登校します!
遅筆で申し訳ございません…(^-^;)
後、薄い内容です…orz
それではどうぞ!
作戦会議が終了後、各自、会談を成功させる為、備える中、俺はトレーニングルームに籠って修行を重ねていた。
「ハァ…ハァ……ちっ」
その場に大の字になって寝転ぶ俺。思わず舌打ちが出る。
会談の阻止に来るロキ。そのロキが連れているフェンリルにダメージを通す手段を見つける為、必死に手段を模索したが、一向に何も掴めずにいる。
「……ダメだ。こんなんじゃ実戦では…ましてやロキやフェンリル相手にはとても…」
大技を決めようとすればどうしても溜めが大きくなったり、モーションが大きくなる。相手が鈍重なら問題ないが、次の相手はスピードも恐ろしく速い。しかも体力もある。
俺の武術の根源にある北辰流。状況や相手に応じて戦い方を変える特色がある。たいていの武術なら、一目見れば模倣が出来、1度試せば次からは自分が扱いやすいように自分に組み込める。歴代の北辰流の継承者は、それを繰り返しながら北辰流を進化させ、次の継承者がさらに進化させ、再び継承させる。
歴代の継承者が北辰流に組み込んできた技もかなりあるのだが、ロキやフェンリルに通じる技となるとそう多くない。ロキはともかく、万が一フェンリルを相手にすることになった場合、通じる通じない以前に、当てる事が困難となる。
「そうなると、ブーステッドギアを併用するしかないが…」
ブーステッドギア……禁手化による力の倍化は体力をかなり消耗するので、長時間使用出来ない。かと言って、技を決める時だけ最大倍化しようとすると、倍化しきるまでに若干のタイムラグがあるため、その間に逃げられてしまう。
一応、ミョルニルという切り札があるにはあるが、あれが文字通りの切り札。安易に使えない。やはり…。
「フェンリルは、部長達に任せるしかないか…」
決して部長達を信じてないわけではないが、次の戦いは何かしらの不確定要素があることは確実なので、楽観視は出来ない。
ヴァーリと組んで戦うとは言え、あいつは俺に合わせるような玉じゃないから自ずと俺が合わせる事になる。難儀な事だ。
「やれやれ、今日はもうこのくらいにしておくか」
何かを見つけても、実戦までにモノにすることは出来ないだろう。これ以上は次の戦いに影響が出る。身体を休めよう。
「さて…」
俺は反動を付けて起き上がると、トレーニングルームを後にした。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「ふぅ」
シャワーを浴び、汗を流すと、自分の部屋のベッドに倒れこんだ。身体は疲労しているはずなのに、眠る気が起きない。
「神か…」
聖書に記される堕天使、ロンギヌスを所持した魔王の末裔、この世界に転生して、様々な者と戦ってきたが、まさか神と戦うことになるとはな。全く、この世界は退屈しないな。
――コンコン…。
その時、部屋の扉をノックされた。
「どうぞ」
俺が一声かけると、パジャマ姿の部長が部屋に入ってきた。
「部屋の戻っている姿を見かけたから様子を見に来たわ」
「わざわざありがとうございます。あっ、今、何か淹れますので、こちらに」
部長を椅子へと誘うと、俺は部屋に備え付けられている冷蔵庫から牛乳を取り出し、それを同じく備え付けられているガスコンロで軽く温め、後は砂糖、蜂蜜を少し入れ、マグカップに注いだ。
「ホットミルクです」
「ありがとう」
マグカップを受け取ると、部長は僅かに口に入れた。
「…美味しい。寝る前にいいかもしれないわね」
「それは何よりです」
それから部長は言葉を交わすでもなく、ただ黙ってホットミルクを口にしていた。
「…何か話したい事があったんじゃないですか?」
「……ええ」
俺がそう尋ねると、部長は頷いた。
「これから始まる戦いのこと」
「…」
ロキとの決戦のことか。
「アザゼルは会談に参加する。当日、私が戦いの指揮を取ることになるわ」
「……不安ですか?」
「会談を阻止するロキとの戦いの指揮を取れることは栄誉なことよ。…でも、私にそれが務まるかどうか…」
そう言うと、部長は視線を落とし、マグカップの縁に触れた。
