灰色の狼と小さな白猫 作:鯵開き
不定期かつ駄文な拙作ですが、本年もよろしくお願いいたします。
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英雄派本拠
「曹操」
「どうした?ゲオルグ」
「どうもこうもない。乾巧真がファイズギアを手放し、悪魔側に渡ってしまったことについてだ」
「何、心配するな。乾は必ずまた変身する」
「なぜそう言いきれる?」
「簡単に言えば、彼が英雄だからだ」
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世界が止まった
同時に、【禍の団】の【旧魔王派】によるテロが始まった。時間はギャスパーの神器を利用されて止められたらしい。龍や魔王なんかの力の強い連中とそいつらに触れていた奴は動けるようだが。
何気なく白龍皇を見ると、何やら意味ありげな視線を浴びせてきた。俺が動けることに何か関与しているのか?塔城は俺に触れていたから無事だったようだが。
「おっと、オルフェノクまで来やがったか」
アザゼルが校庭を見ながら言う。見ると一体のオルフェノクがゆっくりと歩を進めていた。
「俺が行くか?アザゼル」
「いや、ここはもっと適任がいる」
白龍皇を制して、アザゼルはニヤリと笑うと俺に近づいてきた。
「乾の話じゃ、ファイズでオルフェノクを倒したって言ってたからな。フォトンブラッドなら周りへの被害を気にせずオルフェノクを倒せる訳だ」
いやまてまさか。
「乾。お前にこのファイズギアをやる。対オルフェノク戦力になってくれないか」
嫌だ。俺はもう戦いたくないんだ。
「頼む!お前が過去の影響で戦いたくないのはわかってる。それでも、被害少なくオルフェノクを倒せるって存在は貴重なんだ」
頭を下げるアザゼル。だけど、俺は。
「巧真先輩。代わりに私が戦います」
塔城が、拳を構えて、オルフェノクに攻撃を仕掛ける。だめだ。決定打を持たない塔城では連中の相手には不利過ぎる。
─乾さんが戦えなくなったら、今度は俺が代わりに守りますよ!─
塔城の姿が、声に支配される前のアイツと重なる。
─何で、こうなったんだろう。守りたかった筈なのに。俺は、皆をこの手で。お願いします乾さん!俺はもう誰も傷つけたく無いんです!─
逡巡しているうちに塔城が押さえ込まれた。
俺は、また失うのか?
俺は、また人を殺すのか?
声に操られただけかも知れないのに?
そいつにも大切な誰かがいるかも知れないのに?
だけど、今は!
アザゼルの持つファイズフォンを引ったくると銃形態にしてオルフェノクを撃つ。
顔面への銃撃に怯んだオルフェノクはたまらず塔城を解放した。
「わかったよ。迷ってる間に、また失うくらいなら、俺が戦う」
二人の間に割り込むとベルトを取り付ける。そしてコードを入力すると、天高く掲げ、
「変身!」
《complete》
ファイズフォンをセット。
同時に俺の体を赤の閃光が包み、ファイズへと変身した。
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英雄派本拠
「英雄?」
「そうだ」
「どういうことだ?」
「乾巧真という男は優しすぎる。どれだけ過酷でも、どれだけ自分が傷ついても、どれだけ迷おうとも、目の前で倒れる誰かを見捨てられずに手を差し出す。まさに王道の物語の英雄のように」
「まさか、そんなお人好しが」
「存在する。乾が戦うことをやめてからも観察し続け、コカビエルとの戦いで、あの時の乾がまだ死んでいないことを確信したんだ」
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─side小猫─
ファイズへと変身した巧真先輩が、バッファローのようなオルフェノクへと突撃する。
─わかったよ。迷ってる間に、また失うくらいなら。俺が戦う─
巧真先輩はかつて、必死に守ろうとした仲間を失い、戦うことをやめた。それはトラウマとなってまだ巧真先輩を蝕んでいる。
ああ、なるほど。あの時似ていると思ったのはこういうことだったんですね。
私は仙術を暴走させることで姉様のように誰かを傷つけ、失うことを恐れ、
巧真先輩は戦うことで誰かが傷つき、失うことを恐れている。
「オラッ!セイッ!」
格闘でオルフェノクを少しずつ圧倒していく巧真先輩。
立ち止まっては迷って、思い出しては傷ついて、うまく笑えなくても、それでも、目の前に倒れる誰かを放って置けない。
その姿はまるで物語の英雄みたいで。
格好よくて、少しだけ妬ましい。
私は立ち止まっているのに。
いえ、今はそんな場合ではありませんでした。
「ハァッ!」
