真ハイスクールZERO ~魔神伝説~   作:名無しの零

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episode 4 「狂気」

 

 

 

深夜、悪魔の仕事に興味を持った甲児は一誠を後部に乗せてバイクを運転していた。

その内容というのは悪魔としての実績をあげること。人間と契約して代価を得るとそれが悪魔の力となる。そしてその実績が認められると「爵位」というものが与えられる。

 

悪魔には「下級」「中級」「上級」「最上級」と四つの階級が存在しており、その中でもグレモリーの一族は最も高い最上級であり、「公爵」の名をもっている。そして爵位は生まれ育にも関係するが成り上がりで爵位を得る悪魔もいる。

 

一誠は下級悪魔としての第一歩として欲深い人間に簡単な作りの魔方陣が書かれた何十枚の紙を配っている。本来なら移動手段は魔方陣による転移が主だが一誠は極端に魔力が少ないため、転移することができず、こうして甲児のバイクで移動している。当の甲児はバイクに乗せてくれと頼まれたときは断るどころか逆に引き受けたのだ。

 

ちなみに一誠の駒は「兵士」。下っ端に位置する駒である。それを聞いた彼は脱力したとか…

 

 

 

「さて、ここだな」

 

 

 

甲児はバイクをキッとブレーキを踏んである一軒家の前で停車し、ヘルメットを脱いだ。住宅街でよく見るごく普通の一軒家だ。

 

一誠がインターホンを押そうとしたとき、甲児ははっと異変に気付いた。

 

そう、玄関のドアが開けっぱなしなのだ。そしてなにより明かりがついてない。一階の奥の部屋がぼおっと弱弱しい明かりで照らされているくらいだ

 

 

「一誠、ドアが開いてるぜ」

 

 

「え?あ、ホントだ」

 

 

 

二人は恐る恐る一軒家の中へ入っていく

 

 

「あのー…こんにちはー。グレモリー様の使いの悪魔ですけど…依頼者の方はいますかー?」

 

 

一誠が震え声で言う。返事はない

 

 

甲児は明かりがついている部屋へと入る。そこはどこにでもありそうなリビングだった。テーブルには蝋燭が置かれている。キョロキョロと辺りを見渡すとあるものが甲児の視界に飛び込んみ、思わず甲児は息を詰まらせた

 

 

「!?」

 

 

なんとリビングの壁に人間の死体が張り付いていたのだ。しかもただ張り付いているだけではなく上下さかさまの状態であり、体はズタズタに引き裂かれ、内臓がただれ落ちている。

 

思わず甲児は胃袋の中身をぶちまけそうになったがなんとか抑える。すると一誠がひょこっと顔を出した

 

 

「甲児、依頼者さんは――!?」

 

 

一誠もその光景を見てしまい、思わず尻もちをついてしまう

 

 

「甲児…!こりゃ一体…!?」

 

 

「わからねぇ…けどこんな惨い殺し方をするなんて…人間じゃ考えられねぇ」

 

 

すると甲児はその死体のそばに血で書かれた文字の存在に気付いた

 

 

「なんだ…?この文字?」

 

 

「〝悪いことする人はおしおきよ〟っていう聖なる方のお言葉を借りたものですよ」

 

 

声が聞こえた。二人は声がした方向へ振り向くとそこには神父とおぼしき恰好をした白髪の少年が立っていた

 

 

「これはこれは悪魔くんじゃありませんか!それともう片っぽのは人間と見えますねぇ…」

 

 

嬉しそうに話す。なんだこいつは?と甲児が思うとさらに神父は口を開く

 

 

「あー。初めまして。俺はフリード・セルゼン。神父様ダヨ♪とある悪魔祓い組織に所属している末端でございますよぉ あ 別に俺が名乗ったからってお前たちが名乗らなくてもいいよ♪大丈夫すぐ死ねるk「そんなことはどうでもいい」

 

 

フリードと名乗る少年がペラペラと話してる中、一誠が口を挟んだ

 

 

「何言ってんのかわけわかんねぇけどこれはお前がやったのか!?」

 

 

彼は壁に貼り付けられた死体を指しながら言う。するとフリードはくくくっと笑いながら

 

 

「イエスイエス!こいつは俺が殺したよん♪だってこいつ悪魔召喚の常習犯だったしぃ♪死んでも仕方なくない?それじゃあ……」

 

 

そう言うとフリードは懐から拳銃とビームサーベルのような剣を取り出す

 

 

「悪魔くんはおとなしく死んでちょーだいねー♪あ、あとそこにいる人間も同罪確定なんでデストロイね~♪」

 

