基本的にはシリアスで進めていきます
不定期更新です
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・これ以上やっても無意味だろう。お前に勝ち目はない、諦めろ」
「・・・諦められる訳あるか!!」
「そんなにもあの巫女はお前にとって大切か?」
「当たり前だろ!」
「・・・そうか。だが例えお前が勝ったとしてもあの巫女が帰ってくるわけじゃないだろう」
「うるせぇ!そんな単純な事じゃねぇんだよ!」
「・・・」
「てめぇは絶対に私が倒す!『マスタースパーク』!」
「・・・はぁ、そんな攻撃では何も守る事は出来ないんだよ」
「『ナイトバード』」
ーーーーーーーーーーーーーー
ジリリリリリリリ!
と、今日も目覚ましに叩き起こされる
まぁ別に朝が辛いという訳では無いが
「・・・んー・・・」
大きく伸びをして学校に行く準備をして家を出る
と言っても、学生アパートなので私の通ってる大学はすぐ近くなのだが
「あ、蓮子おはよー」
と、私に挨拶をしてくる友人
「メリー、おはよ。昨日はよく眠れた?」
彼女はマエリベリー・ハーン
呼びづらいのでメリーと呼んでいる
「また昨日もあの夢を見て全然眠れなかったわ」
「あんたも大変ねぇ」
あの夢と言うのは、メリーが寝ている時に見る不思議な世界の事だ
私はただの幻想だと思うのだが、メリーにとっては現実らしい
「最初の受講、私はこっちだから」
と言って私の向かう方と違う場所を指すメリー
「あ、うん。それじゃあね」
私とメリーはそこで別れたのだった
ーーーーーーーーーーーーーー
秘封倶楽部
私の通う大学の中のサークルの一つなのだが、部員はたったの2人しかいなく、あまり良く思われていないサークルだ
それもそのはず
何事も科学で説明できるこの世の中で、この秘封倶楽部と言うのは言わばオカルト研究会の様な活動をしているのである
少し前まではオカルト研究会と言う物はそれなりにあったようだが、近年ほぼ見なくなった
そして現在私は秘封倶楽部の部室前にいた
なぜかといえば、答えは簡単
私がたった2人しかいない秘封倶楽部のメンバーだからだ
そしてもう1人は
「メリー、早いわね」
メリーである
「あら、いつもは時間にルーズなくせに今日は早いわね」
「会った早々そう言うこと言わないでよ」
メリーは優雅に紅茶を飲みながら読書をしている
・・・こういう時のメリーは女の私でも見とれてしまうほどに美しい
別に私は百合気質では無いのだけど
「今日はどのくらい感じる?メリー」
「んー、街の中に幾つかあるわね」
「なんか最近多くない?」
私達がこのサークルを作ったのには理由がある
それは、私達には特別な力があるからだ
私は、月を見る事で場所が分かり、星を見ることで時間が分かる
そしてメリーは、この世の境界と言うものを見る事が出来るという
なぜこんな能力が有るのかは分からない
メリーは生まれつきだと言っていたが、私の場合はそれが分からない
何故ならば、私は2年前以前の記憶が全くない
私は気が付いたら街中の裏路地に倒れていた
その時の私は、自分の名前も年齢もどこの誰なのかも全く記憶が無かった
今のお義父さんに拾われて、どこの誰かも分からない私を育ててくれた
それに、名前の無かった私に宇佐見蓮子と言う名前を付けてくれた
私はその時から既にこの能力を持っていた
「それじゃあ、今日も外に出てみますか」
私達は、メリーが見えるという境界を調べるために外に出るーー
ーーーーーーーーーーーーーー
「どう?このへん?」
メリーがなにやらキョロキョロと見回して境界を探している
「・・・この辺りにあったのは間違いないわ」
「他には何処にあるか分かる?」
「うーん、あんまりハッキリとは分からないわね。やっぱり近付かないと」
「そっかぁ」
境界がなぜ出来るのかは私には分からないが、科学で説明出来ない物は調べたくなる
「これからどうする?とりあえず、近くには何も見えないけど・・・」
メリーに言われ、私は月が薄らと見えるまだ明るい空を見る
ーー結構学生アパートから離れて来てしまった
「1回そのへんで休憩しよう」
私達は近くの喫茶店に入る
「何故か知らないけど、最近はどうも境界が活発になっているみたい」
「そうするとどうなるの?」
「分からないけど・・・人が吸い込まれたりするんじゃない?」
それは危ない
私達にはどうすることも出来ないが
「となると、私達が入れるほどの境界を見つけられるのもそう遠くないってことね」
「そうねぇ・・・」
私は境界の中がどうなっているか知りたいのだ
何故だかわからないが、境界の奥に私の記憶の答えがあるような気がする
そうこう会話している内に、店員が注文したものを持ってくる
メリーは紅茶
私は抹茶オレ
「・・・ホント蓮子はお茶ばっかね。喫茶店でも抹茶なんて」
「そんな事言ったらアンタだってさっき部室で紅茶飲んでたじゃない」
「私はたまたまよ。蓮子は何時もじゃないの」
・・・特に気にしたことは無いのだが、まぁ単純にお茶が好きなだけだ
東京のお義父さんの所でもお茶ばかり飲んでた記憶がある
その後は他愛もない会話をして、喫茶店を後にしたのだった
ーーーーーーーーーーーーーー
喫茶店を後にした私達は、大学の方面に戻りつつ境界を探していた
「もう6時半を回っちゃったよ、お腹減ってきた」
時刻は6時36分47秒
私の能力があれば、秒単位で分かるのだ
「・・・便利な能力ねぇ」
「今日も何も得られなかったかー」
いつもの事だが、結構歩いたので疲れた
お腹減ったし
今日の晩御飯何にしようかと考えているとメリーが足を止める
「?どうしたの?」
「・・・蓮子、境界が近いわ。それもかなり大きいヤツ」
「ホントに!?」
これは大チャンス
大きいと言うことは中に入れるかもしれない
「どっち方面?」
「こっちよ」
私はメリーの案内に続く
しばらく進むと、人通りの少ない路地裏に出る
「・・・ここよ」
「ここに、境界が・・・」
うん
何も見えない
「ホントにあるの?」
「確かにここに大きいのがあるわ。入る?」
そりゃあ
「もちろん」
「・・・分かった」
・・・?
その時一瞬、メリーが悲しい目をしたように見えた
が、すぐにいつも通りになっていたので、きのせいだったかもしれない
「私が蓮子の手を引くから、目を閉じていて」
「・・・大丈夫なの?」
私はメリーに言われた通りに目を閉じるが、なんか怖い
何も見えない中メリーに手を惹かれて歩く
「・・・うっ・・・」
少し歩くと、境界に入ったのか物凄く冷たい空気を感じた
だが次の瞬間には
「・・・もう目を開けていいわよ」
私達は、見知らぬ森の中に立っていたーー