という訳で南極です。なにがという訳かはわかりませんが。なんだこれ。
場所はちょうどスフィアにならぶコジマタンクの一つ、その真上に立っている。なので、うん、まぁ、見える訳だ。何がって?アレが
「リンクス!こちらの回収は終わった!あとはそちらのネクストやノーマルの残骸を収容するだけだ」
「了解。……しかし、来て早々の仕事が釣り餌とはなぁ」
ブリーフィング室に入ると、一人の軍服を着た男が待っていた。どうでもいいが、こういう軍服のデザインは支配体制が変わった程度では変化したりしないのだろうか。まぁ、国家が崩壊してからそんなに時も経ってないし。更新する意味もないのかもしれないが。
「よく来てくれた、すぐにブリーフィングを開始する。まずはこれを見てくれ」
そこそこお年を召した将校が、拡張現実でもって作戦地域を空間に映し出す。おぉ、ハイ……テ……ん?
「これは……スフィアですか?」
映し出された空間は、みんな大好きスフィアだ。氷に閉ざされた大地に並ぶ大型のコジマタンク。色んな意味で死の世界感が強い。
「あぁ、そうだ。君の任務はスフィアに向かう部隊の護衛だ」
「部隊って……もしかして、再占領でもするんですか?」
思わず尋ねてしまう。確かに電力インフラは大事だが、今することかそれ。
「いや、違う。この部隊の任務は我が軍の秘密基地から物資を運搬する事だ。」
「秘密基地?」
小学生とかが空き地につくるあの?
「あぁ、実は南極にはアクアビットのネクスト基地が存在している。ウォルコット姉弟やサイレントアバランチの隊員も、そこで整備などを行っていた。今はもう既に放棄しているがな。」
なふほど、そこからスフィアの防衛などをやっていたのか。
「ここにはヘリックスIやヘリックスⅡのパーツやサイレントアバランチ仕様のノーマル機、それに豊富な火器弾薬が放置されたままになっている。本作戦の主目的はそれらの物資を回収し、本社へと運搬することだ。君には、その護衛を行ってもらいたい」
なるほど、理解した。
「回収という事は……ヘリックスⅠやⅡの残骸もですか?」
「あぁ、パーツの回収も理由にあるが。我が社の為に戦ってくれたリンクスやパイロット達を野晒しにしておく訳にはいかない。……それにだ、あの子は二人の妹さんなんだろ?それなら、最期の別れくらいはさせてあげるべきだろう」
…………おや?なんだこれは?思ったよりも、なんか、思考がまともだぞ?わちきのイメージだとアクアビットって「くけけけけけ!!!コジマァァァァァ!!!!コジマ吸引しなきゃやってらんねぇぇぇぇぇ!!!!ぐぇぇぇぇ!!!!キックゥ………………………!!!!」
みたいな奇人変人の集まりだったのに……。あ、あぁ、あれか。同志は大切にする系の企業なのか?
「現在、君がGAの占領部隊を殲滅してくれたお陰で、付近には敵対勢力の反応は無い。だが、ネクスト反応があるとなると間違いなくどこかから戦力が向けられる事になるだろう。……いや、どちらかというと向かって来てもらわねば困るのだが」
将校が自らの顎を撫でながら言う。
「というと?」
「今回の任務には三つの目的がある。一つは主目的でもある物質の回収。一つは、君がアクアビットに帰属した事を喧伝する為。そして三つ目は、君という餌に釣られたGA側の戦力をできる限りに削る事だ。」
……随分丁寧に説明してくれるな。いや、企業に所属したからか?
あ、そっか。傭兵と違って企業戦士って使い捨てなんて出来ないやん。そら丁寧に説明するわ。(自分で言うのもなんだが、私は取り返しのつかない存在でもあるし)はーまじかよ首輪付き最高。
…………ん?アクアビットへの帰属を喧伝?それは、いったい、どんな手段で…………
「宜しい、では君の機体へ案内しよう」
………………なんか嫌な予感がしてきたゾ
びっ、びびっ、びびびっび〜〜
そーいつーはやってきたー!きーたからやってきたー!せっかいをまもるためー!じーんるいをまもるためー!
