灰色の狼と小さな白猫   作:鯵開き

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あいかわらずしっくりこない。
見苦しいものですが、三話です。

プロローグを若干修正しました。


第二話 日常

「あ、アーシア・アルジェントです。まだ、日本に来たばかりでふ、不慣れですがよ、よろしくお願いします!」

 

イッセーリアス・グレモリーと登校事件から二週間、クラスに転校生が来た。また悪魔か、リアス・グレモリーの新しい眷属だろう。

アーシア・アルジェントと名乗ったのはブロンドの長髪に純粋そうでなおかつ可愛らしい顔立ちの美少女だ。

 

「アルジェントさんの席は、乾の隣です。乾、兵藤。学校の案内を頼んだぞ」

「はい!」

 

兵藤が声高に返事をした。

 

「あ、あの、よろしくお願いします。あう!」

「ああ」

 

隣に座ったアルジェントが座ったまま礼をして頭を机にぶつけていた。天然か、コイツ。

 

「あの、お名前は」

「乾巧真」

 

名前くらいは教えておくか、世話は勝手に兵藤がやるだろう。

 

─昼休み リラックススポット─

 

 

アルジェントによる“イッセーさんのお家にお世話になっています”という爆弾発言により兵藤が追われる身になっているのを尻目に、俺は何時もの場所へと来ていた。

 

「こんにちは」

「ああ、塔城か」

 

例の如く塔城と出会ったのでともに食事をとり始める。

塔城の機嫌が良さそうだ。いつも通りの無表情だが嬉しそうなオーラが滲んでいる。

 

「なにか、良いことでもあったか?」

「はい、部活の仲間が増えました」

「そうか、よかったな」

 

アルジェントのことだろう。

兵藤が増えてすぐに新しい眷属ができたか、兵藤に何かを惹き付ける力でもあるのだろうか。

例えば、神器がドラゴン系とか。

まあ、いいか。

 

「巧真先輩は何時も仏頂面ですね」

 

塔城は新しく開けた焼きそばパンをとりだしながら言う。

無愛想で仏頂面なのは仕方がないだろう。

“笑い方なんてわかんねえんだよ”

 

「生まれつきこの顔なんだよ。放っとけよ」

 

喉まででかかった言葉を抑えて、俺は咄嗟にそう言った。

塔城は少し目を見開いていた。無意識に声を荒らげていたらしい。

 

「悪い。熱くなった。先に行く」

 

それだけ絞り出して俺は逃げるようにその場を後にした。

 

 

─side小猫─

 

 

「悪い。熱くなった。先に行く」

 

そう言って巧真先輩は去って行きました。

 

「巧真先輩」

 

一人になった私は思わずそう呟きました。

 

“生まれつきこの顔なんだよ。放っとけよ!”

 

巧真先輩が声を荒らげ、悲しげな表情が顔を支配しました。何時もとは違う泣きそうな顔。初めて見たその光景が目に焼きついて離れません。

立ち去る巧真先輩の背中はふとした瞬間に消えてしまう程に小さく見えました。

 

「巧真先輩の過去」

 

気になります。

巧真先輩の過去、先輩は触れられたくないようでした。本来なら、そっとしておくべきなのに。

どうして気になるのでしょうか?

先輩の顔が前の私に似ているからでしょうか?

 

「そう、ですね」

 

私は結論付けて何も考えずに昼食を再会しました。

 

明日、巧真先輩に謝ろう。

 

 

─深夜 巧真宅─

 

 

「はぁ、完全に吹っ切れたと思ったんだが」

 

風呂上がり、部屋の椅子に座って、俺は今日の俺の行動を反省していた。

“巧真先輩は何時も仏頂面ですね”

あの言葉、ただの会話だった筈だ。塔城は俺の過去を知らない。ただの好奇心によるものだ。それをあんなガキみたいな言い方で。

 

「馬鹿か、俺は。流せよ普通に」

 

明日、塔城に謝ろう。

 

そう考えて俺はベットに向かった。

 

 

─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

部屋の中の灰の山。

 

『どうなっている』

 

部屋の入り口で、アタッシュケースを持った少年が茫然と立ち尽くす。

 

─なんだ!これは!─

『坂上か』

 

部屋の入り口に現れた違うアタッシュケースを持った青年は中を見ると慌てて入っていった。

 

─乾!そうか!─

『坂上?ぐわ!』

 

坂上と呼ばれた青年はアタッシュケースを振るい、乾を攻撃する。突然の一撃に、乾は踏ん張ることも出来ずに外へと叩き出された。

雨が乾の体を濡らす。

 

 

坂上はアタッシュケースを開けると中からベルトのようなものとデジタルカメラのようなものをとりだし、腰へと取り付けた。

 

