27話 予兆
「はぁ‥‥どうしたもんかなー‥‥」
今日も授業をサボって食堂のテーブルに突っ伏す。ようやく初夏の暑さが近づいた今日この頃、憂鬱気味にこれで数百回目のため息をつく。気分がどうも授業とか任務どころじゃない、色々と悩んでいるせいで何も気乗りがしない。
原因はレキのことだ。レキからは私の事を知らないでくれと無表情ながらも真剣な眼差しで言われたのだから今は無下に調べようとはしていない。彼女の事もあって最近はあいつがいる屋上へにも行ってはいない。でも気になるし、知らなければいけないという事は分かっている。
知っているであろう鳰からは電話しても留守電になるし、スヴェンとも連絡が取れていない。ジークは‥‥そういえばあいつどこいった?最近会ってないような気がする。
重要そうな情報を手に入れたがそれはほんの一握りで後は自分で調べろと言われても彼女の裏に潜む物がなんだか巨大すぎてどこから手をつければいいのか明け暮れている。本当のレキを知りたい、でも本当の彼女を知って俺はどうすればいいのか迷っている。
「はぁ‥‥」
今日はよくため息をつく、自己新記録が更新しそうだ。いや、ここでくよくよしている場合ではない。本当の事を知らなければいけないんだ。そうと決まれば‥‥どうやって調べてようか。さっそく出だしで行き詰った。
鳰という最大の情報源がいない今、手っ取り早く情報が得られそうな相手はいるか記憶を辿る。いや確かにいるっちゃいるけどさ、素直に聞いてくれるかどうかが問題か。兎に角当たってみるしかないと立ち上がって情報を持ってそうな奴の所へと向かおうとした。
いや待て、ふと思い出した俺は辺りを見回す。前回、鳰から聞き出そうとしていたところにハイマキが現れ、その後すぐさまレキがやってきた。もしかしたら俺の行動を監視しているんじゃねえだろうか‥‥やっぱりもしかしてヤンデレ!?いやいやいや、レキがヤンデレなわけが無い、はず!どうにかしてレキの監視を避けて行けれないか思考を張り巡らせ、敢て遠回しして向かうことにした。
___
遠回りに遠回りして、ハイマキが尾行している事を考えて匂いの強い香水を振り撒いて時間をかけて漸くあいつがいるであろう音楽室に辿り着いた。
音楽室に近づくとピアノを弾く音が聞こえてくる。音楽は詳しくはないが結構上手に弾いているな。今日もあいつが弾いているのだろうなと窓を覗く。
音楽室に武偵校のセーラ服を着た銀髪のポニーテールの少女、元イ・ウーのジャンヌ・ダルクがピアノを弾いていた。随分とまあ上手な事。彼女はこの武偵校に転入してからテニス部に入るわ、ピアノの練習するわとアグレッシブで瞬く間に女子の人気者になったとか。理子といいこいつらって相手を順応させるのは得意だよなー‥‥
「よぉ、騎士様。久しぶり」
さっそく音楽室に入って気さくにジャンヌに声をかけると、ジャンヌはピアノの弾く手を止めて声に気づいてこちらに顔を向けた途端親の敵とでもいいたくらいの凄く嫌そうな顔をしだした。
「貴様‥‥何しに来た」
ずいぶんと嫌ってんなぁおい。敵意剝き出しで、ここが戦場だったら間違いなく襲い掛かってくる勢いの剣幕で立ち上がる。
「別に嫌がらせしに来たわけじゃあない、少し聞きたい事があって尋ねてきたまでだ」
「貴様に話すことはない、と言いたいが理子をブラドから救ってくれた件もある。理子に免じて話ぐらいは聞いてやろう‥‥だがその前に」
ジャンヌは俺を睨んでずかずかと歩み寄ってくると思い切り俺の頬をひっぱいた。パーンと乾いた音が音楽室内に響く。
