「ふぅ…今日の授業もおしまいっと…」
オカルト研究部の面々と自己紹介を終えた翌日の放課後、甲児は荷物をカバンの中に入れて帰る身支度をしていた。
「さぁて、今日も買い出しに行かなきゃな」
十蔵亡き後、彼は学園の寮で一人暮らしを始めたのだ。ちなみに資金は十蔵が遺した莫大な金で賄っている。十蔵はロボット工学の権威であるためかなりの金をため込んでいたようだ。
「今日は確かあそこのスーパーが安上がりの日だっけな。行ってみるか」
そう言いながら公園に差し掛かった時だった
「ひゃうっ!!」
派手に転ぶ音が聞こえ、甲児は音がした方向へ視線を向けるとそこには膝を擦りながら公園の中央で転んだ金髪の少女がいた
「あうぅ…なんで転んでしまうのでしょうか…」
「大丈夫?」
甲児はそんな金髪の少女に声をかけながら手を差し伸べる。白いパンツが見えたがそんなことは気にせず
「あぁ…ありがとうございます」
少女は甲児の手を握り、立ち上がる
「はい、あとこれ。」
甲児は少女の帽子とおぼしきものについた砂埃を叩きながら少女に手渡す
「ありがとうございます。さっきから助けてもらってばかりですね。よろしければ名前を聞かせてもらってもいいでしょうか?私はアーシア・アルジェントといいます」
「おう!俺は兜甲児!よろしくな!」
「はい!甲児さん!」
アーシアはにっこりと微笑む。そんな彼女の服装を見て甲児は教会関係の人間だと判断する
「それで、アーシアちゃんはここで何してたんだ?」
「あっ。実は買い出しに来てたんですけど最近この町に引っ越したばかりでどの道を行けばいいのかわからなくなって…」
「買い出し?俺もちょうど買い出しに行こうと思ってたんだ。なんなら一緒に行こうか?」
「いいんですか!?」
「いいもなにも困ってる人を放っておくわけにはいかねぇしな!!」
「ありがとうございます!!ではよろしくお願いしますね。甲児さん」
~~~~~~~
「ふぅ。色々買いすぎたかな?」
そして二人は買い物を済ませ、夕暮れに染まった道を歩いていた。
「あはは…でもありがとうございます。甲児さんがいなかったら私、ずっと迷っていたかもしれませんでしたね。もう一人優しい方に会えて私は幸せです」
「(ん?もう一人?誰だ?)」
「あぁ。主よ。この出会いに感謝します」
アーシアはそう言いながら目を閉じ、両手を握りしめる
「うぇ~ん!痛いよ~!」
すると道端に子供がどうやら転んだらしく、膝をすりむいて泣いている。そんな子供にアーシアが走りながら近づいた。
「大丈夫?男の子がこれくらいのケガで泣いてはだめですよ?」
なにをするんだ?と甲児がそう思った時、アーシアがケガをした箇所に手をかざす。すると手のひらから緑色の光が発せられ、みるみるうち子供のケガを治していくではないか
「はい、もう大丈夫ですよ」
すると子供は痛みが治ったのか立ち上がって「お姉ちゃんありがとう!」と言いながら手を振りながら帰っていった。アーシアも帰っていく子供に向けて手を振る。すると彼女ははっとした表情になり、甲児に振り向いた
「あ…あの…」
「ん?」
「甲児さんは…私の力を見てどう思いましたか…?」
「さっきのケガを治したアレか?……とてもいい力だと思うぜ。傷をあっという間に治しちまうなんて」
「そうですか…ありがとうございます。」
その後、二人は夜道を歩き、教会へと近い場所まで来ると二人は手を振って別れを告げた。
そしてこの出会いが、後にマジンガーをさらに進化させる事はまだ誰も知らず…
~~~~~~~~~
「はぁ!?!?!?まさかアーシアに会ったのか!?それに二人で買い物までして家まで送ったぁ!?!?!?それってまるでデートみてぇじゃねぇか!?!?!?!?」
アーシアとの出会いから翌日の放課後、甲児はオカルト研究部の部室内で一誠の尋問を受けていた
「おいおい、なにもそんな詰め寄らなくても…」
「やれやれ。イッセーといい、甲児といい。なんでこうも問題が起きるのかしら」
そんな様子をリアスはただ呆れた表情で言った
「え?俺、何かダメなことしましたか?」
甲児が素っ頓狂な返事をするとリアスは腕を組んで鋭い視線を彼に向けて言い放った
「いい?甲児。あなたは堕天使に狙われてるのよ?あくまで私の推測だけど正確には
「はぁ…すいませんでした」
すると部室のドアが開き、朱乃が部室内へ入ってきた
