に襲い掛かるフェンリルの姿だった。

 

まずい! 部長が囮になってるみたいだが、あれでは捕まるのは時間の問題だ!

 

俺は足場を創り、それを縮地で蹴ってさらに加速する。その時、部長がフェンリルの姿を見失い、その姿を探している。真上を向く部長に対し、フェンリルは正面から襲い掛かっている。

 

 

――くそっ! 間に合え!

 

 

俺は再加速をし、部長の肩を突き飛ばした。だが、それが精一杯で、俺の回避行動は間に合わず…。

 

 

――グシャッ!!!

 

 

俺の身体をフェンリルの牙が貫いた。

 

「間に………あっ……た……」

 

とりあえず、部長を助けることだけは出来た。

 

「ごふっ!」

 

その瞬間、言葉に言い知れようのない激痛が襲い、口からおびただしい程吐血した。

 

がはっ! これが……神を殺せるフェンリルの牙かよ。こんなの、未だに味わった事がない…。だが、へこたれて場合じゃねぇ!

 

「俺の眼の前で…、部長を喰らおうなんて……甘いんだよ。……これでも…喰らってろ…!」

 

俺はフェンリルの口内にある左手に南海覇王を展開し…。

 

 

――ドォン! ドォン! ドォン! …!!!

 

 

赤龍砲を連射した。

 

『ギャオオオオオォォォォォォン!!!!!!』

 

フェンリルは悲鳴ような遠吠えを上げ、俺の身体から口を放した。フェンリルは口から煙を上げながら落下していった。

 

「がはっ! ごほっ!」

 

それと同時に再び口から大量の血を吐いた。

 

「昴!」

 

部長が崩れ落ちる俺の身体を受け止め、支えてくれた。おかげで途切れかけた意識を繋ぎとめることが出来た。

 

「私を庇って…! すぐに治療を…!」

 

「大丈夫……です。口が完全に閉じきる前に…、武器を展開しましたから…」

 

悲痛な表情で俺を労わる部長を手で制した。

 

部長を突き飛ばした後、眼前にはフェンリルの大顎があり、俺は咄嗟に蒼天棍を展開し、牙の完全な直撃を避けた。それがなければ間違いなく死んでいただろう。

 

「それよりも…」

 

俺はある一角を指差す。部長もそこに視線を移す。そこには、フェンリルの傍らで神妙な表情で立つロキの姿があった。

 

「…ふむ。まさか我が子フェンリルをここまで。…だが、その代償は大きかったようだな」

 

部長に抱えられる俺を見てロキが勝ち誇ったかのような表情をする。

 

「……舐めるなよ」

 

それが癇に障った俺は部長から肩から腕を放した。

 

「昴! 無理は――」

 

部長の心配を他所に、俺は1歩前に出て、仁王立ちで立ち…。

 

「舐めるな悪神! 赤龍帝は……リアス・グレモリーの歩兵(ポーン)は、この程度で膝を折ったりはしない! 俺は、如何なる障害からをも跳ね返す守り手、御剣昴だ!」

 

「昴…」

 

「昴君…!」

 

俺は渾身の力を以ってロキに言い放った。俺の言葉は一帯に響き渡り、下がりかけていた士気を再び盛り上げることに成功した。

 

「フハハハハハッ! 完全にではないとはいえ、我が子フェンリルの牙をその身に浴びてなおそれだけの啖呵が切れるとは、見事だ」

 

ロキは高笑いを上げ、俺を称えるかのような言葉を言った。

 

「…だが、フェンリルの牙はそんな甘いものではない。断言する。赤龍帝、貴様は立っているだけでやっとだ」

 

うっすらと笑みを浮かべながら俺に言った。

 

ちくしょう…、そのとおりだよ。出血は相変わらず、気を抜いたら意識が飛びそうだ。だが、ここで倒れるわけにはいかない。俺が倒れてしまったら、再び士気が下がってしまう。立っているだけでいい。この意地、張り通す!

