でも、ありますよね?テスト勉強しようとして、部屋の掃除したこと。作者はそれでした。ああ、このジレンマが癖になりそう・・・。
今回は皆のお姉さんの紫さんが交換日記の相手です。
では、本編へどうぞ!
〇月☓日 1日目 はした
こんにちわ!ぼくの名前は八朔 半です!半で、はしたって読みます。この不思議な交換日記の初めての相手があなたとなりました。よろしくお願いします!
その日におこったことを書いていきます。でも、今日はとくに何もありませんでした!
だから、ぼくのじこしょうかいから始めます。
ぼくは小学校3年生で、男です!とくい技は大声をだすことです。この前、元気よくあいさつをしたら先生からほめられました。
家族はお父さんとお母さんとお姉ちゃんの4人家族です。
この交換日記をふしぎに思うかもしれませんが、よかったら相手してください。よろしくお願いします!
「・・・・・。」
半少年が書いた交換日記の相手第1号に選ばれたのは、魑魅魍魎が跋扈する幻想郷の創設者の1人であり、妖怪の賢者として名高い『八雲
紫は珍しく朝の7時頃に起き、自分の机の上に載っているノートに気づき、半少年が書いた日記を読んでいた。読み終わると日記を閉じ、ノートを様々な角度から見始めた。
「うん。」
紫は何かを決めたように頷き、寝巻のまま部屋を出て行った。皆さんは朝起きたら、寝巻から着替えましょう。
「ご馳走様でした、
「ああ、お粗末様。今日も綺麗に食べてくれて嬉しいよ、
「藍様が作るご飯は美味しので、残すのが勿体ないです!」
八雲邸の居間では、紫の式とその式の式の女性2人が朝食を取り終わったところだった。両者とも頭に動物の耳らしきものと、おしりの辺りから尻尾が出ているので人間ではないのが分かる。2人とも妖獣と呼ばれる種族なのだ。
藍と呼ばれた女性は一言で言えば絶世の美女にあたる狐の妖獣で、橙と呼ばれた女性、いや少女は可愛らしい容姿をしている猫の妖獣である。尻尾の数は藍が9本、橙が2本である。
「ああぁ、いい子だね橙は・・・。よくぞ、よくぞ、その純真な心のままで育ってくれて、お姉さんは嬉しいぞ。」
口に手を当て、うれし涙を流している藍。他人が見れば、面倒見がいいキレイなお姉さんである。
「あ、食器はわたしが片付けます。」
「ありがとう。」
藍の食器も一緒に片付けていく橙の姿を一瞬たりとも見逃すものかと凝視している藍姉ちゃん。正直、目が怖いです。
「ら~ん、ちょっといいかしら~?」
「ちっ!・・・・おや、今日は珍しくお早いお目覚めですね、我が主様。」
「今、舌打ちしなかったかしら、この駄狐?」←怒りマーク付
「いえいえ、まさか。そのようなこと、主にとって失礼に当たります。」
「本音は?」
「せっかくの橙とのラブラブの空気をどうしてくれるか堕落妖怪。」
襖を開けて居間に入ってきた紫を藍は舌打ちで迎えてくれた。失礼にあたるだろうが、この2人のやり取りはこれが普通である。式とは主から役割を与えられた妖怪や霊などの人外を指す。従わせるのも簡単なことではない。ましては藍は誰も名前は1度は聞くであろう九尾の妖狐である。その藍をこうやって従えている?あたり、八雲 紫の妖怪としての能力が桁外れなのがうかがえる。ちなみに橙は藍の式で、まだ式歴は浅い。
「で、いかがしましたか?言っておきますが、紫様の朝食はありませんのであしからず。」
「な、なんでよ~?」
「いつも用意しても、寝過ごして食べ損ねられる朝食の気持ちが分かるのでしたら、今すぐ作りましょう。」
「ご、ごめんね?私もこれからなるべく早寝早起きを心がけるから、朝食お願いできますか?」
「仕方ないですね。」
紫の反省したような泣き顔を見て満足したのか、藍は紫の朝食を準備するために台所に向かった。このやり取りもかれこれ100回を超えている。補足しておくと藍はSである。
しかし、この紫も藍より歳をくっているわけで、泣き顔などが許されるかは他人によるだろう。
―美少女食事中―――
「ご馳走様~、藍の料理は美味しいわね。」
「でしたら、できれば毎朝起きて来てください。」
「あ、明日から本気だすわよ?」
これは本気出さないフラグである。橙は紫が食べ終わった食器も片づける。いい子ですね。将来が楽しみです。
「それで、今日は珍しく早起きということは何か迷惑なことでも思いついたんですか?」
