空条承太郎と奇妙な女神の守護者達 作:( ∴)〈名前を入れてください
スタープラチナの拳が唸りをあげ綾瀬を殴り飛ばす。普通ならば躊躇するだろう。自分の大切な友達との戦い、それは戦う事が何かの間違いであって欲しいと願い、声を掛けて止まってくれる事を願うのが当たり前。親友の凶行…普通ならば目の前の現実から逃避してしまうだろう。だが…承太郎は臆する事は無い。
「ちと怪我をさせるかもしれんが耐えてくれよ」
承太郎は殴り飛ばした綾瀬の元へと1歩、また1歩と近づいていく。そんな彼の後ろにはスタープラチナが何時でも戦えるように控えている
承太郎はこの存在を理解した。自分に取り憑いていると思っていた存在、『星の白金』それはもう1人の自分自身だと、今この困難を乗り越える為に必要な力だとッ!
重ねて言うが空条承太郎は友を大切にする男だ。そして不義理も許さない男でもある。弱者を痛めつける者、不義理な事を平然と行う者、自分が許さない蛮行を止める為に手を出しそれ故に彼は『不良』と言うレッテルを貼られている。だが彼は『不良』と呼ばれるような男では決して無いッ!
誰かの為に戦う『優しさ』を!大切な友と戦ってでも筋を通す『覚悟』を!どんなに強い敵があらわれようと、決して引かぬ『勇気』を!絶体絶命の中でも決して恐れず誰かの為にあれる『誇り高い意思を』ッ!
そんな男を誰が『不良』と呼べるだろうかッ!そんな男は『不良』ではない!
『勇者』と呼ばれるべき存在なのだッ!
「やれやれだぜ…だが綾瀬、お前とは喧嘩の一つもした事が無かったな」
「……………」
承太郎の声に綾瀬は返事をしない。既に立ち上がった綾瀬はゆっくりと近づく承太郎に対して武器を構え臨戦態勢を取る
先程までとは完全に違う対応、さっきまでは獲物を狩る肉食獣のような攻め方だったが、今はまるで肉食獣を狩るハンターのような立ち振る舞い。つまり、先程まで承太郎を脅威として見ていなかったのが今、承太郎を脅威として見なしたのだッ!だが綾瀬に意識は無い…恐らく本能的な物なのだろう。彼女の中にある本能で『星の白金』は自分を倒せると判断したのだッ!
綾瀬が構えようとも承太郎は一切構える気配が無い。それどころか戦う為に必要な両手をポケットに入れてゆっくりと綾瀬に向かって近づいていく。
押すならば押せ、幾ら押されようとも決して揺るがんと言わんばかりの立ち振る舞い。スタンドはもう1人の自分自身、スタープラチナはそんな承太郎の意思に従うようにその両腕を組みその鋭い瞳で綾瀬をギンッと睨みつける。
「「…………」」
ドドドドドドドドド……両者の間で緊張感が走る。まるでどちらかが攻撃を仕掛ければ戦闘が始まるであろう状態。まるで西部劇のガンマン。真剣勝負の撃ち合い
承太郎はゆっくりと1歩、また1歩と近づいていく。彼の武器となる物は彼自身である『星の白金』!
「スタープラチナ!」
先手を打ったのは承太郎だった!その声と共にスタープラチナは目の前まで近づいた綾瀬に向かってラッシュを放つッ!凄まじいラッシュのスピードッ!速さで例えるならばまるでF1のスポーツカーがドップラー効果を放ちながら走るあの速度ッ!速過ぎるラッシュは最早拳の残像を生み出すッ!
「オラオラオラオラオラオラァッ!」
スタープラチナの拳が綾瀬を殴り抜かんとラッシュを放つが綾瀬はそのラッシュを避けるッ!バックステップだ!綾瀬はスタープラチナの攻撃の瞬間に後ろに飛ぶように下がった!
そして、そのまま綾瀬はスタープラチナのラッシュの範囲から避けるように横から承太郎を狙わんと襲い掛かるッ!
だが承太郎はそれを見て慌てる事は無い!寧ろ願ったり叶ったりだと言わんばかりにラッシュを止めてスタープラチナの足と共に地面を踏み込むッ!