 

最初にフリードが狙いをつけたのは甲児だった。フリードが甲児に駆け抜け、光の刃を振るうが甲児はふっとかがんでそれを回避、そして足払いとしてフリードの足に蹴りを放つが上に飛んで回避されてしまう。

 

 

「へぇ~。人間にしてはなかなかやるねぇ♪」

 

 

着地するフリードに甲児は不敵に笑う

 

 

「へっ!この兜甲児様を甘く見んなよ!こう見えてケンカはできる方なんでね!」

 

 

そう言いながらファイティングポーズをする甲児。フリードはクカカカカと笑うと

 

 

「それじゃあ…今度はそっちの悪魔くんはどうかなぁ~?」

 

 

そう言いながら今度は拳銃を一誠に向けた。銃弾が放たれる――

 

 

『ロケットパンチ!!』

 

 

なかった。フリードの後方から黒い鉄拳が飛来し、フリードはステップでその鉄拳を回避した

 

 

「……そうゆうことかぁ。お前さん。魔神の使い手だったのかぁ」

 

 

「甲児!」

 

 

一瞬で甲児はマジンガーZを装着し、フリードへロケットパンチを放ったのだ。かわされた拳はマジンガーZのところへ戻っていく

 

 

『…てめぇその様子だとマジンガーのことを知っているようだな』

 

 

「イエーッス!!お前さんのジジィは本当に愚か者ですよぉ!作られた悪魔の力。そんなもの、平和な世の中には必要ないんだよ♪」

 

 

ブチン

 

 

甲児の中で何かがブチ切れた。

 

 

『ダブルロケットパンチ…!』

 

 

するとマジンガーは腕をクロスさせ同時にロケットパンチを放ち、弾丸に近い速度でフリードへ一直線に向かい、一発目は回避するが二発目が顔面を掠り、壁に大穴を開ける

 

 

『コノ野郎……おじいちゃんをバカにした挙句…おじいちゃんの汗と涙の結晶のマジンガーが必要ない…?ふざけんな!!何が平和な世の中だ!偽善まみれのふざけた世の中じゃねぇか!!そんなふざけた争いが絶えない世の中、俺がぶっ壊してやる!!』

 

 

一誠は唖然とした。まさか幼馴染がここまでキレるとは思ってなかったのだろう。

 

 

「へぇ~…まさかここまでキレるとはねぇ…予想外だったヨ。でも…」

 

 

フリードは頬の傷から滴る血をぬぐうと先ほどの笑みが消え、怒りに満ちた顔になった

 

 

「人間が俺の顔に傷をつけるたぁフザケヤガッテエエエエエエ!!!まずはその悪魔からブッ殺してやらあああああ!!!!」

 

 

光の剣を携え一誠へ駆け出した。すると一誠の前にばっと何かが庇う

 

 

「なっ!」

 

 

『アーシアちゃん…?』

 

 

なんと。アーシアが体を広げて一誠を庇っていたのだ。思わぬ介入者が現れたことによってフリードは思わず動きを止める

 

 

「おんやぉ?助手のアーシアちゃんじゃあーりませんか。どうしたの? 結界は張り終わったのかな?かな?」

 

 

「それよりも、どうしてこの方達に刃を向けるんですか! この人達は──っ!」

 

 

そこまでアーシアが言いかけた瞬間壁に貼り付けられた死体を見て顔が青ざめた

 

 

「い…いやああああああああああ!!!」

 

 

その悲鳴を聞いたフリードは笑いはじめ、手をパチパチとたたき始めた

 

 

「可愛い悲鳴、ごちそうさまです!そっかそっか、アーシアちゃんはその手の死体は初めてですか。ならたーんとご覧なさいな。悪魔くんに魅入られたダメ人間さんはそうやって死んで逝くんですよ」

 

 

「そんな……」

 

 

ふいにアーシアの視線が一誠とマジンガーZに向けられる。一誠は目を見開き、マジンガーZは狼狽えている様子だった。

 

 

「あ、因みにそこにいるのもクソ悪魔くんですので、勘違いしちゃノンノンよ。そっちの魔神くんは人間だけど。ま、どちらにしても殺るだけだから関係ないけどね」

 

 

フリードから聞かされる衝撃の事実でアーシアは思わず言葉を詰まらせた

 

 

「イッセーさんが…悪魔?」

 

 

一方、一誠も視線をアーシアから背けてしまう

 

 

「え?なになにぃ?君ら知り合い?」

 

 

するとフリードは派手に大笑いをする

 

