東方蓮魔境   作:我が名はヤマト

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二話 幻

メリーの様に寝不足になるような夢では無いけれど、私もよく夢を見る

神社の様な場所で、不思議な格好をした2人の女の人が縁側に座りお茶を飲んでいるーー

唯それだけなのに、その夢はとても幻想的で、何故だか幸せになれる夢

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここは何処だろう・・・」

私はもうすぐ満月になろうかという月を見て呟く

「蓮子の能力でも分からないの?」

「分からないわ・・・」

星を見る限り、時間は境界を通った時からあまり経っていないようだ

境界の先に何か記憶の手掛かりがあるかと思ったが、右も左も分からないのでは話にならない

「とりあえず帰ろうか・・・」

「・・・」

私が提案するが、メリーは何故か黙ってしまう

これはもしかして・・・

 

「・・・境界、消えちゃった・・・」

 

「えっ」

・・・

「どうすんのよぉ!」

帰れなくなっちゃったじゃない!

「お、落ち着いてよ蓮子」

「落ち着いて居られないわよ!帰れないじゃないのぉ!」

私はメリーに掴みかかっていた

いやまぁ、私が入ろうと言ったんだけどさ・・・

「とりあえず森を進みましょう蓮子、きっと人里に出るわよ」

「・・・で、どっちに進むのよ」

「・・・じゃあ・・・『ガサガサ!』

「ひぃ・・・」

メリーが進む道を迷っていると、木の合間から物音が響く

・・・い、一体何が・・・

私達が動けない間に物音は、近付き大きくなる

そしてーー

『ぐおおぉぉぉ!』

「「きゃああああぁぁぁぁ!」」

結構大きめの、形容しがたい化け物が木の合間から姿を出す

・・・これはオワタ

化け物が襲いかかってくる中

(ありがとうお義父さん・・・私を育ててくれて・・・)

最後の感謝の気持ちを念じる

そして化け物がすぐそばまで迫った時ーー

『ぐごあああぁぁぁ!』

化け物が横薙に吹き飛んだ

「え・・・?」

私が素っ頓狂な声を上げていると

 

「外から人が入って来るなんて久しぶりだぜ」

 

森の中から女の人が現れる

その女の人は綺麗な金髪で、とんがり帽子をかぶった魔女の様な格好をしていた

ーーその人は、私がよく夢で見る人にそっくりだ

「怪我はないか?私が来たからにはって・・・お前は・・・」

そこで何故か言葉を詰まらせ、私に向かって

「お前、名前は?」

「え?・・・えっと、宇佐見蓮子・・・です」

私に顔を近付けて私の顔をじっと見る

な、何なんだろう

よく見ればこの人、かぶっている帽子でほぼ隠れているが額に包帯が巻かれている

そして、腕や足にも

数十秒にも感じられる間の後に私から顔を遠ざけ、今度はメリーに向かって

「そか・・・じゃあお前は?」

「あ、私は・・・メリーよ・・・」

メリーは目をそらしながら答える

「・・・」

この人は何やら考えているようだがこのままでは何も進まないので

「あの・・・貴方は?」

名を尋ねる

「ん?ああ、わるいわるい。ちょっと考え事しちまってな」

そして名乗る

 