(ここでコジマライフルのチャージ音)そーいつーの名前はー!みーんなーがあっいすーるー(びびび)ビットマン!ビットマン!あーっくあー(びびびっ!)ビットマァン!!(ここでコジマライフルの発射音)(爆発音)
デデデ!説明しよう!アクアビットマンとはPA整波性能19103&KP出力999を誇る最強のヒーローである!全てのパーツを可能な限りアクアビット製、ムリな物は同志レイレナードで構成してみよう! (CV坂本真綾)
ビットマァン!アクアビットマァン!!うてぇ!!プラズマライフル!!唸れ!!コジマライフル!!殺れェ!!コジマキャノォン!!!
ビットマァン!!アクアビットマァン!!!砕け!悪の超人GAマン!潰せ!嫌らしいオーメルマン!!捻れ!田舎もんのイクバール虫!コジマ!正々堂々ローゼンタールマン!!
ビットマァン!!!アクアビットマァン!!!!
アクアビットマンは今日も戦い続ける!みんな!応援頼むぜ!!
ようするに、そういう事です。
「……クレピュスキュールには乗れないの?」
「乗り慣れた機体が良いのはわかる。だが、今回はこのランスタンに乗ってもらおう。大丈夫だ、何の心配もいらない。こいつは間違いなく他の企業標準機よりも性能は圧倒している」
脳みそまでカビたのか?いや、コジマ汚染したのか。納得。わはー、ウケるー、何がウケるってあの将校の顔がクソ真面目なのがウケるよねー。すげぇなアクアビット、マトモだと思ったさっきの一瞬を返してくれよ。
いやまぁ、大丈夫なんだけどね?だって、間違いなく今この世界で1番うまくアクアビットマンを扱えるのは自分だしね。
「OK、じゃあ武装の指定はさせてくれる?」
「勿論だ。あぁ、残念だが君の機体に搭載しているものはつけられないよ。今は研究員たちが解析中だから」
……ランスタンに乗せられる真の理由はそれでは?
ハハッ!僕の名前はアクアビットマウスだよ!ハハッ!!今からこの僕アクアビットマウスの容姿について説明するよ!ハハッ!もしもこの愉快な東京アクアビットランドに遊びに来ている皆の中でAC4かACfAを持っているお友達がいたら是非組んでみてね!ハハッ!
まずスタビライザーはアクアビットかレイレナードの大型のものを余さずつけるよ!ハハッ!!ユニコーンアクアビットマウスだ!!ハハッ!!処女!!ハハッ!!
そして背中にはキノコを両積みだ!!!肩?決まってるだろ!!!追加整波装置を倍プッシュさ!!!ハハッ!!!
…………どうでも良いけどこの辺りから周りにいた整備士やら研究員やら軍人やらが拍手したり泣いたりして「そうだ!これこそがアクアビット精神だ!魂だ!!」とか叫び始めたの純粋に気持ち悪かったと思う。
ハハッ!!!ゴメンね!アクアビットマウス少し素に戻っちゃった!!!ハハッ!!!
そして武器にはアヘ顔コジマダブルピースだ!!!そして格納庫にはプラズマライフルも入れちゃおう!!!ハハッ!!ハハハハッ!!!!
あ?エネルギー負荷が凄まじくて出撃できねぇだろって?
ハハハハハハハハッ!!ハハハハハハハハハハハハッ!!!!!!!!!!
レギュ1.15にそんなものは無い。
ちなみに他のパーツのレギュについては割愛するけどジェネレーターはfA1.40のフルチューンだよ!!ハハハハッ!!!!KP出力1399!!!!!ハハハハッ!!!!!