 

「お笑いだねぇ!悪魔とシスターの恋の禁断てやつぅ?さて、そのクソ悪魔とクソ人間を斬らないとお仕事が終わらないんですよぉ。アーシアちゃんもさっさと持ち場に戻って結界を張ってもらえませんかねぇ?」

 

 

するとアーシアはどこうとせず、一誠を庇う。フリードの額に青筋が浮かぶ

 

 

「おいおいアーシアたん。キミ。何しているかわかっているのでしょーかー?」

 

 

「…はい。フリード神父…お願いです。この方たちを見逃してください!もう嫌です…悪魔に魅入られたからって人間を殺したり悪魔を裁いたり…そんなの間違ってます!!」

 

 

するとフリードは怒りを露わにしてアーシアの胸倉を掴む

 

 

「ハァアアアア!?ナマ言ってんじゃねぇぞクソアマがあ!悪魔はクソだって教会で習っただろうがぁ!お前マジで頭にウジわいてんじゃねぇか!」

 

 

胸倉をつかまれたアーシアは「ひっ」と小さな悲鳴をあげるがそれでも口を開く

 

 

「悪魔にだって良い人はいます!!」

 

 

「いねぇよ!!バアアァァァカ!!!………あぁーもうめんどくせぇや」

 

 

するとフリードは拳銃でアーシアのこめかみを思い切り殴る。どさっと音を立ててアーシアは地面に倒れてしまう

 

 

『アーシアちゃん!!………テメェ!!』

 

 

マジンガーZはその無機質な目でフリードを睨みつけた。するとフリードは倒れたアーシアに近づく

 

 

「姉さんからはキミを殺さないよう念を押しているけど……殺さなきゃ何をしても許されるんですよ。レ○プまがいの事だってできちゃうんですよ OK?」

 

 

その言葉を聞いたアーシアは恐怖に怯える形相になる

 

 

「やめろ…!」

 

 

『イッセー…庇ってくれた女の子置いて逃げれるわけねぇよな…!』

 

 

「おう!」

 

 

すると床が青白く光りだした

 

 

「な…なんですかぁ!?」

 

 

 

 

 

その床の徐々に形を形成する。そこで一誠は判断した。グレモリー眷属のものだと

 

 

そして光の中から現れたのは

 

 

「兵藤くん、兜くん、助けに来たよ」

「あらあら。これは大変な状況ですわね」

「…神父」

 

 

木場に小猫に朱乃だった。

 

 

「これはこれはようこそ悪魔の団体さん。イラッシャイマセェ!!!」

 

 

『させるか!ロケットパンチ!』

 

 

木場に斬りかかるフリードに対してマジンガーはすかさずロケットパンチを発射。思わずフリードは避ける

 

 

「ありがとう。兜君。それに二人は僕らの仲間でさ、ここでやられてもらうわけにはいかないのさ!」

 

 

「けっ! 悪魔のくせして仲間意識なんてあるのか!? あー胸糞悪い気持ち悪い!」

 

 

その言葉に木場は嫌悪の表情を浮かべる

 

 

「下品だね。とても神父とは思えない。だから〝はぐれ悪魔祓い〟になったのだろうけど」

 

 

 

「そうだよ下品だよ!! 追い出されてんだこっちはよぉ! 何がバチカンだ何が神様だくだらねぇ! 俺は個人的に悪魔を狩れりゃそれでいいのんっ!」

 

 

「一番厄介なタイプだね君は。悪魔を狩ることが生き甲斐、か。一番の有害だ、僕らにとってね」

 

 

「んだ? 悪魔のくせにどうこう言われる筋合いなんざねぇんだけどにゃあ!?」

 

 

「悪魔にもルールあります」

 

 

朱乃がそう答える。笑みを浮かべてはいるがその視線は鋭い。だがフリードは

 

 

「いいねぇいいねぇ!お姉さんのその目!殺意びんびんで最高だねぇ!!ああ~!たまんねぇ!!俺の股間もビンビンでございます!!」

 

 

「そう。なら消し飛ぶがいいわ」

 

 

その言葉と共にすっと、リアスが現れる。そして一誠とマジンガーZに視線を向けて

 

 

「ごめんなさい二人共。まさかこの依頼主にはぐれ悪魔祓いが訪れるなんて計算外だったの。ケガはない?」

 

 

「はい。甲児が助けてくれたおかげで…」

 

 

半笑いを浮かべた一誠。それと同時に甲児に対する面目ない気持ちが生まれる。一方甲児は

 

 

