風助は日課の崖登りの修行をしていた時気配を感じ崖から下り気配のするところへと向かうとそこには同居人の鈴がオロオロしていた
思わずこう言わずにいられなかった
「おめぇ、何やってんだ?」
風助に声をかけられようやく意識が現実に戻ってきた
先程の光景が見間違いでないのは風助の背中にある岩が物語っていた
「あんたこそ、何やってんのよ!こんな危ないこと!?」
一つ間違えば大怪我では済まない危険な行為に声を荒らげる
「別にただの修行だぞ」
表情一つ変えず語る風助
「修行?」
風助とは全く似合わない単語に首をかしげる
風助は争いごとを何よりも嫌っている
件のいじめも一切の暴力を振るわず、不良から助けた時もしないことからそういったものには頼らないものだと思っていた
「おう!ちょっと父ちゃんに頼まれごとされてな……父ちゃんが戻ってくるまでの間母ちゃんを守るように言われたからな。こうして修行をしてるんだ」
大空を見つめる風助はきっと父親を思い浮かべているのだろうと鈴は感じていた
「なんで守るって言われて修行をするのよ」
争いの象徴でもある力を風助が得ようとしていることに違和感を覚えていた
「これは俺の友達の受け売りなんだけどよ、強さってのは人を殺めるのに最高の道具だけど人を守るのにも最高の道具になるんだ。だから俺はこれから友達になるかもしれねえやつや母ちゃんや友達を守るためにも強くならねえといけねえんだ」
その顔には固い意志を読み取れ鈴は言葉を失った
「母ちゃんにはこの事内緒にしておいてくれ。母ちゃんああ見えて心配性だから」
美鈴に口止めを頼む風助だが鈴は
「だめよ!こんな危ないこと黙っていられないわ」
拒否し、鈴の言葉に失意の色を浮かべる
「だからあたしが監督してあげるわ。それで黙ってあげる」
途端に嬉しそうな顔をした
「おぉお……おめぇいいやつだな。それならお礼に今度おめぇが危険な目にあったり困ったときには手伝ってやるぞ」
笑顔でそう述べる風助に鈴もつられて笑みを浮かべてしまう
「ふふ……期待しないで待ってあげるわ」
まるで弟ができたような感覚にちょっと嬉しくなってきた
「そうだ!これからちょっと料理作ろうと思っていたから特別に食べさせてあげるわ」
「本当か?」
目をキラキラ輝かせる風助に鈴は何かを感じる
「えぇ!期待していなさい」
大飯ぐらいの風助だちょっとぐらい食べさせても問題ないだろうと思っていたが鈴は後に後悔する
「あんまりうまくねえなこれ」
彼にデリカシーと言うものは存在せず味の感想も直球であった
来週あたりにはis学園に向かう予定です