 

俺は歯をきつく噛みしめ、覚悟を決めた。

 

『っ!』

 

俺の姿を見て、部長を始め、他の眷属、イリナ、ロスヴァイセ、アザゼル先生にバラキエルが戦闘態勢を取る。

 

「……ふむ、赤龍帝…。瀕死の状態でも尚立ち上がり、我の前に立ち塞がるとは。…聞きしに勝る豪傑ぶりだ。……危険だ。この期に仕留めておいた方が懸命と言える」

 

スッとロキが手をこちらに向ける。それと同時に全員が臨戦態勢を取った。

 

「……だが、フェンリルがここまでの手傷を負ってしまってうえ……貴様まで現れてしまってはな」

 

フェンリルの視線が俺でも部長でもなく、かといってオーディン様でもなく、違う方向を向けていた。

 

「?」

 

ロキの視線を追っていくとそこには…。

 

「赤の波動に魅かれたか………白龍皇」

 

そこには白銀の全身鎧に身を包んだ者がそこにはいた。

 

「ヴァー……リ…」

 

ロキとフェンリルに集中していた為か、接近に全く気付かなかった。ヴァーリはゆっくりと移動し、俺の正面に立った。

 

「あえて聞こう、白龍皇よ。この場に何をしに来た?」

 

「…その問いに答えずともすでに理解しているだろう? …悪神ロキ。貴殿の首を頂きに来た」

 

薄っすらと笑みを浮かべながら問いかけるロキに、ヴァーリが淡々と答えた。

 

「よもや、白が赤を守るとはな。奇妙なこともあるものだ。…此度の二天龍は、争うことをやめ、誼でも深めたのかな?」

 

「……彼は……赤龍帝は俺の得物だ。ただ、それだけだ」

 

「……フフッ、なるほど」

 

その問いを聞いて、ロキは含み笑いを浮かべる。

 

「これでは正真正銘、多勢に無勢だな。二天龍も見られ、満足した。今日のところは引こう」

 

ロキがマントを翻すと、空間が大きく歪み、ロキとフェンリルを包みだした。

 

「無論、これは終わりではない。然るべき会談の日、我は再び姿を現わそう」

 

姿を消す直前、ロキはオーディン様に視線を向け…。

 

「主神、オーディンよ! 我は貴様の愚かな所業、決して許さん。会談の日がその日が貴様の最後の晩餐となると心得よ!」

 

それだけ告げて、消えていった。

 

「くっ…」

 

ロキがいなくなると、俺の中で張り詰めたものが切れ、意識が途切れていった。

 

「昴!」

 

「スバルさん!」

 

部長とアーシアの俺を呼ぶ声を聞きながら、俺は意識を失っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「うっ…」

 

気が付くと、そこは馬車の中だった。俺の身体を、淡くて温かい緑色のオーラが俺を包み、癒していた。

 

「スバルさん! 気が付いたんですね! 良かった…」

 

視線を向けるとアーシアがトワイライトヒーリングで俺を癒していた。俺が意識を取り戻したのを確認すると、涙ぐみながら喜んでいた。

 

「?」

 

右手がやけに温かい…というよりも、氣が右手を巡り、身体中に行きわたっていた。俺の右手に視線を移すとそこには、小猫が俺の右手を握り、そこから氣を流していた。

 

「私が仙術で氣の巡りを良くしました。これで自然治癒力が向上するので早く治るはずです」

 

「そうか。ありがとな、小猫」

 

小猫が右手から手を放すと、俺は小猫の頭を撫でた。

 

「うにゅ……先輩がいなくなってしまうのは、嫌ですから…」

 

僅かに頬を紅く染める小猫。ここで、馬車内に部長を始めとした面々がいないことに気付いた。

 

「リアスお姉様達は外でお話をしています。…その、白龍皇さんも…」

 

…そうだ、そういえば、ヴァーリが来てるんだった。

 

俺は外に出る為に立ち上がるも足に力が入らず、よろめいてしまった。

 

「っ! スバルさん! まだ安静にしていて下さい!」

 

「そうです。フェンリルの牙で受けた傷は簡単には治らないって先生が言ってました。だからまだ寝ていて下さい」

 

立ち眩みを起こした俺をアーシアと小猫が支えるように傍に寄った。

 

「…大丈夫、少し血が足りなくて貧血を起こしただけだ。ただ歩く分にはもう問題ないよ」

 

俺は身体を支える2人から離れるように歩き出す。

 

うん、少し身体に力が入らないが、問題ないな。

 

俺はゆっくり歩きながら馬車の外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

外に出ると、馬車はすでに地上の降りていた。場所は駒王学園近辺の公園だった。

 

馬車から少し離れたところで部長を始めとした面々が話し合いをしていた。そこにはヴァーリと、美猴やアーサー、黒歌の姿もあった。俺が傍まで歩み寄ると…。

 

「昴! まだ傷は癒えてはいないのだから、休んでいなくちゃダメよ」

 

馬車で安静にするよう促す部長を俺が手で制した。

 

