緋弾のoutlaw   作:サバ缶みそ味

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 書き方がちらほら変わったり、展開がすこしゴリ押しになったり、試行錯誤…それでも私は一向にかまわないっ‼(オイ


15話 O Toi La Vie  ③

「手掛かりはIED、即席爆発装置を作っていたってことがわかっただけだ」

 

 ノブツナは少ししけた面でラーメンを啜る。そんなノブツナに対し、相席で座っているレキは黙々ともやしが山盛りのデカ盛りラーメンを食べていた。二人はいつものラーメン屋『一文字百太郎』にていつものようにラーメンを食べていた。無論、ノブツナのおごりである。

 

「問題はその爆弾をどのくらい作って、いつ、どこに仕掛け、爆発させるかだ。ドリアンの言っていたイベントとかいうのも未だに分かんねー」

 

 あの後、大量の基板も見つかり、ドリアンは時限式かもしくは携帯やリモコンを使って爆発させるタイプの即席爆破装置を作ったと思われる。ノブツナは頭を抱えながら唸る様に考え込む。一方のレキは気にもせずに黙々と食べ、替え玉を注文していた。

 

「また寮に忍び込んで爆弾を仕掛けるのか、それとも武偵校に忍び込んで教室に仕掛けてんのか、色々と考えなきゃなんないんだけど…どうしても腑に落ちないことがあるんだ」

「腑に落ちないこと、ですか?」

 

 レキは箸を止めて訝しそうに首を傾げているノブツナを見つめた。

 

「かつてドリアンはかの地下格闘技場の格闘家達と闘って、一度も勝負には勝っていない事、自らの敗北による自分の人生の矛盾に精神が耐えきれずに幼児退行した。でも再び自我を取り戻し、こっちに戻ってきた」

 

 敗北を知りたい。ただそれだけの為に戦い、勝者となっていない自らの矛盾に耐えきれずに堕ちていった。その後オリバに連れられブラックペンタゴンの収容所へと収容されていたのだが、今はこうして東京に戻り爆弾を作って潜んでいる。

 

「何故、ドリアンは戻って来たのか。もう一度戦いたいというものの、独歩さん達にリベンジするのか、それともかつて死刑囚と格闘家との戦いを企画し、自分達を完全敗北へと陥れた徳川光成の暗殺なのか、それとも俺への当てつけなのか…目的がさっぱり分からないんだよなー」

 

 敗北を知りたい為に身を投じて戦ったのに本当は一度も勝ったことがない敗者であり、もう勝つことは無いと自覚し敗北したのになぜ再び戻って来たのか、何をするつもりなのか、ドリアンの目的が分からない。何故自分達の前に現れたのか、何故爆弾を作ったのか、ドリアンは何をしようとしているのか見当もつかない。すると悩みに悩んでいるノブツナにレキは静かに口を開いた。

 

「ノブツナさん、私は死刑囚と地下格闘技場の格闘家達の戦いは見た事はないので分からないのですが…ドリアンは戦いを望んでいるのではないでしょうか?」

 

 ふとそう聞いてきたレキにノブツナはきょとんとして見つめた。こうもレキが自ら乗って来るとは思いもせず、珍しいと目を見張る。

 

「一度私達に襲撃してきたドリアンは戦いに純粋に興じていたように見えました。サシとの勝負ではなく殺し合い、または戦場のような無法の戦いを欲していると…」

 

 レキはそう言い終えると視線を下へとわざと逸らした。戦場と言う言葉でノブツナの過去の話を思い出したからであり、鳰から聞いたことを隠した。もしかしたらドリアンはノブツナの過去を知っているのかもしれない。だから彼の前に現れたのだろうか、レキは静かに考え込んだ。一方のノブツナはレキの話を聞いてふと思い出す。

 

 確かにかつての死刑囚達と格闘家の戦いはルール無用の何でもあり、どちらかが倒れれば負けの戦いで、彼らは純粋にこの闘争に興じていた。しかし警察や武偵といった司法の連中やビスケット・オリバと範馬勇次郎の乱入、更には一部のメディアにも見られ、最終的にはあやふやなまま戦いは終わっていった。

 

 この闘争の中で、ドリアンは最後は敗北と勝利を受け止め、今までずっと勝ったことがないことを知り、勝者になることを望んで挑み、敗北していった。ならば今のドリアンは何を望んでいるのだろうか?