「ライザーとのレーティングゲームの時も、コカビエルとの戦いの時も、ソーナとのレーティングゲームの時も、私の指揮は不甲斐ないものばかりだった。先日の戦いも、危うくあなたを失うところだった」
「…」
「ロキとフェンリルは恐ろしい敵だわ。それは身をもって味わった。私のせいで私の眷属を失ってしまうかも考えると、私は――えっ?」
俺は、不安で押し潰されそうになっている部長の手を両手で包み込んだ。
「少しは落ち着きましたか?」
「昴…」
「部長が誰よりもみんなの誇れる主であろうと努力してきたことは俺は…いや、俺達は知っています。部長が俺達の事を家族のように想っていることを俺達は知っています。例え命を落とすことになっても、俺達はあなたを恨まない」
「…」
「心配はいりませんよ。俺だって、仲間は失いたくないですからね。もし、部長の予想を超える状況になったなら、俺がみんなを守ります。絶対に誰も死なせません」
それは、俺の本心だ。部長1人に背負わせない。
「……そうね。あなたは守ってくれる。命と引き換えにしてでも…」
「部長?」
「ロキ程の者と戦うとなれば、犠牲を出さずに戦いを終える事は難しいわ。きっと、あなたにもかなりの無茶を…いえ、無理を強いらなければならない。それでも…!」
部長は俺を引き寄せ、俺をきつく抱きしめた。
「死なないで。絶対に。私はあなたを失いたくない。だから、お願い…!」
部長の心からの願い。
「もちろんですよ。死んだら部長を守れない。俺は死ぬこと以上に、守れないことの方が怖いですから。全ての戦いが終わり、部長の夢を全て叶えるまでは、俺は死にませんよ」
ニコリと笑みを浮かべながら部長に言った。
「……約束よ」
部長も、無理やり笑顔を浮かべながら言った。
その後、暫しの間俺を抱きしめると部長は俺から離れた。
「ありがとう。少し落ち着いたわ。部屋に戻るわ。あなたも鍛錬で疲れているでしょうから」
そう言って、扉へと向かっていった。
「絶対に生きて戦いに勝つのよ。…私の夢は、あなたがいないと叶わないのだから…(ボソッ)」
最後の方は聞き取れなかったが、そう俺に告げた後、部長は部屋を後にしていった。
「…」
俺はベッドに倒れこむように寝転ぶと、すぐさま睡魔が襲ってきた。
今、俺の胸中がとても穏やかになった。今日はよく眠れそうだ。
俺は、早々に夢の世界へと旅立ったのだった…。
※ ※ ※
翌日…。
ロキの襲撃に備え、着々と準備が進められていく。
「…」
部長は先ほどグレイフィアさんからグレイプニルの鎖に関する書類に目を通している。木場とゼノヴィアはこの場におらず、暇をしていたティアマットとトレーニングルームで手合わせをしている。小猫は黒歌のちょっかいを交わす為、外に鍛錬を兼ねて走りにいっており、アーシアとギャスパーは家事をこなしている。
「…」
朱乃さんも同じく家事をしているが、心ここにあらずと言うか、時折何か考えているかのような素振りを見せている。
一方で、ヴァーリ達、ヴァーリはソファーに腰掛け、何か北欧の書物を読みふけっている。黒歌、美猴、アーサーは何処か姿を消しており、ここにはいない。
さて、どうするかな…。トレーニングルームは今、木場とゼノヴィアが使ってるし、2人の邪魔をするのもな…。
「ほっほっほっ、邪魔するぞい」
そこへ、オーディン様がやってきた。
「オーディン様?」
ヴァーリを除く、皆が作業を止め、オーディン様をお出迎えをしようとすると、オーディン様は手で制した。
「よいよい。暇が出来たらから寄っただけじゃ」
すると、視線を俺に向け、その後ヴァーリに向けた。
「あの赤と白が並び立つ姿なんぞ稀有なことじゃからな。…どうじゃ? 儂と話でもしていかんか?」
「はぁ…」
「…」
俺は戸惑いながら返事をし、ヴァーリは特に返答はせず、変わらず書物のページをめくっている。
「過去の赤龍帝と白龍皇を知る儂からすれば、お主らが戦いもせずに同じ空間で過ごす姿なぞ考えられんことじゃ。昔のは場所も何も関係なく赤白対決をして、周囲の景色吹き飛ばしておったからのう。しまいには覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を発動して大暴れして死んでいきおった。いったいどれだけ地図を書き直す事になったことやら…」
