金色のオーラを撒き散らしながら立っているアナゴと男が睨みあっている。「今のやつの気から考えれば、まだ俺の方が若干上だ。先手必勝逝くぜ。」
男は不吉な言い間違いをしながらも、アナゴとの睨みあいに焦れて攻め始める。先程と同じ様にシュンッという音をたて姿が消えた。ただしこれは常人の目からもしくは、超化する前のアナゴから見ればということだ。
「見えているぞお。」
アナゴの背後に現れた男に対して、アナゴは振り返ることもせず肘を打ち付ける。
「グハァー!」アナゴの肘うちがクリーンヒットした男は痛みに悶えながらも間合いを開ける。
「まさか、ここまで強くなってるなんてな。超化はとことんチートだぜ。」
と男は言うが、男の表情にはまだ余裕が感じられる。
「俺は今まで、足を折られたり、自爆されたり、腹貫かれたり、腕折られたりしたが、それに比べればたいしたことないぜ。」
男は誇るように言っているが、なにかその姿を見ていると痛々しく、涙が出そうになるほどの哀愁が漂っている。
「かわいそうなやつだあ。」
「哀れみの目で見るんじゃねえ。決めてやるぜ。カ~メ~ハ~メ~波ーー!!」
男の合わせた両手から青白い閃光とともに、高密度のエネルギーがアナゴに向かって放たれる。
「なんだこれはあ!?」
男のカメハメ波がアナゴに直撃する。耳をつんざくような爆発音がなり、巻き起こる衝撃波は木々を大きく揺らし、根ごと薙ぎ倒していく。
「ははは、やったぜ。俺はセルを倒したんだ。俺はついに悟〇を越えたぜ。」
吹き荒れる土煙が晴れると両手を失ったアナゴが、紫色の血を流しながらたっている。
「クソッ仕留めきれなかったか。早くしないと再生するな。これで終わりだ狼牙〇〇拳。」
男は油断せずに仕留めにかかる。
アナゴは両手を失いながらも、男の拳を避け続ける。その内にアナゴは男のその技の重大な欠点を見つけた。荒れ狂う暴風のような拳の連打が襲い来るが、蹴りなどの足を使った攻撃が全くなかったのだ。
「足下がお留守だぞおーー!!」
アナゴは足払いをかけると、男はバランスを崩す、すかさずバランスを崩した男を蹴りあげる。
「グワー。」
アナゴの蹴りを受けた男は悲鳴をあげながらぶっ飛んだ。
「今だ、ハアーーー。ぶるぁぁぁ!!」
アナゴは力を入れると腕の切断面から紫色の体液を撒き散らしながら両手が再生した。
「ふう。本当に便利な能力だ。」
アナゴが自分の能力に感心していると、吹き飛ばされた男がフラフラしながらも立ち上がった。
「クソッ。あと少しだったのに。恨むぜピッコ〇。」
「なぜあいつは楽器の話をしているんだ。狂ったか。まあいい。この金色状態ならあのエネルギー弾は前に出せたはずだ。やつの真似をしてみるかあ。」
アナゴは両手を合わせ、両手を引く。
「カ~メ~ハ~メ~波~!」
男が放った物とは比較にならない程の大きさの青白い光弾が男に襲いかかる。ただ狙いは安定しておらず、男の横スレスレを通過し雲を切り裂き、空を引き裂きながら天高く上っていった。
「……」
男は青ざめ、腰を抜かしていた。
「はあはあ。かなり体力を使うな。そのために金色状態を維持できなくなるとはなあ。」
アナゴの体からは金色のオーラは消えていた。「はっ!!死ぬかと思った。こうなればあれを使うしかない。」
男は気合いをいれ立ち上がる。
「お前に俺の真の力を見せてやるぜ。お前はこれで終わりだ。」
男は先程腰を抜かしてヘタレていたことなどなかったように、指をビシッとアナゴに向けて言い放った。
「はあ。」
男の姿がみるみる内に変わっていく。
「ハハハハハ。俺は悪魔の実を食った能力者だたんだ。」
男は大きく潤んだ瞳を持った犬の姿になっていた。
男はイヌイヌの実モデルチワワの悪魔の実を食べていた。
「本当は俺は狼が良かったんだが、もう食べているヤツがいてな、妥協してこの力を手にいれた。どうだ、このいたいけで潤んだ瞳を持つ仔犬を攻撃することができるか?」
チワワになった男は胸を張って自信満々にアナゴに言い放った。
「フハハハハ。人間状態の私ならいざ知らず、この状態の私に情などといったあ、甘ったるい感情などお、ないわあーーー!!」
アナゴはチワワと化した男に拳を叩き込んだ。「ピギャー。」
チワワもとい男は哀れな叫び声をあげてぶっ飛び気絶した。
「はあはあ、さすがに今回は疲れたなあ。」
アナゴは人間の姿に戻っていた。
「この男はかなり強かったから連れていかなきゃいけないんだろうが、どうやって運べばあいいんだあ。」
非力なアナゴには気絶した男を連れていくというだけでもかなりの重労働であった。
「ガルルルルル。見事な戦いだったぞアナゴ。コイツらはオイラの手下のゾンビに運ばせるから帰ってもいいぞ。おつかれさん」
何処からともなく現れたアブサロムに驚きながらも労いの言葉と気遣いに感謝し、アナゴはペローナの元に帰っていった。
アナゴのなが~い、なが~い1日は終わりを迎えた。