(そんな訳ない!そんな訳ない!そんな訳ない!そんな訳ない!そんな訳ない!)
鈴は目の前の光景を何度でも否定しようとする
(なんで、夢の風助と今現れた風助が重なって見えるのよ!)
夢で焼き付いた動きが完全に一致していた
巨大ISのレーザーの雨を躱しながらも膝や肘に殴るが、鈴の攻撃をものともしない装甲を持つ巨大ISにはダメージは無しに等しかった
(あのでけぇ、大砲みたいのをぶっ壊せば時間を稼げる筈だ)
鼠の様な素早い動きで攻撃を避けつつ、巨大ISの右腕に駆け寄る
「空手裏剣!」
手刀を巨大ISにぶつけるが、それはただの手刀ではなく空気の刃を纏った手刀であった
並のISならばただでは済まなかったであろうその一撃は巨大ISには通じず表面に引掻き傷をつけるだけに終わってしまった
「!?」
その攻撃で一瞬動きが止まった隙を巨大ISは見逃さず右腕の拳が風助を襲う
「風助ぇぇぇ!」
生身の人間が喰らえば死は免れないであろう
「風助ぇぇぇ!うぅぅ…」
「呼んだか?」
「は?」
涙し、風助の死を悲しむと背後から声がし振り返るとそこには無傷の風助が立っていた
「あんた、どうして?」
「変わり身の術だ。隠しておいた木と素早く入れ替わる忍空の技だぞ」
「忍…空?」
そう言いながら風助は鈴を観察する
(鈴も一夏と同じくらい消耗してっぞ。早くケリつけねぇとやべぇぞ)
「しゃあねぇ、ちょっと協力してもらうぞ」
「駄目よ、危険過ぎるわ。ここは私にまかせなさい」
「大丈夫だぞ。俺には頼りになる友達がいるからな」
風助が微笑むと風が吹き抜け、先程同様に巨大ISに駆ける
(風さん、ケツ触らせてもらうぞ)
腕を伝い肩、顔面に駆け上がり正拳を振るうが巨大ISには当たらず空振った様に見えた
「子忍流忍空が一つ、空子旋」
だが風助は的確に突いていた
現時点で最大威力の技を発動させる風の龍の尻を
風が吹きやがて風は突風になり、突風は暴風になり、暴風は竜巻になり巨大ISに襲いかかった
「何が起きてんのよ!これ!」
竜巻に巻き込まれ無いように踏ん張る鈴はその中心にいる風助の身を案じた
やがて風が納まり、巨大ISは糸が切れた操り人形の様に力なく倒れ風助もその側に落下した
「風助!」
すぐさま、風助の元へ駆け寄ると服はボロボロになり、頭も切れて血が流れていた
「鈴、大丈夫か?」
「あんたこそ、そんな怪我して何考えてんのよ!」
「おめぇを助ける事しか、考えてねぇぞ」
「へ?」
「俺は、誰かを助ける為に強くなったんだ。それにあん時約束したからな」
その言葉を聞いた時、鈴は思い出した
(今度おめぇが危険な目にあったり困ったときには手伝ってやるぞ)
鈴は、風助を抱きしめた
「鈴?」
「ごめん、ちょっとこうさせて」
何気ない口約束、それを風助はずっと覚えていた
それが嬉しかった
(こんな、身勝手な私をおばさま達と同じくらい大切に思ってありがとう)
風助をほったらかしにし、一夏の事しか考えてない自分との約束を覚えていた
彼にとって鈴は両親と同じくらい大切な存在であった
自分をこんなにも愛してくれる風助が愛しい
誰よりも愛しい、そして気付いた
(私はあんた達みたいに誰かを助ける存在に憧れていたんだ!)
だから今はこの想いを伝える事はしない、だが今はこうさせてもらう
(好きよ、風助。誰よりも愛してる)
教師陣がアリーナに到着するまで鈴は風助を抱きしめていた
いかがですか?
ようやくISと忍空が混ざり合ってきました