「部長。大公から討伐の依頼が来てます」
するとそれを聞いたリアスは席から立ちあがった
「あの…部長。討伐って??」
「そうね。この際だからイッセーにも私たち悪魔の戦いを見てもらいましょうか」
「あの。俺も見てもいいですか?」
甲児がリアスにそう言った時、木場が口を挟んだ
「でも今から僕たちがするのは戦いであって君は思う生半可なものじゃない」
「いえ、今回はあなたも来てもらうわ。何せ堕天使の攻撃をものともしなかったマジンガーの力、見てみたいわ」
リアスは微笑みながら言う。そして甲児は懐にあるペンダントを握りしめた
――はぐれ悪魔
それは下僕であった悪魔が主を裏切り、単独で行動する所謂「野良犬」
はぐれ悪魔は見つけ次第消滅させるのが悪魔のルールである
そのはぐれ悪魔がいる建物の前にいるオカルト研究部一行と甲児。
「血の臭い…」
小猫がそう言うと一誠はガクガクと震えていた
「おいおいイッセー。大丈夫か?」
「大丈夫もなにもこえーよ!そうゆう甲児は大丈夫なのかよ!」
「俺はダイジョーブですよーだ」
「イッセー、甲児。いい機会だから悪魔の戦いを見ておきなさい。それに下僕の特性も説明しておくわ。」
「特性?」
一誠は首を傾げた
「そう。悪魔・天使・堕天使の関係は説明したわね?長い戦いの中でどの勢力も疲弊し、戦争は勝者を生まずに終結。悪魔も多くの純潔を失い、軍団を率いることができなくなったの」
「そこで始まったのが少数精鋭の制度。
朱乃が続けざまに言う
「二人はチェスを知ってるわね?」
「はい。名前くらいなら…」
「所謂将棋みたいなアレですよね?」
リアスが言うにはチェスの駒の特性を下僕悪魔に取り入れるものであり、主となる悪魔が『王(キング)』。そこから『女王(クイーン)』、『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)』、『兵士(ポーン)』といった五つの特性を作り出した。
そしてこうした悪魔の間では下僕同士を戦わせる「レーティングゲーム」というゲームが流行しており。それによって、下僕の悪魔の駒の強さや地位、爵位に影響し、さらに言うなら、活躍できる下僕の悪魔は主にとっても自慢できるのである。
「…でも、私はまだ成熟した悪魔ではないから公式な試合には出場できないのよ。様々な条件をクリアしないといけないと、イッセーや私の下僕がゲームすることはないってことになるわ」
「そうですか…つまりそうなると…」
「そう。僕たちもまだゲームに出たことがないんだ」
甲児の問いかけに木場が応えた
「そういえばあの、部長。俺の駒の役割や特性って何ですか?」
「そうね、イッセーは……」
するとリアスは何かに気づいたらしくぴたっと止まった。するとケタケタと笑い声が響くと声が聞こえる
「不味そうな臭いがするぞ?でも美味そうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」
そしてその声の主がぬぅっと現れる
「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅しにきたわ」
リアスがそう言い放つとやがて姿がはっきりと見える。上半身は裸の女性。そして下半身はまるで獣のような四本足であり、両手には槍のようなものが握られていた
「いい匂いだなぁ…その髪のように肉も新鮮な紅い色なのかぁ…?食いてぇなぁ…」
「品性もかけらもない風貌だわ。とてもお似合いだわ」
「小賢しい小娘がああああ!!その髪の如く鮮血で染め上げてやるうううう!!」
吠えるバイザー。だがリアスはふんと鼻で笑う
「雑魚ほど洒落たセリフは吐くものね――佑斗!」
「はい!」
木場がリアスの指示で動く。
「イッセー、さっきの続きをレクチャーするわ。佑斗の役割は「騎士」。騎士の特性はスピード。そして彼の最大の武器は……」
一度足を止めた木場。そしてバイザーの目の前から消えたと思うと頭上に現れ、長剣を振るい、バイザーの両腕が切断される
「ぎゃああああああああ!!!」
叫ぶバイザー。そしてどばっと傷口から鮮血が走る。そしてバイザーの足元には小猫がいた
「次は小猫。あの子は戦車。戦車の特性は…」
「虫けらがあああああ!!」
バイザーは小猫を前足で踏みつぶす。ドォンと音が響き、砂埃が舞う
「小猫ちゃん!?」