 

 純粋な闘争か。そうとなるならば今の彼には戦いのルールやら司法やら縛るものや遮るものは何もない。ただ単に一般市民も周りもお構いなし、勝者や敗者などこだわりを捨てた戦いを楽しもうというのなら…

 

「死人も出ようが関係ない戦いを望んでいるというのなら…一つ思い当たるぞ」

 

 ドリアンは何を望んでいるのか、そのために何をしようとしているのか、はっきりしてきた。彼が言っていたイベントとやらも一体何なのかも見えて来て、答えがすべて繋がった。

 

「俺への挑戦か…受けて立とうじゃねえか。レキ、そうと決まればすぐに動くぞ」

「すみません、その前におかわり頼んでもいいでしょうか?あと餃子を5人前も…」

「やっぱり食べすぎぃ!?」

 

 こうしてまたしてもノブツナの財布から野口と諭吉が消えていった。

 

___

 

 アドシアードが開催されると武偵校は一般公開され、会場には報道陣や一般市民等々多くの人であふれていく。武偵校の生徒達はアドシアードに出場する選手の他、受付や会場の案内または屋台で販売を行っている。生徒会のテントでは白雪がてきぱきと他の生徒達に会場の準備や競技のプログラム等々指示をしており、その隅で彼女の護衛を務めているキンジが退屈そうにしていた。

 

 あれからずっと白雪の護衛をしているのだがデュランダルとやらは一向に現れないし、彼女が攫われるような事態にもなりそうにない。ましてや彼女の周りには他の生徒達もいる。そろそろ受付の交代する時間にもなるしここは周りの生徒達に任せておけば大丈夫だろう。キンジは白雪に一声かけてその場を離れようと動いた。

 

「おまえ、まさか職務放棄するわけじゃねえよなぁ?」

 

 突然背後から声を掛けられキンジはビクリとした。焦って振り向くとノブツナが鬼の形相で睨み付けていた。

 

「の、ノブツナか…びっくりするじゃねえか」

「で、まさかボディーガードをやめようとしなかったか?」

「アリアの言う存在するわけがないデュランダルの事だろ?白雪の周りには俺の他にも生徒がいるんだし、任せても大丈夫だろ」

 

 どうせ白雪に対する嫌がらかストーカーの仕業だろう。白雪の護衛をしても変わったことは(とりあえず)無かった。キンジはムスッとして告げるが、ノブツナはすぐさまキンジに頭突きを入れた。

 

「お前馬鹿なの?死ぬの?誘拐犯はそう気が緩んだ隙を狙って攫ってくんだよ」

「いってぇ…だ、だからと言ってデュランダルがこの学園に忍び込めるわけが…」

「寮に簡単に忍び込んで俺の部屋に入ってガソリンまいて爆発させやがるほどセキュリティがザルだぞ?そんで今は一般公開させて簡単に紛れ込めちゃうくらいのザル警備だぞ?」

 

 キンジは「あっ…」と口をこぼす。先日にノブツナの部屋が爆発された時はまた部屋の修理をしなきゃと項垂れていたが、寮に忍び込んでノブツナの部屋に容易く侵入した者がいるというのならばこの会場にすでに侵入しているのかもしれない。

 

「教務科は事態が起きてから動くから頼りにならない。今の白雪を守れんのはお前だけだぞ?自分の務めの事の重大さを理解しろ」

「ったく、わかったっての…で、サボっているお前は何してるんだ?蘭豹先生が怒鳴り散らしながらお前を探していたぞ?」

 

 キンジは面倒くさそうに返して話を逸らそうとした。ノブツナも強襲科であり、競技に出場するれば好成績を得られるというのに当の本人は去年も抜け出してさぼっていた。狙撃科の競技に出場するレキの応援に行くのか、それとも冷やかしに来たのかとしかめっ面で様子を見る。

 

「俺は白雪に校内放送を頼もうと思ってたんだが…忙しそうだし、お前に言伝を頼むわ」

「言伝?何を伝えればいいんだ?」

「とりま会場内や茂みに不審物や未開封の缶とか怪しいものがあったら触らずに直ぐに離れて武偵に報告するよう伝えてくれや」

「不審物?一体なんだ?」

「うん、それIED。爆弾だから」

 

