(おいおいおいおい、なんだよアイツは絶対にぃかたぎじゃねぇよぉ。どうみたって極道じゃねえかぁ。この船は海軍じゃなくて、海軍って組のもんだろぉ。前までだったらあんなのに道でかち合ったら0.1秒で道開けるぞぉ。どうしたらいいんだぁ~)
アナゴはスモーカーに威圧されていた。いやスモーカーの容姿に気圧されていたといったほうがいいだろう。
「おい。お前はなにもんだ?」
「は、はい。私はアナゴと言います。」
「人間には見えねえが。」
「はい。悪魔の実の能力者です。」
アナゴはもう蛇に睨まれたカエルいや、セミであった。元々緑であったが、青ざめていた。
「スモーカーさん。あの人は以前町を襲ったという虫人間ではないですか。」
スモーカーにたしぎと呼ばれていた女性がスモーカーに伝える。
「ほう、そういやあ以前そんな話が伝わってきたな。おい、お前。本当に町を襲ったのか?」
「スモーカーさん、なに聞いているんですか。本部から伝えられたことですよ。」
「黙れたしぎ。俺はコイツに聞いているんだ。」
「私は襲ってなどいません。町の人に話しかけただけです。」
「やはりな。人間ってえ奴は自分達と違う者や、異様な見た目をするものを大勢で徒党を組んで排斥しようとする。俺もにたような経験があったからな。」
スモーカーは遠いところを見ながらポツリポツリと話している。
「しかし、本部からの命令に背くわけにはいきません。」
「なにもしてねえやつを捕まえる必要もねえだろ。俺達は麦わらの一味を追っているんだ、コイツ一匹逃がしても構わんだろ。」
真面目なたしぎはスモーカーに食い下がるが、スモーカーはそんなたしぎを簡単に流している。(お、どうやら見逃してくれそうだぞぉ。)
アナゴはいい流れになってきたことから、希望の光が見えてきた。しかし、その希望を簡単に打ち砕くことが起こった。
「アナゴ大丈夫か?海軍め食らえ操気弾。」
上空から声が聞こえると、気弾が海軍の兵士達を薙ぎ倒しながらスモーカーを襲った。
「しゃらくせえ。」
スモーカーが背にある巨大な十手を気弾に向けて振るうと、気弾が一瞬にして消え去った。
「やるじゃないか。」
颯爽とヤムチャが船に降りてきた。
「助けに来たぜアナゴ。」
アナゴに向けて爽やかな笑みをうかべながらヒーローにでもなったかのようにそう言ったが、アナゴにはその場をメチャクチャにした疫病神にしか見えなかった。ヤムチャはよかれと思ってしたことであったが、空気が読めないことこの上ないことだった。
「アナゴは下がっていろ、コイツは今のお前ではたぶん倒せないだろう。」
ヤムチャはスモーカーの方を見ると、先ほどとは違い真剣な表情をしている。
「それにな、コイツは俺と同じ臭いがする。かっこよくて、強いってな。」
「空から来るとはなんてやつだてめえはなにもんだ?俺に喧嘩売ってただで住むとは思うなよ。」
「へへ、俺の強さを見たいってか。いいぜ見せてやるぜ。」
凄みを効かせて話すスモーカーに飄々と返すヤムチャ、すでに一触即発の危険な雰囲気が流れている。
(や、ヤバすぎるぞぉ。ヤムチャのアホぅのせいで大変なこぉとぉにい…。ヤムチャに皆が気をとられている好きに瞬間移動の準備をしなくてはぁ。」
アナゴが色々と考えていると、ヤムチャが戦いの口火を切った。
「いくぜ。」
「は、はええ。」
瞬時にスモーカーの懐に入るヤムチャを見て驚きの声をあげるスモーカー、
「一撃で終わらせてやるぜ。」
ヤムチャの拳は唸りを上げてスモーカーに襲い掛かる。
アナゴもヤムチャも決まったと思った、しかし現実は甘くはなかった。ヤムチャの拳はスモーカーを突き抜けたのだった。決して体を貫いたのではない、スモーカーが煙と化しヤムチャの攻撃を無効化したのだ。
ヤムチャの背後に実体化したスモーカーが現れ十手を振るう、しかしヤムチャも並の達人ではない、スモーカーの気を感知し十手を避けた。そのような一進一退のやり取りが数分続いた。
「なんなんだよコイツは、俺の攻撃が当たらないなんて!」
「まさか俺の死角からの攻撃をことごとく避けるとは!」
ヤムチャ、スモーカーは共に同じ驚きを感じていた。
「おいヤムチャぁ、早く逃げようぜぇ。もう準備はできてるんだぁ。」
「逃がしません。」
逃げることを提案するアナゴに逃がさないとたしぎが刀を抜いて立ち塞がる。
「俺はコイツを倒すまで帰るつもりはないぜ。」
アナゴはもう一人で帰ってしまおうかと思い始めていた。
その時アナゴはある技を思い付いた。いや思い付くというよりは、思い出したといったほうがいいのかもしれない。
「こうなりゃあいくぞぉ。たぁいぃよぉうぅけぇえん。」
アナゴが声をあげるとアナゴが太陽のごとき、包み込むひかりではなく、攻撃的な閃光を放った。
「なんなんだこの光はよお。」
「目が痛い。」
「なんでアナゴが太陽拳を使えるんだよ。」
船にいる者一人を除いて全ての者が目を覆った。
「今だ。」
アナゴは一瞬でたしぎをかわし、ヤムチャを掴むと精神を集中しアブサロムの気を感知し、瞬間移動を行った。
光が収まりスモーカーとたしぎが目を開けると船上にあったはずのアナゴとヤムチャの姿はなくなっていた。
「いったいなんだったんでしょう。」
「クソッ。あいつらも麦わらの一味と同じように捕らえるぞ。」
スモーカーとの因縁ができてしまった、アナゴと(主に)ヤムチャであった。
なんとなく最近かっこよかったスモーカーがヤムチャ化してきたような気がしていたのでヤムチャと戦わせました。無理矢理の為かなりグダグタになってしまい申し訳ないです。