東方蓮魔境   作:我が名はヤマト

10 / 13
十話 真

「くっ・・・何故だ・・・」

八雲藍は、大妖怪 九尾の狐を使った式だ

式とは、妖獣や妖怪に『式』と言う術を掛け、自分の支配下に置くと言うものである

最強クラスの大妖怪の九尾の狐に紫が式を掛けた最強の式

「何で・・・」

だが

 

「不思議か?普通の人間にここまでされるってのは」

 

傷だらけなのは藍の方である

「・・・お前、まさか・・・?」

そう

普通の人間が藍に勝てるはずが無い

「ああ、当たり前だろ?普通の人間である私が霊夢の代わりなんて出来るはずがない」

もう、私はーー

 

「2年もお前らみたいな妖怪相手にしてんだ、強くならなきゃならんだろ」

 

捨虫の法

人としての成長を止め、不老の体となる禁術

この法を使ったものは、人で無くなり完全な魔法使いとなる

「人間として魔法を使うのと、魔法使いとして魔法を使うのじゃあパワーも成長力も比べ物にならない」

もちろん人間を辞めるってのはとんでもない覚悟いる

だが、私は霊夢の帰る場所を守ると決めた

だから私は人間を辞めるのに迷いはない

「2年ものうのうと暮らしてきた訳じゃねぇ。霊夢と同じ境地には至れなくても、霊夢の代わりを務めるくらいにはなったと思ってる」

「お前がここまでやるとは・・・」

「勝負アリだ。紫の居場所をはけよ」

もう藍は戦闘不能だ

紫の居場所を聞き出そうとするが、藍は

「もちろん吐くつもりはない、どんな拷問を受けようともな」

やはり吐かないか・・・

何も私は藍を殺したり拷問したりしない

どうせしても吐かないだろうしな

「・・・そうかよ、じゃあまた振り出しか」

「いいのか?」

「どうせ何も言わないだろ?」

なら、拷問も何も意味は無い

「それに、私から探す必要はもう無いらしい」

「?」

何故ならばーー

 

「そろそろ来る頃だと思ってたわ。魔理沙」

 

もう既に、尋ね人は来ている

「!紫様・・・!」

そこには、紫の姿があった

「まさか、藍を下すほどに成長しているとわね。様子を見にきて正解だったわ」

「この2年で霊夢の統制がどれだけ大きかったのか、身にしみたぜ?」

霊夢が強かったからこそ、妖怪達はスペルカードルールを受け入れていた

だが、霊夢が居なくなってから、それを受け入れる意味がなくなった強い妖怪達は2年の間で何度か事件を起こしていたのだ

私はそれを解決してきたのだ

何度死にかけたか分からないが・・・

「なぁ紫。今回の件、お前はなにを考えてる?そして何を知ってる?」

「ふふ、大方の事には気付いたようね」

「・・・やっぱりお前なのか・・・?」

出来ればそうであって欲しくない

だが、紫は

「貴方の疑ってる通りよ」

「・・・何で何だよ?」

「貴方は外の世界を見た事がある?」

唐突にそんなことを聞いてくる紫

「無い」

「そう・・・外の世界何て、酷いものよ。空気は汚れ、緑を壊し、穢れた人間共が我が物顔で行き交う。いずれこの星は朽ちるでしょう」

「・・・」

まさか、紫は・・・

「だから、私はこの星を守る」

「何をする気だ?」

「この美しき星を、穢れなき姿へと還元する」

紫はそこで一拍おいて

 

「『幻想郷拡張計画』を」

 

「幻想郷拡張計画だと?」

「そう、この星全てを幻想郷へと昇華する」

何だと?

そんな事をしたら・・・

「外の世界に住む人間はどうなる・・・?」

結界を広げ、外の世界に侵攻することになる

そんな事をすれば・・・

 

「外の世界の人間は全て、空間ごと押し潰されるわ」

 

「な・・・」

「私は崩れてしまったこの星のバランスを取らなければならない。だから、外の世界の人間には消えて貰う」

規模が大きすぎる

外の世界を消すだと?

