「おい甲児、お前のおじいちゃんが死んだって…ホントのことかよ」
「……。」
放課後、一誠と甲児は誰もいない男子トイレの前で話していた
「あぁ…たぶん黒い羽を生やした奴らに…」
「…そうか。」
一誠は残念そうな顔をする。そして甲児は懐からペンダントを取り出した
「それは?」
「マジンガーZ。おじいちゃんが奴らに殺される直前に俺に託したスーパーロボットだ」
甲児はペンダントを眺めながら言う
「スーパーロボットって…まさかこれでお前はあのマジンガーZっていうロボットに変身してたのか?」
「まぁ。そうだな」
甲児はペンダントをしまい、一誠は唖然とした顔だった
それもそうだろう。何せスーパーロボットなんてものは漫画やアニメでしか見たことがないからだ
「やあ。お取込み中失礼」
そんな二人に話しかける金髪で顔立ちが整った男子がいた。名は木場佑斗。顔も性格もパーペキであり、駒王学園の女子生徒から人気が高く、それ故、他の男子生徒からの嫉妬もあった。
「あぁ?イケメン様が何の御用ですかね???」
一誠はジトーッと木場を睨みつけながら言う。甲児は特に木場に対して嫉妬を抱くことはないため、睨むことはない
「リアス先輩の使いで来たんだけど…」
木場は敵意むき出しで睨みつける一誠に対して苦笑いしながら応える。
「は?リアス先輩の?」
「うん。着いてきて」
そう言いながら木場についていく甲児と一誠。道中、女子生徒から「木場君に汚らわしいバカがうつらないかしら」だの「兜君ならともかく兵藤となんて…」だの言われ放題だったが…
「さて、着いたよ」
「ここって…旧校舎じゃねぇか」
木場たちに案内された場所は今では滅多に使われない駒王学園の旧校舎であった。そして中へ入っていき、しばらく歩くと木場はある教室の「オカルト研究部」という文字が書かれた張り紙が貼られたドアの前で止まった
「部長、連れてきました」
木場がそう言いながらドアをノックすると「入ってちょうだい」という声が中から聞こえる。恐らくリアスの声だろう。木場がドアを開けるとそこにはオカルト研究をするだけあって黒板には意味不明な文字が書かれてたり床には魔方陣のような模様が描かれていた
「ん?」
甲児がふと視線を前に移すとそこには白い髪と自分たちより身長が低い女の子がソファに座りながら羊羹を食べていた
「なぁ一誠。あれって小猫ちゃんじゃねぇか?」
「え?あ、ホントだ」
塔城小猫。それが彼女の名前。男女問わず、小さくてかわいいと評判の学園のマスコット的存在でもある
「やあ。こちらが兵藤一誠君。で、こっちが兜甲児君」
「あ、どうも…」
「よっ」
木場が二人を紹介すると小猫は羊羹をまるで自分のものだぞと言わんばかりに羊羹をさっと取り上げる
「どうも…」
「いやいやいや。取らないから…」
すると室内にしゃーっと水が流れる音が聞こえる。甲児と一誠は音が鳴る方向へ視線を向けるとそこには白いカーテンに包まれたバスタブがあり、美しい四肢が影となって映る人物がいた。
「おいおい…部室にシャワーって…こりゃなんでもありだな。なぁ、イッセー…ん?」
甲児はやれやれといった表情で言い、一誠に視線を向けるが一誠は鼻の下をだらーんと伸ばし、なんとも情けない顔だった
「何鼻の下伸ばしてんだよコノヤロウ!!」
甲児はすかさず一誠に脳天にチョップをかまし、一誠は「たわばっ!!」と某世紀末のモヒカン雑魚のような叫び声をあげる。それを見た小猫は「いやらしい顔…」とつぶやくのだった
「ふぅ…待たせたわね」
そう言いながら衣服を身に包んだリアスがカーテンを開ける。そこにはリアスの他にもう一人の女性がいた。名は「姫島朱乃」。リアスと共に二大お姉さまと称される美人だ
「あらあら?あなた達が兵藤一誠君に兜甲児君ね。はじめまして。姫島朱乃と申します。どうぞ、お見知りおきを」
そう言いながら朱乃はにこっと微笑む
「あ、こちらこそよろしくお願いします」
「よろしくお願いしますッッ!!」
自己紹介を終えた所でリアスは口を開いた
「さて、全員そろったわね。オカルト研究部はイッセー、そして甲児。あなた達を歓迎するわ。手短に言うと私達は全員「悪魔」よ」
ソファに腰を掛ける一誠と甲児に朱乃は「粗茶です」と言いながら目の前のテーブルにお茶を置く。それを受け取った二人は「え?」とでも言いたそうな顔をする
「信じられないって顔ね。まぁ無理もないわ。昨夜黒い翼の男を見たでしょう?あれは「堕天使」よ」
「堕天使?」