巧真先輩がとうとう、オルフェノクを蹴り飛ばし、止めを刺すべく、ファイズポインターを右足へとセットする。
しかし、必殺の一撃を加える瞬間、背後からの攻撃が巧真先輩の背中を捉えました。火花をあげながら大きく吹き飛ばされる巧真先輩。
「巧真先輩!っ、くっ」
駆け寄ろうにも先程のダメージが私を縫い止めてしまう。
巧真先輩の背後にはサボテンのようなトゲの生えたオルフェノクが立っていました。体中に生えたトゲを飛ばして攻撃したようです。
「ハァ~何やってんの?」
「うるさい」
二人のオルフェノクは仲良さげに話し合うと、揃って巧真先輩へ攻撃を仕掛けようとします。
なんとか立たなければ、私がもがいた瞬間でした。
聞き覚えのあるエンジン音と共に巧真先輩の頭上に銀色の人形が飛来し、二体のオルフェノクに銃撃を浴びせました。
この銃撃にたまらず二体は、左右へとそれぞれ回避する。
「チッ。あの野郎こんなもん隠してやがったのか。まあいい。助かった」
この期を逃さず巧真先輩と人形に変形した巧真先輩のバイク。オートバジンが背中を合わせながら二体の間に割り込みます。
巧真先輩は角の生えたオルフェノク。オートバジンはトゲの生えたオルフェノクにそれぞれ相対し、戦闘が再開。
オートバジンはトゲの銃撃に対してタイヤのマシンガンを撃ち込んで相殺すると、機械のような音をたてながらパンチを撃ち込んでいき、
巧真先輩は相変わらずのラフファイトで、ダーティにオルフェノクを追い詰めていきます。状況を知らなければ巧真先輩が悪人のようです。
一瞬の隙をついて反撃にでたオルフェノクの拳をかわすと、足に付けていたファイズポインターからすばやくミッションメモリを抜き取り、左腰からカメラのような道具を取り出してメモリをセットして変形させ、右手へと装備して、ファイズフォンを開きenterを押しました。
《exceed charge》
ファイズフォンから体の線を通って右手へとフォトンブラッドが供給される。
そんな巧真先輩に再びオルフェノクが攻撃を仕掛けましたが、またもやかわすと、カウンターのように右手をオルフェノクへと叩きつけました。
赤いΦの字が浮かび、オルフェノクが大きく吹き飛び、そして青い炎を上げて爆発、灰へと変わって崩れ落ちていきました。
それを見届けると、巧真先輩はミッションメモリを、足に着けたままのファイズポインターに付け替えてenterを押して振り向き、オートバジンへと駆け出す。
《exceed charge》
フォトンブラッドが供給されると同時に巧真先輩はオートバジンの肩を踏み台に跳躍し、ファイズポインターを向けると赤い円錐形のフォトンブラッドを発射し、その場に拘束しました。
「ハアァァ!」
そして気合いと共に飛び蹴りを見舞い、円錐形のフォトンブラッドで貫きました。コカビエルに使ったあの技です。
背後で、青い炎と共に爆発、灰化するオルフェノクをチラリと確認すると、ファイズフォンを外して、変身を解除しました。
同時に時間の停止も解かれたようです。
巧真先輩はそのまま私に近寄ると、何やら確認して頷きました。
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英雄派本拠
「ならばなおのこと!なぜファイズギアを渡したんだ!このままでは敵になるだけだぞ!」
「だろうな。だが、王道の英雄は必ず悲劇の末に死ぬものだ」
「何を?」
「それはまあ、置いておこう。時にゲオルグ。デルタギアの副作用を知っているか?」
「もちろんだ」
「デルタは使い続けることで精神に異常をきたして自滅する。我々は持っていないが、もう一本のベルトにも副作用が存在するそうだ」
「それがどうしたと?」
「ならば、ファイズはどうなのだろうな?」
「まさか!乾を実験台にするというのか!」
「それが、ファイズギアを渡した理由だ。どうした?ゲオルグ」
「乾を気に入っていたと思ったが?」
「気に入っているとも、彼もまた、俺が目指す英雄だからな。だが、俺が目指すのは覇道だ。そのためならば、利用できる全てを利用するまでだ」
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─巧真side─
どうやら、塔城は無事らしい。ひとまず、安心した。
「立てるか?」
「はい。ッ!」
「無理すんな。じっとしてろよ」
足を押さえて踞る塔城を抱え上げ、会場に戻った。
令ジェネを見てきましたが、ジオウが一年前、ビルドから継承した【仮面ライダー】をゼロワンに継承してるのがとても感慨深かったです。
PSイズたんのヒロイン力が止まるところを知らないので、今後への期待が半分、死亡フラグではないかという不安が半分といろんな意味でドキドキが凄いです。