灰色の狼と小さな白猫 作:鯵開き
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第八話 参加依頼
「冗談じゃないわ!」
夏のある日、部室に入ると兵藤の頭を膝の上にのせたリアス・グレモ……部長が憤慨していた。
「何かあったのか?」
「やあ、巧真君。実は堕天使総督のアザゼルがイッセー君を度々呼び出していたことをイッセー君から報告をされたんだけど、それが部長の癇に障ったみたいなんだ」
手近にいた木場に話を聞く。
ああ、なるほど自分の眷属に手を出されかけてご立腹なのか。
「巧真先輩、今日はサボらないできたんですね」
「今日は何となくな」
「サボる時は連絡をください。家までついていきます」
「わかってる。ちゃんと連絡する」
塔城が寄ってきて俺を見上げつつ言う。
オカルト研究部に入部した時につけられた監視役は塔城だった。
俺と仲がよく、その方が双方にストレスが少なくて済むだろうというのが理由だ。
学年が違うため授業中は兵藤が監視役を代行している。
小猫は監視役をしっかりこなしていて、入部からすでに数週間経つが毎朝は一緒に登校。昼はいつも通り。帰りは家まで一緒。という毎日を送っている。
おかげで毎日松田と元浜に殴りかかられるが、かわすか兵藤を盾にして凌いでいる。
「どうしましょうか。相手は堕天使総督だし、下手に動く訳にも」
「アザゼルは昔からそうだよ」
突然の声に思わず身構えつつ声の発生源を見ると、紅い髪の男が立っていた。抑えてなおすさまじい魔力を放っている。
こんな近くにいて気づかなかっただと?
謎の人物に警戒心を高めていると近くにいた塔城をはじめとしたオカ研部員が跪いた。兵藤とゼノヴィア、アルジェ……アーシアだけがキョトンとしている。
「お、お兄様!なぜここに」
部長が立ち上がりつつ叫ぶ。兵藤が床に激突したんだが。
お兄様、ってことはこの男が魔王サーゼクス・ルシファーか。
「いやなに、授業参観が近いようなのでね。妹が勉強する姿を見たいと思ってね」
光輝く笑顔で魔王が言った。
「そんな、魔王ともあろうお方が一悪魔のために時間を割くなど」
「いやいや、これも仕事だよ」
慌てる部長に魔王が言う。ポカンとする部長を尻目に続けた。
「三大勢力の会談をここで行うから、その下見も兼ねているのさ」
流石に驚いた。
まさかここでやるのか。三大勢力の会談を。
「魔王の妹が二人。赤龍帝と聖魔剣使いに聖剣使いが所属し、コカビエルと白龍皇が襲来し、そのコカビエルを退けたこれまたここに所属していた堕天使の兵器ファイズ。この巡り合わせは偶然ではないだろう。故に、あらゆる力が渦巻くこの場所は会談にふさわしいと思うんだがね」
驚きつつ聞いた魔王の説明で納得する。
「私はゼノヴィアという者だ。初めまして」
ゼノヴィアが自己紹介をし、魔王と一言二言話した。
俺もすべきか。
「君がファイズこと乾巧真君かな?」
口を開こうとした瞬間に魔王が話出した。
「ああ」
「君のおかげでリアス達が助かった。礼を言うよ」
魔王はにこやかに言う。が、目はしっかりと俺を見据えている。
しっかりと見つめ返すとフッと苦笑し、微笑みながら続けた。
「試すような真似をしてすまない。堕天使の兵器を使いこなすと聞いたから一応ね」
「別に」
どうやらひとまず魔王のお眼鏡にかなったらしい。
「さて、君にお願いがあるんだ。今度の会談に君も参加して欲しいんだ」
「なに?」
安堵した瞬間にかけられた新たな言葉に今度は驚きを隠せなかった。