自分の好き勝手に書いたこのSS。500人以上の方が気に入ってくれているというのはとても嬉しいです。こっからまた展開は二転三転し、作者の思い描くゴールとはかけ離れた道を進む事になると思いますが、皆様が面白いなと感じる限り、続きが気になる限り、読み続けてくれたら幸いです。
それは、二次創作においてクロスオーバーを愛する男による思いつき。
まだジャンヌ・オルレアンになっていない男は、おそらく最も天国や地獄に近い場所で延々と書類を書いていた。
「うーん、流石に魔法とか使うのは世界観的にマズイよなぁ……やはりここらへんの雰囲気は壊さないようにしないと……」
思いついては書き、全体を見直し、整合性の無いものを消し、その代わりに思いついたものを再び書く。
一つ書く事に、自らを構成する要素が増えてゆく。うんうん、素晴らしい、米とジョークと設定は、盛れば盛るほど愉快痛快。何が楽しいって、対価が鉛筆の芯くらいしか無いのが良い。そうそう、力や才能の差ってのは、本来これくらい理不尽でなくてはならない。
そんなこんなを書いてみて、まてよ、逆にいっそこれから生きる世界も変えてみようかなと筆を止める。
何となく思いついたのは鉄血のオルフェンズ。ガエリオ・ボードウィン特務三佐をチョコの人の魔の手から救うために、ナイチンゲールあたりに乗り込んで無双する。うむ、楽しそう。楽しそうだが……まぁ、やめておこう。あそこは、AC以上に何が起こるかわからない。人類が地球の中だけでおさまっているほうが、状況把握は楽極まりない。
やはりAC4である。アーマードコアは、どんな自由な発想でアセンしても大丈夫なのである。
設定もりもり、能力もりもり、たとえ世界が滅んでも、私は寿命で死んでやる。そんな感じに身体を補強。
また、筆が止まる。そういえば、AC4とACfAの間って地味そうだな。企業連、カラード、色んなものが設立されるだろうが、戦争のかほりは薄そう。
なんか、イベントぶち込みたいな。
少しばかり思考する。自らを読者とし、これから紡がれるであろう栄光の物語のページをめくる。
そうだな、登場人物を増やそう。それも、出てきただけでちゃんと自分の意思で動きやすそうな奴らを。二次創作小説におけるクロスオーバーという奴だ。いいねいいね、燃えるね。僕ちんそういうの大好きなの。
では、誰を入れてやろう。濃いキャラでなくては、AC4世界の住人達に対抗できない。まるで鮫皮でおろした上等なワサビのように、ネタの味を上げるような奴をぶち込もう。
思いついたのはインフィニット・ストラトス。しかし、あまり彼女達について私は把握していない。それに、戦いを知らない学生を入れるというのも……出会う前に死んでくれてもつまらない。
と、脳が何か答えを見つけた。そうだ、ACにぶち込むならやはりACだろう。うん、ACに馴染むのはなんだかんだいってカラスや山猫やストーカーが1番に決まってる。
さてさて、ではでは誰を連れてきましょうか。まぁ、私がガッツリやったACはそもそも少ない。それに、一人一人のキャラの描写が比較的マトモにやられてるのなんてACでは限られてる。よし、アレだな。三キャラほど連れてこよう。AMS適性もつけちゃえ!数値はランダムでね!あ、あと、アレも、連れてこよう。
オーライ、決まった。では、リンクス戦争終わった頃にカモンベイビーしてもらおうか。
さてさて、じゃあ一度戻って自分の設定を練り直すか。そうだなぁ、CVは誰にしようかなぁ。
離れた世界。
同じ時間に、三つの、同じだけど違う場所で、同じ類いの光が煌めく。
一つの光は、己の策を成功させ。満足の中、鴉として死のうとする男を包んだ。
一つの光は、己を知り、自らが認めた鴉の為に戦い、果てようとした男を包んだ。
一つの光は、己を見極める事なく、鴉としての道半ばで何も見つけ出す事のできなかった女を包んだ。
最後の鴉になれなかった者たち。彼らの、彼女らの魂は、その身体と共に、気まぐれな狂人によって違う世界へと連れて行かれた。
そして。
数多の時間軸の一つ。それは、意志のない兵器による殺戮の起こらなかった世界。
ただ、一つ、その世界では大きな災害が起こった。
ナイアー産業区において大規模な地表の陥没が発生した。その当時、世界を支配していたとある企業の本社ビルを含め、多くの建物が倒壊、多数の死者が出た。
その後の調査において、地質学者たちはその光景に首をひねることとなる。
それは、まるで、地下にあった何か大きなモノが丸々消滅して。その空間へ都市が丸ごと落ちたかなような。そんな様子。
巨大な穴の中に落ちた無数の瓦礫。それを見て、彼らはそんな印象を受けた。
だが、それがなんであるのか。そしてそれがどうして起こったのか、結局彼らは解明する事ができなかった。
鉄血のオルフェンズにジャンヌが入り込んだら、とりあえず高笑いしながらレーザーライフルとファンネル振り回す事になると思います。