「私を騙した事と理子のプライドを傷つけたツケだ。これで水に流してやる」
「お、おうふ‥‥」
ビンタは結構痛かったがグーパンじゃなくて良かった!取りあえず話は聞いてくれるということで俺はすぐさま音楽室のカーテンを閉め、ドアと窓のカギを全てロックした。これでよし‥‥って、ジャンヌが顔を引きつらせて身構えだした。
「な、何のつもりだ!?私にナニをするつもりだ!?」
「ナニもしねえって。こうしないとレキに見つかっちまう」
「レキが?確かお前とバディを組んでいる奴のことか」
「ああ、目が利く上に鼻も利くからな」
鷹の眼と言わんばかりの彼女の眼でどこへ隠れていようとも見つかってしまう。そんな目が利く彼女にハイマキという鼻も利くセットがついてからこの上なく厄介になった。付け焼き刃な隠れ方だからここもバレるのも時間の問題、兎に角本題に乗ることにした。
「元イ・ウーのお前なら知っているかもしれねえと思って尋ねる。ジャンヌ、『ウルス』って知っているか?」
怪盗リュパンとかジャンヌダルクとか吸血鬼とかトンデモ人材が揃うよく分からん秘密結社だ、恐らくウルスの事も知っているに違いない。それを狙って尋ねてみたらジャンヌはピクリと反応した。よし、アタリだ。
「‥‥なぜお前がウルスの事を知っている」
「あまり他の奴等にも口外すべきじゃないのだが、レキがそのウルスの民でしかもウルスの姫なんだ」
するとジャンヌは驚いて目を見開くと俺の胸倉を掴んで揺らして来た。
「う、ウルスの姫だと‥‥!?貴様、事の重大さを分かっているのか!?」
「分かるも何も知ったのは先週だぞコラ‼どのくらいヤバイのか分かんねえからお前に聞いてるんじゃねえか!」
鳰の話から聞いてひとまずヤバイ一件だという事は自覚している。その規模を知りたいから尋ねて来た。ジャンヌはため息を漏らして興奮を沈める。
「‥‥すまない、気付かなかった私も落ち度もある。だが、レキがウルスの姫だとは‥‥いや、十分納得はできるか」
「ウルスの民は狙撃が得意な所とか?」
「‥‥ちょっと聞くが何故知ってる?」
「あー‥‥今は行方知れずでこういった事に詳しい腐れ縁から聞いた」
鳰さんはレキから出禁をくらって音信不通だ。たぶん生きてるだろうけど顔を出したらレキに狙い撃たれるだろうなぁ‥‥
「あとレキは何かの直系の末裔だとか?」
「ウルスの民はもともと弓と矢でアジアを席巻した蒙古の王、チンギス=ハン。彼の戦闘技術を濃く受け継いだ末裔の一族なのだ」
‥‥は?チンギス=ハンってあのチンギス=ハン!?衝撃の事実を知ってもう愕然とするしかない。同居しているバディがスーパー有名人の末裔でしたー、って笑い事じゃねえ。
「マジか‥‥いやマジか!?」
「大マジだ。何故そのウルスの姫が此処にいるかは分かり兼ねるが‥‥私の憶測だが婿を探しに来たのかもしれないな」
「たしか今女性しかいないんだっけか?」
これも鳰から貰った情報だ。何故女性しかいないのかは分からないが。ジャンヌは「なぜお前がそれを知っている」というような疑いの眼差しを向けるが頷いた。
「ウルスは元々閉鎖的な民族だからな、同族の血が濃くなりすぎて異常をきたし女しか産まれなくなったかもしれない‥‥だがそれが原因なのだろう」
「どゆこと?」
「今、ウルスは『藍幇』という中国の武装組織と抗争が起きている。『藍幇』の狙いはそのウルスの優秀な血、それとウルスの奥に在る物だ」
つまりはブラドと同じように優れた遺伝子を欲しいというわけか。連中のことだから拉致や略奪もやろうとしているのだろうなー‥‥ん?ウルスの奥に在る物‥‥?それは後から聞くとしよう