「ちぇ~ん!藍が苛める~!」
「大丈夫です!」
何が大丈夫なのか。その場の勢いで言っているだけの橙であった。
「ほらほら、話しが進まないので。」
「そうね・・・・。これのことよ。」
紫は話を戻すために、自分の部屋にいつの間にか出現したノートをちゃぶ台の上に置いたが、
「・・・紫様、何をしているんですか?」
「なにって、
ノートを指さすが、
「いつものイタズラですか?だとしたら、軽いですね。」
「なるほど、やっぱり見えていないのね・・・・。」
紫は藍の反応が予想通りといった顔をしている。
「なら、今度は私の視界を通して見てくれるかしら?」
「?いいですけど・・・。」
そういって藍は目を閉じて集中し始めた。しばらくして「これは・・・」と言って目を開けた。
「確かに
主との
「違う、違う。今朝ね、珍しく起きたら机の上に置いてあったのよ。」
「このノートがですか?」
「そうよ、ノートの表紙に交換日記って書いてあるのでしょ?気になって中身を読んでみたんだけど、ってどうしたの藍?」
不意に落ちない顔をしている藍を紫は気になって、どうしたか聞いてみた。
「いえ、その、私には表紙に
「・・・・。藍、もう一度パスを通してくれる?今度は私は中身を見るから。」
パスを通して日記の内容を紫が見るが、藍には何も見えなかったようだ。どうやら神様セキュリティはちゃんと働いている模様。しかし、緩くもないが、微妙だぞ神様セキュリティ・・・。
この摩訶不思議なノートに藍は警戒し始めた。自分で言うのは何だが、藍はこれでも最高クラスの妖獣であり、紫の式としての契約によって能力が底上げられている。そんな自分を欺くだけでなく、主人の能力でさせ効かないこのノートを疑うなというのが無理である。
「大丈夫よ。これ調べたけど、何の力もない
「制限?確か先ほど、これは交換日記と言われましたね。」
紫は自分が見た日記の制約と半少年が書いた日記の内容を藍に伝えた。すると藍は神妙な顔をし始めた。
「その話が本当だとすると、このノートから察するに
「そこまで慎重にならなくてもいいんじゃないの?」
「しかし・・・。」
「ほら、何か罠だったら今頃わたしの髪がアフロにでもなっているでしょうから。でも、今でも私は平気ということは単純にこれは日記ということよ。」
それっぽいことを言っているが、紫の目は輝いている。彼女と長い付き合いの人物は、彼女の顔に『面白そう、退屈しのぎ』という文字が見えているだろう。
「退屈なんですね・・・。」
それは当然、長年紫の式をやってきた藍も同じであり、紫を少し軽蔑する目で見ている。特殊な性癖の持ち主なら喜んでしまう顔だ。
「いいじゃないの。もう少しだけ様子を見ましょう。」
そんなこんなで少しの間、半と呼ばれる少年と思しき人物像を見る為に交換日記を付け合うことにした紫であった。
〇月△日 2日目 紫
はい、こんにちは。私の名前は八雲 紫っていうの。半って今どき珍しい名前なのね。私の名前は紫でゆかりって読むんだけど、似た名前同志よろしくね。
こっちもいきなりこのノートが出てきて、私の家族も驚いていたわ。私の家族は不良気味の金髪娘と素直な天使な茶髪の孫で構成されているわ。
私もいきなりすぎて何を書いていいか分からないけど、こっちも起こった出来事を書いていくわ。
こらから1ヶ月という長いようで短い間の相手になるけど、よろしくね。
〇月□日 3日目 はした
こんにちは、日記を書いてくれてありがとうございます!とってもうれしいです!すごいですね、このノート!
ふりょうってあの長いスカートをはいて、ケンカじょうとうって言っている人ですか?カッコいいですね!でも、ぼくのお姉ちゃんもカッコいいです!
だって、ぼくが呼べばどこでもかけつけてくれて、いつでもぼくを助けてくれるたよりになるお姉ちゃんです。
この前だって、公園でタイヤをとんで遊んでいて、落ちそうになったらぼくをだっこしてくれたんです!あの時のお姉ちゃんは王子様のようでした。
親に聞いたら、紫ってむらさきのことだったんですね。ほんとうに似たような名前です!すごいです!
今日おこったことは、いつものように公園で友達と遊んでいました。サッカーやなわとび、けいどろをやりました。
夏になろうとしていてここは少し熱くなってきてます。お体にお気をつけてください!
