八雲紫は胡散臭い
言ってることの殆どが信じられないような事で
何がしたいの分からないし
どこに住んでるかもわからない
だからこそ、直接聞かなければならない
ずっと八雲紫に対する疑いはあった
ルーミアはおそらく紫と闘ったのだろう
そしてルーミアは敗北した
じゃあ何故紫は今までルーミアと直接対峙しなかったのか?
今回も、あの怪我なら殺す事は容易だっただろう
何にせよ、紫に直接会って話を聞かなければ
しかし・・・
「・・・何処に行ったら会えるんだ?」
紫の家が何処にあるか全く分からない
分かるとしたら・・・
「・・・白玉楼位か」
私は紫と旧知の中の奴がいる死者の通る道、『白玉楼』へと向かう
白玉楼に着いた私は少し悩む
もし紫が私の思った通り『敵』ならば、紫の友人である幽々子は敵側の可能性が高いだろう
「迷ってても仕方ないか!」
「こんな所で何やしてるんですか、魔理沙さん?」
「おわぁ!」
私がうだうだ迷っていた間にいつの間にか妖夢がすぐ近くにいた
「い、いや。ちょっと幽々子に用があってな」
「そうだったんですか。なんかずっと門の前で立ってたんで何かと思いましたよ」
「あ、ああ。悪かったな」
そして私はなんだかんだ幽々子の元へ行く事になってしまった
妖夢の案内で通された客室で待っていると、妖夢と共に幽々子が客室に入ってきた
「待たせたわね。魔理沙」
「私はこれで失礼します」
幽々子だけが残り、妖夢が部屋を出る
「すまんな、急に尋ねて」
「いえ、大丈夫よ。それより、要件は何かしら?」
「ああ・・・それなんだがな」
これ以上言うのは少し怖い
もし幽々子が敵側ならば、私は殺されるかもしれない
「・・・」
幽々子は黙ってわたしの言葉を待っている
何の用件だが分かっているのかもしれない
私は意を決して用件を伝える
「・・・紫の居場所を教えて欲しい」
私は少し身構えたが、幽々子は
「やっぱりその事ね・・・魔理沙をどうこうしようって訳じゃないから、あんまり身構えないで頂戴な」
・・・どうやら顔に出ていた様だ
「ああ・・・すまん」
「いえいえ。貴方の警戒はもっともだし、その気持ちはしっかりと持っておいたほうがいいわ」
どうも幽々子の前では緊張してしまう
幽々子は目の前の奴を強制的に『死なす』ことが出来るらしい
実際に見たことがある訳ではないが、幽々子の持つ覇気は一目見ただけでそれを信じざるを得なくなる
「紫のこと、聞かせてくれるか?」
「もしかしたら、『マヨヒガ』に紫の式の式が居るかも知れないわね」
式の式と言ったら、紫の式である藍のさらに式の橙の事だろう
「マヨヒガか・・・ありがとう、行ってみる。他に、紫について何か知らないか?」
私はさらに紫について聞く
「そうね。私も紫の事は事細かに知ってるという訳ではないわ。なにせ生前の記憶は無いものでね」
紫と幽々子は幽々子が死ぬ前からの仲だと言う
幽々子が死んで何年になるかは分からないが、幽々子の生前の記憶は無いらしい
「でも貴方が聞きたいのは、今回の異変のことでしょう?」
「・・・何か知ってるのか?」
幽々子は何もかも見通した様に言ってくる
「まぁ、大体の状況はね。でも、私の口からそれは言わないでおくわ」
「何でだよ?」
「私は何も、完全に貴方の味方って訳ではないわ。ただ、今回の異変は傍観者としているだけよ」
なんだよそれ?
「つまり、後は自分でやれと?」
「そういう事」
「ちっ・・・わかったよ」
私は立ち上がり、話を終わりにする
「まぁ、そう拗ねないで頂戴。貴方が生きていれば霊夢にでも教えてもらえるでしょう?」
「?どういう事だ?」
またしてもよくわからない事を・・・
「さ、早くいきなさいな。今宵の満月に間に合わなくなる前に」
「いや、だからどういう・・・」
と、最後までよく分からなかったが紫の手掛かりを得たのだったーー
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「・・・良かったんですか?幽々子様」
「魔理沙の事、心配?」
「そりゃあ・・・まあ」
「ふふっ、貴方は心配症だものね」
「からかわないでください。それよりいいんですか?紫様との事は」
「まぁ、大丈夫よ。これくらいの事は紫も分かってると思うし、これは最後の賭けなのよ」
「?どういう事ですか?」
「魔理沙が生きて黒が勝つか、魔理沙が死んで紫が勝つか・・・」
「えっと・・・?」
「ゲームはもう佳境に入ったわ」
「よくわからないんですけど・・・魔理沙さんが生きるか死ぬかで、結果が変わるって事ですか?」
「まあ、結論から言えばそうね。それよりも、お腹空いたわ妖夢。なにか用意して〜」
「こんな時に幽々子様はぁ!」
「ふふ。さて、『幻想郷拡張計画』。どう転ぶかしらね?」
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マヨヒガは、外の世界に伝わる都市伝説の一つらしい
外の世界で、道に迷った人間が見つけた屋敷で
その屋敷のおかげで、迷った人は助かり幸福になった
その後、その屋敷を見つける事が出来なかったとか
そのため、『迷い家』と書くらしい
幻想郷ではなにも、道に迷っていなくても普通に建っている
とわ言え、都市伝説に登場する様な立派な屋敷ではなく完全に廃屋となってしまっているのだが
そして私は、そんなマヨヒガへと到着する
そこには、幽々子の言った通り猫を探す橙がいた
そして近くにはその付き添いだろうか、藍の姿もある
私は藍へと声をかける
「藍、紫の居場所を聞きたい」
「・・・お前の様子を見るに、穏やかでは無いな?」
藍は頭が良く、洞察力も並み外れている
私の顔を見ただけで、用件を察した様だ
となると、やはり紫は・・・
いや、今は目の前の事に集中しよう
「もちろん私は紫様の居場所を吐くつもりはないが、どうするつもりだ?」
「吐くつもりがないなら、力尽くでもやってやるさ」
「強気だな。私は手加減などする気は無いぞ」
緊張した空気が流れる
そして藍は橙に
「私は少し用事ができた。少し待っていろ」
とだけ伝え、私と共にマヨヒガから離れる
そしてーー
「行くぞ魔理沙。手加減無しだ」
「ああ、どっからでもかかって来い」
私たちは、『スペルカードルール』など無い本気の『殺し合い』を始めるーー