「レキはお前か、力のある者との子を成してウルスを建て直そうとしているのやもしれん」
「そうさなー‥‥あいつの行動を考えると心当たりがありまくるな」
これまでの行動と言動を振り返ると、レキは自分の意思で動いていない。どちらかと言えば『誰か』に命令されて動かされているような‥‥そうだ、『風』とか言うクソ野郎だ。
「レキは『風』っていうクソ野郎に言われるがまま、自分の意思で考え動いたことがなかった。だから俺は自分の意思で選ぶよう教えた結果、ヤンデレ寸前なことになっちまったんだが‥‥」
「恐らくレキは迷っているのではないか?『風』とやらが痺れを切らして今すぐにお前を奪えとでも言ったのだろう。だがお前に自分で考えろと教えられたレキはどちらに従えばいいか考え、悩んだ結果そのような行動をしたのだろうな」
確かにレキは俺を失いたくないとも言って、自分に関われば俺が死ぬとも言った。無表情、無感情故に誰とも繋がりを持たず孤独だったレキがやっと仲間ができて自分だけの自分の道を歩もうとしているところを『風』がまた孤独の道へと連れ戻そうとしているわけか‥‥
「ジャンヌ、どうやったらレキを『風』のクソ野郎の呪縛からひっぺ剥がすことができる?」
「お前、本気で言っているのか‥‥いや、お前だからだろうな。ノブツナ、一つ方法がある。レキの、ウルスの姫としての役目を奪え」
「奪えて‥‥まさかはじめてを!?」
「バカ」
ジャンヌは呆れて俺に再びビンタをした。顔を赤らめてるところお前もウブのようで
「ウルスの姫は『声』を聴くために心を無にして育てられたと聞く‥‥『声』を聞こえなくさせるためにレキに感情を芽生えさせればいい」
「感情ねぇ‥‥難しくね?」
「難しいが、難しく考えるな。そうだな‥‥レキを笑わせると考えればいい」
笑わせる、か。確かに一度もレキが笑う所は見たことがねえな。『笑えばいいと思うよ?』と言えるシチュエーションを造れば勝ち確だが‥‥レキの場合は難易度が高そうだ。だがその分きっといい笑顔になってくれるはず。
「いいだろう、やってやろうじゃねえの。散々俺に死ね死ねっていってる『風』のクソ野郎に仕返しができる」
この作戦を考案してくれたジャンヌに感謝せねば。まず最初のお礼にさっきからジャンヌの足の周りに飛んでいる奴を思い切り蹴とばす。
「む、どうかしたのか?」
「いや気づいていなかったのか?お前の足の周りにカナブンみたいな虫が纏わりつこうと飛んでたぞ?」
のびている虫をティッシュで何重にも包んでゴミ箱へ放り投げる。なんだろうかこの虫、フンコロガシみたいな見た目をしてんな‥‥新種か?
「だからさっきからちらちら私の足を見ていたのか‥‥」
睨むな睨むな、スカートを抑えて睨むな。見たいとは思うけど今は見てる場合じゃねぇって。それはさておき、少し気になっていた事をジャンヌに聞かなくては。
「イ・ウーの場合、そんな情報はどうやって手に入れてんだ?」
「私は聞いたまでだ。イ・ウーのリーダーが一度ウルスを訪れた事があったようでな、あの時はイロカネ絡みの交渉だったが‥‥」
「『イロカネ』?」
なんだそのイロカネとか言うのは。こればかりは初めて聞いたな。ジャンヌは『余計な事を言った』というような顔をしだす。
「もしかしてそのイロカネとやらがウルスの奥に在る物とか『声』の正体なのか?」
「い、いやそれは‥‥」
ジャンヌがどもりながら何か喋ろうとしたその時、ドアを激しく叩く音とワンワンと吠える声が聞こえた。
「くそっ!ハイマキの野郎、もう嗅ぎ付けやがったか‼」