 キンジは爆弾と聞いて思わず驚愕して叫びそうになった。武偵殺しの件で爆弾はもう懲り懲りだったのだが、短い間にまた爆弾に関わるなんて思いもせず項垂れた。

 

「なんで爆弾が仕掛けられてんだよ!?」

「それはきっとゴルゴムの仕業…」

「やかましいわ‼」

 

 キンジはノブツナにツッコミを入れる。理子の一件まさかまたイ・ウー関連の事件なのか、本当にデュランダルが存在してデュランダルが仕掛けたのか、会場にいるすべての人を人質にしようとしているのか、キンジは至高を張り巡らせる。

 

「今は打ちの面子と頼れる後輩とで回収をしている。そろそろ途中経過の報告が来る頃だと思うが…」

 

『ノブちゃんお待たせーっス‼』

 

 丁度そこへ人混みを搔き分け、重厚な対爆スーツを着こんだ鳰が手を振りながらやってきた。小柄ながらも重たそうな特殊服を着こんだ姿にキンジはギョッとしていた。どかどかと対爆スーツ姿で重たそうに走る鳰の隣には金髪で背の高い少女、強襲科一年の火野ライカがいた。

 

「二人ともご苦労さん。今のところどうだ?」

 

『そりゃもうヤバイっすよ!ライカちゃんとその友達と手分けして探してたら、缶のタイプやら紙袋に入ってた時限式やら携帯電話を使ったものやら…もう5個ぐらい見つけたッス』

「まさか本当に仕掛けられてたなんて…あたしやあかり達で人が近づかないよう誘導してから鳰先輩が対処してくれますけど、教務科に報告しなくていいんですか?」

「いいのいいの。どうせ先公なぞすぐに動いちゃくれんし。()()()にできるだけ回収しなきゃ」

 

 時間内?キンジは首を傾げた。IEDは時限式、有線式、無線式など様々なタイプもあり対処に時間が掛かる。解除にも時間はかかるのだろうし、ノブツナは何を気にしているのだろうか。

 

「悪いなライカ、急に頼んじまって。引き続き鳰と協力して探してくれ」

「任せてくださいノブツナ先輩!先輩とのミッションも楽しいし、悪くないですよ!」

『さあうちについてくるっすよ、未来の後輩!爆弾処理はこの鳰にお任せ…って言ってもこのスーツ、重いしムシムシするし、早く全部片付けたいっすー‼』

 

「文句を言うなって。俺はドリアン探しで忙しいし…キンジが白雪に付きっきりなら問題がない。キンジ、お前が真面目に護衛を務めるかどうか、お前がカギなんだからな?」

「あれ?白雪先輩…いないように見えるんですが…」

 

 ライカの言葉にキンジとノブツナは首を錆びた機械を動かすようにゆっくりと動かし振り向いた。生徒会のテントには白雪の姿が無かった。

 

『あちゃー…遠山が未だに自分から離れないから、ノブちゃんと駄弁っている隙にこっそり出て行ったようッスね』

「おい嘘だろ!?白雪…っ‼」

「落ち着けキンジ‼まずは素数を数えろ」

 

 それどころじゃないとキンジは怒鳴るが、ノブツナは落ち着きながら無線機を取り出し、無線を掛けた。

 

「レキ、白雪が動いた。対象2として急ぎ探してくれ」

『了解です…ノブツナさん、対象1を発見しました。場所は車輌科棟の船場です』

「でかした。俺はそっちに行く。レキは白雪を見つけ次第キンジに知らせてくれ」

 

 『わかりました』とレキは答えて無線を切った。ノブツナは続いてもう一度無線繋いで、今度は少し急ぐように声を荒げた。

 

「ジーク、急げ‼白雪がデュランダルに連れ去られる前にデュランダルを見つけろ‼」

『任せろ‼折角の大役だ。見事任務を遂行してみせるぞー‼』

 

 ジークは『HAHAHA』と五月蠅く笑いながら無線を切った。本当に大丈夫かとノブツナは肩を竦める。

 

「と、いう訳だ。鳰、事態は事を急ぐ。残りの爆弾も探してくれ」

 