乾は困惑した表情のまま、しかし、反射的にアタッシュケースを開けると中からベルトのようなものとガラパゴス携帯のようなものをとりだし、ベルトを腰に巻き付けた

 

雨の中、二つの影が対峙する。

 

─遂に本性を現したな!化物が!─

『違う!俺は……』

─黙れ!殺してやる!変身!─

『クッ!やるしかねぇのか?変身!』

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

「またか、ここ最近続けてだな」

 

不快感が纏わりついた体を起こす。

 

「くそ!」

 

一言悪態を吐くと、学校の準備を始めた。

 

 

─通学路─

 

「乾ィ!!」

「なんだ兵藤」

 

通学中に兵藤が非常に興奮した様子で走りよって来た。アルジェントはいないようだ。

聞くと、何時も一緒に登校しているが、今日は先に登校したらしい。

しかし、前にも見たなこの光景。

 

「リアス部長に夜這いされたぜ!」

 

こいつは何を言ってるんだ。

とうとう夢と現実の区別もつかなくなったのか?

 

「そ、そうか、それはよかったな」

「おい!なんだよ、その可哀想な人を見る目は!」

 

兵藤は不服なのか突っかかって来た。

出来るだけ淡白に返答し、興味の無さをアピールするが兵藤は構わず隣でいかにリアス・グレモリーの裸体が素晴らしかったかを語っている。

 

「それでな、──」

「そうか」

 

そんな相づちを打ちながら校門まで来た時だった。

 

「巧真先輩」

「ん?塔城か」

 

校門の前で立っていた塔城に声をかけられた。

 

「小猫ちゃん!乾!お前小猫ちゃんと知り合いだったのかよ!!」

「イッセー先輩は黙ってください」

「あ、はい」

 

塔城は興奮気味の兵藤を黙らせると俺に近づく。

 

「おはようございます。昨日はすみませんでした」

「おはよう、気にするな。熱くなりすぎた。すまない」

 

互いに謝罪を終えて昇降口へ向けて歩き出す。右側に塔城が立ち、反対側に兵藤が立つ。

 

「私はここで」

「ああ」

 

昇降口で別れて歩き出す。隣の兵藤が問い詰めて来るが放置した。

 

「「乾ィ!!」」

 

教室のドアを開けると元浜松田が殴りかかってきた。

 

「え、ちょ、まっ、うわあああ!」

 

咄嗟に背後にいた兵藤を盾にして回避し、席へと着く。

 

「おはよう、乾」

「おはようございます。乾さん」

「おはよう」

 

桐生とアルジェントが横合いから声をかけてきた。

桐生はニヤリと笑うと続けた。

 

「で、あんた、小猫ちゃんとどんな関係なの?」

「今朝のを見てたのか」

「それもだけど、今朝あんたが来る前に一回小猫ちゃんが尋ねてきたのよ」

 

なるほど、朝に一回クラスに来たのか。だからあの二人が怒り狂っていたわけか。

 

「いない、て言ったら残念そうに去ってったけど、で?どういう関係?」

 

何と説明するか。正直に昼飯を一緒に食べている。と言えば三人がめんどくさくなる。

 

「別に、たまに話すくらいの知り合いだ」

「そう、そういうことにしておくわ」

 

桐生はそう言って兵藤の方に向かっていった。

 

 

 

 

 

─放課後 巧真宅─

 

「そうか。わかった」

 

俺はそう言って電話をきる。つい最近連絡先を交換した塔城からだ。

 

「二週間、ね」

 

塔城からは二週間程オカルト研究部で合宿に行くから学校には行かない、だから、昼は行けないとのことだ。

わざわざ報告するとは律儀な奴だと思う。

 

「明日から一人か」

 

別にどうと言うことはない。塔城と会うまではあの場所で一人で食っていたのだ。

 

「まあ、いいか」

 

俺は夕食を買いに外へと出た。

 

 

─二週間後 昼休み リラックススポット─

 

 

「塔城、随分機嫌がいいな」

「はい、良いことがありました」

「それはよかったな」

 

二週間振りに塔城と食事をとっていた。どうやら俺は思っているより塔城との食事を楽しんでいたようだ

何時もとは比べ物にならない程話している。

 

「巧真先輩楽しそうですね」

 

塔城のそんな言葉にハッとする。

“楽しそう”か、そんなことを言われたのは何年ぶりだろうか?

少なくともここ1~2年ではない筈だ。

 

「巧真先輩?」

 

そんなことを考えていると塔城が訝しげに俺の顔を覗き込んでいた。

“考え事”と返すと塔城は新なパンにかじりついた。

 

まあ、そんなことを考えていても仕方がないか。

俺は昼飯に戻った。

 

 

 

 




やっと出会い篇が終わりました。次回から聖剣篇です。
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