「大丈夫よ。戦車の特性は小猫の特性はシンプル。バカげた力。そして、屈強なまでの防御力。無駄よ。あんな悪魔の踏みつけぐらいでは小猫は沈まない。潰せないわ」
リアスがそう言うとグググっとバイザーの前足が持ち上がっていく。そこには前足を両手で支える小猫の姿が
「……吹っ飛べ」
そう言いながら小猫は前足をどかし、バイザーの腹部に拳を叩き込み、バイザーは大きく吹っ飛ばされる
「(今後は小猫ちゃんに逆らわないでおこう…)」
一誠はそう冷や汗を垂らしながら思うのであった。一方甲児は
「……」
まるで観察するように見ていた
「そして最後に朱乃ね」
「はい部長。うふふ…どうしましょうか♪」
朱乃はうふふと静かに笑いながらバイザーへ歩いていく
「朱乃は女王。私の次に強い最強の者。兵士、騎士、僧侶、戦車の全ての力を備えた無敵の副部長よ」
すると朱乃はバイザーに不敵な笑みを浮かべ
「あらあら、まだ元気そう……」
するとバイザーに雷が落ちた
「ギャアアアアアア!!」
そしてさらにもう一度雷を落とし、バイザーは断末魔に似た悲鳴を上げる
「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。その上彼女は、究極のSよ」
「S!?Sってもんじゃないでしょう!?」
「普段は優しいけれど、戦闘となれば自分の興奮が収まるまで手を止めないわ」
「こえぇな…朱乃さん」
「うふふふ……本当はまだ物足りないのだけれど、まだ死んではダメよ? トドメは私の主なのですから……オホホホホホホホッ!」
そのあと、数分にも及ぶ朱乃の雷の豪雨が降り注ぎ、一息ついた後にリアスに視線を向ける。そしてリアスは頷き、黒焦げとなったバイザーへ歩む
「最後に言い残すことはあるかしら?」
するとバイザーはあきらめたのか
「殺せ」
と一言。するとリアスは手のひらをかざすと黒い魔力の塊が現れる。するとバイザーはクククっと不敵に笑い始めた
「だがその前に…お前が逝けェ!!」
バイザーの口ががばっと開くと黒い塊が現れ、リアスに向けて発射される。それと同時にリアスの前にばっと甲児が躍り出て、黒い塊が着弾して爆音と砂塵が響いた
「なっ!部長!?甲児!?」
一誠は叫び声を上げた。そして砂塵が映えるとそこには
『ひー。あぶねぇあぶねぇ』
「甲児…?」
マジンガーZとなった甲児がリアスの前で大の字となって立っていた
『油断は禁物ですよ?リアスさん。さてと……』
マジンガーZはバイザーへと視線を向ける
「なっ…?姿が変わった!?貴様…?人間か…???」
驚くバイザー。するとマジンガーZは腕を組んで
『へっ!テメェのへなちょこ攻撃なんか効かねぇよ!』
とバカにするのだった
「ぐっ…なめるなあああああああ!!!」
バイザーに歩み寄るマジンガーZに向けて黒い魔力の弾を次々撃つバイザー。だが魔力の弾はマジンガーの装甲に傷一つつかず、そしてむんずとバイザーの尻尾を片手で掴むとまるでハンマー投げの選手のようにぐるんぐるんとバイザーを回し始めた
『そぉーらっと!!!』
そして上空へ向けてバイザーをブン投げると天井を突き破っていき、そしてマジンガーZはグググっと両眼のアイカメラを突き出すようにバイザーが飛んで行った方向を見上げる
『エネルギーがたまった…!さぁ。受けてみやがれ!!光子力の力を…!!』
あらゆる万物を粉砕させる希望の光の攻撃!!その名も…その名もおおおおぉぉぉぉおおお!!!
『光子力…ビィィィィイイイイイムッ!!!』
チュンッとマジンガーZの目が光ったと思うと次の瞬間ドワォっとマジンガーZの両眼からバイザーの体を覆うサイズの黄色い閃光が迸り、真っ直ぐとバイザーへと向かう
「……!!」
そしてバイザーは断末魔もあげず、光の本流に飲み込まれて消滅していった
『……ふぅ』
光の本流を出したマジンガーは一呼吸するように俯いた
『『『…………』』』
それを見た全員は絶句していた。それもそうだろう。何せあの5mはある巨体を飲み込むビームを撃ったのだ。しかも目から
『あら?どうしたの?みんな』
マジンガーZは唖然とするリアスへと視線を向ける。そのあと、その光子力ビームの余波で山頂が抉れてリアスにこっぴどく叱られたのは言うまでもない
とりあえずマジンガーZの武装は最初は光子力ビームとロケットパンチのみ。その他の武装は随時開放していく予定です