こんな力など要らない
生きるなら、純真無垢な子供のままでーー
八雲紫の案内で幻想郷に来た私は、自らに封印を掛けた
自分では絶対に取れぬよう何重にも術式を掛けて
しかし・・・
「誰だお前は」
私の前には初老の男
そして私の封印は解かれていた
「ワシは『宇佐見 空亡』じゃ」
この宇佐見という爺さんは何者だろう
状況を見るに、私の封印を解いたのはこの宇佐見だろう
「何故私の封印を解いた?」
「実はお主に頼みたいことがあってのう」
「頼みたい事?」
何だろう、藪から棒に
だが何というかこの宇佐見という男には覇気がある
下手に抵抗しない方がいいだろう
「うむ、ある人物の計画を止めて欲しい」
そして私はその人物の事を聞き、直ぐに現場へと向かったーー
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「境符『四重結界』」
「霊符『夢想封印』」
私と紫の弾幕が交差し、それを見切り躱す
ああ・・・久しぶりだなぁ・・・
実に二年ぶりの弾幕ごっこである
記憶と能力が封印されていたが、おそらく記憶は幻想郷の満月を見る事で解放された
そして能力は魔理沙と酒飲んだら解放された
まぁ、ハッキリ分かっているわけでは無いが封印を解く方法はそんな所だろう
・・・それにしても上手く考えたものだ
紫は私の能力を使って博麗大結界を広げようとしていた
つまり、もし魔理沙が死んでいれば私の能力は封印されたままだし、魔理沙がいたとしても一緒に酒を飲むという条件がある以上紫の思い通りにはならなかっただろう
何とも絶妙な・・・
「境界『光と闇の網目』」
「おっと・・・」
危ない危ない
もう少しで当たる所だった
私もカードを展開する
「霊符『封魔陣』」
ハッキリ言って私は紫の思い通りになってもならなくてもどちらでもいい
仕事が増えるのは勘弁だが、外の世界の人間がどうなろうと知った事では無い
・・・ただ
私は傷だらけのルーミアを見る
・・・全く・・・
いくら強くて、頭が良くてもまだまだ子供じゃないか
自分だけの犠牲で全てを救おうとするなんて、考えが甘すぎる
だけど、私はそう言うの嫌いじゃない
あのバカも同じ事を考えそうだし
だからまぁ、仕方なくだ
「次で最後よ霊夢」
紫は最後のカードを出す
うーむ
もう終わりか
私ももうカードは一枚
カードを出す
後でまた魔理沙と遊んでやろう
二年も待たせてしまったのだ
「受けて立とうじゃない。紫」
共に残すはラストワード
私達は同時に叫ぶ
「『深弾幕結界-夢幻泡影-』」
「『夢想天生』」
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「ん・・・」
朝の鳥の囀りで、私は目を覚ました
えーと・・・
確か昨日、紫に蹴り飛ばされて・・・
「そうだ!霊夢は・・・!」
昨日の夜の事を思い出す
もしかしたら夢だったのかもしれない
だけど・・・
私は布団から飛び起きて縁側に出る
そこにはーー
「あら、魔理沙。やっと起きたの?」
いつもの巫女服を着て、お茶をすする巫女の姿
「・・・霊夢」
私は昨日言えなかった言葉を告げる
「おかえり、霊夢」
そして霊夢は
「ええ、ただいま」
やっと帰って来たんだな
それにしてもーー
「今日は何か豪華だな」
縁側には、霊夢だけでなく
紫と包帯だらけのルーミアの姿
この感じを見るに
「全部済んだんだな」
「ええ、アンタが寝てる間にね」
なら良かった
ルーミアも紫も、何やら談笑している
「結局のところ、何でこんな事したんだ?」
「私にも色々あったのよ。貴方が子供の間にね」
「いや、だからその色々とやらをだな・・・」
私はその二人の姿を見てしみじみ思う
「やっぱ霊夢は不思議だな」
私の呟きに霊夢は小首を傾げる
「どうして?」
「あの二人は殺し合ってたのに、お前が居ると普通に談笑してる。今までの奴らもあんな感じだったろ?」
「あー、そう言えばそうね。どんどん変なのが神社周辺に出没するようになるけど」
私も霊夢と雑談をしていたのだが、ふと紫が立ち上がり
「さて、私はこの後用事があるからもう行くわね」
「用事って?」
また良からぬ事でも考えてるんじゃないだろうな・・・
「まぁ、ちょっとね」
それだけ言い残し、紫は去っていった
そしてルーミアも
「私も帰るとしようか」
「アンタこれからどうするの?また、子供に戻るの?」
それは私も少し気になる
「しばらくは幻想郷内を散策する。その間はこの姿のままで居るさ」
「そっか。まぁ、何か困ったらウチに寄りなさいな。力になるわ、金取るけど」
金とんのかい
私が心の中でツッコミを入れているとルーミアは笑い
「ああ、また何かあったら金用意して顔を出すよ」
そしてルーミアは闇となり消えていく
「まーたお前に全部持ってがれちまったなぁ」
私は何気なく霊夢に言う
「今回はあんたのおかげでしょう?」
「そうかい」
この何気ない会話を私は待っていた
「それに、魔理沙は人間までやめちゃったんだもんね」
「ああ、それはまぁあんま気にして無いぜ」
「そう言うものなの?」
そう言うものっていうか・・・
「私も必死だったからな、あんま考えてる暇なかったんだよ」
「・・・そう」
何かしんみりした雰囲気になっちまったな・・・
私は場を盛り上げる為に
「さて、霊夢も帰って来たことだし、また宴会でもするか!」
「アンタねぇ・・・まぁ、久しぶりだしいいか」
「お、珍しく乗り気だな?」
そして私達は宴会の話を広げていく
何時もの日常に戻った
二年ぶりに話す親友との会話は、私が待ち望んだものだった
そしてーー
「ありがとね、魔理沙」
霊夢のその言葉に、私は何時もの笑顔で答える
「どう致しましでだぜ!」
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神社を後にした私はとある墓の前にいた
だが、その墓には何も埋まっていないし、墓石には何も書かれていない
私が作った、自己満足の為の友の墓
「紫様・・・」
藍が少し曇った顔で私を見る
「大丈夫よ、藍。私も頭を冷やしたわ」
「そうですか・・・では、私は先に戻っています」
藍は私の開いた境界の中へと消える
残された私は、目の前の墓石に向かって告げる
「貴方は私がした事を怒るでしょうね」
その墓に見る姿は、強く、凛々しく、優しかった友の姿
「でも、私も頭を冷やしたわ」
だが、友は、最後に欺かれーー
「・・・貴方の娘は強く育ったわ。それに、いい仲間にも恵まれた」
ーー外の人間に殺された
「心配せずとも、復讐何て柄じゃ無い事もうしないわ」
「だから、どうか安らかにーー」
ここまで読んでいただき、誠に有難うございました!
少し次回作の布石を残す様にしましたが、書くか分かりません
思い付いたらタイトル変えてここに章わけして書くかもです
その時はまたよろしくお願いします!
本当に有難うございました!