そんな事が・・・

・・・いや、アイツの力ならそれも可能なのか・・・?

「まさか、そのために霊夢を狙ったのか?」

「察しがいいわね。その通り、この結界を広げる為には博麗大結界を管理する巫女と、世界そのものを変えられるほどの大きな力が必要だった」

「だから・・・」

こいつが霊夢を消したのか?

「ただ、勘違いしないで欲しいわ。霊夢を消したのは私じゃなくて、ルーミアよ」

「どういう事だよ?」

「ルーミアは私の計画に気付いて、間一髪のところで霊夢の記憶を消して、外の世界に落とした」

ルーミアが・・・

「じゃあ、やっぱりメリーと蓮子は・・・」

 

「そう。メリーが私で、蓮子は霊夢よ」

 

やっぱりか

「大変だったのよ?外の世界で霊夢を探すのに、1年半以上も掛かってしまったし、能力に掛かった封印を解こうと色々している内に半年も掛かったわ。結局解けなかったけど」

「?能力の封印?」

「そう。霊夢の能力は、私が見つけた時封印が施されていたわ。ルーミアの仕業ね」

ルーミアは、外の世界を守ろうとしていたのか・・・

「さて、お話はこれ位にして」

そこで紫は右手を上に掲げる

 

「貴方には一度消えて貰うわ」

 

私は思いっきり後ろに跳んだ

「っ!」

私が立っていた所には、紫の境界が開いていた

もしあれに飲み込まれればタダでは済まないだろう

「よく今のを見切れたわね」

マズイ・・・!

私はジグザグに走り、何とか紫の出す境界を躱す

何とか体制を立て直さなければ・・・!

 

「私は境界だけで攻撃するわけじゃ無いわよ?」

 

「!!」

私はいつの間にか回り込まれていた紫に蹴り飛ばされた

吹き飛び、木に激突する

「ぐあ・・・!」

また紫が手を上に掲げる

何とか私は横に跳び、躱した

・・・ダメだ、このままでは逃げ切れない

攻撃をしようにも、立ち止まることも出来ない

そう考えた瞬間、また回り込まれ、吹き飛ばされる

「クソ・・・!」

紫が近付いてくる

 

「さて、そろそろ終わりね。魔理沙、お休みなさい」

 

そこで私は、意識を失ったーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目を覚ませば、そこは神社だった

「?」

これは夢なのだろうか

満月の光が差し込む朧げの気分

そして光差し込む縁側には満月を見ながら酒を飲む一人の姿

「蓮子・・・?」

だがその姿は私を見る事なく

「アンタ、動ける?」

「え?あ、ああ」

私は自分の足で、縁側へと移動し隣に座る

「魔理沙、アンタと飲むのも二年ぶりねぇ」

「・・・そうだな」

私に杯を渡し、酒を注ぐ

「二年もほったらかして悪かったわね」

「ああ、本当だよ。お前が居ない間、ホント骨が折れたぜ・・・」

嗚呼、やっぱりこれは夢なのかもしれない

「・・・なぁ、私はお前の代わりをしっかり果たせたのか?」

ずっと聞きたかった事を問う

「酷いものだったわね」

ホントにこいつは・・・

「言ってくれるなぁ〜」

「ふふ、それにしても酷い怪我ね」

その言葉に私は自分の姿を改めて見る

「確かにそうだな。お前が待たせるからだぜ?」

「あら、アンタも言う様になったじゃない」

私は酒に口を付ける

「まっずいなぁー。こんな時位良い酒用意しろよな」

「こっちの方が私達らしいでしょう?」

「フッ、ちげぇねぇや」

そしてそいつはーー

 

ーー霊夢は縁側から立ち上がり、満月を背に私に言う

 

「ありがとね、魔理沙。後は私に任せて、あんたは休んでなさい」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。