「・・・ですって。」
「色々と問題がありましたが、その半という少年の姉はソウルメイトになれそうですね。」
「そこじゃないわよ・・・。」
2日たって消えていた日記が再び紫の元に戻ってきたので、紫と藍が2人で確認にあたっていた。確認といっても、日記の内容を見れるのは紫だけなので紫が読み上げる形になっている。
保険の意味も込めて橙は妖怪の山に行ってもらっている。
「すみません。・・・・誰が不良娘ですか!」
「そこも違うわよ!?」
「でも、橙が天使なのは超、超、ちょー賛成です!」
「落ち着きなさいよ!?」
それから何とか暴走する藍を治め、改めてこの特殊な日記について話し合うことになった。
「昨日に貴女と確認したけど、居間に置いていたこのノートは誰も触っていないのに消えた。そして今日の朝、再びこの家に現れた。いいわね?」
「はい、その通りです。紫様が作成した結界、そして私がかけた呪いにも反応していませんでした。そのことから、このノートに影響を与えている能力は私達が思っている以上なのは明白です。」
「そうね。・・・貴女、いつのまに呪いなんかかけたの?」
「呪いを消したというより、呪いそのものを発動させなかったのが正解と思われます。しかし、半少年が日記を書いていたのなら今ごろ呪いの餌食になっているはず。このように無事に日記を書いているあたり、半少年の能力なのか、何者かの加護なのか、まだまだ判断材料が足りません。」
「ねえ、どんな呪いをかけたのよ。」
「大したことないです。ただ、自分の身内に発情する呪いです。」
「大したことあるじゃない!もし、半君が姉と禁断の道に進んだらどうするのよ!?」
「呪いの効果確認と姉の願望を叶える、素晴らしい案ではないですか。」
「そこになおりなさい、このエロギツネ!説教の時間よ!」
―しばらく、お待ちください―――
「我々の正当な検討の結果、もう少し様子を見ることになりました。よって紫様には半少年から少しでも情報を探ってもらうことになるのでよろしくお願いします。」
「・・・・・・。」
返事がない、ただの紫のようだ。
「まったくだらしない。この程度でダウンなどと。私の主ならもう少しもってください。」
「もうお嫁にいけない・・・・。」
お肌がテカテカになっている藍と裏腹に、紫は少し干からびているようだ。この少ない時間で何か起こったか皆さんの判断に任せます。強いて言えば、紫が返り討ちにあったのだ。
「行かせる気もないのでご安心を。」
「・・・・もう好きにして。」
こうして八雲家の第2回目の交換日記対策会議は終了した。
〇月◇日 4日目 紫
お気遣いありがとう。私は元気よ。
でも、最近は不良娘が厳しいのよね。それはもう乱れるくらいに。
今日もお家でまったりと過ごしていたわ。日記に書けることといったら、遊びに行っていた橙がお土産に魚を取って来てくれて食卓が賑わったくらいね。
ただ、橙の未来が不安になるわ。主に不良娘のせいで・・・。
話は変わるけど、この日記はすごいわね。消えて、また出てくるなんて不思議な体験をしたわ。少し常人より長く生きてきたけど、この日記のように面白い事に出会ったのは数えるくらいしかないわ。どうやって手に入れたか気になって夜も眠れないのよ。よければ教えてくれるかしら?
半君も体には気を付けてね。
〇月☆日 5日目 はした
もしかして紫お姉さんって言った方がいいですか?そっちがいいなら、そう呼ばせてもらいます。
大変ですね。でも、大丈夫です!お母さんも言っていましたが、お姉ちゃんも反抗期?っていう日があったみたいで、それを過ぎれば普通になるそうです。
紫お姉さんの不良娘さんに対して愛情があれば、きっと分かってくれる日が来ます。がんばってください!まだ体も小さくいけど、なやみを聞くくらいはできます。
今日は家族といっしょにお出かけでした。デパートで夏のふくを買いました。
お姉ちゃんがぼくのふくをたくさん買ってくれてうれしかったです。2人でプールに行く約束もしたので、来週の休みに行きます。
デパートで食べたアイスはおいしかったです。
この日記については紫お姉さんが人外だったら教えます。魔女さんとの約束だから、ごめんなさい。
また明日!
「ええ子や、この子は、とてもええ子や・・・。お姉さんが危ないと思うのは私だけ?」
交換日記6日目にしてもう情が移り始めている紫であった。最近、ここまで自分を気遣う言葉を聞いたことはないので、紫はうれし涙を流していた。
「この人外が気になりますね。2日後に日記を書くのにまた明日と書くあたり、子供のようですね。姉の気持ちはよくわかります。」
式は主人の涙を華麗にスルー。主人は睨んでいるぞ。
「確かに、人外の存在を外の世界の子供が認識するのもおかしいものね。ちょっと私は日記と一緒に外を調査してみるわ。」
「そうしてください。あと、突然涙目にならないでください。ムラムラします。」
「なら私をもっと甘やかしてよ!?」
こんなどちらが式か主か分からない主従だが、まだ半少年との交換日記生活は始まったばかりだ。
紫は半少年が何者か、この日記が何のか、分かることができるのか。
待て次回!
お疲れ様でした。
半君と最初に交換日記する東方キャラはゆかりんでした。前回の最後で分かる人には分かっていたでしょうね。
スマートに伏線をはれなく、文章力が低い自分が憎い・・・
このように今作では、日記と日常を両方加えた形式で、基本東方キャラ側の視点となります。日記も30日分全部書く訳でなく、一部を抜擢する形になります。
東方キャラは頭のネジが飛んだ人をいくつか出す予定です。今回の藍のようにw
次回は後編となります。感想、質問は受付中です。
では、また次回会いましょう。