『ラジャッ!人混みのど真ん中で爆発しない事を祈るっすよ』

 

 状況を楽しんでるようで、鳰はウキウキしながらライカを連れて人混みの中へと走っていった。ノブツナは見送った後、一息ついて焦っているキンジのケツに蹴りを入れた。

 

「いでっ!?何しやがる!?」

「何ぼさっとしてんだ。お前は急いで白雪を追いかけろ。ジークとアリアがデュランダルを探しているが…お前が白雪を守らなきゃ。デュランダルに連れ去られる前に助けに行け。じゃないと…」

「じゃないと‥‥?」

 

「白雪を誘拐したと同時に仕掛けられた爆弾は爆発される。会場の人間も死にまくるし、デュランダルに余計な罪が乗せられちまう」

 

___

 

 イ・ウーの一人、デュランダルことジャンヌダルク30世は自慢の魔剣を提げ、車輌科の倉庫の地下で待ち続けた。ジャンヌは確信していた、白雪は単身でここへ来るだろう。言う通りにしなければ遠山キンジを殺す、そんな脅迫のメールをすれば言う事を聞くはず。変装して護衛の者と護衛対象者の信頼関係を崩し、そして仲間で内輪もめさせ捜査を攪乱、ずっと身を潜み続けて相手を油断させたりと順調だ。

 

 多少、予想外な事もあったが白雪を誘拐するには差し支えない。相手の連携の無さ、学園内の警備の薄さ、全くもって脅威にならない。このまま行けばすぐに遂行できる、ジャンヌはほくそ笑んだ。そうしているうちにこちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。恐らく、白雪が言われた通り一人で来たに違いない。

 

「‥‥?」

 

 しかしジャンヌは不審に思った。明らかにこの足音は物凄く急ぎながら走っている。心なしか足音と共に次第に何かが叫んでいるような声が聞こえてきた。

 

「ウオオオオオオオオオオオオオッ‼」

 

 この喧しい声は明らかに白雪ではない。喧しい何かがこちらに近づいてきている。ジャンヌはすぐさま魔剣を構えた。

 

「Die yobboooooooッ‼」

「誰ぇぇぇっ!?」

 

 暗闇から飛び出して来たのは巫女の服を着た白雪、ではなく白い道着と真っ赤な袴を身に着けた金髪オールバックのドヤ顔をした男ことジークだった。白雪でもなくアリアでもなくよく分からない奴とまさかの変化球にジャンヌは思わずギョッとして叫んでしまった。

 

「むむっ‼怪しい奴だ!」

 

 お前も明らかに怪しい奴じゃないかとジャンヌはツッコミを入れる。ただのコスプレ外国人なのかそれとも武偵なのか、ジャンヌは警戒しながら身構える。

 

「貴様、何者だ…!」

「オレはジー…星伽白雪ですわぜ‼」

「嘘をつくな!」

 

 ジャンヌは即ツッコミを入れる。お前のような喧しい巫女がいてたまるか。

 

「むぅ…渾身の演技も見破られては仕方あるまい。オレはジーク・ハワード、東京武偵高校2年A組、SSR。好きな物はステーキ。好きな女性は銀髪のポニーテールのry」

「そんなことはどうでもいい‼どうしてここに辿りつたのかは分からないが、どうやら貴様は私の邪魔をするつもりのようだな」

 

 ジャンヌは魔剣の切っ先をジークに向ける。何を考えているのかよく分からないが自分の障害になるのは確かだ。敵意に満ちたジャンヌにジークは不敵に笑った。

 

「よかろう、オレが相手になってやる。ノブツナに早く済ませるよう頼まれているからな」

 

 ジークは白い道着を脱ぎ捨てて逞しい筋肉を露わにして拳を構えた。

 

「白雪ちゃんを攫おうとするなんてこの白雪ちゃんファンクラブ会長のオレが許さん!エクスカリバー、逮捕してやる‼」

 

「エクスカリバーじゃない、デュランダルだ‼」

 

 ジャンヌはプンスカとジークを睨んだ。




 途中でてんやわんやになった気がする…もうどーにでもなーれ☆

ジークがSSRなのは…祖父が手からレップーケンしたりレイジングストームしたりと…波動拳みたいな気を使った攻撃だから、いいよね?
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