こうしちゃいられない、このままだとジャンヌまでもがレキの狙撃対象にされちまう。貴重な情報源を失う訳にはいかない。最後のガラスをぶち破るような勢いで窓ガラスへとぶち破って音楽室から脱出した。
「ジャンヌ・オルタ!貴重な情報サンキューな!今度飯奢ってやっからな!」
「オルタじゃない、普通のジャンヌ・ダルクだ‼」
ハイマキの追跡はなし、レキの狙撃もなし‥‥何とか逃げ切れそうだな。ジャンヌのおかげ他にも情報が手に入りそうな人を見つける事ができた。ウルスは中国の藍幇と抗争‥‥こういった事情とか、あの人が知ってそうだ。
あとはレキを笑わせる、か‥‥いっちょやってみるか
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ドアが開く音とハイマキの呼吸の音が聞こえる。レキがハイマキの散歩から帰って来た。リビングへと進む足音が近づいてくる、さあここから本番だ。
「ノブツナさん、ただいま帰りました」
「Hai、レキ!待ってたYO~!」
俺は鼻眼鏡をかけて、某海産物家族のジャンケンをする面白い髪型の人のカツラを被って、両手に某夢の国のネズミの手袋をはめて、ドテラを着てヘリウムガスを吸って変な声をだしてレキを迎えた。このいきなりの場面でレキはきっと吹き出すだろう、どや‼
「‥‥‥」
が、ダメ。レキは笑う事無く無表情でじっと俺を見つめていた。
なんでや!なんで笑わないねん!渾身のギャグやぞ!?というかハイマキ、お前までそのチベットスナギツネみたいな顔をして俺を見るんじゃない。
ええい、こうなったらゴリ押して吹かしてやる!
「お、お帰り!御飯にする?お風呂にする?それともぉ、わ・た・し?」
「ノブツナさん」
「あっはい」
「今日、音楽室でジャンヌさんと何かお話されていたようですが‥‥何を話していたのですか?」
レキは俺のギャグをことごとくスルーしてずいずいと俺に歩み寄って来た。怖い!?無表情だけどもじっと見つめるその瞳がなんか怖いよ!?
まずいぞ、このままでは本当にレキがヤンデレ少女になって俺が安心して寝ることができなくなる‥‥!
そして何よりも本当のレキを調べようとしている事がバレればレキはジャンヌを本気で殺しにかかるかもしれん、これだけは避けなければ‥‥!
「じ、実はなー、レキの誕生日プレゼント何がいいかなーって相談してたんだ!」
「誕生日プレゼント‥‥?」
俺の疑いの眼差しがふっと消え、レキはキョトンと不思議そうに首を傾げた。
「‥‥私は誕生日なんて無縁に育てられたのでいつ生まれたのかは覚えていません」
「だ、だからさ!それも踏まえて俺が決めていいのかなーってジャンヌに相談したんだ」
「ノブツナさんが決めてくれるのですか‥‥?」
レキはどこかハッとした顔で俺を見つめる。よ、よしまずは回避はできたか‥‥?
「お、おうよ!そろそろ俺の誕生日が近いからそれに合わせてプレゼントしよっかなーってな。楽しみにしてろよ?」
「‥‥」
レキは静かに頷いた。どこか安心と不安が混ざった複雑そうに迷っているのか瞳が泳いでいる。ジャンヌの言う通り、レキは悩んでいる。不安を払ってあげるように俺はレキを撫でた。
「サイプライズは後ほどにして‥‥今日はレンタルDVDが半額の日だったんだ。これでもみて気分を吹き飛ばそうぜ!」
俺は『エンタメ』をはじめ『爆笑ヒット〇レード』や『笑ってはいけない武偵校24時』、『20時だよ、全員集合!』そして『〇本新喜劇』のDVDを用意して上映することにした。よし‥‥!これならきっとレキも大爆笑間違いなしだ!