「話し合いに参加する程度なら問題ありません。それより、今、話していたのは、先にやってくるロキとフェンリルの対策、ですね?」

 

『…』

 

俺がそう切り込むと、ヴァーリ達以外の表情が暗くなった。

 

それも当然だ。ロキとフェンリル。どちらもかなり強者であり、特にフェンリルの牙は圧倒的だからだ。

 

沈黙をしていると、ヴァーリが口を開いた。

 

「率直に、この戦力と御剣昴だけでは、絶望的だな。英雄派の活動が活発な今、冥界も天界もヴァルハラも混乱状態でろくに増援も送れない。まさに手詰まりだな」

 

ヴァーリが他人事にように言う。実際他人事だが…。

 

「ならどうする? お前の目当てもロキのようだが…、いくらお前でも、ロキとフェンリルの両方を相手取れるとは思えないが?」

 

両者と相手をした俺だから分かる。ロキとフェンリルは強い。ヴァーリも、強くなっているのは分かるが、あの両方を倒せるまでではない。

 

「お前の言う通り、いくら俺でもロキとフェンリルの両方を相手するのは困難だ。だが1つ、両方を倒す方法がある」

 

ヴァーリがそう言うと、俺の方に視線を向けた。

 

「それは、二天龍が手を組むことだ」

 

『っ!?』

 

そうヴァーリが言った瞬間、ヴァーリの仲間を除いた全員が驚愕をした。

 

「…お前と共闘か……なるほど、悪くない。俺としては願ってもない提案だな」

 

俺はヴァーリの提案に思わず笑みを浮かべる。

 

「昴、あなた何を言ってるの? ヴァーリはテロリストで、私達の敵なのよ? 裏で何を企んでいるのか、分かったものでは…」

 

部長はこの提案に反対のようだ。

 

「心中は察します。ですが、現状を考えれば、渡りに船です。増援が見込めない今、ヴァーリ程の戦力が加わるのは大きいです」

 

「……それは十分理解しているわ。けれど…」

 

説得を試みたが、それでも部長は了承しかねるようだ。

 

「現状の戦力でロキとフェンリルを討てる確率は微々たるものでしょう。仮に討てても、その時は眷属の何人かは死ぬことは確実です。ですが、ヴァーリとその仲間が加われば、勝率は上がるうえ、全員が生存して勝利することも可能になる」

 

「…」

 

それでもヴァーリの助力得ることに踏ん切りつかない部長。

 

「プライドを取って眷属を犠牲にするか、プライドを捨てて眷属の命を取るか…」

 

「っ!?」

 

「俺が言えるのはこれだけです」

 

卑怯な言い方ではあったが、それを言ったら部長の表情が曇った。そして一息溜息を吐くと。

 

「…確かに、今、考えなければいけないのは、会談を成功させることと、その会談を妨害をしに来るロキの討伐することだわ。……良いわ、納得したわけではないけれど、ヴァーリ、あなたの助力を受けるわ」

 

幾分か納得していないところはあるも、部長はヴァーリ達の助力を受けることに決めたようだ。

 

「けれど、私の一存だけでは決められないから、この件はお兄様に報告させてもらうわ」

 

そう言って、俺達の輪から離れていった。

 

「お前がただロキと戦う為だけに来たとは思えねぇが、今は少しでも戦力が欲しい。ま、あてにさせてもらうぞ」

 

アザゼル先生も、ヴァーリに何か企みがあると考えるものの、今は貴重な戦力として引き入れることに決めたようだ。

 

「話は一旦ここまでだ。今日はロキの襲撃で全員疲弊しているからな。細かい話は明日にするぞ。各自……特に、昴はゆっくり休め」

 

ここで、アザゼル先生は俺達に休養を命じた。部長はそれを了承し、話し合いは翌日にすることが決まり、俺達は、ゆっくりと身体を休めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

そして翌日…。

 

俺の家の地下の大広間に、グレモリー眷属、イリナ、アザゼル先生、バラキエル、シトリー眷属、そして、ヴァーリチームがいた。オーディン様とロスヴァイセは、別室で本国と連絡を取っていた。

 

ロキ対策を始める前に部長から、ヴァーリ達の処遇について。部長がサーゼクス様に報告したところ、かなり悩んだようだが、旧魔王の末裔の申し出は無下に出来ないと共闘を了承したらしい。

 

部長の報告が終えたところで、アザゼル先生が本題を切り出す。

 