「オラァァッ!」
スタンドのパワーで地面を蹴り空中へと飛び上がった承太郎、そしてその下を綾瀬が鎌を構えながら通りすぎていく。
本来攻撃を受けども耐えそれを更なる攻撃で殴り潰すのが承太郎。つまり相撲宜しく土俵での駆け引きをするような戦い方が承太郎の主なスタイルなのだが、承太郎はそれをしなかった!それは彼があの『鎌』に触れれば大変な事になると心の何処かで理解していたからだッ!彼の本能が、あの『鎌』がヤバいものだと警鐘をガンガンとあげたのだッ!
絶妙なパワーで飛び上がり攻撃を避けた承太郎の降りた目の前に攻撃をかわされた綾瀬の背中がある。見せてくれた大きな隙、それを逃がさぬ承太郎ではない。承太郎後ろからスタープラチナで綾瀬の鎌が付いている腕を拘束しながら地面に叩きつけるッ!
「オラァァッ!」
そしてそのままスタープラチナのもう1本の腕が綾瀬の首を締め付けていく。
「わりーがこっちも必死なんでな。とっとと落とさせて貰うぜ」
綾瀬は身体をジタバタとさせるもスタープラチナのパワーには叶わないのか拘束から抜け出す事が出来ない。そしてスタープラチナの腕は綾瀬の首をドンドンと締め付けていき暫くの抵抗の後、綾瀬は動かなくなった。そしてそれと同時に消える腕についていた『鎌』その姿を見ながら承太郎はため息混じりに一息つく
「やれやれ…まさか綾瀬が犯人だったとはな。だがどう見てもコイツは正気じゃぁ無かった」
そう言いながら承太郎は綾瀬の瞳孔の開き具合、脈を確かめていく全ては至って平常で怪我は無いだろう。そんな彼女を持ち上げ少女のいた場所まで歩いて行く
「おい…無事か?」
そう声を掛けるも少女からの返事は無く意識を失っているのが見て受け取れる。自分以外全員意識を失っている。そんな現状に心底疲れたように溜息を吐き、少女を近くのベンチへ寝かせ綾瀬を家へと送り届けようと足を彼女の家へと足を進めた
太陽の笑みを失った少女 気絶 【 再起可能】
「…お前さんが『蜘蛛』か?」
暗い夜の街の中、かの超大手財閥、SPW財団が管理しているビルの屋上で二人の男が対峙する。1人は初老の男、身体は鍛えられているのか筋肉モリモリで、その大きな背丈から見える筋肉だけみれば彼が初老の男だととても思えないだろう
「えぇ、その通りです。ミスタージョースター。私が『蜘蛛』と名乗っている男、今日は私の要望に答えてこの日本まで来ていただき有難うございます。」
蜘蛛と名乗る男は初老の男、ジョースターに恭しく礼をし、感謝の言葉を伝える。その姿は背は高いが貧相な肉体であり、その死人のように白い肌は太陽を拒絶しているような、彼が太陽の下を真っ当に生きていない感覚に襲われる。
「お前さんのような姿を徹底して見せなかった奴が姿を見せてでも儂に頼む事態じゃ。一体何があった?」
ジョースターの言葉に蜘蛛と名乗る男は少し間を置いて話し始める。絶対に他言無用だと前置きしながら
「『遺体』を黒円卓が探しております」
「なんじゃと…それは本当か?」
『遺体』という言葉を聞いてジョースターはピクリと眉を動かし話の続きを言うように促す。『遺体』『黒円卓』これは一体何の事なのか?ジョースターは全てを理解しているのか冷や汗をタラりと流す。
「えぇ…そしてこの街をナチスのような惨事に仕立てあげようとしております。ジョースター、これを止める為に手を貸してください」
「かのアルテメットシーイング…カーズを打ち倒した貴方にしか協力を頼める相手がいないのです。」
「ミスタージョースター…いえジョセフ・ジョースター」
私達はこの男を知っているッ!ジョセフ・ジョースター!柱の男達と戦い世界を救った男ッ!その男が話す『蜘蛛』と名乗る男は誰かッ!?『遺体』とは一体なんなのか!
全ては未だ謎に包まれているッ!