アナゴ9時30分枠に出張する。   作:寅好き

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赤犬の口調の広島弁が上手くいかないということで、違和感があるかも知れませんが勘弁してください。


アナゴ、恐怖の依頼〈中編〉

『…………』

瞬間移動でやって来た所は、地獄絵といってもよいような凄惨な光景が拡がっていた。

辺り一面に黒焦げた跡や、何かが降り注いだ跡、戦慄を感じたものはそれらではなく、そこらじゅうに転がっている、焼死体である。もう炭になっており元が人間であったとは、到底思えないものがほとんどである。

さらにそれだけでなく、海軍の軍人であろう死体も転がっている。この死体は焼け焦げてはいないが、腕がなかったり、頭が無かったりと焼死体以上にインパクトがある光景である。

また、人間が焼けた臭いや、鉄臭い臭いなどが漂っていると五感に感じられるもの全てが地獄を感じさせていた。

「うぇ。」

その光景と臭気に耐えられなくなりアナゴが吐きそうになっている。

目を逸らそうにも、至る所にその光景が拡がっているので、そらしようがないのが現状である。

「…酷いな。アナゴ、お前はこういう光景は慣れていないと思うから、目を瞑っていたほうがいい。歩く時には俺の気に沿って歩けばいい。まあこの光景は俺でも嫌悪感を感じるものだぜ。早く仕事を済ませて帰ろうぜ。」

ヤムチャも辺りの光景に顔をしかめながらも、アナゴを気遣っている。

アナゴもヤムチャの気遣いにより少しは落ち着いたようであるが、目を閉じてもその光景が消えることはなかった。

――――

「うわー。」

「ギャーー。」

ヤムチャとアナゴが少し歩くと前方から叫び声が聞こえてくる。

ヤムチャが見てみると、どうやら少し先で戦いが行われているらしい。

「さあ、さっさとここからおさらばするためにも、やることやっちまおうぜ。たぶん目的のやつもあっちにいると思うぜ。お前も感じていると思うが、とてつもなくデカイ気と、まあまあデカイ気があるからな。行くぜついてきな。」

ヤムチャはそう言うと走りだす。アナゴも以前目を閉じたままヤムチャの気を頼りについていく。

「い、命だけは助けてくれ。」

ヤムチャが戦いの場に着くとその場は、戦いと呼ぶことすらできない、殺戮の様相を呈していた。

そして目の前には命乞いをする目的の男と、それを狂気の眼差しで見つめる正義と書かれた上着と、海軍のトレードマークがついた帽子を被る男がいる。

海軍の男は命乞いをする男に対しゆっくりと口を開く。

「人間正しくなきゃ生きる価値なし」

死刑宣告であった。ヤムチャとアナゴの目の前で男の腕が海賊の男の腹を突き破った。

「まずい。」

ヤムチャが飛び出す。

「往生せいや。」

男がそう告げると目の前の男が燃え上がるはずだった。。

「!!」

「セーフ、なんとか目的の体だけは守りきったぜ。」

驚く男から約10メートルほど離れた所に腹に穴が開いた男を抱えたヤムチャがいた。

ヤムチャは男が炭になる前に海軍の男の腕から奪い取ることに成功したのだった。

ヤムチャは懐から何か小さなカプセル状の物を取り出すと、ぼたんを押し転がす。

ぼんと音を立てると、転がしたカプセル状のものが棺に変わっていた。

ヤムチャは徐に男の遺体を棺に納め、棺にあるぼたんを押すと、小さなカプセルに戻っていた。

その光景に少し唖然としていたが、すぐに頭を切り換えてアナゴは叫んだ。

「ヤムチャ逃げるぞぉ。早くこちらにくるんだあ。」

「俺にはすることができた。少し待っていてくれ。」

ヤムチャからでた言葉はアナゴを驚かせる。すでに仕事は終わったはずであり、この場に留まれば、命の危機があるのは明白なはずなのに。ヤムチャは何かすることができたと決意の眼差しを海軍の男に向ける。

「おんどれはなにもんじゃ。」

「おいおい、名前を聞きたければ、お前から名乗るのが礼儀ってもんじゃないか?」

ヤムチャは口元は笑みを浮かべてはいるが、目は全く笑ってはいなかった。

「悪に名のる名なぞないわ。」

「フッ、ハハハハハハ。」

「何が可笑しい。」

いきなり声をあげて笑うヤムチャに男は苛立ちながら問う。

「笑わせんなよオッサン。俺が悪だって。まあそれは真実だからしょうがねえが。お前に言われるとは思わなかったぜ。」

笑いながらヤムチャが言うが次の瞬間表情は一変していた。

「俺から見ればお前のほうが酷い悪党だよ。確かにそこら辺に転がっている海賊は悪党だろう、生きている価値のないやつも大勢いるだろう。だがな、それを虫けらのように殺したり、命乞いをするものを躊躇せずに殺すのは、悪党のすることじゃないのかい。ええ海軍さんよ。」

ヤムチャがいい放った瞬間場の雰囲気、いや男の持つ雰囲気がガラリと変わった。

「わしが、悪党じゃと。」

「ああ、そう言ったんだが聞こえなかったか。悪党だと言ったんだ。」

「このわしを悪党と言うか。正義を貫くわしを。わしを悪党呼ばわりし、わしの邪魔をするもの、生きる価値なし、死にさらせ、往生せいや!!」

男がヤムチャに赤く燃え上がる拳を振り上げ襲い掛かる。

「どうやら地雷を踏んじまったようだな。まあいいぜ、俺も一発お前をぶん殴るために残ったんだからな。来いよ。」

ヤムチャもそう叫ぶと男に向かって走り出した。




善悪の判断は人それぞれなので今回のヤムチャの言い分に納得出来ない人も結構いると思います。いたら少し意見をお願いします。少し内容を変更したいと思いますので。
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