「さて、問題のロキとフェンリルの対策についてだが…、これは、奴らに詳しい者から聞くことにする」

 

「詳しい者?」

 

俺が思わず問い返すと…。

 

「ミドガルズオルム。終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)と呼ばれる、五大龍王の一角だ」

 

「五大龍王…」

 

詳しく聞くと、ミドガルズオルムは、ロキが創り出したドラゴンなのだが、強大な力とは裏腹に、怠け癖がひどく、北欧の神々も使い道が見いだせず、仕方なしに世界の終末の時にだけ何とかしろ言い含め、海に眠るよう促したらしい。

 

「ここには二天龍に、ヴリトラがいる。龍王が後1匹いりゃ、龍門(ドラゴンゲート)が開ける。そこからミドガルズオルムを呼び出す。本体は北欧の深海にいやがるからな」

 

「なるほど…」

 

匙だけが、話の大きさに腰が引けていたが、大方を俺とヴァーリに任せれば大丈夫だと言い聞かせていた。

 

「ただ、肝心の後1匹の龍王だが…。元龍王の一角であるタンニーンを呼びたかったんだが、何でも、タンニーンの領地にも英雄派の尖兵が現れてな。まあ、タンニーンの領地はタンニーンを始め、強大なドラゴンが大量にいるから万が一のことはないだろうが、念には念を入れて、タンニーンは防衛にあたることにしたらしい」

 

確か、英雄派の目先の目的は、神器持ちの人間を禁手化へと昇華させること。ドラゴンの巣窟なんて、劇的な変化をもたらすのにうってつけの場所だ。

 

タンニーンがどうにかなるとは思えないが、あそこにはドラゴンアップルがある。もし、あれをカオス・ブリゲードに抑えられたら状況は最悪になる。タンニーンの判断は賢明だ。

 

「タンニーンの代役だが…、昴、『あいつ』とは連絡は取れたのか?」

 

「はい。事情を伝えたら、『すぐに向かう』と」

 

「よし。なら、『あいつ』が来るまでひとまず待機だ。俺はその間に準備があるから席を外す。バラキエル、お前も付いてきてくれ」

 

そう言って、バラキエルさんと共に大広間から出ていった。話し合いはここで一時中断となり、各自、自由時間となった。

 

ある一角では、部長と美猴が俺の家所有のプールを巡って言い合いをし、ある一角では、イリナがアーサー所有の聖剣に興味を示し、その横で木場とゼノヴィアが警戒しながら話を聞いていた。アーシア、小猫、ギャスパーは椅子に座って談笑をし、朱乃さんはお茶を淹れなおしていた。

 

さて、俺はどうするか…。

 

読みかけの本でも読もうかと部屋に取りに行こうとすると…。

 

「にゃん♪」

 

突如、黒歌が俺へと飛びついてきた。俺は咄嗟に抱きとめた。

 

「ととっ、いきなり何のつもりだ、黒歌」

 

「フフッ、前よりも男前になったみたいにゃん。……ぺロッ」

 

俺の顔に黒歌が顔を近づけると、ペロッと俺の頬を一舐めした。

 

「ぬふふ~、ところで赤龍帝、いきなりだけど、私と子供を作らない?」

 

「…ほんとにいきなりだな」

 

徐に何かと思ったら子作りとはな。まあ、その手のサプライズはゼノヴィアで経験済みだから特別狼狽えたりはしないけど。

 

「私ね、子供を作るなら強いドラゴンとって決めてるのよ。人間ベースのドラゴン、それも二天龍なら言うことなしにゃん♪ どう? こう見えて、スタイルには自信があるんだけどにゃ~」

 

そう言いながら着物をはだけさせ、自身の胸を強調するように揉みしだき始めた。

 

「それならヴァーリにでも頼めばどうだ? 向こうは、二天龍に加え、旧魔王の末裔という血統書付きだぞ?」

 

「ヴァーリがオッケーすると思う?」

 

「思わない」

 

あいつはそういうのに毛ほども興味なさそうだからな。

 

「それにね。私はただドラゴンの子供が欲しいんじゃないのよ」

 

そう言って黒歌が俺の耳元に口を近づけ…。

 

「あなたの子供が欲しいのよ」

 

と、耳音で囁き、フッと吐息をかけてきた。

 

やれやれ、思春期の少年なら二つ返事でゴーサイン出しそうなことを言いやがって。まあ、当然、了承は出来ないので上手く断ろうと言葉を選んでいると…。

 

「そこまでです。姉様」

 

黒歌に気付いた小猫が黒歌の着物の襟を掴んで俺から引き離し、俺の胸に飛び込んだ。

 

「姉様に先輩は渡しません」

 

と、黒歌を睨み付けた。そんな小猫を見て黒歌はニヤリと笑い…。

 

「おー怖い怖い♪」

 

ヴァーリの方へ向かっていった。

 

やれやれ、何とも騒がしい奴だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

それからしばらく待機していると…。

 

「……ん?」

 

ソファーで読書をしていると、ここに何者かが近づいてくる気配を察知した。

 

それもかなりスピードだ。だが、敵意や悪意はない。これは…。

 

 

――ドォォォォォォォォォン!!!

