「んん…」
がたがた揺れるタクシーの中一人の少女が目を覚ました
少女の名は凰 鈴音
中国人の癖に日本語は堪能で拳法も録にできない得意料理はカレーと没個性もいいとこ…
「!」
「どうしたの、空を睨み付けて?」
「なんか蔑まれた様な気がして……」
と個性はさておき容姿は一般的な少女より上でスレンダーなスタイルにツインテールが似合う可愛い顔、そしてツインテールが似合う…えっとツインテールが超似合う…
「!」
「またぁ……」
「ごめん、なんか馬鹿にされた気がして」
と気配察知は優れているようだ
「まぁいいわ。そろそろ着くから、その寝ぼけた顔をしゃっきとさせなさい」
半覚醒状態でだらしない表情の鈴はそう言われ頬を軽く叩き意識を完全に起こした
「そういえばこれかれお世話になる母さんの友達ってどんな人なの?」
鈴は隣に座る母親にいまから会う人物について尋ねる
「うん……おっとりしていてふわふわした感じかな。」
「?母さん、その人となにかやらかしたの?」
声の調子が少々落ち顔もどことなく暗くなっている
「う……実は彼女も私達と同じ境遇で中国に戻ってきたのよ。」
自分達と同じつまり……
「その美鈴さんって人も離婚して故郷に帰ってきたの?」
「いえ、まだ離婚はしてないんだけど旦那さんが仕事をクビにされてお仕事が見つかるまでは別居することになって小学生の息子さんと一緒に中国に帰ってきたの」
母親が浮かない顔をした理由が少々わかった
おそらく母の友人の旦那は女権主義団体によって一方的な解雇を受けたのだ
今の世の中珍しい話ではなく自分達も母が女権主義とまでいかないがそういった価値観を持ちその結果離婚した
だが自分の価値観のせいで友人の家庭の幸せを壊した事に負い目を感じているのだ
鈴は心の中で安堵した
もし何も感じず厚顔無恥で友人を頼りしてたら母を軽蔑し自分達家族は完全に崩壊していただろう
ホッとしたと同時に少々不安が出てきた
「小学生の息子ってことは私にも世話頼むの?」
小学生の男子、ヤンチャの代名詞みたいなもので正直気乗りがしなかった
今回中国に帰ってきたのは離婚もあるがISの国家代表になるために養成所に通う名目もあるのだ
正直子供のお守りをして訓練の時間を潰したくはないというのが本音である
「大丈夫よ。聞き分けが良い子で近所でもその子のこと悪く言う人いないってくらいらしいから」
母はそう言うが親というのは子供を過大評価するような気がしてアテにならない
キキっ!
ブレーキがかかりタクシーが止まり周囲を見渡す
中国に帰ってきたはずなのに目の前にある建物はそこだけ日本のような雰囲気を出していた
『日本食堂 美鈴』
ところどころ古ぼけた建物は日本の定食屋を思わせる
入り口には『本日臨時休業』と書かれた札がある
「とりあえず入ってみましょう」
母に促されるように戸に手をかけ開ける
「あ!すいません今日はおや……明美ちゃん!」
戸が開く音で客と思った店主が母をも見るなり表情を輝かせた
「久しぶり!こっちについたなら連絡入れてよね。迎えに言ったのに!」
母を抱きしめやや過激なスキンシップを見せる美鈴
「その子が明美のお嬢さん?」
「あ、はい。鈴音って言います」
鈴の顔をじっと見て思い切りハグをした
「やぁん、可愛い!」
「あの美鈴さん!」
突然の事にどうしたら良いのかわからない鈴は戸惑う
「ふふっ、やっぱり、女の子はいいわね」
鈴を見つめて笑みを浮かべる
その言葉に鈴は険しい表情になる
(この人も女権主義っ!)
「うちの子ももう少し可愛い男の娘だったらいいのに」
その言葉に母は溜息をつく
「あんた、まだ可愛い物好きなのね。旦那に息子出来たから少しは収まったと思ってたんだけど……」
鈴が思っていた事とは全く関係なくただ単に可愛い物が好きなだけであった
「そりゃそうよ。むしろ、あの子をどうしたら可愛いくできるか日々考えている位だけど、どうしても面白い感じになっちゃうのよね……」
肩を落としへこむ美鈴に思わず苦笑いをする
(これは美鈴さんの相手する方が大変かも)
遅くなってすいません