…………なんで命が関わる実戦でこんなネタアセンしてるんだ私は
というわけで、今は回収部隊を待っています。あ、ちなみにこの子の名前はトワイライトです。
敵が出てこないと暇なので、某ネズミのマーチを聞きながら、なんとなくアクアビットマーチの作曲をする。ぼっくらの企業のリーダーは〜アクアビット!アクアビット!アッカアッカビット!!うーん、語呂が悪い。
うーん、やっぱり鼠マーチは燃え盛るベトナムの中で海兵隊が歌ってこそだな……何かノれる曲は……
…………ボカロでも聴くか。せやな、脳漿炸裂ガールと洒落込むか。
機体内部でエアギターを弾く。しかし、左腕が無いとどうも決まらない。
「異質なデザインの義手でも作ってもらおうかなぁ」
そういえば、AMSの技術はもともと障害者の為の義手などのために開発されたというのを聞いた覚えがある。ならば、AMSで接続できるタイプのを作ってもらうのも一興かもしれない。
ヘドバンし、腰を振り、エアギターをかき鳴らす。頻繁に足を踏み鳴らし、脳をテンションで染め上げる。あぁ、マカロンが食べたい。
『高エネルギー反応が接近中。感は2』
…………あ?
トワイライトのコンピューターが告げる。テンションはそのまま、だが脳が戦闘モードに切り替わる。ふむ、なかなか戦争に慣れたな、私。
ネクスト二機だと?どこの企業だ?まぁ、いい。結局のところ殺るだけだ。
「こちらトワイライト!ネクストの接近を確認した!こちらが迎撃するので皆さんは安心して仕事を続けて下さい!!」
コジマライフルに粒子をチャージ。あぁ、なんと禍々しい姿だろうか。コジマダブルピースとは……
「頼んだぞリンクス!此方にはネクストを迎撃できる装備など無い!君だけが頼りだ!! 」
うーん、素晴らしいシチュエーションだ。機体がちょいとばかしキュートすぎるのが難点だが。マカロン食べたい。
「オーライ、アクアビットの初仕事だ!総員五体満足で返してやるから安心しな!!」
OB機動。敵、レーダーで確認。単横陣。うわぁ、なんだこれ、このアセンOBしながらコジマライフルチャージしても驚くほどKPの減りが少ないぞ、トチ狂ってんじゃねぇか
目視で確認。向こうもOBをしているらしい。あれは……あのシルエットは……うん!距離600でんなもんわからん!どうする?二機共に撃つ?いや、確実に一機を落とそう。550、二次ロックが完了した。そいつに、かます。パワーを……コジマにッ……………!!!
「アクシィィィィズッ!!フォイアッ!!!」
少し見えた、あれは、GAマン?となると、あの二機は……
シルエットがハッキリわかる。武器腕はいない。ローディー先生はいないっと……。未だどっちがだれかはわからない。マカロン食べたい。
コジマライフルが、右を進む一機に直撃する。哀れな事に頭が潰れ、コックピットがひしゃげ、四肢が吹き飛び、空中でスクラップとなって落ちていく。だが、どちらかは……武装が……見え……「エルカーノさんッ!!」
………………聞き覚えのある声。とても、プリミティブなお声。
コジマライフルをパージ。格納庫からプラズマライフルを取り出す。
未だ動揺から回復しきっていない、GA重量機の懐に飛び込み、互いのヘッドパーツを近づける。
無線をオープンチャンネルに。マイクに熱い吐息を吹きかけながら、甘い声でささやく。
「お久しぶり、可愛い可愛いメノ・ルー……」
今日もたっぷり可愛がってあげるよ。甘く、甘く、男ならきっとどこまでもとろけてしまうようなボイスで。でも、気のせいだろうか?プリミティブ・ライトから、まるで地獄で救いをもとめるかの様な悲鳴が聞こえた気がした。
どうでもいいけどマカロン食べたい
というわけで!次回は第二のヒロインとの逢瀬だよ!やったね!(初稿ではローディー先生とコジマライフル武器腕で熱い一騎討ちしてた)