 

 

『っ!?』

 

気配の元が、この家と重なると、爆発とも思える爆音と共に家を揺らした。他の者達は、ヴァーリチームを除いて慌てふためいたり、臨戦態勢を取っていた。

 

「やれやれ、来たか」

 

俺は読んでいた本に栞を挟み、本を閉じると、ドドドドッという音が徐々にこの大広間へと近づいてくる。

 

 

――ドォン!!!

 

 

音が近くなると、扉が破壊され、何者かが姿を現わした。

 

「昴よ! お前の招集に応じ、ただいま到着したぞ!」

 

現れたのは、龍王の一角、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)、ティアマットだった。

 

「ティアマット、よく来てくれ――ぐふっ!」

 

言い切る前にティアマットが俺の胸の飛び込み……突撃してきた。

 

「会いたかったぞ、昴! お前が中々呼んでくれぬから寂しかったではないか!」

 

「き、来てくれて感謝する、ティアマット…ゴホッゴホッ! とりあえず、一旦離れてくれ…」

 

ティアマットの突撃とホールドで呼吸がままならず、咳き込んでしまう。

 

「何かと思えば、庭に大穴空けただけではなく、扉まで壊して……そんなことより、昴から離れなさい!」

 

部長が必死にティアマットを俺から引き剝がそうとする。

 

「やかましい、乳ばかり育った小姑め。耳元で騒ぐな」

 

「誰が小姑よ! あなた、消し飛ばされたいの!?」

 

部長とティアマットが一触即発になる。

 

「お願いです。離れて下さい! でないとスバルさんが…!」

 

アーシアが懸命にティアマットに訴える。

 

「ブクブクブクブク…」

 

俺はその時、呼吸がままならず、口から泡を吹いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「ゴホッゴホッ!」

 

「ハッハッハッ! すまぬな」

 

俺はティアマットのホールドから解放され、ようやく呼吸を整えることが出来た。

 

「全く…、言っておくけど、壊したドアや庭に空けた穴はあなたが直しなさいよ」

 

呆れ半分、怒り半分で部長がティアマットに言いつけた。

 

「それにしても、昴から事前に話を聞いた時には耳を疑ったが、本当にここにおるとはな。………白龍皇よ」

 

ひとしきり笑い声を上げると、突如、ティアマットは笑みを消し。ヴァーリに殺気を向けた。

 

「かつて赤と白が手を取り合った事実はない。貴様、何が目的だ? 事と次第では貴様をこの場で八つ裂きに――」

 

「――やめろ。事前に忠告はしておいたはずだ。白龍皇……ヴァーリとは共闘関係にあるから手を出すなと…」

 

今にもヴァーリに仕掛けようとするティアマットを俺が制した。すると、ティアマットは鼻を鳴らし、殺気を収めた。

 

「運が良かったな。昴の命がなければ貴様は今頃屍を晒していたぞ」

 

ティアマットがヴァーリに背を向けると、ヴァーリは肩を竦めた。そこへ…。

 

「なんだ、この壊れた扉は……おっ? ティアマットは到着したようだな」

 

アザゼル先生が姿を見せた。

 

「準備が出来た。行くぞ」

 

そう告げると、アザゼルの足元から転移魔方陣が現れた。俺、ヴァーリ、匙、ティアマットがその魔方陣内に足を踏み入れた。

 

俺達は、迫るロキとフェンリルの襲撃の備える為、対抗策を知りえるミドガルズオルムを呼び出す為、移動するのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





原作とあまり変わり映えのない展開で申し訳ないです…(^-^;)

このティアマットはオリキャラであり、原作と立ち位置が異なります。

さてさて、新年、あけましておめでとうございます。今年も適度な投稿ペースを維持し、執筆活動に励みたいと思いますので、皆さま、お時間の許す限り、お付き合い下さい…m(_ _)m

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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