「私は霧雨魔理沙だ。ここの管理の代理をしている」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

その後はしばらく森の中を歩き、神社の様な場所に案内される

「元々私の友人が住んでた神社なんだが、今は私が使わせてもらってる」

魔理沙さんが何やら思い出すように遠くを見る

「・・・その友人って言うのはいま何処に?」

「さぁな・・・一体アイツに何があったんだか、分からない」

「そうなんだ・・・」

博麗神社というらしいその神社は、またしても私の夢に出てくる場所だった

ーーやっぱりここには私の記憶に関する何かがある

「お前達は私が責任を持って家に帰してやる。でも今日はもう暗いから泊まっていけ、明日には紫も現れるだろうし」

良かった・・・

とりあえずは帰れるようだ

「明日、紫が来るまでは外に出るなよ」

「紫って?」

誰かの事のようだが

「まぁ、この幻想郷で唯一外に繋がってるやつだ」

「・・・幻想郷・・・」

ここは幻想郷と言うのか

「その紫さんっていう人はどんな人なの?」

「んー、なんていうか胡散臭い奴だ」

なんだかいきなり不安になってきた

「・・・なんかメリーみたいな人ね・・・」

「喧嘩売ってんのかしら?」

おお、こわいこわい

「ていうか幻想郷って言うのは私達の世界とは完全に隔離されているの?」

「ああ、そういう事だ」

へー

あれ?でもそれだとその紫さんって人はどうやって・・・

「じゃあ紫さんはどうやって外との行き来を?」

メリーが代わりに聞く

「まぁなんていうか、アイツは境界を操れるからなぁ・・・」

「「え!?」」

今、境界って・・・

「うお!?なんだお前ら、境界を知ってんのか?」

「メリーは境界を見る事が出来るのよ」

「ほう・・・」

魔理沙さんはメリーをじっと見て

「じゃあもしかしてここには入っちゃったんじゃなくて、入って来たのか」

「そう言うことね」

「怖いもの知らずなんだな」

何かあんまり驚いてない感じだ

「なんかふーんって感じね・・・」

「まぁ、幻想郷じゃあ能力持ってる奴なんていっぱいいるからな」

「えぇ!そうなの!?」

「ああ、まあな。ところで聞きたいんだが、外の世界の人間は魔法が使えないってのは本当なのか?」

なんだその質問は

そんなの決まってるじゃない

答えようとした私の代わりにメリーが答える

「魔法なんて御伽話じゃあるまいし、使えないわよ」

「じゃあ、科学ってのが発展してるってのは?」

「何でもかんでも科学で説明できる世の中でしょうに・・・」

「へー・・・紫が言ってた事は本当だったんだなぁ」

その言い方だとまるで

「魔理沙は魔法が使えるの?」

 

「幻想郷じゃあ魔術なんてザラだぜ?」

 

凄い!

「じゃあ魔理沙さんはどんな魔法が使えるの!?」

「私はまぁ、敵を灰に変えるような火力だな」

「え・・・」

何それ怖い

 

その後も幻想郷について魔理沙さんに聞いて、夕飯をご馳走になった

私は縁側から星空を見る

「もうこんな時間か・・・」

現在時刻は11時35分24秒

「なんだ蓮子、お前空見りゃ時間が分かるのか?」

「空っていうか、星を見れば」

「なんか便利だな」

メリーにも同じことを言われたなぁ

「さてじゃあそろそろ寝るか」

魔理沙さんに言われ、私達は空き部屋で就寝したーー

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

その夜

私は外から聞こえてくる話し声で起きてしまった

どうしても気になった私は、隣で寝ているメリーを起こさないように外の会話が聞こえる場所に移動する

すると、魔理沙さんともう一人誰かの話し声が聞こえる

「てめぇ・・・目的は何だ?霊夢に何をした?」

「目的?単純だ」

なんの話だろうか

ただ分かるのは、仲のいい者同士の会話ではないということ

「復讐だよ。私を封印した奴らへの」

「なんだと?それと霊夢に何の関係があるってんだよ?」

「お前が知る必要は無い」

そして足音が聞こえる

魔理沙さんじゃない方が立ち去ろうとしているようだ

「少し誤算があった、今日のところは失礼する」

「おい!待やがれ、ルーミア!」

だがその後足音がパッタリと消える

どうやら、ルーミアと呼ばれたやつはもういないようだ

「くそ・・・霊夢に何しやがった・・・」

ただその声が葛藤に苛まれているのは私でも分かったーー

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

翌朝

目を覚ました私は大慌てで魔理沙さんの所に走る

何故ならばーー

 

「魔理沙さん!メリーが居ない!」

 

朝起きたら、メリーの姿が無かったのだーー

 

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