『大丈夫ですよリアスさん!この兜甲児、そう易々とくたばらないぜ!!』

 

 

えへんと胸をドンとたたくマジンガーZ。そんな様子を見たリアスはふっと笑ったと思うと

 

 

「私の下僕を可愛がってくれたみたいね?」

 

 

と、殺気を出しながらドスの効いた声でフリードに言う。その殺気は甲児と一誠はびくりと体を震わせる

 

 

「はいはーい。かわいがってあげm」

 

 

直後、フリードの後ろにある家具が消し飛んだ。リアスが魔力の弾を撃ったからだ

 

 

「私は私の下僕を傷つける輩を許さないことにしているの。特に、あなたみたいな下品極まりない者に私の所有物を傷つけられることは本当に我慢ならないわ」

 

 

すると朱乃は何かに気付いたらしく表情を強張らせた

 

 

「部長。部長、この家に堕天使らしきものたちが複数近づいています。このままではこちらが不利になってしまいます」

 

 

それを聞いたリアスはちらっとフリードを睨んだ後

 

 

「―朱乃、イッセーを回収しだい本拠地へ帰還するわ。…問題は」

 

 

ちらっとマジンガーZへと視線を向けた。一誠はリアスの眷属、魔力の低い彼でも問題なくジャンプできる転移術式もちゃんと用意してあるだろう。だが甲児は眷属ではない。なので転移してしまうと甲児を置いて行ってしまうのだ。するとマジンガーZはずしりと一歩歩みだす

 

 

『大丈夫ですよ!俺とマジンガーのコンビは不死身ですよ!』

 

 

「甲児!貴方…!」

 

 

心配するリアスの声、するとふと、マジンガーの体が光り出したではないか。

 

 

『なっ!?マジンガーが…?』

 

 

驚く甲児。するとフリードがリアスに向けて駆け出す

 

 

「逃がすかって!!」

 

 

『くっ!』

 

 

ロケットパンチをしようにも間に合わない。光子力ビームを放とうとしても強力すぎてリアス達やアーシアを巻き込んでしまう。迷う甲児。

 

 

 

――主ヨ…

 

 

 

甲児の頭に声が響く。

 

 

 

『!?』

 

 

――呼ベ…叫べ…絶望ヲ払ウ……「風」ヲ…

 

 

 

声が途切れる。そして甲児は決心したのか顔を上げる

 

 

絶望を吹き飛ばす偉大な風。あらゆるものを解体させてしまう風。

 

 

その名も!

 

 

『吹き荒れろ!!ルストォ…!!ハリケェェエエエエエン!!!!』

 

 

そう叫んだ瞬間マジンガーZの口のスリットからゴオオオォォっと強風が吹き荒れる。そして強風はフリードとリアス達とアーシアの間を通り過ぎ、壁や家具を巻き込んだと思ったらたちまちそれはボロボロと形を崩し、一瞬で塵と化してしまった

 

 

『……すごい…はっ!今です!』

 

 

ルストハリケーンの威力に驚く甲児であったがすぐにリアス達にジャンプするように指示、そして彼女たちはすぐに消えた。ルストハリケーンによってフリードの行動を妨害で来たマジンガーはすぐにアーシアを抱きかかえ、部屋の窓を突き破って脱出。すぐにバイクに乗って逃走した。

 

 

~~~~~~~~~~~

 

 

「くっそ…!!あのクソヤロォ!舐めてくれてるじゃないですかマジで」

 

 

 

フリードは唾を吐きながら其のあたりに唾を吐く。なにしろ同じ人間が仕事の邪魔をした挙句にアーシアという重要人物を逃がしてしまうのだった。腹を立てないほうがおかしい。すると外に出た直後。ある人物が彼の視界に飛び込んできた

 

カジュアルなコートを身に包み、サングラスをした男だった。この際切り刻めるならなんでもいいやと思った彼は拳銃を男に向けて撃った。そして凶弾は男を貫通―――しなかった。なんと、身を反らしただけでよけたのだ。嘘だろ?と彼は戦慄する

 

 

「今のが悪魔を倒せる祓魔弾ってやつか…おもしれぇぜ」

 

 

クククっと男が笑うとフリードに恐怖心が込み上げてきた

 

 

「けどな。そんなんじゃ俺を倒すことはできねぇぜ?」

 

 

「な…なんなんですか!あなたは!?」

 

 

「俺か?俺は……」

 

 

男はにやっと笑い、こう言い放った

 

 

 

 

 

偉大な勇者(戦闘のプロ)だぜ」

 

 

 

 

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