やれやれと言った表情で語っていく。
「片方が調和を、片方が戦いを臨む二天龍。互いが相反する思想を持っていると聞きましたから、共闘等ありえないと思っていましたが、以外と互いに冷静で驚きました」
オーディン様の後ろにロスヴァイセが現れた。
アザゼル先生も今回の二天龍は過去に類を見ないって言っていたな。まあ、俺は別にヴァーリが憎いわけではないし、ヴァーリの方も、良くも悪くも純粋な戦闘狂だからな。
「ところで、主らはどこが好きじゃ?」
「「?」」
「これじゃよこれ」
オーディン様が小指を立てながら聞いてくる。
「女の身体じゃよ。興味がないわけではあるまい? 主らは女の身体のどこが好みなのかのう」
唐突にこんなことを尋ねられた。
返答に困る質問だな。
「くだらないな」
心底くだらなそうな表情で答えるヴァーリ。
「女性は…と言うか、女性に限った話ではありませんが、外見ではなく内面だと思いますが…」
これが俺の答えだ。
「つまらん答えじゃのう。互いに傍にナイスバディを連れておるのにのう」
胸のところでゆさゆさと手でジェスチャーしながら部長と朱乃さんの方に視線を向けると、部長は顔を赤らめながら胸を腕で隠し、朱乃さんは頬に手を当て、あらあらと言った表情をした。
「まあ、強いて挙げるなら、胸…ですかね。大きさ関係なく。…お前は?」
渋々質問に答えた後、ヴァーリに話を振る。
「俺はそのようなものに感心はないな」
あくまでも無関心を貫くヴァーリ。
「てめぇズルいぞ。こっちも答えたんだからお前も何か答えろよ」
隣に座ってヴァーリの肩を肘で突いた。すると、少し考える素振りをした後…。
「……そうだな、強いてあげるなら、腰からヒップにかけての女性を象徴的なところ、かな」
と、書物を読みながらそう答えた。
「ほっほっほっ、そうかそうか。称するなら、乳龍帝とケツ龍皇と言ったところかのう」
『むぅっ! そのような不名誉な呼び名を付けるな…!』
『ぐぬぬ! 二天龍と称される我らにそのような…!』
オーディン様の付けた二つ名に、二天龍の2匹が不快感を示していた。ひとしきり笑った後、オーディン様は向かいのソファーに腰掛けた。
「…やはり、若い者はいいのう」
「?」
笑っていたかと思うと、突如、表情を改めた。
「儂はのう、最近まで儂の知恵袋1つで何でも解決出来ると思っておった。思い込んでおった。じゃが、その愚かな傲慢さが、ロキのような異分子を生み出してしまった」
「…」
「年寄りの冷や水が今の若い者に苦労をかけておる。もっと、若い者の可能性を信じ、目を向けていれば、このようなことにはならんかったじゃろう。時代というのは移ろうものじゃ。時代に応じて変わる事が出来なければ時代に取り残される。じゃが、それが出来んかった…」
そう淡々と語るオーディン様の瞳は、悲哀に満ちていた。やはり、今の現状にある程度の後悔があるのだろう。
「……先人達が頑張ってくれたからこそ、今の世代の者達が新しいものに目を向ける事が出来る。確かに、古い体制にしがみついていては、先はないかもしれない。ですが、そこから学べるものだってあるはずです」
「お主…」
「若者というのはがむしゃらに新しいことに挑戦出来る反面躓きやすい。そんな時、先人達の知恵と経験が必要になります。そうして共に前に進む事で出来ればきっと、世界は良いものになると俺は思います」
故きを温ねて新しきを知る。古き枯れ葉は、次の世代の養分となり、再び新しい世代へと受け継がれる。これを繰り返し、世界は回っていく。
少々年寄り臭くなってしまったが、これが俺の考えだ。オーディン様は目を見開いて俺を見て、クックッと笑い出した。
「お主は面白い。お主のように若さと年寄り臭さを兼ね備えた者も珍しい。儂にもお主ように柔軟さがあれば、今の現状ももっとマシなものになっておったじゃろうな」
オーディン様は満足そうに微笑んだ。
「やはり、若さはいいのう」
そう言い残し、オーディン様は部屋を後にしていった。
※ ※ ※
夜になり、夕食を済ませた後、トレーニングルームでボロボロになって倒れていた木場とゼノヴィアをアーシアに治療してもらった後部屋のベッドまで運んだ。
