「風助くん、私達決して浅い仲じゃないわよね」
楯無は風助の顔をまっすぐ見つめ尋ねる
「おう、そうだな。おめぇのお陰で道に迷う事も少なくなったし、課題も思ったよりも早く片付いたし世話になりっぱなしだな」
「そうよね!そうよね!じゃあさ、ちょっとは手加減してよね!」
「断るぞ、ほい王手だ。もう五回も待った聞いたから一週間、風呂掃除と昼飯ご馳走になるぞ」
楯無の要望が容赦無く切り捨てられ敗北をなんとか回避しようと唸りながら盤とにらめっこし始めた楯無は風助の顔を見つめる
(最初は手を抜いてたのに今は本気でやっても僅かだけど風助くんの方が一枚上手だわ。一体彼は何者なの?)
あの事件の後、課題を出され自室謹慎処分を受けた風助だったが目を離すと修行とばかりに身体を鍛えようとし監視名目で楯無も24時間体制で風助の世話を焼いていた
その過程で課題のアドバイスをしたのだがそれによって謹慎期間よりも大幅に早く課題が終了してしまい完治してないまま鍛えようとする風助の暇潰しになると思い将棋をはじめていたのだが勝敗は風助の勝ち越しである
「ぐぬぬ……」
あれから風助の事や忍空についてめぼしい情報も手に入らず風助の謎は深まるばかりであった
だが、そんな事よりも目先の危機を回避する事の方が今は大事だ
風助の食事を五回もご馳走する事になれば今月は破産必須である、なんとか回避しようと盤とにらめっこをしているとドアから音がした
「ん?誰だこんな夜に?」
風助がドアを開けるとそこにいたのはジャージ姿の鈴であった
「ちょっと、話があって」
「そうか、まぁ汚えとこだけど入れよ」
「ちょっと!掃除しているの私よ」
(よし!凰さんが来て今の一盤有耶無耶になったわ)
目下の危機が回避された事に喜びつつも無礼極まりない言葉に抗議し、将棋を片付けホットミルクを鈴に差し出した
「あ、すいません」
「で、話ってなんだ?」
ホットミルクを飲みつつ風助は鈴に話の内容を尋ねる
「うん、あんた明日で謹慎処分終わるでしょう。あたしの修行に付き合って欲しいの」
「忍空は教えねぇぞ」
「構わないわ、向こうでやっていたみたいに基礎体力と組手だけでいいわ」
忍空については頑なな態度で対応する風助に鈴は無理矢理聞き出すマネはしなかった
「そんくらいなら別に構わねぇけどどうして鍛えようとしたんだ?」
「前の事件でまだまだ未熟だって気付かされたし、ちょっとした目標も出来たからあんたと一緒に鍛えた方がいいのよ」
「そうか、じゃあ明日の朝一緒に修行するか!」
こうして風助のIS学園での日常はまた変化するのであった