甲児が聞き返すとリアスは黙って頷き、再び口を動かした
「堕天使は元々は神に仕えていた天使が邪な感情を持ったために地獄へ堕ちた存在。私たち悪魔は地獄の覇権を巡って古より堕天使と争ってきたの。悪魔は人間と契約して代価をもらい、力を得る。一方堕天使は人間を操り、悪魔を排除しようとする。ここに悪魔と堕天使を滅するよう神の命を受けた天使が加わって三すくみの状態が永く続いてるの。ここまでは理解できたかしら?」
淡々と説明するリアスに対して一誠は冷や汗を垂らしていた
「えっと…これはオカルト研究の講義か何かで?」
すると朱乃は「すべて事実ですわ」と一言を加える
「そんないきなり難しいことを言われても…なぁ?甲児…?」
一誠は隣に座ってる甲児へと視線を戻すと甲児はどこか真剣な顔をしており、拳がぷるぷると震えていた
「…どうしたんだ?おい?」
すると甲児は我に返ったようで素っ頓狂な返事を上げる
「へ?いや~、なんでもないぜ。ハハハハ…」
そう言いながら後頭部をポリポリとかき、また俯いてしまう
「(堕天使……あいつらがおじいちゃんを…!ぜってぇ許さねぇ…!)」
「この子を知ってるわね?」
するとリアスは一誠に1枚の写真を渡す
「これって…!夕麻ちゃん!?」
その写真に写っていたのはなんと。一誠の彼女の夕麻が写っていた
「そう…そしてあなたはその身に宿る神器を危険視して殺されたわけ」
「殺されて…ってでも俺、生きてますよ?それに神器って?」
「殺されたあなたは転生したの。悪魔としてね。あなたは私の下僕、リアス・グレモリーの眷属悪魔として生まれ変わったの」
リアスがそう言い、さらに朱乃が神器についてフォローをいれる。
「神器とは特定の人間に身に宿る規格外の力。大半は人間社会規模でしか機能しないものだけど中には私たち悪魔や堕天使にとって脅威となり得るものもあるのです」
「そしてイッセー。あなたにはそれがある…目を閉じて一番力を出せるポーズをしてみなさい。」
「え…あ、はい」
すると一誠は立ち上がって両手を腰に持っていき、腰を落とす
「お前…そのポーズって…」
「おう!俺の好きな漫画「ドラグ・ソボール」のドラゴン波のポーズだ!」
「おいおい。他にポーズなかったのかよ…」
「…まぁそれでもいいわ。そのまま思い切って力を解放させる勢いでやってみなさい」
すると一誠はグググっと構え、「ドラゴン」と言い、両手を突き出し、「波!!」と言った瞬間それは起きた。彼の左手が輝き、メキメキメキと音を立てながら赤い竜の鱗のようなものが浮き上がり、手の甲には緑の宝玉が浮かび上がる
「そう…それがあなたの神器…」
「すげぇ…かっけぇ…」
己の変化した左腕を見ながら興奮する一誠。そしてリアスは甲児に視線を写す
「さて、次はあなたの番ね。あなたもやってみなさい」
甲児は懐からペンダントを取り出す
「俺の持ってるコイツは正確には神器じゃありません。正しく言えば…スーパーロボットです」
「スーパーロボット…?」
「はい…では見ててください」
甲児はすぅっと息を吸い込み、ペンダントを掲げ、叫んだ
「マジン、ゴォー!!パイルダー、オォン!!!!」
すると甲児の体が光り出し、光が映えるとそこには甲児の姿ではなく、昨夜、堕天使と戦った時のロボットの姿があった。
「すごい…」
「あらあら♪」
「……かっこいいです」
「それがあなたの力ってわけね…」
『はい。マジンガーZっていう名前です』
ウィンと甲児、もといマジンガーZは首を動かし、リアスに向き直る
「マジンガー……魔神…というわけね……さて、甲児、単刀直入に言うわ。」
するとリアスは背中から悪魔の羽をばさりと生やし、それに続いて小猫、木場、朱乃も背中から悪魔の羽を生やす
「私の眷属にならないかしら?」
するとマジンガーZは俯く
『……おじいちゃんはこのマジンガーZを俺に託した時にこう言いました…「神にも悪魔になれる」って…でも俺は神様なんてなれっこないし悪魔にはなりたくないんです…』
「……そう…」
『でも…でも俺は戦います。この世界を守るためにマジンガーZと共に…!』
するとリアスはすぅーっと息を吐いて
「分かったわ。いきなりこんなこと言ってごめんなさいね」
『いいですよ。では悪魔に転生させる代わりに協力者としてなら…いいんですよね?』
「分かったわ。マジンガーZ。そして兜甲児。以後、私たちの協力者として共に行動を許可するわ」
『はい!ありがとうございます!』
そういってマジンガーZとリアスは固く握手をするのだった