「やれやれ、世話が焼ける」
ティアマットも、戦いが近いんだから少しは手加減してやればいいのに。…ま、傷はアーシアが治したし、一晩寝れば体力も戻るだろう。
「…ん?」
部屋の前の扉を開けようとしたその時、中に気配を感じ、ドアノブに伸ばした手を一瞬止めた。
この気配は…。
俺はドアノブを掴んでドアを開けた。
「朱乃さん?」
そこには、白装束に身を包み、髪を下した朱乃さんが部屋に立っていた。
「昴君…待っていたわ」
振り返り、俺の姿を確認すると、薄っすらと笑みを浮かべた。
「うふふ、早くこっちへ…」
ドアの前で立つ俺の手を両手で掴み、俺を部屋に誘った。
「朱乃さん、いったいどうし――」
戸惑う俺、朱乃さんは俺をベッドのところまで引っ張っていくと、ベッドに俺を突き飛ばした。
「えっ?」
突き飛ばされてベッドへ倒れこむと、朱乃さんは俺に覆い被さるように乗ってきた。
「昴君……私を…抱いて…」
そう告げた後、上半身を上げ、身に着けていた白装束を肩から外し、脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になった。
「今宵の私はあなたのもの…。私を、あなたの好きなように…」
瞳を閉じて俺の唇に自身の唇を少しずつ近づけてくる。朱乃さんの唇が俺の唇に触れる直前…、
「きゃっ!」
俺は朱乃さんの肩を掴み、体位を入れ替え、逆に俺が組み伏せた。
「す、昴君…」
俺の突然の行動に戸惑いを見せる朱乃さん。俺が朱乃さんの頬を指先で触れ、ツーっと伝わせた。
「っ!」
ビクッと身体を震わせる。
「……身体、震えてますよ」
「えっ?」
俺は脱ぎ捨てられた白装束を手にすると、朱乃さんの肩に掛けた。
「悲しみや戸惑いを紛らせる為だけに、自分の身体を傷つけてはダメだ」
「っ!?」
俺が指摘すると、朱乃さんは表情を曇らせた。
「後に後悔すると分かっていて、あなたを抱く事は出来ない」
「……どうして。どうしてあなたは…!」
俺が告げると、朱乃さんは怒りを露わにした。
「男の人に抱かれて安心を得る事の何が悪いの!? そんなこと、誰だってしていることじゃない! 私は、あなたになら――」
俺は朱乃さんが言い切る前に抱きしめた。
「っ!?」
抱きしめると、朱乃さんは身体を一瞬ビクつかせた。
「…少しは落ち着きましたか?」
「…っ」
「俺は絶対にいなくならない。あなたが望むなら、こうして傍にいる。だから…」
俺はここで朱乃さんから身体を離した。
「自分を大事にしてくれ。そして、自分が信じているものをもっと信じてほしい」
「………ごめんなさい。私、どうかしていたわ」
俯きながら俺に謝罪した。
「それと、ありがとう。――してるわ」
俺の胸に額を付け、そう呟いた。
その声は、どこか安堵の色が含まれていた…。
※ ※ ※
翌日…。
部長を始め、グレモリー眷属は、久しぶり学校に登校した。
現在、本日の授業を全て終え、放課後、オカルト研究部の部室で、文化祭の出し物を決めていた。
「仕方ありません。俺がホストになって精一杯客をもてなしましょう」
『ダメよ』
これがなかなか決まらない。ありきたりなものでは部長は満足せず、かと言って、あまり過激過ぎると、生徒会からの許可が降りない。
いくつか案が出るも、話は平行線となり、結局決まらなかった。
「…」
俺はふと、窓から外を覗いた。窓からは、夕焼けの淡い光が差していた。
「……黄昏、だな」
窓の外を覗いていた俺の肩をアザゼル先生が叩き、そう呟いた。
『…』
その一言で、今まで和やかだった談笑が一変、真剣なものに変わった。
「…行くぞ。神々の黄昏(ラグナロク)にはまだ早い。必ず会談を成功させるぞ」
『はい!!!』
アザゼル先生の言葉で俺達は気合を入れた。
――この会談は俺の望む理想の1歩になる。ロキ、お前の思い通りはさせないぞ!
俺達は、決戦の地に向かったのだった……。
続く
再びリアルがバタつき始めた為、間隔があいてしまいました。あと、若干スランプ気味です…(^-^;)
現在、オリジナル展開考え中です。
感想、アドバイスお待ちしております。
それではまた!