忍空のIS   作:オオオイ

16 / 27
台風で休みになってしまい、休日変更
ガッデム!


炎の夢

ティナはベットの上でルームメイトが落ち込んでいるのを見て驚いた

「どうしたのよ?鈴」

今朝教室で見たときよりも酷く落ち込んでいた

「うん?あぁ……ちょっと自己嫌悪中」

「自己嫌悪って、いくら風助くんが暴力沙汰起こしたからって」

あの後、風助は停学処分を言い渡され、学園に彼を擁護する声は上がっていなかった

「ん…」

鈴は自分の左腕をティナに見せつける

手首の部分には強く掴まれたような跡があった

「なにこれ?」

「一夏をぶん殴ろうとしたアタシを風助が止めようとした跡よ」

「え?」

鈴の手の跡からよっぽど力を込めないとこうはならないだろう

風助の身体能力については噂程度でしか知らなかったがここまでとは思っておらず驚愕した

「でね、色々と考えこむとアタシ、つくづく嫌な女だなって思ってさ……」

「いや、そこまで自分を卑下しなくても」

「ティナ、風助と親しい奴って知ってる?」

そう言われて、思い浮かべようとするが食堂や用務員のおじさんの手伝いで学生の誰かと親しい人は思い浮かばなかった

「いないでしょ?あいつ、まだ学園に馴染んでいないのにアタシは自分のことばかり気にして本当に気にしなちゃいけないことに気が付かないで姉貴分名乗って……」

そう言いため息を漏らす

今回の件にしてもそうだ

鈴が殴ろうとしたのを風助は止めようとして代わりに自分で殴ったのだ

きっと鈴が殴っていたら関係は悪化し仲直りどころではなくなったであろう

「まぁ、そんなに落ち込まないでさ。明日は対抗戦なんだし、それが終わってから今後のこと考えればいいし」

「うん……」

起きているとマイナス思考に陥るためティナは鈴を強引に寝かせ明かりを消した

 

 

 

 

 

鈴は意識が醒め周囲を見渡すと見たことの無い場所に立っていた

彼女は慌てることなく周囲を確認した

(これっていつもの夢みたいだけどちょっと違うわね)

9年前から時折見る夢と似た感覚を覚えるが場所が違った

夢で見る景色はどこか分からない戦場であるがここはどこか神聖な感じがする石造りの建物の中であった

少し歩いていると炎が吹き上がり轟音が響きだした

音がなる方へとむかうと風助とよく似た少年と長髪を束ねた男が戦っていた

それも普通の戦いではない

長髪の男は炎を操り風助に似た少年に襲いかかり、風助に似た少年は風を操って炎を吹き飛ばし男に拳を振るうが全く通じておらず一方的にやられてしまう

だが風助に似た少年が弱いのではなく男が強すぎるのだ

事実、

(二人共、凄すぎる!アタシなんか足元にも及ばない)

自信家の鈴にそう言わしめるほどの実力を持っていた

だが果敢に挑むが風助に似た少年は倒れ込み動けなくなってしまう

男はトドメを刺すべく炎を風助に似た少年に放った瞬間、硬直してしまいぎりぎりのところで避けられてしまった

男の視線の先には禿げた男が立っており彼が何かをしたのかと鈴は推測したが、長髪の男の操る炎に焼かれそうになってしまう、だがそれを何者かが救出した

金髪の男、彼が風助に似た少年を救った男を助けたのだ

そして彼はこう言った

「こんな俺でもお前達の人柱にはなれる」

彼は男に挑んだ

鈴は分からなかった

自ら死ぬようなことを言う男の考えが

だが金髪の男に炎が襲いかかる事はなく長髪の男は素手で彼を傷つけていく

だが金髪の男の実力は風助に似た少年よりも下でただ傷ついていくだけであった

やがて風助に似た少年同様に倒れ、動かなくなった瞬間風助に似た少年が彼をかばいもう一度彼に挑もうとした

だが殴り飛ばされ倒れ込んでもなお何度も立ち上がっていく彼らに男は尋ねる

「何故だ…何故…貴様らは立ち上がってくる?勝利の確率など微塵もないというのに」

金髪の男は男の問いにこう答えた

「勝利など…関係ない…仲間が傷付き…他の誰かが…助けを求めている…ただ…それだけ…その人々を本当に救える唯一無二の格闘技それが………………なんだ」

最後は声が乱れ聞こえなかったがその言葉は鈴の心に深く刻まれた

「ふっ!違うな、己がこの世の神となる、そのために…………は存在するんだよ」

長髪の男は彼の答えを真っ向から否定した

男は宙を見てしばらくして突如笑いだした

そんな男の様子を見て風助に似た少年は男に向かって語りかける

「おめぇは……本当に強かったぞ。こんな時にこんなことを言っている場合じゃねぇかもしんねぇけど……俺はおめぇみてえに本当に強え奴と戦えて、正直…心から楽しかったぞ」

彼の口から出たのは恨み節ではなく賛辞の言葉であった

「こんな気持ちにさせてくれた………に今改めて感謝すっぞ」

彼は己の持論を語りだした

「俺は思うんだぞ、俺達は…………という無敵に近い力を持っている。だからこそ自分のためではなく誰かのために。この最強の力を心から愛する人々のために」

だが男はそれすらも否定するがあぐらをかくように座り込み笑みを浮かべて首筋に手刀を添えそのまま押し当てると刃物ように首を切り上げた

そして建物が崩れ落ち鈴の意識も崩れていった




今回の話は鈴編で一番悩んだところです
橙次のところと迷ったけど今後の事を考えてこのシーンにしました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。