DVDの上映中、うんと笑った。大爆笑した、腹を抱えて大笑いした
主に俺が
レキは笑うどころか顔色一つ変えることなく何も言わずじっと映像を見続けた。
ハイマキは爆笑している俺をチベットスナギツネのような顔をして見つめていた。
____
「――――ってなことがあってな、レキは笑わなかった」
「お前はバカか」
電車内で俺の報告を聞いたジャンヌは呆れてため息をついた。早朝からジャンヌは部活の朝練に向かうので俺もそれに合わせて朝早く起きてアドバイスを貰うために彼女の下へと向かったのだ。
「そんなので笑うと思うかバカ者」
「笑うと思うけどなー、24時の蝶野にビンタされるところとかエンタメは陣内さんとかおススメだぞ」
「お前の情報なぞいらん!というかお前が女心を知らないと予想はしていたがそこまでとは‥‥」
「レキはラーメンが好物だけど?」
「そういうことじゃない‼」
ジャンヌは怒鳴ると呆れて頭を抱えた。うーん、乙女というものはよく分からんな。
「お前じゃなくてレキが喜びそうな事をしろ。そうだな‥‥贈り物とか何か美味しい物を奢るとか」
「ラーメン」
「ラーメンから離れろ‼スイーツ!甘くておいしいものとか‼」
ラーメンはダメ、とジャンヌはプンスカ怒りながら頑なに言ってきた。ラーメン好きな女子も可愛いと思うんだけおどなぁー。まあジャンヌのおかげで女性が喜びそうな物を贈るとか選択肢が増えた。
「ありがとなジャンヌ。ところでさ、朝から人が多すぎじゃねえの?」
「お前は通勤時間に学校に来ないからわからないのだ。少しは早起きして早めに登校しろ」
それなら誰もいない教室で朝からダラダラすることができるからいいな。だがこうも人が沢山乗り込んでくるのは‥‥‥ん?
電車が駅に着いて扉が開き、電車を待っていた人達が乗り込んでくる中俺は奇妙なものを見た。
乗り込んでくる人混みの中、一人だけおかしい奴がいる。鎖帷子のついた顔まで覆う忍び装束を着て、日本舞踊に着ける仮面‥‥あれは翁とか言うやつだっけか、そんな仮面をつけた変な奴がいた。何故誰も気づかないのか、変に思ってじっと眺めていたら―――――――そいつと目が合った。
「――――っ!?」
「?どうしたノブツナ?」
「な、なんか変な奴と目が合った‥‥」
「変な奴?通勤のサラリーマンや武偵校の生徒しか見えないが‥‥?」
もう一度そいつがいた方を見たら、そいつの姿はなかった。確かに俺は見たはずなんだが‥‥いや気のせいだったのか?変に朝早く起きたからまだ寝ぼけているのだろうか‥‥
電車の扉は閉まって出発をする。やっぱり朝の電車は乗り込んでくる人が多い、ジャンヌは早起きはいいものだと言うが明日から普通通りに遅く起きてのんびり歩いていこう。
そう考えて今だ眠たいあくびをしながらちらりと後ろを振り返った。
背後には忍び装束を着て翁の仮面をつけた奴が俺とジャンヌの首を狙って分厚い刃を持った小太刀を薙ごうとしていた。
いたじゃねえか!?
俺はすかさずジャンヌを押し倒して躱す。小太刀は空を切ったが翁の仮面の奴は俺めがけて刀を振り下ろそうとしてきた。慌てて避けて凶刃から逃れる、空振りに終わったが空席の場所は見事にバックリと割れていた。どんだけ鋭い切れ味なんだよ!?
異変に漸く気付いたのか、女性の悲鳴で辺りが騒然となり乗客はパニックになって逃げ惑いだす。翁の仮面の野郎はゆっくりと俺とジャンヌの方へ顔を向けて小太刀を構えた。
「じゃ、ジャンヌ?あれイ・ウーのお知り合い?」
「し、知らん!あんな奴、見たことがないぞ‥‥!」
ジャンヌも知らないとなると‥‥一体誰だ?すると翁の仮面の野郎は俺の方へと視線を向けてきた。
「君が‥‥犬塚、ノブツナくんでしたな‥‥?」
ゆっくりとした落ち着いた男性の声だ。いやそれ以前に何で俺の名を知っているんだ?
「子供相手に大人げないと思うが、これも命令でね。君を殺させてもらうよ?」
新章突入
シリアスは下手だけどシリアスになるかも
エンタメとかヒットパレードは陣内と超新塾とオードリーが好き
最近はどんなのがいるのか見てないからわからない‥‥